僕がアイアンマンだ 〜I am IRON MAN〜 作:アリ新タ
まぁ次の土曜になるまでには1章完結しちゃってるけど(´ω`)
§§§
「愛杏君!!君は今までどこに行っていたのだね!!10分も遅刻だぞ!!大事なヒーロー訓練に遅れてはダメじゃないか!!」
ただいま午後、昼休みの騒動で校長を校門に運んでいたから午後のヒーロー実習に遅れてしまった。
今回の訓練はレスキュー訓練。そのための訓練所へ向かうため、今バス乗り場に各々ヒーロースーツを着たクラスメイト達を待たせてしまったようだ。
僕が遅刻したことで新委員長にいつ間にかなっていた飯田に散々説教される。
正直もう勘弁して欲しいのだが。
「おいその辺にしとけ。愛杏は校長に呼ばれていたらしいから遅れたんだ」
「何!?そうだったんですか!!すまない愛杏君!!事情も知らずに申し訳ない!!」
「いいからいいから。さっさと行こう」
相澤の一言でやっと解放された……。
どうやら飯田は昼休みに起こったマスコミの騒動でパニックになった食堂で率先して生徒達をまとめ、事態を収拾したらしい。その活躍があってか、緑谷から委員長の席を譲ってもらったらしい。
「さぁみんな!!スムーズに席に座れるように番号順で並びたまえ!!」
どこから取り出したのかホイッスルまで持ち出して皆を整列させる飯田。しかし飯田君。残念だけど雄英のバスは共通して公共交通機関に使われる横シート付きのバスだったはずだ。
つまり
・
・
・
「くそぅ!こういうタイプだったか!!」
うん。こうなるよな。
結局席は人数分あるので自由に座ることになり、各々席に着いた。
「でも愛杏ちゃん大変ね。そのスーツだと」
「可動域的に膝を直角に曲げにくいからな……まぁ立ってても別に疲れるわけじゃないし気にしないで」
僕のパワードスーツは言わば全身鎧。頭のてっぺんからつま先までレッドとゴールドの光沢を放つスーツだ。しかし全身鎧はその名の通り全身を守ってはいるがその分、関節の動きを制限してしまう。
生身の自分なら関節をありえない方向に曲げることも出来るが、それをも制限してしまう。
このスーツの数少ない弱点みたいなものだな。
「今日はよく動くから脱いできたら良かったのに」
「僕もそう思ったけど、それ以上に便利だからなこのスーツ」
このスーツがもたらす恩恵を考えれば関節の可動域など些細な問題だ。
「私、思ったことをなんでも言うの。ね?緑谷ちゃん」
「は、はい!蛙吹さん!」
「梅雨ちゃんと呼んで」
緑谷の隣に座っている蛙吹梅雨。
長座体前屈で僕に続き2位の成績を取った女子だ。誰かの名前を呼ぶ時「苗字+ちゃん」と呼び、自分のことは「梅雨ちゃん」と読んで欲しいらしい。男子の大半は照れて言わないが。
ちなみに僕は男子女子共に苗字呼び捨てで統一している。
「貴方の個性、オールマイトに似ている」
「「えっ!?」」
「ってなんであんたまで驚くのよ」
ひとつは緑谷の「えっ!?」ともうひとつは僕の「えっ!?」だ。僕もこれに関して後で緑谷に個人的に聞こうとしていたことなので蛙吹に先に聞かれて驚いてしまった。芦戸にツッコまれても仕方ない。
「えっと!その!僕のは!体があれになるからオールマイトとは少し違くてその!えっと!あの!」
「待て蛙吹、緑谷の個性は増強型。砂糖もそうだがある意味腐るほどいる個性だ。まぁ緑谷やオールマイトは別格のパワーだが」
「あ……あはは……そうだね……うん」
この緑谷の様子からどうやら個性についてはあまり詮索されたくないようだ。ある意味、蛙吹グッジョブ。緑谷が個性については聞かれ、テンパる。しかもオールマイトを引け合いに出した途端にだ。これはかなり貴重な情報を得られた。
「愛杏の言う通りだぜ梅雨ちゃん。それにしても増強型の個性っていいよな。シンプルでかつ、派手でできることが多い。俺の個性『硬化』は対人じゃ強ぇけど、如何せん地味なんだよな」
「僕はすごい個性だと思うよ!プロにも十分通用する個性だよ!」
「プロな!でもヒーローも人気商売みたいなところもあるし……」
ヒーロー。ヴィラン犯罪、組織犯罪、自然災害、etc。もちろんこれがヒーローの主な仕事だが、その給金は税のみ。それよりさらに稼ぐためにはテレビ出演や、メディア露出、最近は動画サイトを利用しているヒーローまでいる。
