無意識の恋 Second stage   作:ミズヤ

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 はい!どうもみなさん!ミズヤです

 今回は前回の選択肢、『止めをささない』の、続きです。



 それでは前回のあらすじ

 ついに燐火との最終決戦

 最初こそ劣勢だったものの、途中で現れた数々の仲間の力を借りて、何とかピンチを脱する。

 かと思いきや、何と火が消化されたときの煙で竜巻を作り出して襲いかかってきた。

 そして何とか竜巻ごと燐火に攻撃を与えることに成功し、倒すことに成功。

 果たして真は燐火に止めをさすのだろうか?



 それではどうぞ!


第35話 決着、そして ~止めをささない~

side真

 

「真!止めをさせ!」

 

 と言う声が聞こえてくる。

 

 本当に殺しても良いのだろうか?

 

 今ここで殺したら後悔するのではないか?と言う気持ちが俺のなかで渦巻く。

 

 その時、

 

「あいつはお前の彼女のこいしを殺そうとしただけにとどまらずさとりも殺されそうになり、多くの人がそいつに殺されたんだぞ!」

 

 その瞬間、俺の中で何かが吹っ切れた。

 

 こいしを殺そうとした…それは俺にとっては許せることじゃない。

 

 俺は光のない目で燐火を見た。

 

 そうだ…殺そう。世界の害悪は…すべて

 

 そして俺の思考は殺意に支配された。

 

 その時、

 

 燐火が一度だけ動揺したことを思い出した。

 

 何でこんなときに思い出すんだよ…

 

 真っ暗な空間でひたすら地面を叩き続ける。

 

 その時、

 

『真。自分が正しいと思う道を歩めばいいと思うよ』

 

 と、どこからともなく聞こえてきた。

 

 この声は?

 

『さぁ、真。真はどうしたいの?』

 

「お、俺は…燐火を殺して…ぐっ」

 

 急に頭痛が俺を襲った。

 

 確かめたい。あの動揺の理由を

 

「俺は…俺は!」

 

 ピキピキと真っ暗な空間にヒビが入っていく。

 

 そして

 

 パリーンと空間が割れて光が俺を包んだ。

 

 俺は…殺らない。

 

「確かめるんだ。燐火の動揺の理由を!」

 

『そう、それでいい』

 

 その次の瞬間には元の場所へ意識が戻っていた。

 

 霊力刀は手のなかには無かったが、胸に片手で柄を握ってもう片方で押し込むような形で持っていた。

 

 あと少しで燐火の胸に刀が突き刺さると言うところまで来ていた。

 

 そこで俺は踏みとどまる。

 

 そして刀を投げた。

 

「紬」

 

 そう言うと神成りは紬に変わって俺のとなりに降り立つ。

 

「真!どうして!」

 

「情けは要らない。殺すならころ」

「黙っていろ!」

 

 俺がそう言うと萎縮して静かになった。

 

「俺は…こいつを殺さない…俺はこいつが無理にやらされてるように見えたんだ」

 

 そして燐火とみんなを交互に見る。

 

「知りたいんだ。この事件のすべてを…ここで終わらせたら何もかもを失う気がするから!」

 

 そう言うと窓からこいしが顔を出した。

 

「ふふっ。真らしいね」

 

 そして飛び降りてきた。

 

 俺はこいしをお姫様だっこで受け止めて地面におろす。

 

「ねぇ、教えてよ。何があったの?」

 

 言い渋ってるような感じだった。

 

 伝えたいけど伝えれない。そんな感じだ。

 

「まぁ、仕方ないね。私の敗けだもんね」

 

 すると燐火は話し始めた。

 

「私は小さい頃にさらわれたの。そして私は人身売買にかけられた」

 

 同じく燐火の友達、楓花(ふうか)と言う少女もさらわれて人身売買にかけられてしまった。

 

 燐火はその後、ある男性に買われたと言う。楓花も同様に

 

 燐火はその家であることを強いられるようになる、それが殺し。

 

 人殺しを躊躇することなく行えと言うものだった。

 

 逃げ出したかったが逃げられなかった。

 

 逃げれば楓花が殺されるから。

 

 楓花と燐火は隔離されてしまい、燐火が10年間休まずに殺し屋として仕事をし続ければ楓花と燐火を解放すると言う条件を提示された。

 

 だから今の今まで人殺しをしたくなくてもしているんだとか。

 

 だから心を無にして戦っていた。

 

 心を無にしているといつの日にかクレアが使えるようになっていた。

 

 そしていつの間にか強くなってたと言う。

 

「あと一年だったんだけどな~」

 

 と、遠い目をする。

 

「けどもういいや…じゃーね。私はもう殺しもしないし、あなたたちにも関わらない」

 

 そう言ってどこかに走り去ってしまった。

 

「良いの?追いかけなくて」

 

「ちょっと行ってくる。今日はもしかしたら帰んないかもな」

 

 そう言って俺も走っていく。

 

 んじゃ。行きますかね。

 


 

side燐火

 

 負けてしまった…

 

 初めて仕事で負けた。

 

 これは大失敗だ。

 

 帰ったら恐らく私と楓花は殺される。

 

 あと一年だったのに…

 

 楓花…ごめんね

 

 と、涙を流す。

 

 海藤って言ったっけ?

 

 あの人みたいな仲間が私の仲間が居たらこんな風にならなかったのかな?

