UNDEAD───不死人   作:カチカチチーズ

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ちょいと時間かかったけども気にしない気にしない。
ONILANDが始まり、ひとまず今回のドスケベ礼装は何としても限凸せねばならないと思いました、ええ。


パライソ欲しいなぁ……



外交/因果

 

 

 

 

「陛下がどのような事も致しますのでどうか、どうか竜王国を御身の庇護下に……」

 

「ちょ、おま……!?」

 

 

 疲れた。

 ビーストマンの蹂躙だが、疲れた。

 いや、ビーストマンは普通に弱かったからさ?別に本来なら大して疲れるわけもなかったんだけど……次元断切(ワールド・ブレイク)二回も使うと普通に疲れる。これなら、スキル範囲を拡大化させた灼熱のオーラでも使えばよかったんじゃないかな?と自分でも思ってる。

 あ、ちなみにだが、今俺は竜王国の王城の応接間にて外交的な話をしている。竜王国からは女王であるドラウディロン・オーリウクルスと宰相、此方側からは私とデミウルゴス。

 一応、この会談が始まる前に奴隷や家畜的な扱いだけはやめろと釘を指しておいたわけだが……まあ、全部デミウルゴスに任せよう。頑張れデミえもん

 

 さて、デミウルゴスに任せて俺はあの時に感じた何か妙な感覚について考えよう。

 と言うより、そう、何故かは知らないが私は呪術をあの時に使った。それが今現状で一番の謎。

 この世界は、というよりもこの身体はネームレスだ。

 フレーバーテキストが現実化しようがセレネのものじゃあない、俺の、ネームレスのものだ。だから、呪術なんて使えるはずがないんだ……、何故だ、何故だ。

 そもそも何が原因だ?使える理由なんてのは右に避けておいてどうしていきなり出来たんだ?……なんか、同じな気がするけども……まあ、気にせず。

 いつもと違う状況、蹂躙?なわけない……太陽……ああ、彼。

 

 

「陛下とて別に文句は無いはずですが?」

 

「い、いや、まあ、そうだが……さ、流石に」

 

「満更でもないでしょう」

 

「な、何を根拠に……お前は……!?」

 

 

 戦場ではこの世界にて生まれた同性同名で同じような気質の者かもしれないと考えたが……あれはこの世界の生まれじゃない。

 最後の一撃を出す少し前まで俺は探知の指輪を装備していた。一定範囲内のエネミーやプレイヤー、NPCの凡そのレベルや位置がわかるそれにより彼の力量を俺は見たのだ。

 ユグドラシル換算で言えばレベル九十前後……番外席次とは違う神人ではないそもそも彼はこの世界の住人ではないのだろう、彼は俺と同族だ。上位アンデッド特有の不死の祝福……アンデッドを感知するそれが中途半端に反応した。

 生者には反応しないスキルが返した反応は死んでいるようで生きている、生きているようで死んでいる。そう、それは俺やエルフリーデの様な死を無くしてしまった亡者に近しいもの。

 死を亡くした者(アンデッド)、つまるところ不死人だ。

 

 

「ネームレス様」

 

 なんだ、デミウルゴス

 

「この国に対してネームレス様が御望みになる事はなんでございましょうか。どうか、御身の御心を察せれぬ愚かな私に御教え下さい」

 

 

 なるほど。

 つまり、俺やモモンガさんの望まぬ事や望む事を教えて欲しい、と。これはアレだろうか会談が始まる前に釘を刺しておいたが故の考えなのだろうか。

 原作の深読みを考えれば俺たち的にはとても良いことだ。

 

 

 そうだな、ビーストマンは至極どうでもいいが、ある程度異形種に慣れさせねばなるまい。我々の庇護下になるならば……ふむ、我が騎士と我が軍の一部の駐屯……ああそれと教会を建たせて貰えば俺はそれでいい。

 

「教会……ですか……ああ、はい、分かりました。御身を崇める教会を造らせていただきます」

 

