天才少女に手を惹かれて   作:あまぽー

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今日は氷川姉妹の誕生日!日菜ちゃん、紗夜さん。

おめでとう♪ヽ(*゚∀゚*)ノ

さぁ日菜ちゃん回後半いくよー!


第32話 早川弘人はゆっくり休みたい。3日目②

部屋でとにかく気をそらそうとスマホを弄って10分ぐらいたっただろうか。

 

時刻は5時半。

 

黒く濁った厚い雲のせいでどんどん暗くなってきた。

 

部屋の電気をパチッと点けてベッドに座った時だった。

 

部屋のドアが開いたと思ったらゆっくりと日菜が入ってきた。

 

 

「お風呂、ありがとね」

 

「お、おう……乾燥機回したか?」

 

「うん。服入れてしたよ」

 

 

日菜は俺が貸したジャージを着ていた。しかし、俺との身長差からかやはりブカブカだった。

 

 

「やっぱ弘くんのだからおっきいねー」

 

 

手の出ていない袖をブラブラ振って笑って言った。

 

いつもならため息一つついてから話していたが、今日は真面目に訊いた。

 

 

「……日菜、何でこんな雨の中歩いていたんだ?」

 

 

日菜が少し他人よりも感性がずれているのは分かっていたが、さすがに雨の中をずぶ濡れになりながら歩くほどずれているとは思えない。

 

日菜は両腕の袖を捲って腕を出しながら言った。

 

 

「弘くんに会いたかったから!」

 

「にしたって雨の中に来なくても」

 

「最初は降ってなかったよー?」

 

「引き返してもよかったじゃないか」

 

「それは……イヤだよ」

 

「何でだよ」

 

 

来てくれるのは正直言えば嬉しい。

 

あー恥ずかしいな!

 

でもな、それでコイツが風邪引くのはダメだ。

 

そう思いながら日菜の返答を待つ。

 

日菜は顔を伏せ両手を胸辺りで組んで言った。

 

 

「……あの時」

 

「ん?」

 

「あの時教室で弘くんが倒れた時ホントに怖かった。このまま目を覚まさないかと思った」

 

「日菜……」

 

 

日菜の着ているジャージにポタポタと滴が落ちる。

 

震える声で絞り出すかのように続ける。

 

 

「あれからの学校、目の前に弘くんがいなくて怖かった。いつものご飯も美味しくない……まるでアタシの中にぽっかり穴が空いたみたいで耐えられなかった!」

 

「……」

 

「こんな思い嫌だと思ったら……学校を出て弘くんの帰る方向に向かってた」

 

「お前は……」

 

「弘くん……怒ってる?」

 

 

日菜は涙目で俺に訊いた。

 

 

「あぁ。怒ってるさ」

 

「ぐすっ……」

 

「きっと紗夜がな。ずぶ濡れにして妹を泣かせた俺をな」

 

「弘……くん?」

 

 

そっと日菜の頭に手を乗せる。

 

日菜の身体がビクッと震える。

 

いつものようにチョップされると思ったのだろう。

 

そのまま ゆっくりと頭を撫でる。

 

 

「心配かけてごめんな?」

 

「っ!弘くん……弘くーん!!」

 

 

俺の胸に抱きつく日菜。

 

しかし、まだある微熱+運動不足の足腰+前からの衝撃では耐えれることが出来ず……。

 

 

「うおっ!」

 

「きゃっ!」

 

 

二人で布団に倒れ込む。

 

俺が下になったからか日菜にケガはないようだが……。

 

 

「弘くん大丈夫?」

 

「大丈ぶっ!?」

 

 

上に乗った日菜は俺のジャージを着ている、それが不味かった。

 

 

ブカブカのジャージの隙間から素肌が見えていた。

 

……肌しか見えない!?

 

 

「ひ、日菜!離れてくれ!」

 

「嫌!」

 

「何で!」

 

「落ち着くもん!」

 

「俺は落ち着かねぇ!」

 

 

身体に当たる柔らかな感触。

 

これはつけてない。

 

確実に。

 

 

その時だった。

 

 

外がカッ!と光ったと思ったら家の電気が消えた。

 

 

「えっ?」

 

「停電……か?」

 

暗くなった部屋の中、伝わるのは首に当たる日菜の吐息と鼓動。

 

先に話したのは日菜だった。

 

 

「前に」

 

「ん?」

 

「前にショッピングモールで会った時のこと……覚えてる?」

 

「覚えてるよ」

 

「あの時もアタシが弘くんに飛び込んでこんな感じに倒れたよね」

 

「あぁ後頭部をぶつけた。痛かったぞ?」

 

「……それだけ?」

 

 

それだけなものか。

 

忘れる訳もない。

 

事故ではあるが俺と日菜が……。

 

「キス……しちゃったよね?」

 

「……あんなのノーカウントだ」

 

 

そう答えると日菜は俺の胸をポカポカ叩きながら言った。

 

 

「ヒドイよー!アタシのファーストキスだったのにー!」

 

「それは俺だって……」

 

「俺だって……何?」

 

「……」

 

 

暗くて見えないけど絶対日菜はニヤニヤしてる。

 

恥ずかしさと悔しさで顔を背ける。

 

 

「ねぇ、弘くん?」

 

「……」

 

「ちょっとー?」

 

「……」

 

「聞こえないフリしてるー!」

 

「……」

 

 

あー!聞こえない!聞こえてないけどー!?

 

 

「そこまで認めたくないんだ」

 

「あぁ」

 

「……分かったよ!」

 

そう言った時、日菜の手が俺の顔をグッと動かし――。

 

 

「んっ……」

 

 

唇に柔らかい感触が伝わる。

 

忘れもしないこの感覚。

 

日菜の唇だ。

 

そのままどれくらいの時間が経ったのだろう。

 

現実の時間ではそう経ってはいないだろう。

 

だが、俺にはとてつもなく長い時のように感じた。

 

 

「……ふぅ」

 

「お……おおおお前なぁ!?」

 

 

慌てて体を起こしてベッドから離れる。

 

暗い中動いて色々とぶつかるがそれどころではない。

 

 

「えへへ♪」

 

「ななな……何してんだよ!」

 

「んー……キス?」

 

「それは分かる!けど何で!?」

 

「弘くんがファーストキス認めないからだよー!」

 

「えぇ……」

 

 

だからと言ってもう一回する奴がいるか!?

 

 

「でも……るんってした!」

 

「……そうかよ」

 

 

もはやつっこむ気力もない。

 

 

「ねぇねぇ!もう一回しない?」

 

「しねーよ!」

 

「ぶーぶー!いいじゃん!減るものじゃないしー」

 

「知るか!バカ!」

 

「弘くんより頭いいもーん」

 

「精神的な話だ!」

 

 

日菜と言い争いをしているうちに電気がパッとつく。

 

しかし、俺らはそんなことも気にせず話を続ける。

 

話が止まったのは停電にて乾燥機が止まり日菜の服が乾かせて無いことに気づいた日菜が飛び出すまで……約30分ほどかかった。

 

翌日、学校に登校して日菜にまた話を掘り起こされそうに口を押さえたところをリサに見られて不審に思われたりしたりと新しい問題があったがそれはまた別の話。




長かった弘人の体不調が終わりましたね( TДT;)

次回からの展開もお楽しみに!

良ければ感想(‘ω’*)評価(*ノωノ)よろしくねー!

今後見たい内容は?

  • 氷川家へのお泊まり
  • 日菜とのデート回
  • リサとのデート回
  • 主人公のバイト探し
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