そのためにはある程度目立つような実績を作る必要がある。「新人ヒーロー大活躍!!」などの特集で「新人ヒーローの個性は『超パワー』!!」と「新人ヒーローの個性は『硬化』!!」ではインパクトに差があり、当然のように『超パワー』の方が印象に残るだろう。
そのため、切島が個性に派手さを持ちたがるのも分からなくもない。
「まぁ派手で強ぇって言ったらやっぱ轟や愛杏、あと爆豪とかだな」
「……ケッ」
「爆豪ちゃんはキレてばっかだから人気でなさそう」
「んだとコラ!出すわ!」
「ほら」
今の態度で爆豪に人気が出るとは、誰も思わないだろう。
「この付き合いの浅さで、既に糞を下水で煮込んだような性格と認識されてるってすげーよ」
「てめぇのボキャブラリーはなんだ!!」
爆豪は身を乗り出して上鳴にキレている。それはもう歯ぐきまでむき出して、唾飛ばして結構汚い。
隣の耳郎を不憫に思いつつ壁に寄りかかっていると、今度は蛙吹が俺に質問を掛けてくる。
「そう言えば愛杏ちゃんにも聞きたいことがあるの」
「ん?なんだ」
「こんなこと聞くのはちょっと答えにくいかもしれないけど………コネで雄英に入学したって本当?」
周りから唾を飲み込んでいる声がする。おそらくこの件に関してはクラスのみんなも気になっていたのだろう。
蛙吹の質問の後、そのあとの僕の答えを聞きたいのか、バスの中での微かな話し声さえ聴こえなく、いきなり静まり返ってしまった。
そして別に隠す必要も無いので、僕はあっさりと答えを話す。
「うん。そうだけど……」
(((あっさり認めた!!)))
「いや、別に隠すことじゃないしな」
「えっ、でもなんでなんだ!?」
「そうだぜ。お前の個性なら入試なんて余裕だろ?」
確かに空飛べて、バイクになれて、腕を大砲に出来て、オマケにレーザーまで打てる。自分で言うのもなんだが高スペックすぎる個性だ。これなら猿でも合格できるだろう。
「暇がなかったんだよ入試受ける暇が」
「暇?」
「実家がI・アイランドでそこで働いてたんだよ」
「働く?」
上鳴が頭の上でハテナを出している。それはクラスのみんなもそうで唯一、八百万は察したようだ。
「聞いたことがありますわ。I・アイランドではその島の管理者に認められれば十代から働ける法律があると」
「よく知ってるじゃないか。実際、僕以外にもそれなりに才能のあるやつはサポート会社にスカウトされて中学生から社会人になってるやつもいる。もちろん義務教育と併合してだがな。まぁI・アイランドじゃ部活みたいなもんだよ」
「部活感覚で働けるのか!いいなそれ俺もバイトして金貯めてぇよ!」
「もちろん許可がいるから島でも僕含めて数人しかいなかったぞ」
「なるほど。その仕事が忙しくて入試が受けられなかったのね」
「確かI・アイランドにはヒーロー科のある学校はありませんものね」
僕の話を聞いてクラスのみんなは納得したようだ。コネクションを使ってまで使ったある意味ずるいことをしたのだが、僕の実力と今の話で心無しかクラスからの向けられる目に軽い軽蔑のようなものは感じなくなった。
「それだったらよ。一体どんな仕事してたんだ?」
「あっ!それそれ。私も気になる」
この際だから全て話しておこう。
様々なロボットをいろんな会社に売り、自分の知識を高値で世界中の学者に売り、ヒーロー会社を初めとした様々な企業にスポンサーになり、軽く株の話なんかもした。何故そんなに稼いだのかは、このスーツを作るためだと言ったら納得してくれたようだ。まぁそれでも稼ぎすぎたのだが
「それで、今どれ位稼いだの?」
「上鳴の人生50000回分くらいかな」
「なんで俺が基準なんだよ!」
正確な数字を言ってもいいがあまりビビらすとクラスとの間に溝を作りかねないので適当に濁して答えた。それでもさすがにみんな少し引いていたが。
「もうそろそろ着くぞ。準備しとけ」
「「「はい」」」
§§§
「皆さんようこそ。待ってましたよ!」
バスの到着先で僕らを出向かれえくれたのは、災害救助などで活躍しているスペースヒーロー「13号」。全身に宇宙服のようなデザインのコスチュームを着たヒーローだ。
「自己紹介の前にまずここの説明をしましょう。ここは水難、火災、土砂災害などあらゆる災害のために、僕が作った訓練施設です」
「スゲー!USJみてー!」
切島が言ったようにこの施設は某ジャパンのスタジオにあるユニバーサル的なものを彷彿とさせる場所だった。
「その名も、
(((ホントにUSJだった!?)))
