東方幽闇郷〜君の隣にあるために〜   作:面梟エッホエッホ

1 / 22
ほぼ見切り発車な状態ですが、読んでいただけたら嬉しいです!


プロローグ

『果て』と言おうか、とにかく何処にあるのかも分からず、ひっそりとある浅くも深くもない山。

そんな山の奥に、『幻想郷』と名付けられた楽園がある。幻と実体の境界に分け隔てられた、全てを受け入れると云う楽園が。

 

いいや、楽園だけでは無い。

冥界、魔界、天界、地底、地獄、彼岸―――

楽園を通じて、何処にでも行けるだろう。

 

その楽園は、決して人にとっての安息の地ではないが―――

―――楽園に満ち溢れる幻想は、きっと見る者の心を奪うだろう。

 

だが、『外』の人間がそれを知ることは殆ど無い。

否、知りようも無い。

結界があるおかげだ。その結界は『常識』を通すことは決してない。

とはいえど、所詮結界。万能では無い。当然のように例外も存在する。

 

本来は知ることのなかった世界。

それを、奇跡とも呼べる偶然によって知ってしまった一人の青年がいた。

ある人から見れば変わりない、また別の人から見れば少しかわいそうな、ただし物語のように波瀾万丈な。

そんな人生を送ってきたその青年。

 

その青年は、紆余曲折(うよきょくせつ)を経て、かの楽園『幻想郷』に関わることとなる。

だが、当の青年はまだ何も知らない。楽園もまだ生まれてはいない。

 

「あなたの名前は『麟祢(りんね)』。『××麟祢』、お母さんと同じ名前なのよ、ふふっ」

 

卍卍卍卍

 

その青年の『物語』は、未だに始まってなどいなかった――

――死してようやく始まった。

 

「ようやくこの時が来たわよん。まあ、頑張りなさいな」

 

その青年の運命の歯車は、回り始めてなどいなかった――

――とある少女と出逢って、ようやく回り出す。

 

「私は西行寺幽々子。よろしくお願いね、無口な亡霊さん」

 

その青年の『世界』にはは、まだ色が存在しなかった――

――友人を得て、ようやく『舞台』は整い、そして色づいた『世界』が動き出す。

 

「また来なよ、麟祢!私らはいつでも歓迎するよ!」

「そうだねえ、お前が来ると場が盛り上がるからねえ」

 

その青年の『物語』は、未だに(つづ)られてなどいなかった――

――『幻想郷』と言う名の楽園が出来て、初めて綴られる。

 

「幻想郷は全てを受け入れるのよ。それはそれは残酷な話ですわ」

 

さあ、永く続いた準備期間はもう終わった。

いよいよ今から『物語』を始めようじゃないか。

これは、現代にて死に、亡霊となって過ごす一人の青年と―――

 

―――後に華胥の亡霊と呼ばれることになる、一人の少女の織り成す―――

 

――数多くの出会い、そして別れの物語である―――

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。