それでは前回のあらすじ
妖夢、最大のピンチ。
そして音恩はギアモードLv2解放!
燐火対雷駿。燐火は敗北を悟る!
そして真はバークに触れずにワンパンKOされた。
果たして勝てるのか?
それではどうぞ!
side妖夢
私は負けを覚悟した。
怖くて足が動かないなんてこと……今まで無かったのに。
クレアの霊力によって光ってる目が怖い。
「さぁ、かかってこないのか? ならこっちから行くぞ!」
能封はクレアの霊力を纏わせた刀を持って走ってくる。
どんなに強い相手でも、戦うって選択肢以外無いんだっ!
そして私は白玉楼、楼観剣両方に霊力を流して応対する。
霊力を流せば少しはマシになるはず。
「なぁ、知ってるか?」
刀をぶつけながら能封は聞いてきた。
「霊力の強さは精神力の強さだ」
その言葉に、大会の時の事を思い出す。
『霊力の強さは精神力の強さ』
皆辛いことを乗り越えてそして強くなっている。
だけど私は? ──無い。
幽々子様や霊夢。魔理沙等の友達が居て、色々と恵まれて育った。
おじいちゃんが居なくなった時は悲しかったけど……。だけど私は他の人みたいな壮絶な経験は……。
よく言われた。
妖夢。お前は定石をなぞっているだけで、お前自身の力ってのが無いって。
ただのおじいちゃんのコピーだって。
私の強さって何? 意味がわからないよ。
おじいちゃんを真似することの何が悪いの?
来る日も来る日も鍛錬を欠かさなかった……。だと言うのに……一番──弱い。
「悔しい……」
私の……強さ……。
真は私に教えてもらわなくても紬ちゃんが居る。私より紬ちゃんの方が師匠に適しているんだ。
そしておじいちゃんの方が……。
寂しいな。
もう一度……真に師匠って呼んでもらいたい。
もう無理だろうけど、せめて隣を歩きたい。
後ろじゃなく隣で……同じ刀使いとしてお互いに支え合いながら戦えるようになりたいっ!
だから私は戦うんだっ!
そして私は能封の腹を蹴り飛ばした。
霊力を纏った足と何も纏っていない奴の腹。相当効いた様だ。
「な、なんだと」
「もう誰にも……コピーとは言わせないよ!」
side音恩
Lv2
僕はギアのレベルをひとつ上げた。
レベルを上げれば全てのステータスが更に上昇する。
「これが僕の戦い方」
そして僕は地面に手を着き、霊力を流し込む。
流し込むと先程よりもぐにゃぐにゃと歪む壁床。
その壁床を収縮させ、僕は異移をプレスする。
あいつが移動できるのは無機物だけだ。なら大丈夫。
「こ、これは……っ!」
驚き、走って逃げようとするも僕は更にギアのLvを上げて収縮する速度を上げる完全に壁が出来て、向こうで何が起きているかわからない。
その次の瞬間だった。
すぐ目の前に石が現れた。
「まさか……あの状況で投げたというのか?」
こりゃダメだな。
僕は咄嗟に体を後ろに反って躱そうと試みるも、その石は鋭利で、僕の左の眼球を瞼ごと切って行きやがった。
「あぁぁぁぁぁっ!」
目が切れた痛みで能力を解除してしまう。
解除すると壁床が元通りに。
失明した。
左目にはもう一切光は届かない。
「次は右目ですよ?」
そして鋭利な石がまだまだあることに気がついた僕は血の気が引いた。
「
side燐火
勝てないと分かっていても戦う。それが礼儀だ。
だから私は刀を持って雷駿に突っ込む。
だけど今の雷駿は最強だ。勝てるわけが無い。
簡単に私の刀を電流によって防がれてしまう。
この部屋の電流はまるで全て意志を持っているかのように雷駿を守る。
「諦めろ」
そう促してくる雷駿。
やたら滅多に斬っても意味が無い。
炎を使おうとしても電気に阻まれる。
TheEND終わりだ。
だけど、最後の最後まで諦めたくない。
海藤なら確実にそういうだろう。
「だから私は戦い続けるっ!」
そして私は足元に罠を設置する。
そして私は走って雷駿の背後に回り、電流が守りに来たけど、そんなのは気にせず、電気ごとその罠に向かって蹴り飛ばした。
少し感電したけど大丈夫だろう。
そして雷駿が罠の真上に立ったのを見て発動する。
すると炎の柱が雷駿を包み込んだ。
「炎の柱だ。味はどうだい? 雷駿」
side真
俺は負けた。
圧倒的な力の前にいとも簡単にねじ伏せられてしまった。
──俺は死んだんだろうか?
