ついに小説投稿して3周年です!
いつも読んでくださっている皆様、ありがとうございます。
出来れば感想などを下されば僕の執筆意欲向上に繋がるので、感想が欲しいんですけどね。
まぁ、それはさておき、今回は無意識の恋 Second stage 幻想郷の守り神達の第二弾。
アンケートを取ったところ、シャロがいいと言う意見が御座いましたので、今回はシャロの過去編です。
燐火編と同様にこの話は読まなくとも本編を楽しむことは出来ますが、読んだ方が面白いというのは確かだと思いますので、読んでくださいお願いします。'
ということで、
それではどうぞ!
これは幻想郷の外の世界の話。
当時、世界は戦争の真っ只中。
人の命を奪い、奪われる。そんな世の中。
そんな世の中で私は平和を願っていた。戦争なんて無くなってしまえばいい。
そう思っても、この世の中は戦争を辞めない。私一人が思ったところで、そこはどうにも出来ないのだろう。
ならば、世界を変えることのできる人物になればいい。
戦争のない、平和世の中を作りたい。だけど、そんなことが出来るのは神様くらいなものだろう。
ならば――
私は目を覚ます。
場所は防空壕の中、冷たい石の壁や天井を見ながら起きる。なんとも寂しい場所だが、私たちが生きるにはここしかないのだ。
「ご飯よ」
お母さんが呼んでいる。
どうやら朝ごはんのようだ。といっても、こんな戦争の真っ只中では満足に食事を取れるはずもなく、毎日保存が効く缶詰だ。
でも、なかなか美味しいのもあるので、私はそんなに嫌ではない。だけど、お母さんは私に泣いて謝るのだ。
『満足にご飯を食べさせてあげられなくてごめんね』って
それを見る度に私の心は締め付けられる。苦しくなる。
こうなっているのはお母さんのせいじゃないのに、お母さんは私に謝り倒す。
そんなお母さんを見ていると、悲しくなってくる。
世界はものをかけて戦争という名の殺し合いをする。そうすれば大勢の犠牲者が出るし、どちらにも多大な被害が出るだろうだと言うのに、世界は戦争を辞めない。
私は平和を願う。だけど、平和を願っているだけではダメだ。そう思った私はお母さんのために、戦争にいって死んだお父さんのためになにができるかを調べることにした。
そんなある日の事だった。
「シャルロット。お母さんは少し食料を調達してくるからこの中でいい子にして居るのよ」
そういい残し、お母さんは防空壕の中から出ていった。
言われて食料の入っていた棚を見てみると確かに残りあとわずかとなっていた。
食料の缶詰に関してはお母さんが定期的に防空壕からでて集めてきている。かなり危険だけど、生きていく上では仕方の無いことだ。
そして、私はお母さんが帰ってくるのをじっと待っている。何もすることがないので、お父さんが昔良くやっていたという将棋を取り出してきて、一人でもできる崩し将棋を始める。
これくらいしか暇を潰せるものは無いけど、この時間は嫌いではないので、別に苦痛ではない。
だけど、それから一時間、二時間、五時間、十時間、二十四時間と経過しても一向にお母さんが帰ってくることは無かった。
それでも私は待ち続けた。
私は薄々勘づいていた。外に出た場合、どのような危険があるかという事をお母さんに嫌という程聞かされたからである。
これも平和じゃないからこそ怒った悲劇。それによって私は異常なまでに平和に固執するようになった。
そんなある日の事だった。
部屋の中にある本を読んでいた時の事だった。
なんと、とあるページに神力水というものの紹介が乗っていたのである。
その紹介文にはこう書かれていた。
『飲めば自分の思ったことが出来るようになる』
この一文を読んだ私はこの神力水を手に入れることを誓った。
この神力水を手に入れることが出来れば、この奪い奪われるこの世界を何とか出来るかもしれない。私はそう考えたのだ。
神力水はとある山の中にあるらしい。ということで、私は勇気を振り絞ってその防空壕の中から飛び出して山に向かった。
どうやら今は上空にヘリはいなく、今ならば行動出来そうだ。そう思ったため、急いで行動を開始する。
