僕がアイアンマンだ 〜I am IRON MAN〜   作:アリ新タ

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毎日投稿するとは言ったが連続投稿しないとは言っていない……


NO.6 戦闘訓練

 §§§

 

「さぁ戦闘訓練のお時間だ!」

「先生。いくつか質問いいですか」

 

 そう言って手を挙げたのは飯田だった。てか飯田だったのか。僕と同じ全身スーツだったから気づかなかった。

 うん僕のには及ばないがなかなかカッコイイじゃないか。僕には及ばないが!

 

「ここは入試の演習場ですが、また市街地演習を始めるんですか?」

「いや、もっと先に進む。ヴィランとの戦闘は主に屋外で見られるが、実際は屋内の方がより凶悪なヴィランの出現率が高い。監禁、軟禁、違法売買、このヒーロー飽和社会。うぉっほん!……真に賢しいヴィランは闇に潜む」

 

 まぁ闇に潜むってのには共感。

 僕の場合は屋外だったが、暗闇でほとんど何も見えなかったしな。

 ふぅ……どうやら嫌なこと思い出したな。リセット、リセット。

 

「君らにはヴィラン組とヒーロー組に別れて2対2の屋内戦をしてもらう」

「基礎訓練無しに?」

「その基礎を知るための訓練さ!ただし!今度はぶっ壊せばOKのロボットじゃないことが重要だ」

「勝敗のシステムどうなりますの?」

「ぶっ飛ばしてもいいんすか?」

「また、相澤先生みたいな除籍はあるんですか?」

「別れるとはどのような方法なのですか!」

「このスーツヤバくね」

「うぅぅぅぅぅん!!聖徳太子ぃぃぃ!!!」

 

 

 スーツからジャービスが『どうしたのですかメタル様?何故あのようなことを?』と聞いてくるが、俺にもわからない。

 何故か"代わりに"言わないといけない気がしたのだ。

 それよりもオールマイトはさすがに情報を頭で処理するのが出来なくなったのか、おもむろにカンペを取り出した。

 まぁ簡単にすると、核を隠し持ったヴィランをヒーローがどうにか処理しようとする設定だ。

 勝利条件はヒーローはヴィランを捕まえるか、核兵器を確保するか。

 ヴィランは制限時間まで核兵器を守るか、ヒーローを捕まえるか。

 なんともアメリカンな設定だった。

 コンビと対戦相手はクジで決定される。

 説明を受けた僕らは早速、テーム決めが始まる。ざっと紹介しよう。

 

 チームA、緑谷&麗日

 チームB、障子&轟

 チームC、峰田&八百万

 チームD、爆豪&飯田

 チームE、芦戸&愛杏←僕

 チームF、口田&佐藤

 チームG、上鳴&耳郎

 チームH、常闇&蛙吹

 チームI、尾白&葉隠

 チームJ、瀬呂&切島

 

「君、愛杏だったんだ!最初気づかなかったよ」

「よろしくピンクガール」

「ちょっと、変なあだ名つけないでよね」

 

 僕のペアは出席番号2番。

 つまり僕の真後ろの席にいる芦戸三奈だ。コスチュームがかなり派手でかなり露出している。

 うん………悪くない。

 

「それじゃ最初の対戦相手は…………チームA、VS、チームD!!他のものはモニタールームに向かってくれ」

「「「はい」」」

 

 全員が返事をすると、ゾロゾロと歩き出す。

 しかしいきなり僕が注目する2人の対戦か。

 当の二人は凄い睨み合ってる。気弱な緑谷でさえ睨んでる。

 

「ジャービス、この戦いだけでいいから録画しておけ」

『かしこまりました』

 

 

 §§§

 

 

 結果から言うとAチームの勝利で終わった。

 しかし完全に辛勝だった。

 

 最初の方は爆豪の身勝手な行動により、いきなりの奇襲から始まった。もちろんこれは愚策。緑谷なさがカウンターの背負い投げをしたのには驚いたが、そのまま続くと、さすがに能力のスペックが高い爆豪が優勢になった。構図的には緑谷対爆豪、麗日対飯田となり、チームAが劣勢。しかし、最後の最後で緑谷が個性で天井を屋上までぶち破り、そのスキをついた麗日の攻撃を飯田が反応出来ず、麗日が核に触れてチームAのしょうりとなった。