すると目の前にこいしが現れた。
死ぬ前の走馬灯か? そう思って俺は最期にこいしを抱きしめた。
「真」
聞こえるはずのない声が聞こえてきた。
「真はそんなに弱かった?」
「こいし……」
「真、私は信じてるよ? また立ち上がってくれるって……ね?」
そうだった……どうして忘れていたんだ。
諦めが悪いのが俺だったじゃないか。なんで諦めてるんだよ。
俺はまだ死んでない!
そして俺は目を覚ました。
相変わらずバークは一ミリたりとも動いていない。
「ふん。そう来なくちゃな」
ニヤッと笑うバーク。
「当たり前だ」
とりあえずあっちも少し力を見せてくれたんだ。こっちも見せないとな。
そして俺は地面にある石を取り、バークに向かって投げる。
「狙撃《スナイパー》だ」
それを諸に食らうバークだが、一切ダメージを食らってる気がしない。
「バーク!」
俺はまたバークに向かって走り出す。
そして今度はしっかりとバークは拳を突き出す予備動作を行う。
「精製《ミニ八卦炉》からの恋符《マスタースパーク》」
そしてバークは拳圧を放つ。
互角の威力だ。
「け、拳圧のみでマスタースパークと互角とか……マジかよ」
そしてマスタースパークは拳圧に相殺されてしまった。
「はぁぁっ!」
俺は刀を再度構えて突っ込む。
今度は間合いに入る事に成功。
「これでどうだ!」
斬り掛かる……が、
「な、なんだと」
『こ、これは』
俺は睨まれてるだけで動けなくなってしまった。
まるで蛇に睨まれた蛙の様な気分だ。
く、食われる。
そして俺は頭を掴まれて腹に一発パンチを食らわせられた。
「ぐっは……」
血を吐く。
普通なら死を覚悟して絶望するだろう。だが、俺は違う。
「ありがとな。近づいてくれて」
「何!?」
そして俺は左に刀を持って右手のひらに霊力を溜める。
「まずい!」
俺は一旦刀を手放し、バークの腕を掴んだ。
こんな千載一遇のチャンス。逃してたまるかってんだ!
そして俺は出来た霊力の球をバークの腹に押し付ける。
全力のため、右腕の骨がミシミシ言ったような気がする。
「これが俺の全力の! 《霊縛波》だぁぁぁぁっ!」
その瞬間、どデカいレーザーが飛び出し、バークを巻き込んで広がっていく。
バークはその威力に耐えきれずに向こう側の壁に思いっきり叩きつけられる。
「これなら……どうだっ」
俺はミシミシ言った右腕をブラブラさせながら言った。
見てみるとバークは壁にめり込んでぐったりしていた。
流石のあいつと言えどもこの超火力。そうポンポン耐えられても困る。
だが、俺の期待を裏切るかのように普通に壁から出てきて歩き始めた。
「……手加減はもうやめだ……。ここからは本気だ」
そんな絶望な事を言いやがった。
はい!第60話終了
妖夢覚醒!
音恩ピンチ
燐火順調
真はバークを吹っ飛ばすことに成功。
果たして勝負の行方は?
それでは!
さようなら
現在出てきているヒロイン(オリジナル)の中で一番好きなのは?
-
紬
-
シャロ
-
金糸雀優
-
燐火(菜乃花)