「では、その件に関しましては私の配下も派遣し、建築させていただきます。ネームレス様」

 

 ああ

 

 

 あ、像は造るなって言っとかないと。

 絶対言っとかないとコイツらは作る、間違いなく作る。等身大……人間の時のならともかく指輪を付けていない時のサイズだと結構な大きさになるからな……。

 そんな風に考えながら、ふと俺は手元の懐中時計を覗く。

 どうやら、いつの間にかに会談を始めてそこそこに時間が経っていたようだ。

 外から間者に覗かれない為にか、この応接間には窓というものは無い。その為、外がどうなっているかは分からないが懐中時計を見る限りもうすぐ夕方になる頃合いだ。

 蹂躙が終わり会談が始まったのが……だいたい二時過ぎだと考えれば、もう三時間はやっているのか……早過ぎないか時間経つの。

 チラリと会談もとい竜王国側に意識を向ければ何やら難儀している様だ。

 耳を傾ければ、どうやら竜王国が俺たちの、アインズ・ウール・ゴウンの庇護下に入るに当たってあちら側が差し出すモノと望むモノで揉めているようだ。

 ああ、望むモノってのはまあ、単純で。こちらの庇護下に入るならある程度こちらもあちらを世話してやらなきゃならんわけで、例えば兵力とかモモンガさん考案のアンデッドによる労働力とか、まあ、そういった今回の大侵攻から復興する為に何か必要なモノを軽くでいいから出せって言ったのよ。

 まあ、大侵攻が始まって一週間も経ってないし終わってから数時間しか経ってないのだからそんな必要なモノがすぐに言えるわけもない。そりゃあ揉めるし難儀になるわな。

 仕方ない。

 

 

 オーリウクルス殿。

 

「ひゃ、ひゃい!?」

 

 (あ、可愛い)そちらはどうやら些か難儀してる様だ。今日は多くの事があり、疲れているだろう……それでは良い考えも浮かぶまい。ここは一度お開きにし、後日改めて会談するというのはどうだろうか。

 

「は、はい……お、御身よりの御慈愛、感謝致します……」

 

 

 そう言って女王は頬を赤らめながら俺の意見に賛成してくれた。

 見る限り疲れているのだろうな、さながら風邪でも引いたかのように頬が赤い。それも仕方ない事だろうから俺からは何も言わずにデミウルゴスへ視線をむける。

 

 

「では、ネームレス様が申されましたように一度、御開きと致しましょう。竜王国宰相殿、後日の会談までにどうぞ纏めておいていただけるよう」

 

「はい……では、部屋を御用意させていただきましたので案内を」

 

 分かった。案内してもらおうか。

 

 

 そうして、俺は席を立ちデミウルゴスと共に用意されたという部屋へと宰相の案内で向かう事となった。

 

 

 

 

 

 

 

 

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「ネームレス様」

 

 用意してくれたんだ、部屋に関しては何も言うな。

 

 

 案内された部屋は嘗て泊まった竜王国の宿とは比較にならないほどの豪勢さではあるがナザリックの私室と比べれば遥かに見劣りしてしまう。無論、それは単純にナザリックが何十も頭が飛び抜けているだけなので普通に考えればこれは何も悪いところはないのだ。

 それにナザリックの食事とかすごく美味しいんだが……舌が庶民なせいで逆になんか首を捻るんだよなぁ。

 さて、俺はソファーに腰掛け一度、指に人化の指輪をはめてからリング・オブ・サステナンスを外し早着替えのアイテムを使い火継ぎシリーズから軽い部屋着に着替える。

 

 

 ふぅ……あー、デミウルゴス。

 

「はっ、なんでしょうかネームレス様」

 

 とりあえず今回の会談、後日の会談の内容はきちんと保存する為に……うん、シャルティアでも分かるようにやや噛み砕いて書類に記載しておいてくれ。

 

