無意識の恋 Second stage   作:ミズヤ

86 / 285
 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 遂に全ての戦いが完結したかと思ったら真とこいしが拐われた。

 果たして二人の運命は如何に!?



 それではどうぞ!


第63話 殺される覚悟

side真

 

 運ばれている最中、リーダーと思わしき人物と遭遇した。

 やはりというかおれは、死刑だ。これから処刑される。

 この男はジーラと呼ばれていた。

 

 俺は防音室に放り込まれた。

 

 そして、俺の両腕を屈強な男二人が掴んで乱暴に持ち上げた。

 ちょっと、あまりにも扱いが酷くないですかね?

 まぁ、この組織が侵入者を、ましてや今から死刑にしようと言う奴等が俺を優しく扱うとも思えないがな。

 

 そして俺の両手足を機械で壁に固定して動けなくする。

「ふ、何か言い残すことはあるか? 侵入者の小僧」

 とジーラが俺に言ってきた。

 

 そしてジーラは隣にいた部下から拳銃を受けとる。

 そして俺の体に銃口を向けた。

 せっかくだ。最後に言葉を発するチャンスをくれたんだ。

 そう思い、俺は口を開く。

 

「俺は諦めてない」

 俺がそう言うと回りにいたやつらは『え?』っていう顔になる。

「俺は死なないよ」

「みんな! 騙されるな! こいつのハッタリだ!」

 

「それはどうかな?」

 俺は出来るだけジーラの部下達の不安を煽るように喋る。

「こんなくそ組織。すぐに俺がつぶ」

 

 バン!

 破裂音は俺の言葉を遮るようになった。そして──

「ぐわぁぁぁっ!」

 俺の左腕に尋常じゃない痛みが走った。

 

「はぁ……はぁ……」

 痛みのせいで息が荒くなる。

「くっ、あ、が」

 すると、ジーラは俺の髪を乱暴に掴み、顔を強引に上に向けさせる。

「痛いか? そうだろう……痛いだろう。その服の血の染みが痛みの象徴だ」

 そして俺のもう片方の腕にも銃口を向けて

 

 パンっ!

 

 先程のように破裂音が鳴り、俺の右腕にも尋常じゃない痛みが走った。

「がぁぁぁぁぁっ!」

 すでに周りのものは、部下でありながらその残酷さに見ていられなくなったのか、目をそらしている。

「お前だけは簡単には死なさんぞ。俺の部下をあんだけ傷つけて、更には下らないハッタリで部下を不安にさせた。貴様の罪は死をもってしても足りない。死以上の苦しみを与えて殺してやる」

 俺はバークの所にたどり着く前に何人もこいつの部下を倒して行っていた。

 だがそれは逆恨みだ。そっちから仕掛けてきたんだからな。

 

 そして、俺の両足も拳銃で撃った。

 防音だから周りには聞こえないが、この部屋の中では俺の悲鳴がずっと響いていた。

 

 そして気がつけば、俺は逆らう気力すら無くなっていた。

 そして重力に任せ、体を前の方に倒す。

 俺の体は現在両手両足ともに壁に固定してあるのでそのお陰で床には倒れていない。

 

 辺りは俺の血で真っ赤に染まっている。

 

 はは、やべえ……意識が朦朧としてきた。

 俺、ここで死ぬのかな……?

 色々あったけど楽しかったな。

「そろそろ最期の時間だ」

 そして、俺の髪を乱暴に持ち上げて額に銃口を突きつける。

 

「こいし……」

 その時、こいしの姿が脳裏に浮かんだ。

 

 こいしの笑顔がもう一度見たい。

 そう思うと、次々に涙が溢れだしてきた。

 そして涙の粒は目から頬へ、頬から顎へ垂れてきて、ついに顎から落下し始めた。

 そして涙の粒が床に落ちた。

 

 パンっ!

