それでは前回のあらすじ
クレア装の真対バーク。光対闇の対決。
結果は相打ちに終わった。
それではどうぞ!
side真
「いってぇっ!」
「これくらい我慢しなさい」
俺は今、永遠亭に運ばれて傷の手当をして貰っている。消毒液がとても滲みる。
「死ななかったのが幸運と思う事ね」
「私、本当に心配したんだから」
今は永琳先生が俺を手当して、こいしがその様子を見守ってる感じだ。
しかし今回はちょっとやりすぎた。いつもよりヤケになっていた所はあると思う。俺は一度敗北したというところもデカいだろう。
「もう、無茶しないでって言ってるのに〜」
そうだな。俺もなるべくこいしに心配はかけたくない。だけど守りたい気持ちが勝手に体を動かしてしまうんですよ。
「まぁ、妖怪だからこれくらいの傷なら一日経たずに全回復するわ。だけど霊力がすごく少なくなってるから一週間は安静に」
「分かりました」
そう言えば俺と同じくバークも永遠亭に運ばれたみたいだけどバークの奴はどうなったんだろうか。
「バークは?」
「ああ、あの人はもう長くないわね」
「長くない? どう言う事だ?」
「脳腫瘍よ。しかも最悪の状態ね」
脳腫瘍? だってバークはさっきはあんなに戦えてたじゃないか。
まさかあいつ、脳腫瘍を抱えたままずっと戦い続けてきたのか?
「あと少しでも激しく戦っていたら完全に死んでいたところね」
あいつ、そんな状態だと言うのに。
「人生は残酷だな」
本当にそう思う。格闘家として最強のあいつも病気であっさりと死んでしまう。
バークはいつの間にか俺の超えるべき壁、目標となっていたと言うのに、勝つことが無いまま終わってしまうのか。
「このまま一生動けないからだになってしまうかもしれないわね」
「そうか」
あいつは可哀想な奴だった。俺の中で最強の敵だった。
あいつの存在が俺の中から消えることはないだろう。
「真本当にもう無茶しないで私、真が居なくなってしまったら」
そして抱きついてくるこいし。
「大丈夫だ」
俺はこいしの帽子を取って頭を優しく撫でる。するとこいしの抱きつく腕の力が更に強くなった。
「本当?」
「ああ、俺は絶対に死なない」
俺は多分この先も無茶することは辞められないだろう。そしてそれにより危険が付きまとうことになる。
だが俺は絶対に死なない。こいしの為なら何度だって限界を越えてやる。
クレア装はまだ慣れていないから長時間使えない。だけど絶対に使いこなしてみせる。
とそこにシャロと彼方が隙間でやって来た。
「し、シャロ? なんか顔が怖い」
「また日本に送り返そうかな」
「ちょ、落ち着くんだ」
「だってさ真君、幻想郷に居たら無茶しちゃうでしょ?」
うぐっ! 否定できない痛いところを突かれてしまった。
「そうか……シャロ様が言うなら仕方が無いか……」
「ご、ごめんなさい! 私が脅したのが悪かったから他人行儀ではなさないでぇっ!」
俺に泣きついてくるシャロ。相変わらずチョロい奴だ。
「シャロ、君は本当に可哀想な子だね」
そう言いながら彼方はシャロの頭を撫でる。何気に酷いセリフだが、これは素なのか? 素で言っているのか? 素で言っているとしたら怖すぎる。
「でも真が無茶をし過ぎなのは確かだよ……もう、今回は本当に危なかったんだからね」
プンプンと怒るこいし。可愛いが反省しなくてはならない。
「悪かった。ちょっと立て続けに無茶をし過ぎたような気がする。反省する」
「そうだね。だけどシンは無茶を辞める気はないでしょ?」
考えていた事を読まれてしまい、俺は何も言えなくなってしまった。
俺は幻想郷や大切な人を守れるなら死んでもいいとすら考えている。
「だからシン、怪我が治ったら特訓厳しくするからね」
「ああ、よろしく頼む」
俺も丁度同じ事を考えていた。
クレア装があまり安定感が無いからそれを鍛えるためにも必要な事だ。
「クレア装、必ずマスターしてみせる」
発動のコツは掴んだ。後は慣れるだけだ──
「シン、しばらくクレア装は禁止ね」
彼方は俺にとって衝撃的な一言を放ってきた。
「え? クレア装の特訓をするんじゃ?」
「シン、それ以前の問題だよ」
やれやれと首を振る彼方だが、何がそれ以前の問題なのか教えてくれない。
すると彼方はこっちにゆっくりと歩いてきた。
「ちょっといいかな?」
「ええ、まぁ……だけどあなた様は一体何を」
そして永琳は避けるも、彼方は何も言わずにこっちに来る。
ちょうどベッドの真横に来たその瞬間だった。
俺の頭上に手を翳したのだ。
「目を瞑って」
そう言われたため、俺は素直に目を瞑る。
「始めるよ。よく聞いててね、命の声を」
「命の声? それっていった──」
その瞬間、体はベッドに横になっているはずなのにグラッとバランスが崩れる感覚が。
これは……。
耳にノイズが走る。鬱陶しい位の大音量のノイズ。耳が痛い。
俺は耳を押えた。しかし耳のノイズは止まらない。
「あがっ」
思わず苦痛の声を上げる。
「ぐぁぁぁぁぁっ!」
「ねぇ、あなた。これ本当に大丈夫なの?」
「真が! 真が苦しんでるよ!」
心配してくれてる声もノイズにかき消されてしまい、聴覚が完全に外界と切り離された。
そしてそれに恐怖を感じ、目を開けようとする。──開かない。瞼が完全に固まりきり、動かなくなっている。
恐怖だ。これで五感のうち、聴覚と視覚が機能しなくなった。
そして次第に体に力が入らなくなり、感覚が無くなっていく。
臭いも全くわからない。恐らく流れ的に味覚も機能していないだろう。
五感全てやられた。
そして俺は何も考えることが出来なくなり、意識が闇に飲み込まれた。
はい!第73話終了
どうでしたか?
真の特訓はまだまだ続きますが、最後の展開は恐ろしい。
はてさて、真の運命や如何に?
それでは!
さようなら
好きな神は?
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紬
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彼方
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シャドウ