無意識の恋 Second stage   作:ミズヤ

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 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 紅の殺し屋が殺しを働いたせいで温泉郷が休みになったためこいしとデートに出かける真。

 その時、紫に次のターゲットは古明地姉妹だと告げられる。

 そして真はこいしを守ることにする。

 ついに燐火との決戦。さて、どうなるのか?



 それではどうぞ!


第31話 燃え盛る地霊殿

side真

 

 カキィィン!

 

 俺と燐火は剣を交えていた。

 

 流石はプロの殺し屋。刀が重い。

 

「夜襲とは礼儀がなってないな」

 

 そして何発か斬りかかってくる。

 

 流石だ。猛攻が凄すぎて中々勝負に出れない。

 

「私は殺し屋。人殺しにルールなんか必要?」

 

 そして俺はふっと笑って

 

「全くだ」

 

 そして燐火を押し返す。

 

 しかし、場所が悪いな。

 

 こいしの部屋がボロボロだ。

 

 そんなことを考えながら刀を受けていると、不意に足払いを食らって倒れる。

 

 そこを狙って燐火は胸に刀を突き刺してきた。

 

「ぐはぁっ!」

 

 いってぇぇぇっ!

 

 この能力の欠点と言えば、ダメージは少なくなるけど痛覚は通常通りなんだよ。

 

「ゲームオーバー」

 

 そう言って燐火は俺から刀を抜く。

 

 そしてすぐさまこの部屋から出ていった。

 

「どうすっかなぁ…」

 

 取り合えず

 

「殺させねぇよ。俺の仲間は誰一人」

 

 そして拳を握って天高く突き上げる。

 

 だけど多分だが霊力刀だと勝てない。

 

 やっぱりあいつの力が必要だ。

 

「【神成り】!」

 

 そう言うと壁を突き破って神成りが飛んできた。

 

 それを俺は腹の前で柄を掴んでキャッチする。

 

『呼ばれて飛び出てじゃじゃじゃじゃーん!』

 

「もっと普通の登場の仕方は無かったのか?」

 

 そして一回転させてキャッチする。

 

「まぁ良い。出動だ」

 

『りょーかい!きっちりバッチリ倒しにいくよー!』

 

 全然緊張感が無い。

 

 だがそのお陰で俺の緊張感がほぐれてきた。

 

 燐火の現在地は…

 

「まずい!さとりの部屋の前だ!」

 

 これは躊躇(ためら)ってる場合じゃない。

 

 やるしかないんだ。

 

「ごめんみんな」

 

 そして俺は刀を弓矢のように構えて足を引く。

 

「神速《閃光斬り》!」

 

 そして俺はさとりの部屋の方向に壁床貫通しながら向かった。

 


sideさとり

 

 私は今、部屋で作業をしていた。

 

「上が騒がしいわね…」

 

 暫くの間、金属がぶつかり合うような甲高い音が聞こえたあと、急に鳴り止んだ。

 

 何か殺気が混じった…いえ、殺気しかない霊力の持ち主が来てるわね。

 

 そしてその殺気の持ち主はドアの前で止まった。

 

「気がついてるのよ。入ってきなさい。まぁ、大方私の抹殺…と言ったところね」

 

 おかしい…心が読みづらい。

 

 こいしや無意識状態の真よりまだ良いけど、凄く読みにくい。

 

「ふふっ。バレてたのね…」

 

 そうしてドアを開けて入ってくる。

 

 容姿は紅の殺し屋そのもの

 

 まさか

 

「今日はあなた達。古明地姉妹の息の根が止まる日」

 

「古明地姉妹?あなた、まさかこいしも」

 

「古明地妹は謎の男によって阻止された。だがあなたは今一人」

 

 その瞬間、腰から刀を抜いて一瞬で詰め寄ってきた。

 

「チェックメイト」

 

 殺される!

 

 そう思った瞬間、壁が壊れる。

 

 そしてその中から誰かが紅の殺し屋に斬りかかる。

 

 それを紅の殺し屋は防ぐ。

 

「殺させねーよ。俺の仲間は誰一人!」

 

 壁が壊れて出来た煙から真が出てきた。

 


 

side真

 

「また…あなたですか…最近よく会いますね」

 

「は?これで会うのは二回目じゃないのか?」

 

 さっきと今と

 

 何でよく会うって言ったんだ?