目的の山に向かってかなり長い道のりだけど、戦争相手のメンバーに見つからないように行動する。
見つかったらその瞬間、私の野望は朽ち果てる。そして、この世界はこのままだ。
そうして、何とか辿り着いた時にはもうヘトヘト状態となっていた。
神力水があると言われている洞穴に辿り着いたには着いたが、もう一歩も動く気力が無くなっていた。
だけど、私は最後の力を振り絞って洞穴の中を進んでいく。
恐らく最奥にたどり着いただろう。だけど、私は絶望した。
なかったのだ。神力水らしき水などどこにも無かった。
私はもうダメだと思い、地面に倒れ込む。死を覚悟した。
私はもうここで死ぬのだ。
「ごめんなさい、お母さん。私ももうすぐそっちに行きます」
そして、強く願う。力が欲しいと。力があれば、こんなことにはならなかったから。
その瞬間だった。最奥の壁が光り始め、小さい窓のように石が開いたのだ。
そこから覗いているのは小さな小瓶だった。
青緑の本当に小さい小瓶。
私は何もしていないのに、勝手にその場所が開いたのだ。とても信じられない光景に私は息を飲んだ。
そして、最後の希望に縋るように私はその小瓶を手にする。
中を覗いてみると、その中には液体が入っていた。
色的には水のような透明感のある液体。だけど、これじゃなかったらもうどうすることも出来ない。
そして、私はその中の液体を飲んだ。その瞬間だった。
なんと、体が燃えるように熱くなってきたのだ。
「何これ……」
もしかして毒だったとか?
だとしたらもうここで死ぬ。でも、どっちみち私は死ぬ運命だったのだからどうでもいいか。
諦めて仰向けになって地面に倒れ込んだ。
暫くすると、熱さもなくなり、さっきまでの疲労も全く感じなくなっていた。
そして、力が湧いてきているのを感じた。
『お前はどのような力が欲しい』
力に気を取られていると、急に声が聞こえてきてビックリする。
でも、その答えは既にあったので、迷わずにその問いに答える。
「誰も傷つけることのない、優しい力が欲しい」
その瞬間、私はさらに力がみなぎってくるのを感じた。
『お前には空間を移動する力と対象を治癒する力を付与した』
これが私の人を傷つけることのない力。
やっと手に入れることのできたその力。早速試してみることにする。
手を縦に振ると空間が裂け、そこに何か怪しげな空間が出現した。
怪しく思いながらもその中に入るとその次の瞬間には私おもといた防空壕の中にいた。
どうやらこれは移動能力らしい。
これを使って治癒して回れば失われる命も減るはず。
こうして私はこの能力を使って各地で治療して回った。
その数ヶ月後、戦争は収束する。そして、私は女神様と呼ばれるようになっていた。
どうやら治療して回っている姿が神のように見えたらしい。
いや、この力は本当に神になったのかもしれないな。
恐らく私は空間神という部類に入るのだろう。だったら、空間神らしいこととかできないものか。
そう考え、私は昔に読んだ平行世界の話を思い出す。
もしこの世界とは別の世界があるのだとしたら移動出来るかもしれない。
そう考えた私は適当に空間を開く。
行先は未定だ。だけど、この世界よりも面白い世界であることを願っている。
「へぇ、幻の大地か〜。行ってみようかな」
こうして神、シャルロットが生まれた。
そして、私はこの本名を捨て、神様として生きることにした。
その名前はシャロ。
お父さんが着けてくれたあだ名だ。
はい!シャロ編終了
シャロのあの力は戦争を無くすために手に入れた力だったんですね。
あの水は飲めば神様となり、神様の能力を会得することが出来ます。
ここからの神様たちの話はこんな感じの展開が続くと思います。
それから、次回のキャラはアンケートはせずに紅蓮を書いていきたいと思います。
考えたのですが、物語的には紅蓮の過去の方が先で、彼方を一番最後にした方がいいのです。時系列的な問題ですね。
まぁ、シャロと紅蓮はどっち先でも良かったのですが。
それでは!
さようなら