魔が注ぐは無償の愛   作:Rさくら

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SUPERBIA GULA INVIEDIA 2

 

 

 

 

 

 ナザリック地下大墳墓、最下層の玉座の間に至高の御方へと忠誠を誓う者達は集まっていた。

 スレイン法国を盤上としたゲームのルールが説明された時と同じく、扉から玉座への一直線の道は、頭を垂れる異形達によって形作られている。

その道の果て、玉座に腰掛けるモモンガが見詰める先の扉が開き、ゲームの対戦者が並んで現れた。

 血を吸ったような赤の裏地に、胸元の大輪の薔薇、黒と赤に包まれる全身に映える美しい金の細かな装飾を煌めかせる衣装を纏う、顔の右半分をペストマスクの様な仮面で隠す山羊頭の悪魔。そして、まるで絵画からそのまま抜き出たような輝くように美しい白銀の鎧を纏い、燃え盛る炎のように赤いマントをたなびかせ、立ち居振る舞いからも完成された彫像を思わせるような聖騎士。

玉座の間の扉前にて、ゲームの代表者二名が、堂々たる姿で並び立っていた。

 その御姿を、まさに神話の体現が如くとナザリックの者達は感激に身を震わせつつ静かに眺める。この世で何よりも美しく、尊き存在を目にしたのだと。

「ウルベルト・アレイン・オードル様、たっち・みー様、御入室なされます」

玉座に腰掛ける王の隣に立つ守護者統括は、柔らかながらも凛と通る声にてゲームで対戦した者達の代表者達の名を上げた。

「うむ。皆の者、頭を上げ、両者の健闘を讃え拍手で迎えてくれ」

偉大なるも慈悲深き御方からの指示に、ナザリックの者達は喜んで従う。異形の者達はその手、もしくは人間で言うところの手に該当する部位や、代わりの部位を使って音を盛大に鳴らした。

そんな奇妙な音が混ざり込む拍手に包まれながら、彼らは歩み出す。

 ウルベルト・アレイン・オードルは、阻む者など何一つ無いとその征く姿だけで証明するように華々しく、玉座へと足を進める。

 たっち・みーは、恐れるものなど何一つ無いとその征く姿だけで証明するように威風堂堂と、玉座へと足を進める。

彼らの歩みは迷いなく進み、そして、下僕達が見詰めるその先、階層守護者達が膝を地につく場所の少し先で足を止めた。

 ウルベルトとたっちが見遣る玉座の階段下にて立つデミウルゴスとセバス・チャンが、ゆっくりと頭を垂れる。アルベドもまた、玉座の隣で美しく、胸に手を当て頭を下げた。

 鳴り止まぬ拍手は、しかし、モモンガが片手を上げたことによって、一瞬で止む。玉座の間は静まりかえり、絶対の支配者へと全ての下僕達の視線が集まった。

「皆の尽力もあってゲームは何事もなく終了した。まずは、そのことに感謝しよう。この感謝は、遠慮せずに受け取ってくれた方が私には嬉しいことだ」

至高の御方からの感謝に、反射的に勿体無いと次々に彼らは言い始めてしまう。しかし即座に続いたモモンガからの優しい気遣いに、口を閉ざし、そして歓喜して口々にその素晴らしさを褒めそやし始めた。

 嗚呼なんと、かくも我らが支配者は御優しい方なのだろうかと。

感激のあまりざわめきの収まらない彼らに、今度はアルベドが注意して静かにさせる。それを労ってから、モモンガはさっそく本題へと切り込んだ。

「それでは、勿体ぶらずにゲームの結果を話すとしようか」

また少しばかりどよめきが起こりかけるも、今度はすぐにその波はひいた。玉座にいる支配者からの発表の瞬間を、ゲーム未参加の者達すらもそわそわしながら待ち侘びている。皆、その瞬間が楽しみで仕方がないのだ。