 

 しかし、グロッキーな麗日はまだいいとして、緑谷使った個性の影響で案の定、腕がぼろぼろになったのだった。

 タンカで運ばれたあと、うつむいてフルフルしている爆豪とグロッキーな麗日、それを介抱する飯田が戻ってきて、オールマイトの好評が始まった。

 

「勝ったのはAチームだがベストは飯田少年だ」

「勝った緑谷ちゃんとお茶子ちゃんじゃないの?」

「うーんそうだなー何故だろうなー、わかる人!!」

「はい!」

 

 そうやって真っ先に手を上げたのは八百万百。

 僕が体力テストで散々パクらせてもらった女子生徒だ。

 彼女のコスチュームはかなり攻めており、クラストップの露出を誇る僕と同じ推薦入学者だ。(僕はコネ)

 

「それは飯田さんが1番状況設定に順応していたからです。爆豪さんの行動は戦闘は私怨丸出しの独断行動。緑谷さんにも言えますが、屋内での大規模攻撃は無謀です。麗日さんは気の緩み、そして最後の攻撃が乱暴すぎること、あれで核に当たったらとんでもないことになってましたわ」

 

 完璧に一人一人の欠点を正確にいい、それでいてわかりやすい説明で周りは淡々と話を聞いていた。

 

「相手への対策をこなし、核の争奪をきちんと想定していたからこそ飯田さんは最後対応に遅れていた。ヒーローチームの勝ちは訓練だからできたほぼ反則のようなものですわ」

 

 そう話し終わるとみんなが「おぉ」と言った感じにリアクションをする。褒められた張本人の飯田は完全に頬が緩んでジーンとしている。

 オールマイトに至ってはプルプルしていた。あれは言いたいこと以上のことを言われたようだな。

 

「ま、まぁ飯田少年も固すぎる節はあるが、正解だよ!」

「常に下学上達!一意専心に励まなければトップヒーローにはなれませんわ」

「あ、あいつは!」

 

 ここで僕が予てより危惧していたことが起こった。

 そう八百万という女。間違いない。

 

「大変だぞジャービス!」

『なんでしょうメタル様』

「あの八百万…………僕とキャラ被りだ!」

『………』

「おいコラ、無視するな」

 

 好評も一段落し、次の対戦が発表となる。

 

「では第2戦!!ヒーローEチーム。ヴィランIチーム。START!!!」

 

 

 §§§

 

 

 これはダイジェストで説明する程でもなかった。

 轟焦凍。彼の個性半冷半燃という威力も範囲も未知数の個性。

 ビルを丸ごと凍られてヴィランチームを動けなくし、ゆっくり核を捉えたのだった。

 

「ジャービス今の記録してたか?」

『はい。彼の個性は私も目につけていたので一応録画しておきました』

「ご苦労」

 

 どうやら自分はこの中で上から数えた方が強いだろうとは思ってたし、若干最強かなとも思っていたが、あながちそうでもないかもしれない。特に爆豪と轟の2人は間違いなく別格。スーツ無しの生身でやりあったら果たして勝てるだろうか……

 

「ジャービス、僕と轟じゃどっちが勝つ?」

『スーツありなら間違いなくメタル様です。そもそもこれ自体が反則のようなものですから。しかし、生身だと正直4割程度でしょうか』

「4割か……」

 

 それから第3回戦、4回戦と続いていき、僕達Eチームは最後の対戦となった。

 

「さぁいよいよラストに残ったのは2ペアだな!では発表する。ヒーローEチーム!ヴィランがFチームだ!!10分後に開始する。これまでの戦いをしっかり生かすように。以上だ!!」

 

 

 §§§

 

 

 そして移動を開始する。

 移動中次から次へと芦戸から質問攻めにされながら移動する。

 

「ねぇねぇ!どんな作戦で行く?やっぱり核に触った方が楽だよね?」

「あぁ」

「それともヴィラン捕まえる?口田も佐藤もガタイいいからやめたほうがいいかも?」

「あぁ」

「耳郎ちゃんや障子くんみたいな捜索系の個性じゃないからまずどこにいるかだよね?」

「あぁ」

「………1+1は?」

「………あぁ」

「今、間があった!絶対聞こえてるでしょ!もっとトークしようよ!」

 