「このデミウルゴスにお任せ下さい」

 

 

 デミウルゴスやアルベドが分かっても俺とモモンガさんが分からなくちゃ意味無いからな。……モモンガさんはパンドラが教えてくれるか……俺も知恵者ポジ用意しとけばよかったかな……。

 例えば……ダークソウルに知恵者ポジいたか?ローガン、アレは変態だから……。オーベック辺りが妥当か。

 

 

 それじゃ、少し仮眠する。誰か来たら起こしてくれ

 

「分かりましたネームレス様」

 

 

 蹂躙とはいえ流石に疲れた。

 それに彼の事もある。一度ここでの諸々が終わったら調べてみるか…………夢は見ないよう願いつつ俺は眠りについた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 鬱蒼と茂る木々の中にやや開け、草ではなく土が露わになっている洞窟の前に拡がる広場があった。そこには壊れた木材が乱雑に散らかっており、巨体が何度も何度もそこを通っているのかしっかりと踏み固められた地面があり、所々には武器のようなものが突き刺さっている。

 そんな何かが住んでいるのであろう場所に幾つもの悲鳴が響く。

 

 

「ぁがぁ!?なん、で、俺が、負けるッ」

 

「未熟であるからだろう、脳無し」

 

 

 黄緑色に近い体色という凡そ人間ではない肌の色をし、人間二人分はあろうかという巨躯で左肩に肩当をつけている人型の怪物。

 妖巨人(トロール)と呼ばれる種族の中でも屈指の実力を誇る特殊な戦士として覚醒した存在である怪物やその配下である青や黄の妖巨人達は無惨にもその身体をズタボロにさせられていた。

 それは正しく唐突な出来事であり、妖巨人たちには一切予期できぬ出来事であった。

 

 

「俺は、グ、グだ!お前の、ような、臆病者なんか、じゃあ、ないっ……!」

 

「くだらない。名前の長さ?そんな馬鹿げたもので優劣を決めるなど……愚か、実に愚か」

 

 

 グ、と名乗った妖巨人らの長の目の前に立つのはなんとも不思議な見た目の存在だった。

 それはグのような人型などではなく木のような姿形、更に言うなら燃え盛る木の様な異形の姿。

 

 

「……何故、私は此処に在るのだろうか」

 

 

 グの頭を、異形が従えていた異形――象皮の肌にずんぐりとした身体で太めの牙が口から覗く単眼の河馬の頭を乗っけてみたような――が踏み砕き完全に息の根を止めた。

 そうして、死んだグやグの配下であった妖巨人だったものを何体ものその異形たちが貪る中、燃え盛る木はソラを見上げながら自身がここに居る理由を考えていた。

 

 

「この世界の者達は偽りに甘んじている。それらを正す、真実あるべき姿へ導く……いや、それは私ではなく奴の仕事だ。ああ、つまるところ、そういう事か」

 

「さしずめこの世界は吹き溜まり、か。始まりがどのようなモノであったかは私には分からないが、この世界には幾つもの因果が巻き込まれている」

 

「私を、私たちをこの世界へと呼び寄せたのはつまるところその因果によるもの。その因果とは何か」

 

 

 一度妖巨人らを貪る象皮の異形らを見回し、先程とは違う方向のソラを向いて燃え盛る木は嗤ってみせる。

 

 

「お前だ。お前という存在の縁が、縁という因果が我々をこの世界に巻き込んだ。巡礼の果て、亡者ではなく灰となった者よ、お前は光ではなく闇を選び、人間の真実を取り戻した。では、この世界でお前は何をするというのだ?」

 

 

 燃え盛る木はソラを見ながら、いや、ソラではなくその向こうで夢見ている誰かにそう嗤った。

 

 

 

 

 




ダイスロールッ!

クリティカルだドン!もう一回回せるドン!

ダイスロールッ!!

ファンブルだドン!

結果、今回の戦犯。ダイスのデーモン

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