勿体ぶらずに、と言ったモモンガだったが、静まり返る彼らを見渡してから、やっとその口を開き、結果を伝えた。

「ゲームの結果は、……黒の陣営の、勝利だ」

モモンガのその言葉に、勝利した黒の陣営に所属していた者達から一斉に喜びの声が上がった。勝った、勝ったぞ、ウルベルト様の勝利だ!と、歓喜の声があちらこちらから湧き上がっていく。

ゲーム未参加の者達からも、白の陣営に所属していた者達からも、祝福の温かい拍手が送られた。

「さぁ、それでは勝者の願い事をどうぞ、ウルベルトさん」

黒の陣営に所属していた者同士で喜びを分かち合っていた者達が、黒の陣営を率いていたウルベルトの背中を一斉に見詰める。自分達が勝利をもたらすことができた至高なる御方が何を望まれるのか、彼らはわくわくしながらその御言葉を待っていた。

 

 モモンガに声を掛けられたウルベルトは、ゆっくりと振り向いてナザリックの者達を見渡す。そして、彼らを背に立つたっちへと視線を最後に到達させると、彼は口を開き、その願い事を口にした。

「……たっち・みーを、アインズ・ウール・ゴウンの死刑執行官に就かせてほしい」

その申し出に、一瞬で場が静まりかえる。そして一気に、波が返ってきたように騒がしくなった。ざわざわと、その願い事の意味をナザリックの者達は追求する。一体どうして、何故、それを願われるのかと。

困惑しきる彼らは視線を彷徨わせ、そして縋るように、ナザリックの智慧者であるアルベドとデミウルゴスへと視線を遣る。しかし、彼らまでもが揃って珍しく顔色を悪くし狼狽する様子を見てしまい、ナザリックの者達の不安は加速する一方だった。

「……分かりました」

モモンガが了承するだけの簡素な言葉を紡いだことによって、ナザリックの者達は再度、動揺と衝撃と焦燥の波に激しく襲われた。

「願い事は、たっちさんに、私とウルベルトさん承認のもと“死刑執行官”の役職を与え、ナザリック地下大墳墓内外を問わず“全ての存在”に対し、正義に乗っ取って死刑執行を行える権利が与えられることを望む、ということですね」

「モモンガさんの言う通りです」

どよめきもざわめきも収まる訳がなく悪化していく。一体これはどういうことだと、ナザリックの子供達は顔を見合わせ何かに助けを求めていた。

 モモンガは、“全ての存在”と言った。それが文字通り例外なく全てという意味であれば、そこには、ナザリックの者達にとっては決して入るべきでない特別な存在が入っていることになってしまう。それを許されるのかと、理由がさっぱり分からない緊急事態に、ナザリックの子供らの困惑と混乱は酷くなっていくばかりであった。

しかし、ウルベルトが片手を上げれば、それに呼応して、動揺の表情はそのままに下僕達は静まり返らざるを得なかった。

「まず言っておくが、俺はソイツが大嫌いだ」

ウルベルトは、たっちを指差し、平然と言ってのけた。

唐突なその申告に、ナザリックの誰もが思わずぽかんとしてしまう。

そんな彼らを無視して、ひとまず彼にとってはとても重要なことを伝え終えたウルベルトは咳払いをする。

「この願い事を口にしたのは、それがナザリックの益になると判断してだ。この私が、君達にとって耳に痛い苦言をここですることは、何も初めてではないだろう?」

その指摘にぎくりとして、嫌なことを思い出したナザリックの者達は渋い顔をする。

「それから、たっちさんの正義判定に疑問を感じたら俺かモモンガさんに気軽に相談していいからな。特に俺に相談してくれたら全面的に味方してやろう!」

「ウルベルトさん……」

呆れた声を出すモモンガが、ウルベルトを嗜める。その遣り取りを微笑ましく見詰めることなどできず、ナザリックの者達は曖昧に笑う、というよりかは顔を引き攣らせたというべき表情を晒していた。

