具体的には予選終わって空いた時間に書いた。
頑張ったお
今回から王国編です。なのでネームレスはあまり出ませんはい
さながらそれは神話に記されるべき事態であった。暗い夜、夜空を緋色に染める赤い赤い炎の壁。炎の壁、その内側に蠢く悪魔の群れ。
それに挑むは数多の冒険者。
リ・エスティーゼ王国に訪れた建国より例のない大事件。
だがしかし、そんな大事件を他所にソレらはそこにいた。
炎の壁より離れた場所にあるとある組織の人間が使っている建物、その中には二つの人影があった。
片や目が覚めるように赤い髪に伊達男という言葉が似合うような細剣を装備した男。
片や奇妙な形の帽子を被り銀仮面を付け軽装に身を包む騎士。
二人は決して仲間などではない、故に仲良くそこにいる訳では無いのは明白だ。では、何をしているのか?
その答えはこうだ。
「ぁぁあああぁぁあああ!!!???」
赤髪の伊達男、マルムヴィストは絶叫する。
それは何故か、マルムヴィストのその伊達男めいた整った顔を銀仮面の騎士がその左手で掴んでいるからだ。だがただ掴んでいるわけではない。
そんなものでこんな絶叫など上がるはずもないのだ。ではそれは何故なのか、銀仮面の騎士その左手は赤い何かを纏っている。血のようでおぞましい赤い、赤い何かの手。
───やめろ、やめろ、やめろ、やめろ!!??
「────!!!」
マルムヴィストは言葉にならぬ悲鳴を上げながら自分の顔を掴む手をどけようと暴れるがその程度では銀仮面の騎士は一切動かずその手の力は変わらない。
そうしている間にも銀仮面の騎士の左手は、その赤は、マルムヴィストの顔を……いやそれよりも深く深く内側にある何かを掴んでいく。
───やめろ、やめろやめてくれ……奪わないでくれッッ!!??
外見的に掴んでいるのは顔だ。
だが、実際に掴んでいるのは肉体などではなくその内側にあるもの。
この世界の者達には、ユグドラシルの者達には、わからないモノ。
魂を、ソウルを掴み、ソウルの内にあるモノを奪わんと銀仮面の騎士はその左手に力を込める。
マルムヴィストはソレが何なのかはわからないし、知らない。だけれどもソレを奪われるという事が死よりも恐ろしいという事を本能で理解したのか奪われまいと暴れる。
だが、その程度で逃げる事など不可能で────
「ぁ…………」
銀仮面の騎士、ナザリックのレオナールが何時からか得ていたその力。彼の巡礼の地、神々の王よりそのソウルを分け与えられた四人の公王ら、彼らを唆した蛇が闇のソウルより編んで見せた吸精の業。
すなわちはダークハンド。
それが奪うのはつまるところ
「ぁぁ……ァぁ……」
レオナールはその左手を離しマルムヴィストを床へ落とす。
強かに腰を床へ打ち付けながらもマルムヴィストはまるで渇いたように呻くばかり、いや、渇いているのだ。伊達男めいた整った顔はいつの間にかにまるでミイラか何かのように枯れ個人が特定できぬ顔立ちへと変わり果て、その鍛えた身体も細枝のように枯れ細くなった指と腕でまるで何かを求める様に虚空を掻いて……
レオナールは足を退かした。
水分を失い渇いた血だったモノを床で踏み躙るように靴から取り払い、レオナールはその左手にあるものを見る。
「おぉ……」
それは掌大の黒い結晶のようなモノ。
黒いけれども白い光をほのかに感じさせながらもやはり暗く暗くしかし温もりを感じさせる闇。
本来ならばユグドラシルの存在でしかないレオナールにはわからないモノであるがしかし、与えられたこの装備より感じさせる何かがその手にあるものが何なのかを理解させる。
「人間性」
アンデッドであるレオナールにとってそれはとても、とても暖かいものだった。
それがあると自分がアンデッドである事を忘れそうで────
「ほう、貴公。随分と懐かしいモノを持っているな」
「ッ……!」
部屋に響いた声にレオナールは振り返る。
窓から差し込む月明かり以外に明かりがない部屋、その闇の中より一人の男が姿を現す。
金、否真鍮で出来た鎧。まるで抱き締められているかのような意匠の鎧で身を包む全身鎧の男。
その両手に握られているのは二本のショーテル。
「誰だ」
「名前を名乗る理由などない、が懐かしいモノを見せてくれた礼だ」
教えてやろう。
そう、クツクツと兜の下で嗤う男にレオナールは苛立ちつい先程のマルムヴィストのようにその人間性を奪ってやろうとそのこの世界の存在では理解出来ない上位的な身体能力で床を蹴りつけた。