 

 その発砲音が聞こえて少ししたら、機械の電源を部下がオフにして固定されていたのが外れたため、俺の体は前に倒れて床に倒れ込んだ。

 


 

sideこいし

 

 私は真とは別々のばしょには連れていかれてしまった。

「は、離してぇっ!」

「ダメだ。お前は今からジーラさまには殺されるんだからな」

 抵抗してもなんぼ妖怪でも女の力じゃ男が何人も居たんじゃ敵わない。

 

 するとそこにジーラがやってきた。

「ご苦労さま」

 

「真は!?」

 聞くとニヤッとした。

「何か言い残すことはあるか?」

 そう聞かれて私を急に恐怖という感情が支配した。

 

「う、う。死にたくない」

「残念ながらそれは聞けない相談だね。お前もあの男と同じところに送ってやるよ」

 あの男? もしかかして真のこと!?

 真が殺された……? 嘘だと言ってよ。ねぇっ!?

 

 真が殺されたなんて信じたくはないけどこいつがここにいるからには信じざる終えない。

 だってまずこいつは真の方に行ったんだから。

 真……真にまた会いたい。だけど会えない。

 

 ──もしかして、死んだらまた会えるのかな?

 

 そんな思考が頭を過る。

 真が死んだなら生きててもしょうがないよね。

 真……今すぐそっちにいくからね。

 

 そして目を瞑る。

「覚悟を決めたか」

 そして私の額に銃口が突きつけられる。

「あばよ」

 

 そしてパンっ! と言う音がなったと同時にバリンっ! と言うガラスが割れるような音がした。

 その直後、ガラガラドタンと言う音が聞こえた。

 だけど私に当たることはなかった。

 

 私は音の正体を探るため、恐る恐る目を開けて見回す。

 すると、窓に銃弾くらいの穴が空いて、周りにヒビが入っていた。

 何で? と思って正面を見るとなんと、

「俺の彼女に何しようとしてんだぁっ!」

 

 そう叫びながら殴ったあとの拳を引く真が居た。

 ジーラはと言うと色々な物を巻き込みながら壁まで吹っ飛んでいた。

「し、ん? 真!」

 私はそう叫んだ。

 

 動けなかったはずなのにどうして……!?

「遅れて悪かった」

 そう言って私の頭を撫でる真

 

「て、てめぇはさっき殺したはず」

「残念ながら俺をお前らは殺せなかったようだな」

「確かに頭を貫いたはず!」

 そう言って驚くジーラ

 それを上から見下ろす真

 明らかな怒りの感情が見てとれる。

「そうさ、俺は確かにあの時貫かれた。流石の俺でも死ぬかと思った」

 

 だけどな、と付け加えて私の方を見る。

 

「俺の脳裏にこいしの姿が浮かんだんだ。そして俺はこんなところで死ねないって思ったんだ。そしたら力が沸いてきてな」

 俺が死なずに心を強く持てたのはこいしのお陰だと続ける真。

 な、なんかそう言われると照れちゃうよ。

「お前は普通の人間じゃないのか。だとしても妖怪でも神でも頭を貫かれたら死ぬはずだ」

 

 そう。普通ならどんな種族でも死んでしまう。でも真は違う。

「俺の能力だ。【致命傷を受けない程度の能力】それでもギリギリだったんだぜ? あの時点で完全に心が折れてたら俺は間違いなくあの世行きだった。また【都合の良い状況を作り出す程度の能力】に助けられちまったな」

 それを言い終わると真はジーラを睨み付ける。

「さーて。どう料理しましょうか」

 そして真がジーラに近づこうとしているところを部下達が取り押さえようとして真の腕を一斉に掴む。

 

 しかし、一瞬だけ物凄い量の霊妖力がぐちゃぐちゃに混じった力を放出すると、一斉にバタバタと部下達は気を失った。

「死ぬがよい!」

 

 パンっ! パンっ! と何度も真の体に撃つが真はそれでもジーラに向かっていく。

 そして真は目の前に来たら、腹を蹴る。

 すると、痛みでジーラの力が緩み、拳銃を落とす。

 

 そしてすかさずそれを真は拾い上げる。

 そして手のなかで一回転させてジーラに向ける。

「ま、待ってくれ! 今までのことは謝る。組織も解散する。だから命だけは」

 とジーラは命乞いをしてきた。

 

 すると、真は今までに見せたことの無いような怒りの表情を見せた。

「さようなら」

 冷徹にそう呟くと

 

 パンっ! と破裂音がした。

 