「モモンガ様、ウルベルト様、たっち様、口を挟む無礼をお許しください。しかし、此度の願い事は、最終的には多数決によって決められることになっていたかと思われます。ねぇ、そうだったわよね、デミウルゴス」

「その通りですよ、アルベド。至高の御方に対し無礼な物言いとなってしまいますが、ルールは、守られるべきかと」

その言葉に、混乱しきっていたナザリックの者達ははっとすると同時に安堵する。多数決で、願い事が却下されればそれまでの話だと。

 割って入ってきたアルベドとデミウルゴスの発言に、モモンガは冷静に頷いて応えた。

「ああ、勿論。その通りだ、アルベド。では、投票を始めようか」

「かしこまりました。それでは、事前に決められていた通り、モモンガ様と私、そしてセバスとデミウルゴスにより、多数決を行います」

モモンガに貼り付けた笑顔で笑いかけたアルベドは、次に冷めた瞳でデミウルゴスとセバスへ視線を移す。その冷ややかな金の瞳はとてもわかり易く、饒舌であった。

「ウルベルト様の願い事を叶えることに賛成する者は、挙手を」

彼女からのその問いかけに、セバスと、モモンガのみが手をあげる。それは誰もが容易く想定できる光景であった。

 執事への舌打ちを耐え、愛しい殿方が手を上げたことに戸惑うも、そら見たことかとアルベドは内心笑っていた。しかし、すぐに違和感を覚え、彼女は冷や汗をかく。

ウルベルトの発言と、それを受けてのモモンガとたっちの反応と受け答えは、どう考えても事前に願い事について摺り合わせを行っていた故の滑らかな流れだ。それならば、あらかじめ願い事を話し合い決めていたのに、肝心の多数決で決定されるルールを、忘れていた訳がない。

 何か考えているのだろうかとアルベドは懸念するも、しかしここまで単純な多数決に、何かできる訳もあるまいと口角を密かに上げる。そうしてアルベドが、願い事の否決を口にしようとした時、とても単純な一手が打たれた。

「デミウルゴス」

ウルベルトのその、たった一言で、再度雲行きは変わった。ただ名前を呼んだ、それだけで。

 彼は、あくまで自身が創造した息子の名前を呼んだだけだ。だが、それの意味するところを察するなという方が被造物には無理な話であろう。名を呼ばれた悪魔は、戸惑いの表情の後に、挙手をした。

「……私は、賛成に意見を変えます」

「ちょっと…!ウルベルト、様!それはあんまりではないですか!?」

声を荒げ、感情的に否定してきたアルベドに、ウルベルトは冷静に返す。

「アルベド、惚れた相手の意志を尊重してやりなよ」

「っ! なんてずるい手を…!!」

歯ぎしりするアルベドは、それでも視線を彷徨わせ、何か今からでも打てる手は無いかと考える。しかしそんなアルベドに、優しく、無慈悲な言葉をかけてきたのは、彼女がその願い事を否定する原因そのものであった。

「できれば、アルベドにも納得してほしい」

「モ、モモンガ様まで…!? しかしっ、しかし私は、あの様な権利をたっち・みー様にご許可なさるなど、私は…!」

声を荒げ、愛しいモモンガからの言葉にも素直に頷くことができない葛藤に苛まれるアルベドの名を、モモンガは優しく呼んだ。

その声に名を呼ばれたことに瞳を潤ませ、眉間にしわを寄せたまま不満そうなままだが、それでも彼女はぐっと口を閉ざした。

「モモンガ様……」

「アルベド、聞いてくれ。……いや、」

玉座の間に集まった、死刑執行官をたっちに任せると言っただけで不安に身を震わせる愛しいナザリックの子供達を見渡し、モモンガは彼らに優しく呼びかけ、語りかける。

「アルベドだけでなく、ナザリックの者達、皆に伝えよう」

アルベドに遣っていた視線を、ナザリックの者達に移し、そして、ウルベルトを、たっちを見遣り、モモンガは言葉を紡ぐ。

彼の願いを、口にする。

「私にとって、このアインズ・ウール・ゴウンのもの以外は、心底どうでもいい、有象無象の存在だ。私はお前たちを、お前たちだけを。このアインズ・ウール・ゴウンだけを、愛している」

