僕がアイアンマンだ 〜I am IRON MAN〜   作:アリ新タ

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若王子いちご様、神移様、nifty様、高評価ありがとうございます!!
評価者様達をふと見たところ私が今読んでるヒロアカの二次創作の作者様に評価を頂いてて嬉しかったです!!この二次創作書いてて良かった!!


No.11 各々の胸に

 §§§

 

 

「おいおい……どういうことだ……全然弱ってないじゃないか!アイツ俺に嘘を教えてたのか!?」

 

 ヴィランのリーダーが呟く。

 自慢の脳無をオールマイトに倒されて、かなり苛立っているようで、癖なのか首あたりを赤くなるまでポリポリとかいている。

 

「どうした?来ないのか?クリアだとか何とか……出来るもんならしてみろよ……」

 

 平和の象徴の威圧。

 世界でもトップを張れる男の目で威圧されたのだ。先程まで余裕モードだったヴィランのリーダーも思わずたじろぐ。

 

「流石だなオールマイト。俺達が出る幕はねぇ見たいだ」

「おい!緑谷に愛杏!!ここはオールマイトに任せよう!人質とかにされたらやべーし」

 

((違う……))

 

 しかしこの場でのオールマイトの威嚇は、ヴィラン側は恐怖を、生徒達は尊敬と安心を与えてくれたが、この場で2名全く異なる、不安という感情を抱いたものがいた。

 オールマイトの事情を知る緑谷と、相澤と13号の話で事情を知ってしまった愛杏だ。

 オールマイトの秘密、()()()()

 二人には分かっていた。もうオールマイトが立っているのもやっとだということに。

 

「落ち着いてください死柄木弔!よく見れば脳無に受けたダメージが確実に現れている。それに子供たちはもう棒立ちの様子です。まだ使える手下も残っています。貴方と私で連携すればまだ殺れるチャンスはあります」

「………そうだな……そうだよ……殺るっきゃないよな?目の前にラスボスがいるんだ。まだ……ゲームオーバーじゃない……」

 

 

 ヴィランのリーダー……死柄木は黒霧の助言を受け、最後の足掻きをするようだ。

 しかし、オールマイトは風前の灯。既にマッスルフォームも切れかかっていた。

 

「おい。気絶してたチンピラ共が起きやがった」

「主犯格はオールマイトが何とかしてくれる。俺達は他の奴ら助けに行こうぜ。っておい緑谷!愛杏!ぼーっと、してないで行こうぜ!?」

 

(僕だけが知ってるんだ……)

(厄介なのはモヤッとゲートの方、そして……)

(オールマイトは恐らく限界を超えてしまっている……)

(モヤに翻弄されれば……)

(きっと……)

 

 緑谷とメタルの考えが重なる。

 そして死柄木がオールマイトに向かって走り出した。何も考えず、その触れるだけで物体を『崩壊』させてしまう個性で殺すつもりだろう。

 黒霧の方も死柄木に続いてモヤを広げながら迫っていく。

 

 

「……(来るんかい!)」

「何より脳無の仇!!!」

「ここで死んでもらいます!!」

 

 死柄木と黒霧がオールマイトに接近したその時、

 

「「オールマイトから!離れろ!!」」

 

 緑谷が黒霧に、メタルが死柄木に攻撃を仕掛ける。

 二人の拳が黒霧の実体部分と死柄木の顔面に直撃して二人をぶっ飛ばした。

 

「くっ!?」

「この、くそ……ガキ共が!!」

 

 殴られた顔を抑えながら死柄木が叫ぶ。

 オールマイトを助けたメタルは同じく助けた代償に両足をバッキバキにして倒れてる緑谷に駆け寄る。

 

「忘れてたぜ……緑谷もだったな……ほら、立てるか?」

「え……緑谷()って?」

 

 緑谷がメタルの肩を借りながら起きあがる。

 そしてメタルはそのまま手のひらを倒れている死柄木と黒霧の前に突き出し、そのエネルギーの噴出口を光らせる。

 

「悪ぃけど明らかにボロボロのオールマイトにモヤッとゲートと厨二サイコ野郎じゃ()()()がある。ここから遠距離でレーザー打ちまくらせて貰うけど……いいよな?」

 

 わざと()()()を強調して言う。

 助けた理由を作るためで、何となく事情は察していたからだ。

 

「クソ!黒霧!!」

 