 

 俺は疑問を浮かべながら燐火を押す。

 

「じゃあこれで思い出せるかな?」

 

 そして俺を弾き飛ばして、刀を下向きに下ろして俺の方向に走ってきた。

 

 俺は身構えて神成りでガードする。

 

 しかし、それを無視して燐火は刀のすぐ前で止まって身を乗り出して耳元でこう(ささや)いてきた。

 

「あなたは人生が楽しい?」

 

 その一言で俺は思い出した。

 

 こいつ、屋台の

 

「あなたはこう聞きましたよね?私の赤の人生の意味」

 

 それは…

 

 その回答は思いもよらぬ回答だった。

 

 その答えに思わずゾッとする。

 

「それは血の赤って意味。残虐、殺戮、そんな争いによって生まれた血。私にピッタリだと思わない?」

 

 口調は喜怒哀楽を作っているが、表情が一切変わらない、そして霊力も相変わらず殺気に満ち満ちている。

 

「ねぇ、そこを退いてくれない?じゃないとそいつ殺せない」

 

 すると有無を言わさず腹を刀で刺してきて貫通する。

 

「くはっ」

 

 吐血。

 

 俺は腹を貫通しながらも、痛みに耐えながら体制を崩さない。

 

「やっぱり。能力者だったのね」

 

 そう言った瞬間、燐火の髪の毛がギラギラと輝き初めて、フードの外に出てる揉み上げはふわぁっと浮き上がる。

 

 そして燐火が手のひらを上に向けると手のひらから火の玉が出てきた。

 

「お前!」

 

「この火を落としたら、あなたはともかく、彼女はどうなるでしょうね?」

 

 そう言って火の玉を床に叩きつける。

 

 すると一瞬でさとりの部屋は火の海へと変貌した。

 

「あっつ」

 

 しかし、彼女は熱さは平気なのか平然と立っている。

 

 すると熱さにやられたのかさとりが倒れた。

 

 まずい。早くさとりを連れて逃げないと

 

 そしてさとりを抱える。

 

『なんか不味くない?真』

 

「ああ、これは極限にヤバい状況だな」

 

 この部屋には何故か人が通れそうな大きさの窓がない。

 

 先ほどの穴も燐火が立ちふさがっている。おそらく壁を破壊しようとしたらまた防がれるだろう。

 

 ならドアから

 

「それはナンセンスだよ」

 

 そしてドアもメラメラと燃え始める。

 

 ドアノブがギラギラと赤くなってる。

 

 生憎ドアを破壊しようとしても、さとりが防音室を好むせいで、厚い鉄の扉になっている。

 

 今はただの鉄の板だ。

 

 こんな高温の物を切ったら、紬が大火傷を負う可能性がある。

 

「見ててくれよ。これが俺の男気だ!」

 

 そして高温のドアノブを握る。

 

「ア゛ァァァァッ!」

 

 あまりの熱さに大声が漏れる。

 

『真!?』

 

「遂に気が狂ったか」

 

 く、ここで諦めちゃダメだ!

 

「はぁぁぁっ!」

 

 そしてドアノブが回る。

 

 回ったのを見て、勢いよく開けて部屋から飛び出す。

 

 逃げてるとき、後ろを見たが追ってきては居なかった。

 

 そして建物の外に出てきた。

 

 あの地霊殿がメラメラと燃えてる。

 

「お兄ちゃん」

 

 すると既にそこにはみんなが居た。

 

「みんな…くっ」

 

 と、俺はドアノブを握った手を見る。

 

 するとまだ煙をあげていた。

 

 赤くなって血が出てる。

 

 妖怪でも火傷の傷は治せないんだよな

 

 そしたら龍生が覗き込んできた。

 

「ひどい火傷じゃねーか」

 

「そんなことより、さとりを頼む」

 

「そんなことよりってお前…わかった生きて帰ってこいよ」

 

 何故その言葉を言ったのか分からないが、多分龍生には伝わったのだろう。

 

「ああ、言ってくる。紬も着いてきてくれるか?」

 

「もっちろん!」

 

 そして俺は地霊殿裏の森へと走っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何で他人のためにあんなに自分を犠牲にできるの?私は知りたい。あなたの思考回路すべてを…まだ殺すよ。あなたのすべてを知るまでは」




 はい!第31話終了

 今回は燐火対真

 鉄を超高温で熱すると真っ赤になるんですよねー。あれを握ったってことです。

 考えただけでも…

 それでは!

 さようなら

現在出てきているヒロイン(オリジナル)の中で一番好きなのは?

  • シャロ
  • 金糸雀優
  • 燐火(菜乃花)

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