 そしてその銃弾はジーラの頭すれすれを通って壁に当たった。

 そしてジーラはそれを見て失神する。

「命乞いをされても無情に殺し、殺戮を楽しむ癖に、殺される覚悟が出来てなくて命乞いをする。そんなくず野郎は殺す価値すらもねぇ。もう二度と俺達の前に現れるな」

 真はジーラに聞こえてないと知りながらそう言いはなった。

 そして、機械のコントローラーを奪い取って機械の電源をオフにする。

 それによって私は開放された。

 

「じゃあ、帰ろうか」

 私の方向を見たときには既にいつもの真に戻っていた。

 いつも私を助けてくれる。そんな優しい真が大好き

 私は体が自由になったと同時に真に抱きつく。

 

 すると、真も優しく受け止めてくれた。

「あ! 真、血が凄い出てるよ!」

「大丈夫だよ。ようか……い……だか……ら」

 そして真は力が抜けたように私に倒れ混んできて、私はたまらず後方に倒れてしまう。

 

 私の上に真が乗っかってて少し重いかも

「ちょっと……ようか……い……だから……て、調子に…乗りすぎ……た」

 流石に妖怪だとしても限界だ。と笑う真

 

 笑ってる場合じゃ無いでしょ!

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

壁の向こう

 

 燐火は壁の向こうでやり取りを聞いていた。

 

「カッコいいな……。心配してやっぱり来たけどそんな心配は要らなかったか……」

 


 

 俺はこいしに支えられながら施設の外に出てきた。

 

 そこには俺とこいし以外の皆が集まっていた。

 

「おつかれ」

 妖夢が俺を労ってくれる。

 俺はパッと見かなりの重症だが、さすが妖怪の血だ。直ぐに治った。

 

 パッと見重症なのは音恩だけか。犠牲が少なくてよかった。

「音恩なら大丈夫じゃ。幸い致命傷は外れとる」

 なら良かった。

 直ぐに治療してもらえるところに運ばないとな。

 

「とりあえず」

 そう言って燐火はゆっくりとこっちに来た。

「真、無事でよかった〜」

 ん? なんか聞きなれない単語が……真? 真って何? 真偽の真?

 もしかして俺の名前?

 

「おまえ、どういう心境の変化だよ」

「真。あなたは信用に値するってのが分かりました」

「は、はぁ……」

 とりあえずよくわかんない内に信用されたのは分かった。

 

「だから真って呼ぶことにしました」

 と言うかまだ信用されてなかったんだな。

「でもお前に真って呼ばれるのはむず痒いな……」

「……んで」

 ぽつりと燐火は呟いた。

「なに?」

 俺は聞き返した。

 

 すると燐火は珍しく塩らしくなってもじもじしながら言った。

紗綾(さや)って呼んで?」

「は? 紗綾」

 なんだそれ。もしかしてこいつの本名は、

「菜乃花 紗綾……。それが私の本名」

 

 そうか……たしか昔に信用しないと教えないとか言ってた様な?

「そうか……とりあえず紗綾もおつかれ」

「うん! おつかれ〜」

 俺が紗綾と話していると突然こいしは不機嫌になる。

 

「真!」

「は、はい?」

 急に耳元で大声を出されてびっくりする。

「私と燐火、どっちが大切なの?」

「え?」

 急にそんなことを聞かれてびっくりした。そんなもん聞かずとも分かるだろうにな。

 そりゃ当然、

「私と真は運命を誓い合ったパートナーだもんね」

 パートナーだとは言った。言ったけど言い方言い方! お前もかよ!

 

 するとこいしは顔を真っ赤にさせて怒ってしまった。

「もう真なんて知らないっ!」

 こいしは雪の上を走って行ってしまった。

「待てよ!」

 

「……苦労しそうだね」

 紗綾がそう呟くとこの場にいた全員が『お前のせいだよ』と心の中で思った。




 はい!第63話終了

 遂にキルタワー編完結!

 ですが、当初紬が言ってた通り、次の話からは観光が始まります!

 それでは!

 さようなら

現在出てきているヒロイン(オリジナル)の中で一番好きなのは?

  • シャロ
  • 金糸雀優
  • 燐火(菜乃花)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。