 悪いな芦戸よ。君、さっきから会話が止まらない。

 いや、お喋りなのは分かるが、無駄話が長かった……。確かに、今は作戦の話をしているが、それまでは「どこ中?」だとか「暑くないの?」だとか最後らへんはほぼ「あぁ」だけで会話が成り立っていたのでもうそれで済ませた。

 

「それより着いたぞ。そろそろ始まる」

「だから作戦考えよ!私はね、メタギアみたいに行きたい!あっ!!それじゃダンボールがいるか」

「あれでごまかせるのはNPCだけだ!」

 

 薄々気づいていたが、この芦戸という少女、アホの子かもしれない。別に嫌いって訳じゃないが、作戦を立てるのは無理だろう。いわゆる本能型。『酸』という個性でロボット溶かしまくって実技も合格したそうな。

 

「それじゃ先に俺の攻撃手段を見せておこう」

 

 そうゆうと僕は静かに全身にエネルギーを行き渡らす。

 飛ぶのも、歩くのも、レーザーを打つのも、ジャービスを起動させるのも、これらに伴うスーツの可動には動力源がいる。僕の個性『ロボット』で生成するエネルギーをスーツとコネクトさせ僕自身がエネルギーの供給源となっているが、もちろん垂れ流しっぱなしにするわけいも行かない。すぐにエネルギー切れを起こす。

 そのために普段は数パーセントほどにエネルギーの蛇口を調節しているのだ。そして今回のような戦闘の時、そのエネルギーの蛇口を数十パーセントまで広げる。

 例えるなら自転車のギアを1から2へ、3へ4へと変えているのだ。

 ちょうど今それをしているのだが、僕の個性はスローペース。供給するのに時間かかるし、レーザー打つのにも溜めがいる。

 僕の弱点のひとつは不意打ちや急な戦闘に弱い事なので、事前の準備が必要なのだ。

次に僕はビルの壁に向かって右手を構える。

 

「ピストル・レイ!」

 

手のひらから発射されたエネルギーの光弾が壁に辺り軽く焦げる。

威力は調節可能でもちろん手加減しての力だから本気を出せばもっと火力を出せる。

 

「すごーい!!レーザービームだ!!」

 

 芦戸もこれに驚いてくれたようだ。自分の攻撃手段を伝えると今度はこれをどう使うか作戦を立てる。こちらの手札はありすぎるので千差万別の作が出せるだろう。どれが1番スピーディかを考える。隣で芦戸も「うーん……」と頭を傾けて悩んでいるようだ。

 数秒して思いついた1番手っ取り早いだろう作戦を芦戸に伝える。

 彼女も「うんわかった!!」と二つ返事で答えてくれた。

 

 

『双方準備はいいか?最終戦!!READY~~~GOOOOO!!!』

 

 

「よし!!ってあれ?」

 

 うん。ここはやっぱり轟みたいに瞬殺がいい。別に張り合ってる訳じゃないが、瞬殺がいい。

 この学校に来た以上、目指すのはトップのみ。家族3人がそれぞれの科で首席で卒業なのに、僕だけ2位3位止まりなんて僕のプライドが許さない。

 

「落ちるなよ?」

「え?って、ちょっと!!」

 

 正面突破は愚策、かと言って轟のような馬鹿みたいな範囲攻撃は出来ない。

 僕はおもむろに芦戸の腰を掴んでーー柔らかい……ーー飛び立つ。ちゃんと掴んでいるがいきなり飛んだのには驚いただろう。

 oh......暴れるとその豊満な山が……っと落ち着け。俺は紳士。ジェントルマン。OK。

 

「ほら着いたぞ」

「おっとっと!は、はぁ………もうっ!!飛ぶなら飛ぶって事前に言ってよ!!」

「作戦は伝えただろう?」

「急に飛んだら怖いじゃん!私ジェットコースターは大丈夫だけど、椅子に座ってグンって落ちるヤツは無理なの!急に動く系は無理なの!」

 