 

 黒霧に指示を出す死柄木はその腕をワープゲートに潜らせようとする。

 手をワープさせ、オールマイトだけでも殺そうという判断だ。

 さすがにメタルもまずいと思いその手をレーザーで撃ち抜こうと構えるがそれより先に死柄木の手を()()が貫いた。

 

「来たか!!」

 

 オールマイトの叫びでみんながUSJの入口に視線を泳がす。

 そこには、

 

「ごめんねみんな。すぐ動けるものを掻き集めてきた」

 

 そこに居たのは人々に安心を与える、みんなの憧れの存在。

 雄英高校のヒーロー達だった。

 

「1-Aクラス委員長飯田天哉!!ただ今戻りました!!!」

 

 ミッドナイト、プレゼント・マイク、セメントス、スナイプ、エクトプラズム、パワーローダー、ブラドキング、etc……

 そして彼らを率いて来てくれたのが我らが校長、根津である。

 

「ちきしょー!!殺れ!!!!」

 

 雑多にいたヴィランもどきのチンピラ達が雄英高校のヒーロー達に襲いかかる。

 そこで軽く舌打ちしながら先陣切って前に出てくるヒーロー、プレゼント・マイクがその個性を発動させる。

 

「YEAHHHHHHHHHHHHHHHHH!!!!」

 

『ヴォイス』と呼ばれるその個性はまだ残っていた数十人のヴィランを一度に掃討する。

 この個性、過去に生まれた時の産声で、周りのものの鼓膜を破った程の威力。成長したその力を前に立っていられるものはいなかった。

 

「手分けして生徒達を保護するんだ!」

 

 根津校長の指示のもと、教師陣達も動き出しヴィランに攻撃を開示する。

 一人一人が一騎当千のプロヒーロー。

 その前にヴィラン連合が勝てるはずもなく、抵抗しているチンピラ共が達は赤子の手を捻るが如く軽くいなされていた。

 

「あーあ。ゲームオーバーだ。帰って出直すか、くろぎっ」

 

 その逃亡を許すはずもなく、スナイプが銃弾をその個性の力で、的確に死柄木の四肢を撃ち抜いていく。

 

「死柄木弔!」

 

 直ぐに黒霧がワープゲートで防御する。

 死柄木の四肢から血が流れ、既に立ち上がれないほどダメージを負っていた。

 ワープゲートで死柄木弔を覆い、逃亡しようと黒霧は行動するがそれを逃がすまいと更に立ち上がるものが一人。

 

「ぬっ!これは!13号!?」

 

 ボロボロになりながらもそのブラックホールで黒霧を吸い取ろうとする。

 しかし、既にワープは完了しようとしていた。

 

「クソッ!!今度は殺すぞ!平和の象徴………オールマイト!!」

 

 それだけ言い残すとワープゲートである黒いモヤは消えてしまった。

 

 

 §§§

 

 

「はぁ、逃げやがったか。それより大丈夫かその足」

「うん、ありがとう。それよりさっき……えーと、その……」

 

 緑谷が何かを言おうとするがオールマイトの方をチラチラと見て様子を伺っていた。

 対するオールマイトは肯定も否定もせずただプルプルしていた。

 ただその顔は「言うな!言うな緑谷少年!!」と物語っていたので緑谷も俯いて黙る。

 そして取り残された僕はどうも居心地が悪く自分がここにいたら不都合なのだと察していたので退散するかと緑谷を下ろそうとした。

 しかしそこで思わぬ事態が発生する。

 

「おーい、緑谷の足大丈夫か!?俺も手伝うぜ!!」

 

 赤いツンツン頭の熱血少年、切島が手を振りながらこちらへやってきた。

 見るからに慌てる緑谷と、冷や汗をダラダラ流しているオールマイト。

 オールマイトがプルプルしている理由がまだわからないが、まぁこのナンバーワンヒーローの有志に敬意を払おうと、助け舟を出すことにした。

 

「まて、切島」

「うはっ!なんでいきなり近づくんだ」

 

 マシン・ギアでかかとに車輪を作り、立ったまま切島に急接近する。

 そして切島の両肩を掴むとその大きな体で後ろの二人を隠し、切島を強制的に回れ右、をさせる。

 

