天才少女に手を惹かれて   作:あまぽー

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どうも、天駆けるほっしーです。(*^o^)/\(^-^*)


気がつけばお気に入りが150名に!

☆10評価 じゃどあ さん

☆9 評価 生ナマコ さん

高評価ありがとうございます!


今回は前回に続きシリアス回です。




あ、ガルパでフレンド募集中です!笑


ID 23786606です!
よろしければお願いします♪(*^o^)/\(^-^*)




第9話 色彩のない日常

次の日、俺はいつもより早く1人で学校に来た。

 

 

教室には、数名いたがふたりはまだ来ていなかった。

 

 

 

だが俺は耐えられなく授業開始ギリギリまで校内を歩き回っていた。

 

 

俺は一体何故あんなことを日菜に言ってしまったんだ。

 

 

その答えが見つからない。だから今の俺には日菜に話しかける資格がない。

 

 

ふとスマホを見る。授業の5分前だった。

 

 

俺はもやもやを抱えたまま教室に戻ることにした。

 

 

 

 

 

 

 

いつも仲良く登校してくるふたりがバラバラに登校して来ているのを不審に思ったアタシは日菜に声をかける。

 

 

「おはよう、ヒナ」

 

 

 

「あ、リサちー…おはよー…」

 

 

そう言いながら振り返ったヒナを見て思わずアタシは言葉を失った。

 

 

 

日菜の目もとは真っ赤に腫れていた。

 

 

「ひ、ヒナ!?一体どーしたの?」

 

 

 

「えーっとね…昨日感動する映画を見てねー?」

 

 

 

あはは…とヒナは笑いながら言った。

 

 

アタシにはすぐに嘘だって分かった。

 

 

「ヒナ、なんで嘘つくの?もしかして弘人がー『弘くんは悪くないの!』

 

 

ヒナは目をぎゅっと閉じて大きな声で言った。

 

まるで痛みを堪えながら絞り出した悲鳴。そんな声だった。

 

 

「ヒナ…」

 

 

 

「弘くんは悪くない、あたしが弘くんの気持ちも知らずに傷つけてたから…」

 

 

 

あの元気なヒナがここまでなるなんて…

 

 

アタシはいつも彼が座っている席を見る。

 

 

「弘人…」

 

 

いつもため息をつきながらも楽しそうに話している彼がいない。鞄が掛けられて放置された席はいつもよりも冷たく見えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…授業は淡々と進んだ。

 

 

時より前のほうからリサの視線を感じていたが今の俺はリサにすらどう向き合えばいいのか分からなかったため気づかないふりをした。

 

 

…いつもなら肩を叩いたり背中を突いてくる日菜も今日は何もしてはこなかった。

 

 

そう、これが普通の生活。ありふれた日常。

 

 

…これがお前の望んでいた日常だろ?

 

 

 

うるさい、黙れ。

 

 

平和を謳歌するんだろ?

 

 

分かってる。

 

 

ほら、授業が終わったら思いっきり伸びて言ってみろよ。

 

 

『平和だなぁー』ってよ。

 

 

 

やめてくれ。

 

 

そんな自問自答を繰り返しながら空を見る。

 

 

今日は快晴。いつもより天気はいいのに…。

 

 

何故こんなにも色褪せて見えるのだろう。

 

 

 

昼休みになって教室を出てすぐに後ろから腕を掴まれた。

 

 

後ろを見るとそこにいたのはリサだった。

 

 

 

「弘人、どうしたの?」

 

 

「…何でもない」

 

 

 

「じゃあ何でそんな辛そうな顔してるの?」

 

 

「これは…」

 

 

 

「日菜もそうだった、いったい何があったか教えてよ…今の二人…とても見てられないよ…」

 

 

 

リサは目に涙を溜めながら言うと俺の手を引っ張って歩き始めた。

 

 

 

「お、おい…」

 

 

リサに連れられた先は屋上だった。

 

 

 

「…ここなら人来ないから」

 

 

 

「…。」

 

 

言葉が出ない。悔しくて、情けなくってリサの顔すら見れない。

 

 

 

「…もう!」

 

 

いきなり両頬を掴まれたと思ったらグイッと顔を上げられた。

 

 

 

「アタシには相談もしたくないの?弘人にとってアタシはそこまでの存在なの?」

 

 

 

そんなことない。リサだって、日菜だって。

 

「これ以上お前らに迷惑かけたくない…」

 

 

 

 

 

 

「1人で抱え込まなくていいから。アタシら友達でしょ?」

 

 

 

…ポロポロと涙を流しながらリサは言った。その様子を見ていた俺の目からも涙が流れた。

 

 

 

高校生になったのに泣くなんて情けない。

 

 

いつもの俺ならそう思っただろう。だけどな、これはリサと同じで誰かを思って流れた涙だ。

 

 

それなら別に泣いてもいいだろ?

 

 

 

先程まで色褪せて見えた空は涙で歪んで見えたが、そこにはしっかりと綺麗な青空があった。

 

 

 

 

それから少し時間をおいてからリサは話を始めた。

 

 

 

「よし!それじゃー弘人とヒナの仲直り大作戦始めよっか☆」

 

 

いつもの元気なリサを見て思わず笑みが溢れた。

 

 

「弘人、もう大丈夫?」

 

 

 

「あぁ…ありがとなリサ、お前が友達でホントに良かったよ」

 

そういってリサの頭を撫でた。

 

 

「え、ちょ、ちょっと!?」

 

 

リサは顔を真っ赤にして慌て始めた。

 

 

「ひ、弘人!?なんか違う方向でらしくないよ!?」

 

 

「こーゆーときじゃないとこんなこと言えないから受け取っとけ」

 

 

そう言うとリサは黙って頭を撫でられていた。

 

 

「んー、意外といいかも…♪」

 

 

リサは頭を撫でられるのは嫌いではないらしい。

 

 

よし、困ったときはこの手でいこう。

 

 

そう思ってるとチャイムが鳴った。

 

 

「このままサボるか」

 

 

「いつもならダメだけど…今日だけ賛成~♪ほーら、続けて?」

 

 

…そんなに好きなのか?

 

 

 

 

それから10分程撫でていただろうか、そろそろと思い手を離す。リサも満足したようだしな。

 

俺はリサに訊く。

 

 

「…日菜は許してくれるだろうか?」

 

 

 

するとリサは笑顔で言った。

 

 

 

「日菜も弘人をきっと待ってるよ」

 

 

 

 

そこからはリサと話をしていると放課後になった。

 

 

先生には保健室に居たと話すとため息を1つと小言を少しもらった。

 

 

 

 

 

リサはバイトに行くとのことでただ一言。

 

 

「明日は二人で登校してきなよー?」とウィンクしながら言われた。

 

 

 

 

そして1人とぼとぼ歩く日菜に追い付くと深呼吸してから言った。

 

 

 

「…っ!日菜!」

 

 

ビクッとしてから日菜が振り向く。俺の顔を見てから一瞬喜ぶが再び目を伏せてしまった。

 

 

「弘くん…?」

 

 

 

日菜ともっと話したい。ただそれだけだ。

 

なら日菜が望むように伝えよう。

 

 

 

 

「日菜、俺を天文部に入れてくれ」

 

 

謝ることはこれからでも出来る。まずは日菜と一緒の時間を取り戻していこう。

 

 




第9話終了です!


さてさて日菜ちゃんと弘人は無事に仲直り出来るのかー?

次回も頑張りますので宜しくお願いしまーす(*^^*)ノシ

今後見たい内容は?

  • 氷川家へのお泊まり
  • 日菜とのデート回
  • リサとのデート回
  • 主人公のバイト探し

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