それでは前回のあらすじ
ダーラに見つかってしまった真。
真はダーラに気が付かれないように口を閉ざすと、ダーラは自身の過去と目的を語り始める。
そして真はついに最後の秘密に辿り着いた。
それではどうぞ!
side真
ダーラの戦い方は弾幕を飛ばしてくる戦い方だ。だからあの手のひらから弾幕を飛ばしてくるはずだ。
正直この狭い空間で弾幕を放たれて回避出来る自信があるかと言われたら、そんなに自信は無いのだが……。
だが、ダーラもここではやたらめったらに弾幕を打つことは出来ないだろう。なにせ、ここには重要そうな機器がびっしりとあるのだから、そんなところで弾幕を乱射したら、この機械たちを壊してしまうかもしれない。
落ち着け、落ち着いて状況を分析しろ。観察して最適な動きをしろ。
徐々にダーラの手のひらに霊力が集まっていき、球状に形成されていく。
そしてそれは一般的な弾幕の大きさから逸脱し、巨大な霊力弾となってしまった。
あんなものが機械に直撃したら周囲の機械も一緒にお陀仏だ。あいつ、何を考えている。
こんな室内で使っていい威力の弾幕じゃないぞ。
「まさか、お前はこの部屋を見てしまって、ただで帰してもらえると思ったか? お前は今日ここで死ぬ」
「っ」
そこでダーラは一歩踏み出したかと思ったら、思いっきり床を蹴って俺との距離を縮めてきた。
そしてそのままその手に作り出した弾幕を俺の腹に押し付けてくると、手首をぐるっとねじって指を下方向に向けた。
「ぐぅっ」
俺はとっさにクレア装で防御してダメージを小さくしたが、想定外の攻撃に俺は少し反応が遅れてしまっていくらかダメージを食らってしまった。
そしてその直後に俺の視界はぐるっと半回転して、天と地が逆さに見える。
俺は気が付いた。俺は今、上下反転してしまっている。ダーラが手首をねじった瞬間に俺の体ごとねじられてしまったようだ。
このままじゃ頭から叩き落されてしまう。
クレア装を使えばこのダメージも防げるだろうが、内部への衝撃を防ぐことはできない。頭に食らうのは勘弁願いたい。
だから俺は足からさらに回転方向へと霊力を噴射して元の向きへと戻すとダーラの腕を弾いて、ダーラのことを蹴り飛ばした。
さすがに今のは焦った。
まさかダーラが近接戦を挑んでくるとは思わなかった。いや、この部屋のことを考えると近接戦をしてくると予想はできたはずだ。
俺の中で昔のことがずっとぐるぐるとしていて、そのことがずっと頭から離れないんだ。だからこそ、ダーラは遠距離攻撃をしてくるという固定概念が植え付けられていて、近接戦のことが一瞬も頭によぎることはなかった。
「く、少しはやるようだな」
しかし、今の一撃はクレア装を使ってもまぁまぁダメージがあったな。
ヒリヒリとする腹を
さすがはダーラだな。
あの時だって
今だって気を抜いたらやられてしまったとしてもおかしくは無い。
「霊力量は少ないが、その扱いは上手いみたいだな。それは認めてやるよ」
今、俺が霊力を隠しているからダーラは俺を舐めきってこの程度の攻撃をしてきているが、俺の本当の実力がバレてしまったら、恐らくダーラは本気で殺しにくるだろう。
そうなったら俺も手加減はできなくて、本気の殺し合いになってしまうかもしれない。
それはダメだ。
ダーラにとっては俺を殺すだけの簡単なお仕事なのかもしれないが、俺にとっては自分が死ぬのはもちろん、ダーラを殺すのもダメなんだ。
ダーラを殺したら恐らく取り返しのつかない歴史改変が怒ってしまう。
どうする、どうすればいい。
この状況でダーラに危害を加えず、尚且つこの歴史改変を元に戻すには……。
「お前は少しは出来るようだが、俺が少し本気を出したらどうだ?」
そう言うとダーラは周囲に四個程の弾幕を作り出してきた。
あの弾幕はさっき手のひらに作っていた弾幕よりは小さいが、それでも霊力の密度が常人のそれを大きく超えている。
やっぱり強い。
だが、恐らくクレア王を纏ってぶん殴ったら簡単に弾き飛ばすことは可能だろう。
しかし、それをしても何の解決にもならない。
今の状況で俺が機会に触れることは不可能。
そして今俺はダーラに攻撃されそうになっている。
「今度こそはお前の息の根を止める。お前は知っちゃいけないことを知ったんだからな」
「ひとついいか」
「あ? 遺言か?」
俺は声でバレないように声を低くして話した。
「お前は何があってもこの計画を辞めるつもりは無いのか?」
「ああ、辞めるつもりは無い。必ず目的を達成する!」
「そうか、安心した――お前は必ず俺が殺す」
「く、出来るもんならやってみろよ!!」
そこでようやく弾幕を飛ばしてきたのを見て俺は動き出した。
あの霊力の動きはこの幻想郷に来て何度も感じ取ったことがある。特に強者の弾幕に多い特徴があった。
これは、この弾幕は――ホーミングする!
俺が回避すると慣性の法則によって少し俺を通り過ぎたところからカーブを描いて再度俺の方へと飛んできた。
やっぱり俺の考えた通りのことが起きた。
そして、これが俺の歴史修正だ。
再度俺は弾幕を回避する。
普通ならもう一度同じことになるだけだろう。
だが、俺の後ろにはあるものがあった。
「な、なにぃぃぃっ!?」
そう、ダーラが大切にしていた転移装置だ。それも、その座標入力装置へと向かって飛んで行っている。
これが俺の考えた説。
あの装置自体がジーラの持ち込んだものだということだ。
さすがにホーミングする弾幕とはいえ、急に曲がることは出来ずに転移装置に弾幕が直撃。
すると綺麗に座標入力装置のみが破壊され、地面に剥がれ落ちた。
――完了だ。
はい!第247話終了
はい、過去編はもうちょっと短くなるかなと思ってましたが、意外と長くなりました。
ちなみにこれは前日に慌てて書いたのでミスがあるかもしれませんが、誤字などは誤字報告を利用して教えて下さると幸いです。
それでは!
さようなら