それでは前回のあらすじ
歴史改変の内容についてジーラの監視をしながら考える真。
そしてジーラが去った後、ジーラが弄っていた機械を見て目を見開いて驚く。
なんと、真がモニターに映し出されていたのだ。
更には座標付きの地図と座標を入力する機械。
真はこれが自分を幻想郷へ転移させた転移装置だと察した。
それではどうぞ!
side真
パラレルワールドの俺の話を思い出してみる。
俺とパラレルワールドの俺は幻想郷にやってきた時点からかなり違う人生を歩むことになっている。
その中で一番衝撃だったのは、俺が初めて幻想郷に来たときは地底で、そしてパラレルワールドの俺が幻想郷に初めて来たときは博麗神社なんだとか。
つまり、この博麗神社に座標指定されているというのはつまり、この先の未来がパラレルワールドの俺ということになる。
そう考えるとみんなが俺に敵対してきたことにも納得がいく。
「つまりは、このまま進んだ先の未来で俺が敵になっているっていうことか。そして歴史改変によって記憶が改ざんされてしまって、俺の時間軸では俺は敵対していないというのに、みんなが敵対してきたっていうことか……本当に面倒なことを思いつくな」
あの能力は本当にジーラにだけは渡してはいけない能力だったと思う。
時を戻してみたり、時渡りしてみたり、一人間が持っていちゃいけない能力でしょうよ。
あれは悪用しようと思ったらいくらでも悪用できる。だが、おそらくジーラは俺に対する復讐の身を考えてこの作戦を考えたんだろうから、そのほかの悪用については思いついていなかったのだろう。
本当にそれ以上の悪用を思いついていなくてよかった。
もしかしたら俺が歴史を元に戻すことさえできないほどの改変をされていた可能性がある。そうなっていたら今度こそ幻想郷の終わり、手の打ちようがないというやつだ。
だが、この程度ならば大丈夫だ。
座標のことも少し外の世界に居たときに機械関係をかじったことがあるから理解できる。
このくらいならばなんとかなりそうだ。
とりあえず俺は隣においてある地図と機械の座標を見比べてる。
それで気が付いたんだが、どうやらこの地図は後でおかれたものらしい。最初から置いてあるものにしてはしっかりとした場所に置いていないため、これはジーラが持参したものなんだろう。
となると、ジーラはここにこれらを忘れていった間抜けっていうことになるな。そのおかげでこの座標の問題は何とかなりそうだからいいんだけど、やっぱりジーラはどこか抜けているようだった。
でも、これがジーラが持参したものなのだとしたら、どうやってダーラたちは俺の転移座標を指定したんだろうか。
ジーラが持参した座標付きの地図、そして座標を入力するための入力盤。どう考えても矛盾している。
そもそもとして俺を仲間に引き入れたいのだとしたら、俺をこの場に転移させてこの幻想郷のことを何も知らない状態で俺に付け込めばよかったんだ。
どうして俺は地底に転移したんだ? ずっと疑問に思っていたんだ。
そしてダーラたちは俺を仲間に引き入れることが出来なくなったから仕方がなく俺のクローンであるダーク、今でいうライトを作り出したんだ。
そう考えるといろいろとおかしくなってくる。
「くそ、最初の状態がどんな状態なのかわからねぇから、どう直したものか……」
俺はジーラが弄る前の状態を知らない。
俺が見たのはジーラが入って行って、もうすでにこの機械に細工をしている場面からだ。それ以前の状態を知らない。
せめてジーラが弄る前の状態を知っていたら……。
でも、ただ、間違いなく俺は地底に転移しているため、とりあえず地底の俺が目を覚ました個所を指定しておけば間違いはないだろうと判断して、地底のマップを見てみる。
地上、地底、天界の三枚の地図に別れており、それぞれ高度が違う。
地上は0以上、地底はマイナス以下、天界は更に地上から飛んでもなく高度の数字が大きくなっている。
俺の初めて幻想郷にやってきた時の場所は地底の何の変哲もない岩場だ。
地底街の端っこの方にある場所で、子供たちの遊び場になっている場所だったりする。
たまたま俺が目を覚ました時には誰も居なかったが。いや、俺が居たから警戒して来なかったのか? でも、そのパターンだと、地底には人喰い妖怪も居るし、食べられそうなもんだけどな。
とりあえず俺はその岩場の座標を探す――とはいっても俺は岩場の座標なんか知らないし、地図を見てもどこが岩場の場所かなんてわからない。
俺は意外と地図を見るのが苦手だったようで、この場所がここだからと結びつけるのに少し難儀してしまう。
でも、これをやらなければ幻想郷は終わってしまう。
もしかしたら全く正確な座標じゃなくても幻想郷は元に戻るのかもしれないけど、シャドウが口を酸っぱくして言ってきた不用意に歴史を変えるなという言葉が俺にそれをさせないでいる。ずっとその言葉が頭の中でぐるぐるしているんだ。
正確な座標じゃなかったら歴史改変ということになってまたおかしなことになってしまうかもしれない。今度は歴史を元に戻す暇もなく幻想郷が終わりを告げてしまうかもしれない。
ここは慎重になるべきだ。
そう考えて俺は地図をじっくりと見る。
この部屋が薄暗いことも見辛い原因になっているだろう。
その時だった。
「何だお前、どこのどいつだ!」
「っ、だ、ダーラ」
なんとさっきまで眠っていたダーラが突如として起き上がって俺の方へと顔を向けてきた。
薄暗いせいで表情は読み取れないが、相当まずい状態になってしまっていることは確かだ。なにせ、この場所にはダーラとポリオンしかいないはずなのに、そのほかの人が居たらその人物は間違いなく侵入者か敵対人物だ。
俺は敵対人物に含まれている。
まずい、このままだとダーラには素性がばれているから歴史がまた変わってしまう。俺がここで拉致されてしまう!
また気絶させるべきか? いや、一回ジーラによって気絶させられてしまっている。だから二回目気絶させてしまったらまた何が起こるか分かったものじゃない。
おちつけ、落ち着いて冷静に状況を打破する方法を考えろ。
「お前は誰だ! 名を名乗れ! 目的はなんだ!」
なんだ? なんなんだ?
ダーラはさっきから俺に名乗るように言って来るが、ダーラは俺を狙っていたのだから俺の顔を見ればすぐに俺だということがわかるはずだというのに、どうしてだ?
……そうか、薄暗さか!
この建物内部が薄暗いせいで俺の顔があんまり見えていないのか。
だからダーラは俺のことがわからなくてさっきから名前と目的を聞いてきているんだ。
なら、俺は口を開かない方がいいだろう。声を知られていた場合、俺がばれてしまうかもしれない。それとフードをかぶってなるべく顔を見られない様にする。
「さっきから黙ってどうした? 侵入したっていうことは覚悟はできているんだろうな」
希望はまだ、潰えていない……っ!
はい!第245話終了
真大ピンチ、と思いきやダーラは真を認識できていないみたいですね。
薄暗いお陰で助かりました!
さて、まだ真は気が付いていないことがあります。
真相解明までもう少し!
それでは!
さようなら