UNDEAD───不死人   作:カチカチチーズ

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 活動報告でも書かせていただきましたが、本作のゲヘナ編の続きを考えていた際に主人公の行動がダークソウルを踏まえた上で展開なども含めて強い違和感を覚え一度削除し今回から改訂版を投稿させていただくことにしました。
 また、読者の皆様にはお待たせしたことを申し訳なく思っております。
 これからも是非とも本作をよろしくお願いいたします。




暗躍:改訂版

 

 

 

 『ゲヘナ』本来の歴史においてリ・エスティーゼ王国で行われたデミウルゴス主体によって行われた計画。

 元々はセバスに対する報復行為として王国一の犯罪組織『八本指』によってツアレが攫われたことに始まる。彼らナザリックのシモベにおいて絶対であるモモンガ────アインズ・ウール・ゴウンの名のもとに保護された彼女に手を出すという事はモモンガに敵対したことを意味し、そして同時に外部からの資材を手に入れる機会を得たことによりデミウルゴスは『八本指』を襲撃し、結果として『八本指』という王国の裏組織と王国民の拉致及び『八本指』だけでなく一部貴族の所有する資源物資の獲得、そしてモモンガが扮する冒険者モモンの名声という多くのモノを手に入れた。

 それは後の魔導国成立のための布石となり、さらには聖王国における影響獲得の為の計画に関わる事となった。

 そんな本来の歴史においてとても大きな出来事であるそれがこの世界でも起きるのか、どうか。その有無がネームレスにとっては現状最も気がかりなことであった。

 

 

 俺というイレギュラーによって流れは変化している。早くの法国との関わり───それも神格としての関わり……魔皇ヤルダバオトはあまりに俺たちとの繋がりを想起させる

 

 

 『ゲヘナ』は起きない?

 そんな馬鹿な。起きないはずがない。

 心中でネームレスは過った『もしも』を吐き捨て、次の思考を回していく。

 

 

 では魔皇はどうなる。無論、あちらと違い、冒険者モモンの名声はそこまで重要視することじゃあない

 

 

 ナザリックにとって最初の大作戦ともなればただの悪魔による襲撃などあまりに味気なさすぎる。そう考えながらネームレスは机の上に広げた駒を手中で弄ぶ。

 どうせやるなら、派手に。ネームレスにとってユグドラシル時代の悪友であった悪の男(ウルベルト)問題児(るし☆ふぁー)設定魔(タブラ)忍者(弐式)らとの関りで培った遊び心と言うべき───そんな思考が脳裏を過って、次の瞬間自身の脳裏に一つの光が過ったのを覚えた。

 アンデッド、異形種としての思考に挟み込まれたのはネームレスの太陽。この世界で再会した一人の男、Yの字で佇む太陽戦士の姿。たったそれだけでネームレスはその兜の下で浮かべそうになっていた暗い笑みをかき消し、自嘲するような笑みを浮かべ寄りかかっていた少女、番外席次の頭をまるで玉遊びでもするかのように軽くぽむぽむと叩く。

 ここはバハルス帝国の高級宿ではない。

 竜王国の一画に建築されたネームレスという戦神亡者の王を崇める黒教会、その一室。

 セバスの一件より帝国へと戻ったネームレスは従者として侍ていたリロイを帝国で待機させ一人この教会に足を運んでいた。

 

 

「ねえねえ、どうしたの?いきなり笑って」

 

 

 どうやら、声を出して笑っていたようで頭の上に置かれた手を捕まえた番外席次が怪訝な声音でネームレスへと聞いてみれば、一度考えたような素振りを見せたと思えば再び、今度は明確にネームレスは笑った。

 

 

 フッ、フフフッ……、いや、なに、存外旧知の存在が自分の中で大きくてな

 

 

 モモンガではこうも簡単に自分の中の異形種らしい側面を引っ込めさせられなかっただろう。そう考えながら、ネームレスは笑う。

 きっと、モモンガだけではなんやかんやで何か理由付けしながら、この『ゲヘナ』に対して協力的ないし介入することは間違いなかっただろう。だが、わざわざ戦火を広げる必要もない、ましてやこの世界においてナザリックの指針からして原作より被害は小さくできるはずだ、そうネームレスは思考して

 

 

 見学、だけに収めるか。何より、会いたい男がいる

 

 

 そう、呟きながら、ネームレスはアイテムボックスから一振りの刀を取り出して見る。

 それはネームレスらプレイヤーやNPCが振るうには何枚も型落ちしているような一品で、しかしそれでもこの世界においては名刀と呼ばれる代物。ソファーにそれを立てかけ、ふとため息をつきつつ自身の装いを火継ぎの鎧からファーナムの鎧へと変えて、ソファーから立ち上がる。

 その手にはいつの間にかに二振りの直剣が握られていて、見上げている番外席次と視線がかち合った。

 

 

 軽くやるか

 

「そうね、のんびりしてるより私はそっちのほうが良いわ」

 

 

 少女、番外席次はまるで汚れを知らぬ子供のように無垢な笑顔でネームレスの誘いに応えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 夜が明けて、セバスとソリュシャンの多忙な一日が始まった。

 何も言わずにこの王都から立ち去ったところでその後に会う可能性など限りなく低いがしかし、この王都で作り上げた商人としての偽りの顔を潰してしまうのは勿体ないと、帝国に帰還するという演技をすることになったためだ。

