UNDEAD───不死人   作:カチカチチーズ

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もう、法国というかこういう話は頭を使う。
書いて納得出来ず消し、書いて何か違うから消し、書いて書いて書いて……ふと心の中のジョースター(父)の声を聞きここに出来ました。
時間かけすぎたなぁ

あ、G11出ました


会談

 

 

 

 

 カタッ────

 

 

 スレイン法国中枢、最高神官らが集まる神殿奥にて世界の転換点を告げる始まりの音が響いた。

 法国のトップである最高神官長と六人の神官長、そんな彼らを守護する番外席次を含む漆黒聖典の十人と法国の至宝を纏う老婆の計十八人の目前に広がる虚空に突如として広がった黒い孔。

 そこより伸びたモノが足音をたたせる。

 

 まず最初に現れたのは大盾と大鎚を背負った金色の騎士。

 それを皮切りにさらに三人もの騎士が孔より姿を見せていく。

 殺意の表れともいえる鎧のあらゆる箇所から棘が伸びた騎士、折れ曲がった特徴的な帽子を被り顔を銀仮面で隠し薄汚れた上衣を着た騎士、目元以外を鉄面で隠した斧を持った鎧の上にサーコートを纏った騎士。

 神人として生まれ番外席次を除き人類最強と自負する漆黒聖典の隊長はその現れた四人もの騎士を見て理解した。この四騎士は全て自身と同格の戦士である、と。

 そんな漆黒聖典の隊長の理解などどうでもいいと言わんばかりに四騎士は法国の人間らに対して一切反応せず孔の前より早々に退き、左右へ分かれ各々が跪き孔より現れる自分らの主を迎える。

 

 

「ひっ―――――」

 

 

 誰が漏らしたのだろうか、そんな悲鳴にもならない音が響いたのと同時にソレは現れた。

 

 闇よりも暗い漆黒のローブ、それと反するように白魚の如き白骨、法国の至宝と同等たる世界の代物である紅玉を肋骨で覆う死の超越者。

 三メートル程の長駆に神話の中の代物としか思えない色鮮やかな水色のキュレット、肩を覆う毛皮が目につく流麗な威風堂々たる鎧を身につける戦神が如き騎士。

 二柱もの異形の神。

 そしてその神々に付き従い現れるのは黄衣の軍服を纏いまるでゆで卵に埴輪のような顔を付けたような異形と修道女の装いをした裸足の女。

 

 瞬間、何人かの神官や漆黒聖典の者達は法国において漆黒聖典の隊長よりも強い法国の切り札たる番外席次へと視線を向けたが番外席次の笑顔で首を横に振るのを見てその顔を青ざめさせた。漆黒聖典の一人は現れた神を見て一瞬発狂しかけたが神々の前で無様を晒すわけにはいかないと自制心をもって自らの発狂を抑え込む。

 そんな同胞らの反応を見て一人の神官は内心笑い、一歩足を前へ出す。

 

 

「此度は我々の願いに御応え頂き感謝申し上げます」

 

「よい。我々としても言葉を交わさず敵対するというのは好ましくない故な」

 

 

 闇の神官長の礼に死の超越者モモンガは威厳ある言葉でもって応える。それを聴きながら騎士ネームレスは腹の中で苦笑しつつその視線を法国の者達を舐め回すように動かす。

 前世よりの知識では目の前の神官長らの詳しい情報はなかった。同時に法国にある世界級のアイテムの詳細な情報も。

 故に万が一にいつでも対応出来るように彼らを観察する。

 

 

「御身らはプレイヤー様であると漆黒聖典第五席次より聞き及んでおります。疑うべくもございませんがそれは真でございましょうか」

 

「無論」

 

 

 あらかじめ決まってたように虚空よりユグドラシルのポーションを取り出すモモンガに闇の神官長は頷き、他の者達も一様にモモンガとネームレスが自分たちの神と同じ存在である事を改めて理解する様に頷いていく。