恐らく自分を含めて全員がそう思ったであろう。確かこの施設を作った会社はスターク社の子会社で、ここを作る時に著作権的な何かで大変だったとかを小耳に挟んだ記憶があるが、まぁ気にしないでおこう。
「13号。オールマイトは?ここで待ち合わせるはずだが」
「いやーそれが……」
バスの中で聞いたが、今回の授業の監督をする先生は、イレイザーヘッド、13号、オールマイトの、3人のはずだが、この場にあの派手すぎる男の姿はない。
二人の先生もその事で話しているようだ。僕ら生徒から少し離れてヒソヒソ話をしていた。
「ジャービス。二人の声を拾え」
『かしこまりました。遠隔マイク、ON』
ジャービスに命令を出すと、自分の親指の形がマイクになる。
説明しよう。このスーツには特殊技能のひとつに『タクティカルフィンガー』というのがある。これは自分の5本の指、全てが特殊な機能に変形するのだ。親指の機能は『遠隔マイク』数メートル先の相手のヒソヒソ話を聴けるように作った機能だ。一度でも聞いたことのある声ならその人物の独特な声の周波数を「ジャービス」が記憶し、その特定の人物の声のみを拾うことが出来る。これはどんな人混みでも周りの声をシャットアウトし1人だけに絞るなんてことも出来る。
『実は……活動時間ギリギリまで個性を使ったみたいで、仮眠室で休んでます……』
『不合理の極みだな……』
うん。僕が悪い。告訴されても負ける気がする程に知ってはいけないことを聞いてしまった。せっかく作った機能を試そうと、ちょっとした出来心なのだ。まさかオールマイトの個性に限界という事実があったとは。たかがこの程度の情報なんてと思うかもしれないが、これを適当なヴィラン組織にでも売れば軽く数百万円の価値があるだろう。もちろんそんなことはしないが何かとオールマイトと緑谷に関して調べているこちら側からするとえらい情報だ。
「それでは訓練を始める前にお小言を一つや二つや三つ…」
正直、お小言を真面目に聞きたいのはやまやまなのだが、さっきの軽いオールマイトの事実の衝撃が抜けてない。
「皆さんも知っているかと思いますが、僕の個性は『ブラックホール』どんなものでも吸い込んで塵にしてしまいます」
「その個性でどんな災害からも人を救いあげるんですよね!」
ヒーローマニアの緑谷が嬉嬉として答える。そして緑谷だけでなく、先程自分で「13号」のファンと言っていた麗日も、壊れた赤べこのように首を上下に振っている。
「ええ。しかし簡単に人を殺せてしまう個性です。みんなの中にもそんな力を持った人がいるでしょう。超人社会は個性の使用を視覚化し厳しく規制することで一見、成り立っているように思います。しかし、一歩間違えば、用意に人を殺せる行き過ぎた個性を各々が持っていることを忘れないでください。体力テストで自身の力の可能性を知り、戦闘訓練でそれを人に向ける危うさを実感したと思います。今回は心機一転、個性をどう活用して人を救うかを考えていきましょう。君たちの力は傷つけるものではなく、助けるためのものだと強く心に刻んでおいてください。以上、ご清聴ありがとうございました」
そう締めくくり、13号は優雅に頭を下げる。その動作は彼の紳士的な雰囲気と合っていて、クラスからの称賛の声が絶えなかった。
「よし、そんじゃ先ずは……」
13号の演説が終わり、相澤が早速授業を行おうとしたその瞬間、施設全体の照明が落ちた。
「ん?なんだ?」
生徒だけでなく、相澤先生と13号も驚いた様子だった。
物凄く嫌な予感がする。証明が落ちてからUSJの中心の噴水から黒い渦のようなものが発生する。
『メタル様。大多数の人間と思われる反応があります』
「なんだと!?」
ここで僕が考えていたことは昼のマスコミ事件。
その時に校長が言っていた宣戦布告という言葉が的を得ていたことになってしまった。