 

 そして歩いているうちに丘についた。

 

 そこで蹲る。

 

 すると自然と目から涙が溢れ出してきた。

 

 この9年間の地獄から解放されるかもしれないと言う安心と、申し訳ないと言う気持ちと、殺されるかもしれないと言う恐怖から涙が出てくる。

 

 それにしてもあの時の威圧

 

『黙っていろ!』

 

 いや、そんなはずはない。

 

 だってあれはクレアの中でも最上位、力神でも習得するのが難しくて破壊神位しか使えないと言われてる。

 

 だから多分私の勘違い…

 

 それより、もう少しここで心を落ち着けたい。

 

 もし今、あのメンバーに会ったら私が私でなくなるような気がするから。

 

 特にあの海藤に

 


 

side真

 

「ったく、どこ行ったんだ?」

 

 俺は燐火が走っていった方向だけを頼りにして歩いていた。

 

 すると俺は開けた丘に出た。

 

 そこにいた。

 

 真ん中で蹲っていた。

 

「燐火!」

 

 俺がそう呼ぶと燐火は一瞬肩を震わせてからゆっくりと振り返った。

 

 目が腫れていた。少し充血していて目尻には涙がたまっていた。

 

 すると、慌てて目尻を拭く燐火。

 

「何よ。私にまだ何かあるの?」

 

 と、クールを繕う燐火。

 

 ただ俺には少し弱々しく見えた。

 

「良いのか?俺を殺さなくて」

 

 そう言うと燐火は少し自嘲気味に笑った。

 

「私はあなたに負けた。私はこのままきっと解雇だけじゃ済まないでしょうね」

 

 そうして立ち上がり、去ろうとする。

 

 しかし、俺は手首を掴んでそれを阻止する。

 

「離して!」

 

「離さない」

 

 何とか俺の腕を振りほどこうとするが俺は決して離さない。

 

「このまま君を帰したらダメな気がするから」

 

 すると、大人しくなった燐火

 

「あなたに何が出来ると言うの!」

 

 と、うつむきながら怒鳴るような口調で言ってくる燐火

 

「俺が君を救う。君の雇い主を倒して君を自由にする」

 

 すると、その真っ赤な髪が一瞬フワッと舞い上がった。

 

 そして

 

「そんなのダメだよ。あなたの方が殺されるよ」

 

 燐火は止めるように説得してくる。

 

「その言葉。俺を殺そうとしてた人と同一人物だとは思えないな」

 

「とにかくダメ!」

 

 と、子供っぽく言う燐火。

 

 まだ女の子だもんな。

 

 そんな子にこんな現実はあまりにも辛い現実だろう。

 

「どうしても行くと言うなら…私があなたを殺す!」

 

 そして剣を取り出して斬りかかってくる。

 

 それを俺は霊力刀で剣を防ぐ。

 

「おりゃぁぁぁっ!」

 

 しかし、それを軽々と防ぐ。

 

 燐火は半ば自棄になっているようだった。

 

 そんな無理矢理な剣筋に負けるほどデタラメな修行は積んでない。

 

「今の君の剣には覇気が感じられない。なぁ、繕うのはもうやめにして本音を教えてくれよ」

 

 俺がそう言うと燐火は剣を落としてしまった。

 

 そして俺も刀を消す。

 

 すると、燐火は抱きついてきた。

 

 そして俺の胸に顔を埋めて泣き出した。

 

「わた、しは。もう人を殺したくない!」

 

 やっと本音を聞けた。

 

 俺はそれだけで充分だった。

 

「そうか…そうか…」

 

 と、俺は頷く。

 

 だが俺は穏やかな口調で合いの手を打つものの、心は激しい怒りに満ち満ちていた。

 

「もう、縛られるな。お前の意思で行動しろ。自分でやりたいと思うことをするんだ」

 

「う、うう…」

 

 あの紅の殺し屋が泣いた。

 

 あの冷徹無情。感情を持たず、ただただ目標(ターゲット)を殺すことしか考えていないと思われてきた人物が泣いた。

 

「さぁ、一緒に自由になろうぜ″燐火″」

 

 そう言うと俺の服を掴んでる手の力が強くなったような気がした。

 

「俺が倒すよ。君の雇い主。君の地獄の日々、すべての元凶を」

 

 そして俺は優しく包容する。

 

 俺は元凶を絶対に許さない。

 

 死よりも恐ろしい目にあわせてやろう。

 

 その時、

 

 クゥー

 

 と言う可愛らしい音が鳴った。

 

 その瞬間、燐火の顔が耳まで赤くなった。

 

「わ、私じゃない」

 

「いや、まだなにもいってないんだけど」

 

 盛大に墓穴を掘ったな。

 

「まぁ、確かに腹が減ってきたな。よし!」

 

 そして俺は立ち上がる。

 

 それにつられて燐火も立ち上がった。

 

「一緒に飯を食いにいこうぜ。俺が奢るから気晴らしになるかも分からないけどいっぱい食べても良いぞ」

 

 そう言うと満面の笑みを浮かべて

 

「うん!」

 

 その姿は年相応の女の子だった。

 

 to be continued




 はい!第35話終了

 今回は止めをささないでした!

 どうでしたか?

 他の話よりも妙に文章に気合いが入っているような気が

 何か書いてる間に真と燐火のやり取りが楽しくなってしまいました。

 やっぱり何事も楽しくやるのが一番ですよね。

 それでは!

 さようなら

現在出てきているヒロイン(オリジナル)の中で一番好きなのは?

  • シャロ
  • 金糸雀優
  • 燐火(菜乃花)
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