 無論、赤いポーションなどあくまでユグドラシルのポーションであるということを証明出来るだけでモモンガたちがプレイヤーと証明出来る訳では無い。だが、その取り出し方こそが証明となった。アイテムボックスなどこの世界のモノでは使えずプレイヤーの行う御業である────NPCも可能であるが────という認識が彼ら神官長らにはあった。

 普通ならばもう少し他にもあるだろうとネームレスは内心呟くがそこは御都合主義か単純に自分らの切り札である番外席次を一度殺しその後すぐさま蘇生した存在と同格のモノなど自分らの埒外の存在、プレイヤーと認識するしかなかったのだろう、と諦める。

 

 

「プレイヤー様。どうか、何卒、我々人類を御導き、いえ御護りくださいませ」

 

「「「────」」」

 

 

 そんな闇の神官長の言葉と共に繰り出された行動に神官長らや漆黒聖典の者達は息をのみ、ネームレスは嘆息する。

 一体何をしたのか。

 土下座である。紛うことなき土下座を闇の神官長は自らの立場など一切気にせず、やって見せたのだ。国の中枢機関の中でも最上位に連なる立場の人間が躊躇なく行ったそれにモモンガは内心困惑し、ネームレスはそんなモモンガの内心を見透かし闇の神官長の行動理由を察する。

 

 

(自分の立場よりも民草を優先する、か……異形種が相手だと言うのに……いや、その辺りは聞いていた通りか)

 

 

 ネームレスが想起するのはつい先日の番外席次との会話。

 闇の神官長が元々は司法機関の出であるがかなりのスルシャーナ信徒である、と。故に異形種が新たな神になる事に忌避するものはなく人類の護り手となって貰えるのならば喜んで生命を差し出すような男、そんな番外席次の評価に半信半疑だったネームレスはその評価が正しかった事に一人頷く。

 そして、モモンガからひっきりなしにかかってくるヘルプの伝言に苦笑しながら助け舟を出す。

 

 

 護る、か。そもそも貴公らは人類至上を掲げ異形種や亜人種の排斥を行っていたはずだ。私もモモンガも異形種であるが?

 

「その御考えは尤もでございましょう。確かに我々は人類が滅びを回避する為に人類を纏めるために異形種や亜人種を排斥してきました。我らの信奉する神々の中に異形種であらせられるスルシャーナ様がおられるにも関わらず」

 

 

 土下座のままで語る闇の神官長にモモンガは平静を保っているようで中身は全然落ち着いていない中、ネームレスはやや圧を出して闇の神官長に問いを投げかけていく。

 

 

 それで?自らの神を裏切る様な真似をしておきながらなにゆえに我らに乞うのか。

 

「一重に人類存続の為。人類至上の考えも御身らにより護られ世代を重ねればいずれ消えましょう。今よりも未来の為に」

 

 

 そんな堂々とお前達を利用してやる、ともとれる言葉にネームレスは内心笑い、モモンガはこの場にアルベドやデミウルゴスなどを連れてこなくて正解だったと考え脳裏を過ぎった連れてきた場合の面倒事の可能性に今は無い胃を抑えようとするが状況を思い出して踏みとどまる。

 

 

 モモンガ。

 

「そう、だな。なるほど、いいだろう。お前達人類を我々の庇護対象として認めよう……無論、お前達人類だけを贔屓するつもりは無い。我らは神として人類もエルフもドワーフも多くの種を平等に庇護する」

 

 我らに牙を向けない限りはどのような種族であろうとも受け入れる。故に人類至上主義をすぐにとは言わぬが徐々に消していけ……わかったな?