その告白に、ナザリックの者達は感嘆の息を漏らして涙ぐむ。何よりも尊き、愛しい、失われてはいけない存在を、彼らはひたと見つめその御言葉に聞き入っていた。

「しかしだ、私は、仲間達から、情けないとも呆れられたくないのだ」

続いた言葉の意味は、ナザリックの者達には上手く理解できないもので、露骨に彼らはきょとんとして首を傾げ始めた。情けない、これ程までに至高の御方に似合わぬ言葉はなく、また先程の願い事の件とも繋がらない話のように彼らには思えたのだ。

そんな彼らに、甘やかな苦笑を零して、モモンガは優しく説明する。

「この世界を、凡庸な人間と同じく下手くそに運営し、不幸と不平等と暗黒の未来に叩き落す…、そのようなつまらない存在に、私達は、成り果てたくないのだよ」

目を見開く彼らの顔を眺め、そしてモモンガは再度、ウルベルトとたっちへと視線を遣った。

モモンガとは違い、未だ人間に対して、この世界に対して、幸福を与えてあげようと心を砕くことのできる優しい仲間達。

そんな仲間達を、誇らしく思いながら、モモンガは見詰めていた。

「その為の彼らだ。私が、愚者にならぬよう、共に居てくれる掛け替えのない仲間達だ」

モモンガがそう言い終わるのと同時に、たっちが前に進み出た。

いつの間にやら静まり返っていた玉座の間に、彼の動作に合わせ動いた鎧の金属音が鳴る。赤いマントは存在を主張するようにたなびき、胸の青い宝石が光を反射し鮮やかに煌めいた。

「モモンガさん」

玉座の前へと進み出て、腰の剣を抜き放ったたっちに、ナザリックの者達がざわりと反応し警戒する。

 アルベドも、デミウルゴスも前へ出ようと体勢を動かし、それぞれから痛いほどの憎悪と殺気が垂れ流される。しかし、そんなことなど気にもとめずにたっちは、剣先を指の腹で掴み、柄を自ら玉座に向けて差し出したのだ。

そして聖騎士は、モモンガへと剣を差し出しながら、その場に跪いた。

 臨戦態勢になろうとしていた者達が一斉に、びたりと動きを止める。モモンガに忠義を示している真っ最中の至高の御方を、ナザリックの者達の前で殺すことなど、彼らにできる訳がなかった。どう考えてもそれは、悪手でしかない。手を止めた者達は渋々と、事の成り行きを見守らざるを得なくなっていた。

 そして、その光景に目を見開いたのは、ナザリックの下僕達だけでない。玉座にいる剣を差し出された相手である支配者自身も、瞠目していた。

「たっちさん……」

モモンガは戸惑い、悩んでしまう。彼からそのように剣を差し出されるのも、受け取ることも、あまりに自分には分不相応にしか思えなかったからだ。しかし、名を呼ばれ、顔を上げて目があった友の悪魔からは頷かれ、催促されてしまう。

そうしてモモンガは、玉座から、骨のはずなのに妙に重たく感じる腰を上げた。そして、膝を床につく友の聖騎士へと歩み寄り、差し出された剣の柄をじっと見詰めた後に、戸惑いながらも握り締めた。

