無意識の恋 Second stage   作:ミズヤ

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 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 こいしはゴム手袋を発見!

 真は遂にみんなと再開。

 果たして無事にキルタワーまでたどり着くのか?



 それではどうぞ!


第50話 根を詰め過ぎると体に毒である

sideこいし

 

 私はゴム手袋をはめて窓を開けて脱出した。

 

 しかし、外は塀の上に巨大なガラスのドーム。とても飛んでも出ていけそうにない空間が広がっていた。

 ガラスを割ることも考えたけど幾ら攻撃してもビクともしなかった。

 

 とりあえず出入り口を探さないといけないことが分かった。

 

 出入り口って言ってもどこがそこなのか分からない。マップでもあればいいんだけど、そのマップの位置も知らないからどこに行けばいいんだろう。

 何も考え無しに飛び出してきてしまった。

 

 その時!

 

 なんと上から一枚の紙が降ってきた。

 その紙を見てみると、なんと地図が書いてあってご丁寧に現在地まで書いてあった。

 ここまで偶然が重なると怖いって言うか……。

 

 でもこれを頼りに行くしか今は無いよね。

 

 今私が居る場所は倉庫って場所の裏手らしい。

 

 で、その倉庫のある位置ってのが端の端。超端っこ。入口の方までかなりの距離。って言うか施設内で最も遠い場所なんじゃないだろうか?

 

 だから五十出入り口に行くまでに見つからないように行かないと。

 


 

side三人称

 

「バカヤロー!」

「痛っ!いってーな!異移にはんな事言われたくねーよ!」

 異移と言う人物が雷駿と言う人物に拳を落とした。

 

 さっき地図を落としたのはこいつらだ。

「もっと自然に誘導する地図を書けなかったのか?」

「知らないよ。オレ、バカだからな」

 この二人が言い争っている間にこいしは移動を開始した。

 

 こんな凸凹コンビで本当に大丈夫か?

 

「……能封……。早速不安になってきたわ……」

「バーク。いつもの事だ。気にするな」

「お前の神経の図太さにはいつも感服するわ」

 バークと能封は呆れたように話し合う。雷駿と異移が凸凹コンビなのは周知の事実の様だ。

 

「とにかく俺達は俺たちで出来ることをやるしか無いな。とりあえず近くの奴らの気絶を頼む」

「分かった」

 するとバークは殺気のこもった霊力を放出させた。

 

「おいおい。そんなに出力上げて大丈夫か?」

 殺気のこもったクレアを放つと気絶する事がある。だが、それは力が弱い人だけ。

「あの小娘はそこそこ力があるから多分気絶はしない」

「まぁ、確かに妖怪だしなぁ……」

 

 こいしの脱走はまだ始まったばかりだ。

 


 

side真

 

「とりあえずこれだけ買ってました」

「冬の山を越えるってことじゃったから、暖かいものを食べようと思って鍋にすることにしたんじゃ。出汁と水、後色々な食材。締めにうどんも買ってきたぞ」

 妖夢と妖忌さんの二人とも再会できた。

 

 妖夢は仲良く妖忌さんと買い物袋を持って来た。

 袋の中には肉や野菜等の鍋物の食材。確かにその気遣いはありがたい。

 雪山を越える時ほど暖かいものが食べたくなる時はない。

 

「そうだね……。じゃあ、昔はデスマウンテンも登山に良く登られてたらしいから山の途中に小屋があると思うからそこで食べようか」

 燐火がそう提案してきた。

 

 だな。なんぼ焚火つけて鍋食うとしても遠くから見てあんな真っ白な山だ。外で食うのは自殺行為だろう。

「それに吹雪いてるらしいし」と紬が付け加えてきた。

 

「あれ?デスマウンテンってそんなに吹雪いていたっけ?」

 燐火の言葉から昔は吹雪いていなかったと言うことが読み取れた。

 

「吹雪き始めたのはここ最近だよ。なんか吹雪き出す前日。あの山に近づく巨大な影を見たらしいよ」

 巨大な影か……。それは怪しい感じがするな……。

 

「なぁ、燐火。デスマウンテン以外のルートってあるのか?」

 そう聞くと既にアイスも食べ終わって近くの売店にあった八つ目鰻を頬張っていた。リスみたいに頬を膨らませながら食っている。こいつってこんなに食うんだな……。しかも美味しそうに食ってるな。

「と言うか燐火。俺達は観光のために来たんじゃないんだが?」

 そう言うと口の中の食べ物を急いで飲み込んだ。

 

「良いじゃん出発は明日なんだから。それに、そんなにかっかしてると気疲れするよ。もっと楽に、ね?」

 その瞬間、何故か2本持ってた八つ目鰻の片方を俺の口の中にぶち込んできた。

 俺はその事に驚きつつも口の中に突っ込まれたものは咀嚼する。

 

 うん。普通に美味い。だが、ミスチーの所の方が美味いかな?

 久しぶりにミスチーの屋台に顔出してみるのもありだな。これが無事終わったらみんな誘ってミスチーの屋台で飲もうかな?

 まぁ、若干死亡フラグなんだがな。

 

「まぁ、それもそうだな。お前の言う通りだ。コンディションを整えておくのは重要な事だ。善処する」

「まぁ、海藤の古明地妹愛は分かってるから善処だけでも十分ね」

 うんうん。と頷く燐火。

 

「よし、じゃあ俺らもなんか食いに──って更に増えてるっっっ!?」

 俺が話しているあいだに燐火は八つ目鰻を食べ終わったようで、今度は左手におでん串。右手に唐揚げ棒と言う微妙な組み合わせのものを持って交互に口に運んで行っていた。

 

 しっかし食ってる時は幸せそうな顔すんな。

 

 と言うか前、一緒に食いに行った時も結構食ってたような……。ったく、遠慮って言葉を知らんのかあいつは……。

 人里のおっちゃんの店に行った時も肉野菜炒め三皿を一人で平らげ、茶碗飯を十杯。これは序の口だ。もっと他にも色々と頼んでたな。そのせいで空っぽに……。

 あの時も幸せそうに食ってたな。飯を食うのが好きなのかな?

 

「ん?お昼ご飯食べに行くの?」

 もうそんな時間だ。俺は朝食ってないけど時間的には昼飯なのだ。

「ああ。腹減ってきたしな」

「私も行く」

「お前。さっきから口に運んでいってる物はなんだ?」

「ん?おやつ」

 おやつ感覚で唐揚げ棒とおでん串、八つ目鰻とそんなに食うやつそうそう居ねーよ。

 

 と言うか俺が見てる間、ずっと何か食ってんな。

 

「何その目は。『こいつ、食いしん坊だな』って。私は食いしん坊じゃないよ」

 いや、それを誰が見たら食いしん坊じゃないって思うんだよ。

「わ、私もそれは食べ過ぎだと……」

「お主……わしもそう思うぞ?」

「僕も」

「わたしも!」

 満場一致で燐火は食べ過ぎとの判断が下ったので燐火は宿に置いてきて、五人で飯を食いに行く事にした。




 はい!第50話終了

 次回も冬の人里から始まります。

 しかし、三人称視点が書きなれてないので書きにくいです。

 それでは!

 さようなら

現在出てきているヒロイン(オリジナル)の中で一番好きなのは?

  • シャロ
  • 金糸雀優
  • 燐火(菜乃花)

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