渦はやがて巨大な霧に変わるとそこから有象無象の異形な者達がやって来た。人の手を体中につけている青年を筆頭に、様々な異形が霧の中から出てきた。
ここで相澤も自体の異変に気づく。
「ひとかたまりになって動くな!13号、生徒を守れ」
素早く的確な指示をするとクラスメイト達も何やら異常事態が怒っていることを察したようだ。
「なんだありゃ?また入試みてぇなやつか?」
「嫌、あれは……」
「お前達動くな!あれは
クラスメイト達の顔に緊張が走る。自体を飲み込めないものも多いだろう。これから授業をしますって時に急にヴィランが現れましたなんて冷静に受け止められるものはいないだろう。
昼のマスコミ事件の理由を知っていて、あらかた察しがついた僕でもまだ軽く混乱しているぐらいだ。クラスメイト達はもっと混乱しているだろう。
「ジャービス!声を拾えるか!?」
『人が多すぎます。特定して識別するのは不可能です』
「気になることを喋ったやつがいれば随一報告しろ」
とにかく情報だ。こんな大世帯で来るのなら何かしらの明確な目的があるはず。先ずはそれを得なくてはならない。
「なんでヒーローの学校に来るんだよ!あいつら馬鹿か?」
「13号先生。侵入者用のセンサーは?」
「もちろんありますが……」
「現れたのはここだけか?」
ここに来てもしかしたら僕以上に冷静に状況を分析しているものがいた。推薦入学者の轟だ。
「ここだけに現れたのか、学校全体か、なんにせよセンサーが反応しないのは向こうにそんなことが出来るやつがいるってことだろう」
「ジャービス」
『はい。既に索敵してそのようなものが居ないか探っていますがこのスーツの索敵外、おそらく特定の災害所にいるかと思われます。ネットワークや電話ジャックなども行われているようで外部への連絡手段が絶たれています』
つまり轟が言いたいことは、このUSJは校舎から隔離された空間で、自分たちがここに集まることを知っていたとなる。計画された集団犯行ということだろう。
「13号、避難開始!学校に合わせて連絡しろ」
「相澤先生。既に試しましたが連絡手段は完全に絶たれています。俺のスーツでも無理です」
「やっぱ電波系のやつが妨害してるか。上鳴、愛杏。お前達は繋がるまで連絡を試せ」
上鳴は自分の個性を動力源に耳のヘッドホンが無線電話になっている。
「相澤先生は、1人で戦うんですか!?あれだけの数を相手に……」
緑谷が相澤の安否を心配するのは仕方ないだろう。
相澤ことイレイザーヘッドは敵の個性を消してからの捕縛。主に奇襲向けだ。とても集団戦闘には向いていない。
それでも相澤はこう言い放つ。
「一芸だけじゃヒーローは務まらん」
すると相澤はジャンプした。
ヴィラン達のいる噴水あたりの広場は長い階段がある。しかし生身で常人離れした跳躍力で階段の段差をすっ飛ばして降りる。
「射撃隊用意!」
相澤が着地するところに数人のヴィランが立ち塞がる。
かすかに聞こえた声に射撃隊と言っていたので、このヴィラン達は遠距離攻撃に特化した個性だろう。
しかし、
「あ、あれ?撃てねぇ!」
既にイレイザーヘッドの個性、『抹消』が発動されていた。
全く身動きが取れなくなったヴィラン達に大きな隙が出来る。そこをイレイザーヘッドの捕縛武器で瞬時に捕え、ヴィラン同士をぶつける。
「ばかやろう!あいつは見たやつの個性を消せるっていうイレイザーヘッドだ!」
相澤の招待を知るや否や、周りのヴィラン達が次々と距離をとる。しかし、その中で近づくものが現れる
「消すって俺らみたいな異形系のも消してくれるのか!」
「いや、無理だ」
腕が4本生えた岩のような筋肉をしているヴィランが相澤に襲いかかるが、それを難なくよけ、顔面にグーパンを叩き込む。
「だがお前らみたいなやつの特徴は統計的に近接戦闘で発揮されることが多い!」
喋りながらもイレイザーヘッドは捕縛武器で異形型ヴィランと距離をとりつつ、捕縛武器で締め上げ確実に地面に叩きつける
