東方幽闇郷〜君の隣にあるために〜   作:面梟エッホエッホ

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……絶賛スランプ中です。

待ってくれている方々のためにエタったりはしません。が、更新速度は著しく落ちます。
ご了承ください。
あと今回は区切りが悪くて少し短いです。
もしかしたら改稿するかもしれません。

ではでは、ゆっくりしていってね!!!


第二十一話 霊と妖怪の奇怪な旅Vol.2

 

夜の暗がりに紛れて、何かの影が動く。妖怪、人を喰らうその影の正体が向かう先には白装束の男がいる。妖怪は獲物が気づいていないことを確かめると、牙を突き立てんと踊りかかった。

 

「…!!?」

 

だが、牙が(のど)ヘ突き刺さるよりも速く、妖怪の体は弾き飛ばされる。そして何が起きているのか理解出来ないまま妖怪は噛み切られて息絶えた。

白装束の男――麟祢(りんね)は傍の木の上に目を向け、黒い球体に声をかける。

 

「……起きろ、ルーミア」

「…なぁに?私まだ眠いんだけど…」

 

声をかけられたルーミアは、(まと)っていた闇を解きながら伸びをした。眠そうな声は不機嫌さを全面に出している。

麟祢はそんなルーミアに呆れたように溜息を吐いた。

 

「常闇の妖怪様が何言ってんだ……これ見てみろ」

 

麟祢が指さしたのは先程倒した妖怪の死体だった。ルーミアはこんなのただの動物妖怪じゃない、と不貞腐れながら死体に近付き、息を呑んだ。死体から()()()を引き剥がし麟祢に見せた。

 

「麟祢、これって…」

「あぁ、『()()』はそういうものだ」

 

ルーミアが見せたのは護符。それ自体は陰陽師や妖術を使う妖怪が使用するものだったが、そこに込められた術式が問題だった。

護符を闇に溶かし、麟祢を見るルーミア。麟祢は頷いて口を開く。

 

「…これは俺達を狙ったものじゃない、多分逃げてきたんだろ」

「それじゃあ術者はこの近くにいるのよね?」

「そうなるな」

 

ルーミアは焦げるように溶けていく護符に目を向ける。無意識の内に手に力が入り、爪が皮膚を破って血が滲み出た。麟祢からは見えないその表情には、憎悪が浮かんでいた。

 

「…どうするの?」

 

ルーミアが問う。その声音はいつもと変わらない。ルーミアはいつものように麟祢に訊いた。意識して振る舞っているのかは定かではないが、表面上は平静を保てていた。

そんなルーミアに対して麟祢は…―――

 

「お前はどうしたい?」

 

―――…逆に問いかけた。

何故分かったのか、と驚き振り返ったルーミアに、麟祢はただ応えを待つだけだった。

 

「………」

 

どうしたいか。その問いかけは心の内で憎悪を燃やすルーミアを落ち着けるには、十分だった。正直に言えば、どうしたいかなど問うまでもない。本心では今すぐにでも飛び出して、先程の護符を作り出した術者を殺してやりたい。あの護符―――いや、あれはもう()()以外の何ものでもないだろう―――には、それだけの恨みがある。

それに、麟祢が訊いているのは、ここでルーミアが激情に身を任せてしまうことの危険を指摘するためでもなければ、ルーミアに考えさせるためでも、落ち着かせるためでもない。もしそうであったなら、最初に迎撃した時点で揉み消していただろう。故に麟祢は術者を殺しに行くことを(たしな)めている訳ではない、ただ純粋にルーミアの覚悟を試しているのだ。

何故麟祢が知っているかのような態度を取るのかは分からないが、ルーミアは自らの答えを決めた。

 

「…行きましょう」

 

ルーミアの決意を感じ取ったのか、麟祢は一度首肯した。直後、麟祢とルーミアの姿は闇に溶け込むように消える。闇を支配する二人の『程度の能力』による能力の複合使用。麟祢の『心の闇を操る程度の能力』によって、残されている物体から悪意――平たく言えば記憶――を掌握し相手の座標を感知・特定、ルーミアの『闇を司る程度の能力』によって相手の影や物陰の中を転移する、現状最速の移動方法。

夜である今ならば、二人から逃げられるものはいない。

 

 

…―――ならば、後は『闇』が全てを呑み込む時をただ待つだけである。

 




はい、ここまで引っ張っといてなんですが、次回の戦闘シーンはあっさりと決着が付きます。

まぁお楽しみにしててください。
なるべく早く上げられるよう頑張りますー。

その内他の二次も載せようと思ってます。そちらについてはまたいづれ。

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