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平原に男二人。
黒衣の
ポケットに手を入れ、やや棒立ちのモモンに対してアクトはいつも通りに片手ずつで本来両手持ちするべき竜狩りの太斧と大盾を持ち構える。その兜から僅かに垣間見得る視線が見るのは平原の向こう。
土煙が上がっている方向である。
「来たぞ」
「はっ」
土煙が徐々に徐々に二人のもとへと近づいてくる。
それを見ていたモモンの言葉にアクトは柄を握る手に僅かに力を込めつつやや腰を落とす。
そうして、少し待っていれば迫ってくる土煙、それを起こしている存在が視認出来るほどの距離へとやってきた。明るい緑色をした蜥蜴とも蛇ともとれるおよそ十メートル程の体躯を持つ魔獣が何やら怒るように何かを追いかけている。
追いかけられているのは所々に羽毛の名残がある白骨の鳥。つまるところ
「ギガントバジリスク……聞けば石化の魔眼を持っている様だが……まあ、関係ないか」
まっすぐ、まっすぐ、
そうして、ついには
「フンッ」
「────!」
モモンらを邪魔だと言わんばかりにそのまま挽き潰そうとしたギガントバジリスクだが、残念かなアクトの軽く振るった竜狩りの大斧は当たり前のように、まるでバターを切るようにギガントバジリスクの首を切り落とした。
ギガントバジリスクを一撃、この世界においてはかなりの偉業であるがモモンもアクトも淡々と処理していく。
「うーん」
「……どうしました?父上」
「いや、なんというか……現地の者なら偉業なんだろうが……」
我々からすると単なる弱いものいじめに感じる、そう言外に語るモモンにアクトはやや苦笑しつつ布で切り落としたギガントバジリスクの首を包んでいく。
「それはやはり仕方ないのでは?ユグドラシルと違うのですから」
「いやまあ、そうなんだが……そうなんだがなぁ……」
こう、もっと、互角のぶつかり合いとか、国を襲う悪魔との激突とかそれこそドラゴンとの戦いとかそういうのが冒険者に必要なものだと俺は思うんだよ。
そう語るモモンにアクトはやれやれと二人の正体を知る者が見れば些か不敬極まりない反応をしつつ包み終えたソレを無限の背負い袋に放り込んで地面に突き立て、立てかけていた大斧と大盾を背負う。
「慎重派な父上らしからぬ御言葉ですな」
「そりゃあ確かに石橋を叩いて渡る性格なのは分かってるが、やはり冒険ってのを考えるとそういうのを期待してしまうのは男のサガというものだと思わないか?」
「ネームレス様が聴けばほぼ間違いなく、『石橋を叩いてその後によりしっかりとした強固な橋を作り上げて結局魔法使って向こう側に渡るのがモモンガさん』と言いそうですが、まあ父上の言いたいことは分かりますよ。ええ、何事もロマンは大事です」
え、俺そんなふうに思われてんの?
そう呟いているモモンを無視してアクトは足であるアイアンホース・ゴーレムを召喚するアイテムを使い二頭のアイアンホース・ゴーレムを召喚してモモンの方を向く。
「では、エ・ランテルへ戻りましょうか父上」
「お、おう……パンドラズ・アクター、お前……」
「はい?なんですか父上」
「いや、うん、なんでもない」
こいつなんかだんだんとぞんざいになってないか?……いや、俺としてはナザリックの守護者たちやメイドたちの反応よりもこういう軽いノリの方がいいんだけども……なんかなぁ?それはそれで寂しい。
ここにはいないがネームレスが聞けば、めんどくせぇと言われるような事を呟きながらモモンはアイアンホース・ゴーレムへと跨り、二人は平原よりエ・ランテルへと帰るべくアイアンホース・ゴーレムへと指示を飛ばした。
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『それで、セバス。王国の蛆虫達はなんと言ったかしら』
『八本指、と』
『そう、八本指ね……モモンガ様とネームレス様の為にもその蛆虫達は早々に始末するべきだわ』
『どうなさるおつもりで?』
『そうねぇ……ふふ、至高の御方々はこの世界において文句など出せぬ大義名分を得られたわ……そして、その蛆虫達は非合法な事を行っている……分かるでしょう?セバス』
『なるほど、そういう事でしたか』
『ええ。木が腐り折れる前に私たちが切る……そっちの方が人間の為になるでしょう』
帝国に行ったネームレス
王国で冒険者業をやってるモモンガ
そして、古戦場を走るチーズ
あ、そういえばTwitterで〇リキュアになりました