それでは前回のあらすじ
真が一人で先に出発すると面倒な輩に絡まれる。
その輩を直ぐに撃退した真はそいつらに冬の人里の方向を聞く。
しかし、それは罠だった。
食人の森に誘い込まれてしまった。
果たして真は無事に抜け出せるのか?
それでは!
さようなら
side音恩
僕が目を覚ますと既に皆起きていて、騒いでいた。どうしたんだろう?
「どうしたんですか?」
そう聞くと紬さんは泣きそうな顔をしながら
「真がぁぁ。真がいなぃぃぃっ!」
僕に話した事で涙腺が崩壊したようで滝のような涙を流し始めた。
「いや、紬。燐火さんもだからね?」
紬さんにとっては燐火さんはおまけなんですね。まぁ、真さんといつも一緒で最高のパートナーって感じですしね。
ちょっと探してみますか。
そして僕はパソコンを開いて霊力探知をする。
「うーん。おかしいですね。燐火さんの霊力は直ぐに引っかかったんですが、真さんの霊力がどこを探してもありません」
そう言うと「そんなぁ」と倒れ込む紬さん。
「ですが、宛が無い訳でもないです」
「え!?本当に!?」
く、食い付きが凄い。
「はい。この森、ここから強力な磁場が出てますね。こんなに強かったら外からの霊力は勿論、中に一度入ってしまったら霊力は勿論、方向感覚まで狂わされそうですね」
正直、これは最悪の話だ。
つまるところ、この森に入ったらもう助からないだろうと言っているのだ。
だけど、あの人の不死身加減は身をもって知っている。
心臓を貫かれても死なない。毒を盛られても死なない。爆散しても死なない。
だからあの人ならケロッと帰ってくる気がして来るのが真さんの凄いところだ。
愛の為ならどんな困難な事でも乗り越えてくれそうなそんな予感が。
「おーい。お主ら」
外から妖忌さんの声がしてきた。どうしたんだろう。
「ここに地図が書かれてる。恐らく燐火殿が出ていく前に書いたものじゃろう」
そして僕も見てみると確かに雪に書かれていた。木の枝で書いたんだろうか?
そしてどうやら見てみると冬の人里への道筋が書いてあるようだった。
「とりあえず冬の人里に向かってみるのはどうじゃろう。そこに行ったら燐火殿にも会えるかもしれん」
確かに妖忌さんの言う通りだ。その方が良いかもしれない。
「とりあえず冬の人里に行こう」
真さんは一旦諦めないとこのままじゃ誰も助けに行けなくなってしまう。それだけは避けたい。
真さんとこいしさんの為にも。
「そう……だね。二人ももう着いてるかもしれないし、ね?紬も」
妖夢さんも心配のようだが僕の案に賛成してくれた。
「……」
紬さんは俯いて何も言わなくなってしまった。
こんな時にこいしさんが居たらもっと大変だ。こいしさんだったら意地でも真さんを探そうとするだろう。
「んじゃ、行きますか」
そうして不穏な空気から始まった僕達のスノーアイランドへの旅、二日目が開始された。
side真
俺は森の中で一人、ポツンとその場に突っ立っていた。
何かおかしい。
霊力もロクに使えないし、方向感覚がおかしくなってる気がする。恐らく強力な磁場かなんかで霊力を妨害されているのだろう。
こんなに磁場が強かったらこの中に居ると音恩の霊力探知も通用しなさそうだな。
はぁ……まぁ、敵の言うことをバカ正直に信じてこっちに来た俺が悪いんだけどな。
あいつらは霊力を使える。一般人では無理だ。
そこから導き出される答えは──刺客……か。
そこまで考えなかった俺が悪い。
俺の悪い癖だ。こいしに何かあったら周りの事が何も見えなくなって、何も考えられなくなる。最悪の事ばかり考えてしまう。
今もそうだ。一体何やってんだか……。
「こいし。お前の彼氏はとんでもない間抜けのようだ」
自嘲気味に言う。すると
『お前は本当に間抜けだ』
そんな声が聞こえてきた。
そんな事分かってる。俺が一番分かってる。
『これからどうする気だ?』
この森を出る。
『無理だな』
何故だ。
『何故なら、俺が逃がさないからだ!』
その声が聞こえた瞬間、全ての木々に目と口が浮かび上がって来た。
なるほど、
「この森自体が巨大な妖怪って事か」
『お前はこの俺の磁場によって縛り付けられている。逃れることは出来ない』
side燐火
一旦海藤は諦めて、私は人里に向かう事にした。
地図を書いてきたんだから、多分皆はもう人里に向けて出発してるだろう。
「まぁ、海藤ならなんとかなる。なんたって私を倒した男だからね。そして、信じているよ。バークを倒してくれるって」
そして私は飛んだまま人里に向う。
人里は結構すぐの所にある。空を飛べば10分とかからない。
しかし殺風景だ。
周りには雪しかない。どこを見ても雪、雪、雪。
季節は妖怪の山を切れ目として季節が逆になっている。
海藤達が普段住んでいるところが夏だとしたら、ここは冬。
あっちは今、夏だからこっちは冬なのだ。
しかし寒い。
私は厚着をしてきたんだけど、それでも寒い。だから私は海藤から貰ったかいろと言うものを取り出す。
本当にこんな小さなもので暖かくなるのかな?
ご丁寧に説明書まで付属されている。使い方や注意等だ。
肌に直接触れたら火傷する恐れがあるから肌に直接触れないように付けること。
本当にそんなに熱くなるのかな?
疑問を持ちながら私は説明書通りに使う。
最後にジャンパーの内側にかいろを貼る。
「よし、これでおっけー」
そして私は一人で人里に向かった。
はい!第46話終了
あともう1話位この展開が続く予定です。
それでは!
さようなら
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紬
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シャロ
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燐火(菜乃花)