帰りのHRを終えて荷物を席を立つと後ろから日菜に肩を叩かれる。
「先に帰って準備してるからね!」
「……お前だけ急いでも俺の早さは変わらないからな?」
目をキラキラさせながら早口で話す日菜に軽口で返すと日菜は少し不満そうに頬を膨らませた。
「も~、弘くんのばかー」
「なるべく急いで買い物してくからさ」
「約束だよー?」
「分かったよ」
日菜にため息混じりに返事をして一度帰路につく。
ある程度の荷物は鞄に入れて準備していたので時間はかからないだろう。
*
家に帰って着替え終えるとインターホンが鳴った。
…もしかして日菜が待てずに来たのか?
鞄を持って玄関に向かう。
ドアの磨りガラスから特徴的な水色の髪が見えた。
どうやら予想は当たったようだ。
靴を履いてドアノブに手をかける。悔しいから文句の1つでも言ってやるか。
「いくらなんでも早すぎだろ!」
「す、すみません……!」
「え?」
ドアの向こうで待っていたのは日菜ではなく紗夜だった。
いきなり俺に大声を出されたからか申し訳なさそうな顔をして目線を床に向けていた。
「わ、悪い……日菜だと思って」
「い、いえ……。こちらも連絡もなく来てしまって」
「そうか……ところで紗夜はなんで家に?」
紗夜は俺の質問に本来の目的を思い出したのかハッとした後に答えた。
「弘人さんが買い物してから来ると聞いたので」
「確かに荷物は多くなるからな……一緒に来てくれるか?」
「もちろんです。行きましょう」
自宅を出て二人で商店街へ向かう。
道中は晩ごはんのメニューだったり、今日まで待ちきれない日菜の家での様子を聞いたりとお互いの話をしていたらあっという間に着いてしまった。
「弘人さん、まずは何から?」
「まずは八百屋で野菜、スーパーで飲み物類、最後に精肉店で挽き肉だなー」
調味料は氷川家にだいぶあるらしいから大丈夫だろう。
「分かりました。その順番で行きましょう」
日菜も待ってるからあまり時間かけずに行かないとな。
*
買い物をささっと済ませて氷川家に向かう。
買い物袋は軽い方を紗夜に、飲み物等重いのは俺が担当だ。
歩きながら一つの気になっていた点を紗夜に訊ねる。
「なぁ紗夜、今回俺が泊まることは両親知ってるよな?」
「勿論です。いきなり男性を家に呼んだりしたら何を言われるか分かりませんからね」
両親が知っていて俺が来てもいいと言うことは了承は得られているのだろう。一安心だ。
しかし、俺の安心は束の間、紗夜は続けて言った。
「ですがその……両親は明後日まで戻らないと」
「……へ?」
思わず変な声が出て、買い物袋を落としかけるもなんとか耐える。
……両親が不在?
つまりは俺は二人と過ごすのか?
そんな俺の気持ちを落ち着かせる時間もなく、氷川家に着いてしまった。
「さ、どうぞ」
「お、お邪魔します」
2階からパタパタと階段を降りてきた日菜は満面の笑みで俺らを迎えた。
「おねーちゃんお帰り!弘くんいらっしゃーい!」
嬉しそうに笑う日菜とは対象的に何故かここにきて一気に疲れを感じてしまう俺だった。
やーっと氷川家に着きましたね(*´ー`*)
では次回もよろしくです~(o・ω・o)ノシ