 

「ハッ!!」

 

 

 漏れる圧力。

 モモンガとネームレスから溢れ出る神威とも言うべきそれに他の神官長らは圧倒されゆく中、闇の神官長は二人の言葉を胸に刻み込み一切の異論無く難しい条件を飲み込む。

 普通であるならば引っかかる事にも反応せずにこうして流れる様にモモンガとネームレスを新たな神として新たな人類の守護者として奉じる事が決まった。

 その光景をモモンガの背後で見ていたパンドラズ・アクターはこの時の事をこう語る。

「従う以外に道がない最上級の脅し文句。父上は無意識でしょうがネームレス様はわりと確信犯ですね」

 

 

 

 

 

 

 

「くっそ疲れた!?」

 

 なんか、若干無茶苦茶言った気がする……

 

 

 法国上層部との会談……会談といえるのか?いや、それはともかく諸々が終わった私たちはモモンガさんの部屋で護衛やメイド等を一切入れずに二人だけで息を抜いていた。

 思い返すのはつい先程までの会談が予想よりも遥かにはるっっっっっかに呆気なく終わった事、予想していた事よりも早くに終わってしまった為に逆に私たちは疲れてしまった。

 私の予想では色々と反発が来てそれを潰すかある程度の妥協を見せてやる様なのだったがまさかの……えぇと、闇の神官長だったか?が土下座をやったのが意外過ぎた。番外席次から色々と人となりを聞いてはいたからある程度、我々を神として迎え入れるのに不満は無いだろうとたかを括っていたらコレだ。

 あの時は何となくそれっぽい納得を自分の中でしたがやはりなんというか釈然としない。

 いや、何故に?

 

 

「どうしましたか、ネームレスさん」

 

 え、ああ……いや、あの土下座とかを見てそんなんでいいのか?って思いまして……

 

「ああ……あの時は俺、困惑しましたけども今考えたら少しわかりますね」

 

 へ?

 

 

 モモンガさんの言葉はまったくもって意外だった。あの行動をモモンガさんが理解しただと?天変地異の前触れだろうか。

 

 

「ネームレスさん。もしもナザリックにユグドラシルではない全くの未知な存在……それこそ、ナザリックなんて簡単に滅ぼせるような存在が徒党を組んで現れたらどうします?あ、勿論俺たちプレイヤーやルベドでも勝てないような奴らです」

 

 …………どうしようもないですね。そうなったらお手上げ、逃げる……いや、無理か

 

「俺なら頭を地に擦り付けてでもナザリックを護りますよ」

 

 

 嗚呼、なるほど。下手な気まぐれで滅ぼされかねない以上、生き残る為に土下座をしてでも見逃してもらう……いや、あの神官長からすれば庇護下に入れてもらう、か。

 外道畜生、それこそ例の八欲王どもならそんな土下座、下げた後頭部に足を乗っけて嘲笑い滅ぼすだろうが……運がいいと言うのかなんというのか。まあ、私としては舌戦やら交渉事をやらないですんだのはそれでいい。

 

 なるほど、まあ、あの神官長が土下座した理由は改めてよく納得しました。……ともかく、結果として私とモモンガさんは必要事項とはいえなんやかんやで神になりましたがその辺の御感想は?

 

「恐怖の大魔王じゃないだけ上々ですよ」

 

 ま、そうですね。

 

 

 今回のイベントは戦場よりも疲れた……なんというか会談の際になんか変な事言ってないか心配だわ……多分なんか首を捻りそうなこと言ってるんだろうなぁ。

 そんな風に心の中でボヤきつつ、モモンガさんの部屋より出て廊下で待機していた伝説級の武具や課金アイテムによってレベルの底上げをし、八十代まで強化した不死の戦士(デス・ウォーリア)四体を引き連れ自室へと足をむける。

 今日は風呂に入らずにこのまま寝てしまおう。

 風呂は明日。

 アンデッドだけれども精神的疲労からは逃れられんのだ。

 

 

 

 後日、法国がモモンガさんを冥府神、私を戦神として崇める事を決めたとクアイエッセより聴いた私はついギリシャの様だと笑ってしまった。

 

 

 




階層守護者の情報制限などの為に且つビーストマン蹂躙の為に用意した課金アイテム等で強化したオリジナルモンスターこと不死の戦士×四体。

きっとみなさんも今回のというより法国との会談でなんとも言えない気持ちになるでしょう。それは作者も一緒です……俺には難しい話は無理なんだ……デミえもん
ビーストマンの前に王国やろうかな
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