それでは前回のあらすじ
アイスドラゴンとの対決。
妖忌の霊縛波によってワンパンしました。
それではどうぞ!
side真
「おじいちゃん! さっきの技を教えてください!」
「ダメじゃ」
アイスドラゴンを倒したら吹雪が止んだ。
吹雪が止んだので俺たちは下りは空を飛んで下っている。
そして数十分位飛んで簡単に山の麓にたどり着いた。
だが、その間ずっと妖夢と妖忌はそんな話をしていた。
妖忌さんも大変な立ち位置に居るよな。
多分今の妖夢じゃ《霊縛波》の衝撃には耐えられない。
霊縛波は腕に溜め込んだ霊力を一気に解放して放つ技。
その破壊力故に腕に相当な衝撃が走る。
並の人がやった場合、腕が吹き飛ぶ。妖夢の場合は鍛えてるから腕が吹き飛ぶことは無いと思うが、妖夢は骨が砕けるか、大量に腕から出血するかのどちらかだ。
どちらにせよ、腕を重んじる戦い方の俺達にとっては腕を失うのは死ぬよりキツい。
俺も耐えれる域に達してなかったらしいが、俺の能力のお陰で無理やり耐えることに成功。
だが妖夢の場合はそういう訳にもいかないだろう。
しかも祖父と言う立場上、あまり妖夢がショックを受ける事は言いたくないんだろう。
「真さんはさっきの技、使ってましたよね?」
音恩が余計な事を言った。
そんな事を言ったら『真には教えたのに私には教えないんですか!?』って言い出すに決まってる。
「真には教えたのに孫の私には教えないんですか!?」
ほらな?
仕方が無い。さすがにこのコントロールが難しい技は簡単には使えないだろう。
「妖夢。見て盗め」
そう言って俺は手のひらに霊力を集中させて霊力の球を作り出す。
その球を俺は近くの木にそっと当てた。
すると、先程より細いレーザーが出て、威力は無いけど継続時間が長くなった。
「触れる強さで威力、時間が変わる」
とりあえず妖忌さんに教えられた最低限の使用方法を教える。
だが、俺はナメていた。妖夢の戦いの才能を。
「やっとここまで来ましたね」
ぐたっと疲れきり、雪に顔を埋めている音恩はしみじみといった感じで呟いた。
その音恩に雪をスコップでかける紬。や、止めてやれよククッ。
まぁ、とりあえずやりました! みなさんスノーレストにたどり着きましたよ!
「スノーレストまで来たね。んじゃあ、明日に突撃するよ」
そう言って皆を仕切る燐火。
こっから先は完全に敵の領土、気をつけなければすぐにやられてしまうかもしれない。
何度も死に目に会ってきた俺は緊張し、額に汗をかく。
「霊縛波……霊縛波……」
妖夢は先から霊縛波の練習をしているが、作ろうとしても普通の弾幕しか作れていないようで上手くいっていない。
そりゃそうだ。
物凄い量の霊力を片手だけに集める。これは容易に出来ることじゃない。
だからこれを妖忌さんに教えて貰った時にはまずは霊力のコントロールから始めた。
霊力で壁を空気中に作ってみたり、自分が乗れる程度の床を作る。そして乗った状態でそれを浮かせる等、どれも過酷だったが、あれは無くてはならない物だったと今は納得している。
sideこいし
私はもうすぐで出口という所まで来た。
もうすぐで出口なんだけど、見張りが立ってて行くに行けない。
出入口の見張りだ。しかも私が脱走した事がバレた。それならば私の能力に対抗できる人が立っていたとしてもおかしく無い。
能力を使ってあの見張りの人の隣を通った瞬間に、あの見張りの人が持っている槍でぐさり。二度と真に会えなくなるかもしれない。
それだけは死ぬよりも嫌だ。
あれ? でも死んだら真に会えないわけで、その会えないってのは死ぬよりも嫌で、でも死んだら……。
頭がこんがらがってくる。考えるのをやめよう!
でもどうしたら良いんだろう。
戻ったってしょうが無いし、ここに留まっているのもそれはそれで後ろから見張りが来る可能性があってそれはそれで危険。
やっぱり無理だったのかな? 私が自分に一人で逃げ出すのなんて無理だったのかな? 私は皆みたいに強くない。真や龍生、鈴音に音恩。その他大勢。
私の周りには強い人が沢山いる。
──私だけだ。
こんなに弱いのは私だけだ。
真は昔から強かったわけじゃない。
だけど決断力があって、強い意志があって、なんで自分が戦うのかっていう理由を持っている。
理由に関しては私も同じ。だけど、違うのは決断力と強い意志。
私は大事な時に決断出来ないし、意思も弱い。そこで実力の差が出来てしまったんだろうな。
──こんな自分が情けなくなってくる。
真はいつも私達を守ってくれる。それも、自分を捨てるくらいの勢いで……。それによって何度も助けられてきた。
真は大事な時に私達に道を示してくれる。最善手を教えてくれる。それで本当に成功させちゃうから凄い。
真は意思が強い。どんな時でもめげず諦めず、最後の最後まで粘る。真に「どうしてそんなに頑張るの?」って聞いたら真はこう言うだろう。「だって……負けてないからな」って。
私は真のこんな所に惚れてしまった。自慢の彼氏。
だけど私は時折、自分が真につり合ってないんじゃないか? って思うことがある。
私はいつも守ってもらっている。だけど、真を助けたことなんてあっただろうか? 真はいつも助けて貰ってるって言うけど、私は引き金を引いてるだけ、最終的にそれは真の頑張りだ。
私は決断力が無い。今もここで立ち止まって前に進めないでいる。
真なら「今後の事なんてその時にならないと分からないんだから、今を全力で戦い抜くだけ」と言うだろう。
だけど私はどうだ? 負けるかもしれない、死ぬかもしれないって"今後"の事しか考えてない。それが私と真の強さの大きな"差"だろう。
私は意思が弱い。多分私なら負けそうになったら諦めてしまう。死にたくないって気持ちばかりが表に出しまって、私の意志を崩してしまう。
そんな私は本当に真に相応しいのかな? いや否だ。
私は真には相応しくない。
だから私は相応しい私になるために……っ!
今ここでっ!
自分の殻を"破る"!
はい!第56話終了
遂に次回からはキルタワー編が始まると思います。
キルタワーの戦いは今までで一番盛り上がる戦いになると思います!
いやー。最初の戦闘シーン苦手設定はなんだったんでしょうかね?
最近は本当に戦闘ばかり書いてますからね。それによって特訓されて今では日常を書くよりも戦闘を書いていた方が楽までありますよ。
それでは!
さようなら
現在出てきているヒロイン(オリジナル)の中で一番好きなのは?
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紬
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シャロ
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金糸雀優
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燐火(菜乃花)