モモンガの長い躊躇とは真逆に、たっちは平然と、あっさりと剣から手を離してしまう。一気に重みが増して、受け取った事実を改めてモモンガは感じる。

聖騎士は、己が剣を持つ友である死の支配者を満足そうに見上げた。

兜の向こうからそんな彼の優しい視線を受け取り、モモンガも、覚悟を決める。せめて、友の期待に応えてみせようと。

 聖騎士の肩に、剣の腹が置かれ、不死者による祈りと誓いの言葉が紡がれる。

「……たっちさん、私が憧れた貴方の強さを、どうか貫いてください。その隣に並び立てるように、私も、努力しますから」

その弱々しく縋るようでもある真摯な祈りに、聖騎士は真っ直ぐとした誓いで返した。

「それでは私も、貴方の憧れに恥じぬように在りましょう」

その誓いに、モモンガは驚き、そしてとても嬉しそうに笑った。

「たっちさんはやっぱり、格好いいですね」

「ありがとうございます、モモンガさん」

ナザリックの者達へと、モモンガは視線を遣る。彼らによく見えるように、モモンガは己が持つ剣の刃を、その骨の両の掌の上に乗せ掲げる。

「これよりたっちさんに、“死刑執行官”の役職を与える。異論ある者は進み出よ」

支配者からの言葉に、誰も発言せず、そして身動ぎもしなかった。

 剣を捧げ、その剣を受け取った神々の誓いに、被造物が口にできることなどあるはずがない。たとえその心が複雑な色合いをし、納得とは程遠い場所にいたとしても、信奉する神々の美しき誓いに、己が不愉快故の反対など投げつけられる訳が無いのだ。

 神が、それを望まれるならばと、苦々しい想いを、それ以上の信仰心、もしくは焼け爛れるほどの愛の想いで、彼らは飲み込んだ。強制的に、納得したのだ。

 玉座の間を沈黙が支配した後、聖騎士は鎧を鳴らし、マントを揺らし、立ち上がる。

 死の支配者は、捧げていた剣を降ろした。

 そして、たっちはモモンガより剣を受け取ると、振り返り、ナザリックの者達に向かい厳かに宣誓する。

「今この時、この私、たっち・みーは、アインズ・ウール・ゴウンに正式に帰還する!!」

玉座の間にて轟いたその宣誓は、始まりの合図。それを福音ととるか、バケモノの絶叫ととるかは人の自由だ。

剣を掲げ、挑むように彼は玉座の間を見渡す。

「死刑執行官として、この世界全てを正しく支配するために、君達と共に戦おう」

揺らぎのない正義の御言葉は、美しく玉座の間にて響いた。

それに対して、静まり返った玉座の間にて一番初めに拍手を送ったのはパンドラズ・アクターであった。

「素晴らしいではありませんか!」

張り上げられた芝居がかったその物言いに、誰もがぎょっとして宝物殿守護者の彼を見る。

まるでスポットライトを浴びているかの如く、大げさな身振りで台詞を読み上げるように語る彼に、創造主は沈静化していた。

「たっち・みー様が望まれる絶対の正しさ!そして、ただ君臨し続けるだけでなく完全なる正義でもって支配をしようとなされるモモンガ様の覚悟!嗚呼、流石は偉大なる神々!!ただ偉大なる御方が居るだけで満足しようとする我らのくだらない考えに比べ、なんと!なんと、崇高なることでしょうか…!!!」

パンドラズ・アクターの言葉に導かれ、彼に続いて、拍手が少しずつ起こり始める。

役者に誘導されるままに、死刑執行官の誕生は不安に苛まれることではなく、至高の御方達の偉大さを示す素晴らしきことなのだと、彼らは認識を塗り替えていく。それは、不安から逃げ出したい下僕達の想いもあって、容易く行われていった。

「絶対なる存在、何にも代え難い、いえ代えられることなど出来ぬ御方へ、忠誠を捧げましょう!!」

床に膝をつき、玉座へと向かい頭を下げたパンドラズ・アクターに倣い、ナザリックの者達は続けて頭を垂れて忠誠を捧げ、そしてたっちの死刑執行官への就任を口々に祝った。

 

 

 そうして、いと慈悲深き死刑執行官は、悪魔が願い、死の支配者が許し、多くの異形に祝福されながら、ナザリック地下大墳墓にて生まれたのであった。

 

 

 

 

 

 


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