「お、おい。どうしたんだよ緑谷一人で立てねぇから一緒に運ぼうぜ?」

「それなんだがな、緑谷はオールマイトが医務室に運ぶってよ。僕ら生徒は安否確認のために出入口付近に集まれってさ」

「おう、そうなのか。てかなんでいきなりフレンドリーになってるんだよ」

 

 僕は切島に後ろを振り向かせないよう肩に腕を回し若干首を固定しながら歩かせる。ちょっと不自然っぽいがまぁいいだろう。

 スーツの後ろカメラから緑谷の安心してため息をついてる様子が見える。

 

「おーい、ファイアーブリザードとなんでもぶっ殺したいマン(笑)出入口付近に集まれだとよ」

「んだそのふざけた名前は!!ぶっ殺すぞ下まつ毛野郎!!!」

「ファイアーブリザード………」

 

 爆豪が突っかかってきたが切島がどうどうと落ち着かせる。

 そしてそのまま4人で階段を登りながら出入口付近に向かうのであった。

 ふと後ろを振り返ると緑谷とオールマイトのいた場所が壁で覆われている。恐らくセメントス先生がやったのだろう。

 

「ん?どうかしたのか?」

「いや、なんでもない」

 

 

 §§§

 

 

「16…17…18…君は愛杏くんでいいのかな?」

 

 この中で顔を覆っているのは僕だけなので、スーツの仮面の部分を展開して顔見せる。

 

「そうですよ」

「お!すごい機能だね。最近の雄英のコスチュームはすごい」

 

 後ろで「ずるいよな」だとか「俺らにはねぇのによ…」だとか言ってる金髪と赤髪の少年が呟いている。

 ふん。もっと羨むがいい。

 

「とりあえず、両足重症の彼を除いて全員いるな」

 

 今、僕達の人数確認をしたのが塚内という刑事さんだ。

 

「それじゃ生徒達は一旦、教室に戻ってもらおう。すぐ事情聴取って訳にも行かんだろうし」

「刑事さん……その相澤先生達は?」

 

 そう聞いたのは蛙吹だった。彼女はオールマイトが駆けつける前に死柄木とかいうヴィランのリーダーに殺されかけてそれを阻止したのが瀕死の相澤なのだ。蛙吹が心配するのも無理ないだろう。

 そんな蛙吹に塚内は電話越しで相澤の様態を生徒達に教えてあげた。

 

「両腕粉砕骨折……顔面骨折……幸い脳系の損傷は見受けられません。ただ、眼窩底骨が粉々になっていて……何かしらの後遺症が残るかもと……」

「……だそうだ。」

 

 電話から聞こえてくる相澤の容態は絶望的だった。

 他にも……

 

「13号先生は?」

「彼の治療は終わっている……背中から上腕にかけての裂傷が酷いが命に別状なし……オールマイトも同じく命に別状なし。リカバリーガールの処置で十分回復可能だそうだ」

 

 この二人は相澤に比べてそこまでの大怪我では無さそうだとクラスメイトたちから安堵のため息が漏れる。

 

「「デク(緑谷)君は!?」」

「緑谷……?あぁ、彼も保健室の治療で間に合うそうだ」

「「良かった……」」

 

 緑谷と特に仲が良かった飯田と麗日も特に酷い怪我もなく安心したようだ。

 緑谷に関しちゃ元々、四肢のバキバキはよくあることだが。

 

「それじゃ生徒達は教室に戻って」

「「「はい」」」

 

 そう返事をし、僕達は教室に戻って行くのだった。

 

「今回のに……いるわけないか……」

「ん?どうしたんだ愛杏?」

「なんでも。行こ」

 

 

 §§§

 

 

 

「それじゃありがとうございました!」

 

 

 夜も更けた頃、緑谷出久は足の治療を終わらし、暗くなってしまったがやっと帰る許可がでたのだ。

 廊下を走るのは校則違反だが、こんな夜遅くでは誰の迷惑にもならないだろうとかんがえ、緑谷は下駄箱に急いで向かった。

 

(随分遅くなっちゃったな……早く帰らないとお母さん、心配しちゃ………)

 

 緑谷の足が止まる。

 既に全生徒が帰宅したはずだが、制服を着たものがまだ残っていたのだ。

 そのものはしたまつ毛が長く、高い身長とガタイを持った男。

 愛杏メタルだった。

 

「愛杏……くん……」

「遅かったな緑谷。待ちくたびれたよ」

 

