それでは前回のあらすじ
真はジーラを追って幻想郷の端にある森へとやって、ダーラとポリオンの怪しげな取り引き現場を目撃した。
二人の後を追って行くと怪しげな研究所を発見し、二人が入っていった後にジーラが中に入っていくのを目撃する。
後を追って入っていくとダーラとポリオンが気絶し、ジーラが怪しげな機械を操作していた。
真は今すぐにでも殺したい気分になったものの、落ち着いて状況を考え、様子を見ることにした。
それではどうぞ!
side三人称
ジーラが何かを操作し始めて30分程経過しただろう。
未だにダーラとポリオンは目を覚ます気配はなく、ジーラはこっちに気が付かずに夢中で何かを弄っていた。
今なら簡単に不意を着けそうだと何度も思ったが、理性で何とかその感情を押さえ込み、ずっと様子を観察していた。
一体何を操作しているのだろうか。
ジーラが弄っているということは、この歴史改変を解決する重要な鍵になっているはずだ。
今まで何が起こったかを思い出せ。
現代では幻想郷が崩壊し、新たな幻想郷が出来上がろうとしている。
これがおそらくこの歴史改変によって出来上がった世界に移り変わろうとしているということなのだろう。
そしてなぜか幻想郷のほとんどの人が俺を敵認定していた、それもまるで俺が親の仇の様に、俺を殺さないと大切な人が殺される、幻想郷が崩壊するとでも言わんばかりの形相で俺に襲い掛かってきていた。
この歴史による強制的な洗脳に抵抗できたのは態勢がある者、俺と同じく外の世界から来た者の二種類に分かれている。
どうやらこいしに関しては正邪がなんとか説得してくれたようだが。
つまり、このことからこの歴史改変によって外の世界から来たみんなは歴史を一度改変したことがあるか、歴史改変をすることが出来る能力を持っているか、シャドウの説明だけだとこの二択に絞られてしまう。
だが、あの三人が歴史を改変できる力を持っているとは思えない。
一番ありえそうなのは音恩なのだが、音恩は機械をハッキングしたり、いろいろなものを自由自在に操ることが出来るというだけで、歴史を改変するほどの力はないだろう。
音恩にそんな力があったら俺は摸擬戦で大敗を決しているはずだ。
となると、ほかの可能性だが、今俺の脳裏に浮かんでいるほかの可能性とは、この歴史改変によって三人はこの幻想郷とは関係なくなってしまったのではないかということだ。
これが一つの俺の仮説だ。
そしてその答えがおそらく今ジーラが触っている機械にあるのだろう。
ジーラがここを去るまで監視し続ける。
ここでジーラと接触してしまってはダメだ。それこそ歴史改変になってしまう。
俺の目的はジーラがやったことを全て元通りに戻すことだ。
それにしても、どうやってジーラはこんなに過去にまで来たんだろうか。
俺は自分の能力で遡ってきたからわかるが、この場所はおそらく俺が幻想郷に来る前の幻想郷だ。つまりは、結構昔にまで遡っていることになる。
ジーラと戦っていてジーラが時戻しをできるということは知っていたけど、もしかしてジーラは時飛びまで使うことが出来るのか?
それからさらに10分ほど経過しただろうか。
そこでようやくジーラが手を止めた。
ずっと機械を操作していて肩が凝ったのか、肩をぐるぐると回すと、目の前に突如としてスキマが出現した。
内部からは懐中時計が見えることから、このスキマは時を超えることが出来るスキマのようだ。
やはりジーラは時を自力で超える能力を持っているらしい。時に関する能力があるから歴史を変えることが出来るのは分かるが、時を超える能力まで持っていたとは……。
ジーラはすぐにゆっくりとスキマの中へと入っていく。
「ふふふ、ははは、小僧、目にもの見せてやる。たっぷり絶望させて殺してやる」
ジーラは憎悪がこもった言葉をつぶやきながらスキマの中へ消えていき、スキマはすぐに閉じた。
やっぱり今回の異変の動機は俺への復讐らしい。
キルタワーで戦った時にとどめを刺しておけばよかったと後悔するが、これが後悔時すでに遅しというやつなのだろう。
俺はジーラと入れ替わりでジーラがさっきまで弄っていた機械の前までやってくると、その機械に映っている画面を見て俺は目を丸く見開いた。
「これは……俺か?」
なんとそこに映っていたのは外の世界にいる俺の姿だった。
どうやら俺のことを追尾するカメラか何かで監視されているような映像なのだが、外の世界に居た頃はそんなカメラらしきものを見かけたことはない。
となると、こっち特有の認識阻害的な何かが施された謎技術カメラか何かで撮られたものだろう。
そしてそのモニターの下には三種類の数字が入力されていた。
その数字の横にはX、Y、Zと書かれており、この数字が示すこと。俺は一つしか思い浮かばなかった。
「座標か……?」
昔は全然やっていなかったのだが、一時的に外の世界に行っていた時はこいしたちに会えない寂しさを紛らわすためにゲームをやっていた。
どこからそんなものを買う金をねん出していたかというと、警察の協力報酬のようなものだ。
そしてそのゲームにはX座標、Y座標、Z座標というものが存在していた。
つまり、俺の考え付いた答えは、この数字は座標を示しているんじゃないかということだ。
この機械の横には幻想郷のマップが用意されており、そしてそのマップには数値が記入されている。
縦横高さこの三種類の数字。
照らし合わせてみると、今入力されている座標はどうやら博麗神社の境内になっているようだ。
どうして博麗神社に? そしてこの座標はどういう意味をあらわしているんだ?
そして俺が画面に表示されている理由。
俺をこの幻想郷に最初に呼んだのは何を隠そう、ダーラたちだ。つまりは、この装置は俺を幻想郷へと転移させる装置と考えていいだろう。
そうなるとますます博麗神社に座標が指定されている理由がわからない。俺が幻想郷に来たときは博麗神社ではなく、地底で目を覚ますことになった。
どういうことだ。そこまで考えて俺はあることを思い出していた。
幻想郷に着た瞬間から俺とは全く違う人生を歩みだしたもう一人の俺――
「まさか、このまま進んだ世界は、パラレルワールドの俺の世界だとでもいうのか?」
そこでようやくすべての点と点が線で繋がった。
はい!第244話終了
実はパラレルワールドの真とはここで分岐していたんですよ。
ここで真が歴史を修正しに行かなかった世界がパラレルワールドの真の世界ということになります。
そうなると、みんなが真に敵対していた理由、なんとなくわかってきたんじゃないですか?
パラレルワールドの真の過去話、かなり前に書いたものですが覚えている人はいるんですかね。
さて、ようやくクライマックスですよ。
最終話まであともう少し。
最後までお付き合いください!
それでは!
さようなら