 芦戸を下ろしたのはビルの屋上。五階建てで、部屋はないが全ての階に障害物やら、柱やらが多いタイプだ。

 グダグダくっちゃべっている暇はない。目的は瞬殺だ。先程伝えた作戦通り準備を手早く済ませる。

 

「プラン通り頼むぞ?」

「うん。気合い入れてやるよ!!」

 

 

 しかし、何ら不思議なことではない。これも作戦だ。超ド定番の奇襲作戦だ。

 今度はゆっくり浮いて体を地面と平行に保つ。その上に芦戸が馬乗りになり僕の首に腕を回す。

 次に芦戸は左手を突き出し、酸をため始めた。

 

「アシッドベール!!」

 

 芦戸は地面に酸のを放ち、地面をどんどん溶かしていく。

 そしてすかさず僕の攻撃だ。

 

「ショット・レイ!!」

 

 散弾されたエネルギーの弾が脆くなった地面に穴を開ける。

 この階層は僕のスーツにも耐えるほどの厚さに強度だが、芦戸の酸なら硬い外装を溶かし、中の芯を僕が壊せばいい。

 ちなみに「ショット・レイ」は散弾銃をモデルにした近距離用のリパルサー・ギアだ。使えば使うほど手が熱くなるのであんまり多用したくない高火力技だ。今も左手がちょっと熱い。

 

「6階!どうだ!」

「いないよ!!」

「次!」

 

 そうすると芦戸はまた左手で同じ技を使う。

 

「アシッドベール!」

 

 僕も同じだ。

 

「ショット・レイ!」

 

 先程と同じように地面に穴ができ、そこをくぐってダイナミックに5階に降りる。

 

「5階いるか!」

「こっちもいない!」

「次だ!」

 

 もう説明もいらないだろう。

 

「アシッドベール!」

「ショット・レイ!」

 

 そしてついにお出ましになる。上からの物音で軽く警戒していただろうが、まさか地面を壊して降りてくるとは思ってなかったみたいだ。6階からここ、4階まで降りるのに30秒も経っていないし、即対応するのもきついだろう。

 

「4階!佐藤発見!」

「こっちも口田発見!!」

 

 しかも運がいいことに2人の真ん中に降りれたみたいだ。

 よし、仕上げだ。

 僕は佐藤に接近、芦戸が僕から降りて口田に接近する。

 

「クソ!!口田!芦戸を捕まえろ!俺は愛杏を捕まえる!!」

「!!!??」

「「もう遅い!!」」

 

 

 そして僕は佐藤に|()()()()になっている右手を向ける。

 そして芦戸も右手を口田に向ける。

 その手は赤い金属の篭手を付けている。もちろん僕のスーツを切り離したものだ。

 今の今まで溜めた俺の近距離最強のリパルサー・ギアを打つために。

 

「「ヘビーショット・レイ!!」」

 

 

 散弾されたエネルギーの弾が、砂藤と口田に直撃する。確実に意識を保てなくするほどの威力はジャービスが佐藤と口田の身長と体重、体調と個性から調節してもらった。

 まぁもう二人は軽く白目を向いてるけど……良しとしよう。

 

「愛……杏……お前レーザーまで打てんのかよ。まんまロボじゃんかよ……」

「驚いたね……まだ意識があったんだ」

『ギリギリで個性を使ってますね。メタル様が6階と5階にを壊してる時に警戒して糖分を摂取したのでしょう。しかし、確実に急所に当てたのでしばらく動けないはずです』

「了解、ジャービス」

 

 この巨漢ならすぐに回復しかねない。

 確保テープを取り出し、佐藤をぐるぐる巻きにする。勝利条件は手と足に巻き付けば勝利だ。

 

「芦戸!そっちはどうだ!?」

「こっちも巻き付けたよ!」

 

 後ろを振り返ると首から足首まで全身にテープを巻き付けられた無残な口田の姿があった。

 むごい。

 手と足だけでいいのに………むごい。

 しかし、満面の笑みでこっちにVサインしてくるピンク肌の少女の姿にいちいち注意しなくてもいいかなと思ってしまう。

 

 

『ヒーローチーム!ウィィィィィィン!!』

 

 

 

………To be continued

 

 

 

 

 

 

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