「だからその辺の対策はしている」
あの有象無象に対してたった一人で無双していた。まだ戦闘が始まって数分しか経ってないが、既に気絶したヴィランの山が作られつつある。
「すごい……多対一こそ相澤先生の得意分野だったんだ」
「ゴーグルで目を隠してるから誰の個性を消しているのかわからないので連携が遅れるんだろう。相澤先生あんなに強かったんだな」
緑谷も相澤先生の『抹消』という個性の活用をみて純粋に凄いと思っているのだろう。正直自分も奇襲以外じゃあまり役立たない個性だと思っていたがプロヒーローの実力に感心している。
「二人とも、冷静に分析している場合じゃないぞ!早く避難を!!」
後ろを見れば僕と緑谷以外は既に走り出していた。僕もマシンギアを発動させ、体を浮かす。このスーツは走れない代わりに空中移動でスピードを出すことが出来る。
13号を筆頭に出口まで固まって移動をしていると、目の前に先ほどと同じく黒い霧が発生する。
「逃がしませんよ」
どうやら先程の霧自体が本体のような人物だった。
黒い霧のヴィランとでも言うのか、そいつが13号と自分たちの前に立ち塞がる。
「初めまして。我々はヴィラン連合、
以外にも黒い霧のヴィランは紳士的な口調で話してきた。
「本来ならば、ここにオールマイトがいらっしゃるはず。ですがなにか変更があったのでしょうか。まぁそれとは関係なく、私の役目はこれ」
そう言うとそいつは己の黒い霧を広げて、自分達を覆うように包もうとする。あいつの個性はおそらくワープ系の厄介すぎる個性だろう。そんなものを使われたらたまったものじゃない。
しかし既に動き出している者がいた。
「「うぅらぁ!!」」
爆豪と切島がその霧に襲いかかっていた。爆豪の爆破が直撃して霧のヴィランに直撃する。
「危ない、危ない」
しかし、特に効いてないのか、平然とそいつは立っていた。
「生徒と言えど、優秀な金の卵」
「やばい!退きなさい二人とも!!」
13号の警告は既に遅かった。彼の『ブラックホール』も切島と爆豪が邪魔で使えないだろう。その隙を相手は見逃さなかった。
「私の役目はあなた達を散らして、嬲り殺す!!」
黒い霧が自分達全員を覆えるほど広がる。その霧からは突風のようなものも発生し、周りのものは目を開けられず、咄嗟に行動できた飯田は麗日と砂藤を回収し、障子は近くのクラスメイトをその大きな腕で被って伏せる。
「ヤベぇ!ジャービス!発信機だ!!」
この状況で生徒の中で1番狙われるのは誰だろうか。
考えればすぐ分かる。RPGでも「仲間を呼ぶ」なんて敵がいたら最初に倒すだろう。
この生徒の中でそれが出来るのは僕と上鳴だ。電波系の個性のヴィランはどこから電波が出ているかなど手に取るように分かるだろう。そう思い、上鳴を1人にしてはいけない。しかし上鳴は場所的に遠すぎる。そこで『タクティカルフィンガー』の小指に搭載している能力。発射式で、ぶつかった相手の繊維に固定される。発信機と盗聴器の両方の役目がある小指の機能だ。右手の小指は外れるがなんの問題もないだろう。
「あとは!」
もう時間がなかった。右手で捕まるやつは誰もいなく左に妙モフモフのする物体があったので左手で捕まえる。
その瞬間、視界が完全に闇に覆われる。どうやらワープは防げなかったようだ。
§§§
「こ、ここは……暑い」
ワープされた先、そこは住宅街だった。それもただの住宅街では無い。至る所が燃え盛る場所、出口から1番遠い火災ゾーンに飛ばされたようだ。
「あっあの……そろそろ離してくれないかな?」
「あっ、わるい……」
………To be continued
白熊飴様、評価ありがとうございます。……あと一人だ( *´艸`)グフフ。
それとアイアンマンのスーツにはもっといろんな機能があっていいと思うんだ……。
だから「タクティカルフィンガー」とかいうダサいやつは気にしないでくだちい