 セバスは最初の一度しか顔を合せなかったソリュシャンを連れ、帰還する旨を付き合いのあった商人や組合の人間たちに報告していく。無論、挨拶だけといっても話がそれだけで終わるわけもなく、雑談をして時間をかけてしまうのは人間関係を友好的に回すうえで仕方がないことであった。特にソリュシャンという美女と話すことに嫌といえるような男はそうそういない。

 結果として、一軒に三十分以上拘束され、すべてに回ったころには既に太陽は沈みかけていた頃合いであった。

 

 

「時間は非常にかかりましたが、倉庫の一時使用と小麦の運搬作業はすべて終了。これで問題なくナザリックに帰還できますね」

 

 

 ソリュシャンの言葉には珍しく喜悦の色があった。

 ナザリックに帰還できるという事実と自分が主体の仕事を無事つつがなく終えられたことに満足感を感じているのだろう。

 基本的にこの王都での情報収集という仕事はセバスの手により行われたものであり───結果としてその成果は無かったものとなったが───今回の挨拶回りは表向き主人であるソリュシャンの仕事であり、それで強い満足感を得たのだろう。まるで鼻歌でもうたいそうな面もちである。

 実際、そのことに問題などどこにもなく、機嫌のよい美女との会話はセバスらにとって様々な面で有利に働いた。例えば倉庫の使用料など、小麦を大量に買ったからという事実を差し引いても破格の安さであった。

 美人というのは得である。

 そう心中で思いながらセバスは馬車を館の敷地内において、ソリュシャンを連れて玄関へと歩く。

 

 懐から鍵を取り出し、鍵穴へ差そうとしたところでセバスは何らかの違和感を覚えた。違和感により動きの止まったセバスに不思議に思ったのか、ソリュシャンは怪訝そうな表情を見せ───その視線が鍵穴へと移ったところで口を開いた。

 

 

「鍵穴にいくつか、真新しい傷があります。何者かが鍵開けを行った可能性が――」

 

 

 そこまで聞いて、セバスはソリュシャンの言葉を最後まで聞かずに屋敷の扉を開いた。罠の有無など何も考えていない。

 あったとしても踏み砕けばよい、そうセバスは判断した故に。

 既に撤収が済んでいる館はがらんとしており、人がいる気配は微塵もなく、セバスは館へと踏み入り自身の探知能力を全開にして館内の存在を探知し、帰ってきた答えは無。

 

 

「ツアレ!ツアレ、いないのですか!」

 

 

 セバスらしくなく声を張り上げ、館の中を探索する。

 そもそもツアレはその経歴はともかく常人でしかなく、セバスというこの世界において神話の存在としか言えぬ実力者から自らの気配を隠すことが出来るわけもない。故にセバスの中には最悪な考えがふつふつと湧き上がる。

 そして、あちこち探し回る中、ツアレの姿もツアレだったものも見当たらず、何かあった痕跡すらどこにも見当たらない。まるで煙になって消えたかのように、そこまで来てようやくセバスは自身の中の最悪な考えを払拭できた。

 

 

「血の匂いは感じられない……であれば、殺されたのではなく、攫われたと考えるべき。だとすれば犯人の要求は……」

 

 

 拳を握りしめながらセバスは自身の判断が失敗であった、とその失態に苛立つ。

 もともとツアレを一人で館に残すのは不安であった。『八本指』という裏組織とぶつかったために危険がない筈がなかったからだ。

 にも関わらず彼女を館に残したのは偏に彼女はいまだ外に怯え、人に恐怖を感じる心的外傷が癒えていなかったからだ。故にたとえ馬車に乗せたままだとしても面倒なことになるかもしれないと判断したためにセバスは彼女を館に一人残すという選択を選んだのだ。

 そして、その判断は間違っていた。

 多少の面倒が起きる可能性を呑んででも守れる場所に置いておくべきだったのだ。その事を悔やみながらセバスは廊下をやや早歩きで進んでいく。

 と、そんなセバスを呼び止める声が。応接室よりの声に、まさかいたのか?というありえない幻想を抱きつつ、部屋に入れば応接室の中央にはソリュシャン一人。しかし

 

 

「ソリュシャン、それは」

 

「何か書かれた羊皮紙です」

 

 

 その言葉と共に差し出された羊皮紙、マジックアイテムを起動しそこに書かれた文字を読み解いていく。

 読み進めていくうちにセバスはその羊皮紙を握りつぶす。

 

 

「攫われました。ですので、助けにいきます」

 

 

 返答など期待しない、そんな言葉にソリュシャンは目を細め口を開く。

 

 

「それがよろしいと思います。ですが、いまはモモンガ様のご命令ではナザリックへと撤収となっております。まずはそちらを優先するべきではないでしょうか?」

 

 

 ある意味、予想の出来た返答。故にそれに対しての返答を返そうとして

 

 

「それでもなお、あの人間を先んずるというのならばまずはモモンガ様にご報告するべきではないでしょうか?よもや、先日の一件にてモモンガ様、ネームレス様のおっしゃったことをお忘れですか?」

 

 

 そこまで言われて、セバスは昨日の一件にて言われた事とそして一体ツアレが何の名のもとに保護されているのかを思い出した。

 

 

「モモンガ様、ネームレス様にご報告を。ツアレが攫われたが、どうしたらよいのか、と」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 男は感じた。

 第六感のようなもので、いやその身に渦巻く人間性が、ソウルが囁くのだ。

 男にとって無視することが出来ないものがこの日訪れることを。

 

 女神の騎士はようやくその退屈より引き上げるものと出会う機会を目前とした。

 

 







 オーバーロードのアプリゲーであるオバマスですが、オバマスには独自のキャラが出てきますが極力出せるようならばオバマス要素も出していきたいと思います


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