 緑谷にとって、愛杏という()()はどこか違和感がある人、というのが印象だった。

 もちろん、個性もすごくて、あのかっちゃんにも匹敵するほどの力を持っていることは尊敬できる。しかし、どこか……そう。他の自分を含めた19人とは何処か違った。もちろん大人びてるとかスーツが一人だけ凄すぎるとかとは違う。もっと根本的ななにかが周りとは違うと緑谷は感じていた。

 

「愛杏君はどうしてこんな時間まで……もしかして」

「あぁ。そのもしかしてだ」

 

 緑谷は考える。

 愛杏は気づいているのか……。オールマイトの真の姿を知っているのだろうか?それともワンフォーオールについての事か?どっちにしろ緑谷が出す答えは1つしかない。

 

「愛杏君が気になる気持ちも分かる。でも………でもね。これだけは何も言えないんだ。その……本当に、ごめん」

「はぁ」

 

 メタルはただ、ため息をついた。

 それは落胆でも苛立ちでも無い。そのため息に込められた感情は呆れだった。

 

「なんで緑谷が謝んだよ。謝りぐせは直せ。将来ろくな大人にならねぇぞ?」

「ご、ごめっあ……うん」

「そう。返事だけでいいんだよ。それにこれ以上オールマイトのことで詮索するつもりもない」

「愛杏君。やっぱり……」

「まぁ……なんだ。頑張れよ。それ相応の責任もあるだろうし」

 

 そう言うとメタルは緑谷の肩にポンっと手を置くと軽くウィンクした。

 

「うん!ありがと。頑張るよ!」

「ああ、あとそうだ」

 

 するとメタルは緑谷の耳元まで口を近ずけるとそっと囁く。

 

「お前で9人目だ」

「え!?それって……」

 

 言うやいなや、緑谷が答えるより早く、メタルが緑谷の背中を叩き、校舎の入口から緑谷をだした。

 

「ほら、飯田と麗日が待ちくたびれてんぞ?」

「う、うん。その……愛杏君も一緒に帰らない?」

 

 メタルは軽くハッとする顔になる。

 彼の人生の中で帰りに誘われたことはなかったのだ。小学生の時はリムジン。中学生の時は学校の地下自体がラボだったし、メタルの立場から気軽に声をかけるものもいなかったのだ。

 

「悪い。家、真逆なんだ」

「そう……なんだ。残念だね」

「でも、また明日な」

 

 そう言うと緑谷は笑顔になり、いい声で返事をした。

 

「うん!またね!!」

 

 そう返事を受けたメタルは軽く手を振る。

 それを受けた緑谷も飯田と麗日の元に行ってしまった。

 向こうから「愛杏君、まだ校舎に残っていたのか」だとか「何話してたん?」だとか聞こえてくる。

 

「全く……」

『メタル様。宜しかったのですか?』

「いいんだよ。ただの暇つぶしさ。お前も、もう関わるのはよしとけ」

『意外です。気になることがあればFBIの機密情報でも盗むのがメタル様なのに』

「あん時はあの糞共の情報が欲しかったんだよ。もう忘れろ……それに」

 

 そう続くメダルの言葉にAIであるジャービスは驚愕した。

 主人の性格を熟知しているジャービスからすると予想外の答えすぎたのだ。

 

「初めてなんだよ。父さんとロズ兄以外で、カッコイイって思える(オールマイト)に会うのは」

『左様ですか。それは、私も嬉しい限りです』

 

 こうしてこの長い長い一日は終息を迎えたのだった。

 

 

 FIRSTSEASON THE END

 




『個性 ロボ』から一年以上、本当に申し訳ございませんでした。
相変わらず誤字脱字の多い駄文で、感想でもお叱りを貰いました。(*_ _)人ゴメンナサイ。しかし、日間ランキングに入ってた時は本当に嬉しかったです。評価もこの駄文には不釣り合いな高さ、恐縮です。
それで、ここに先に申しておきますが、メタルとヒドラのストーリーが動くのがヒロアカの映画になります。はい。ネタバレ満載です。ですのでいつになるのか分かりませんが映画編になるまで映画のネタバレは嫌だけど、この小説も見たい……という方はぜひ映画をご視聴ください。別に映画はいいや。という方も内容は分かるように書きますのでご安心を。
長くなりましたが、『僕がアイアンマンだ〜I AM IRON MAN〜』を今後ともよろしくお願いします。

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