無能の烙印、森宮の使命(完結)   作:トマトしるこ

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 後半は会話文でごり押しです。



4話 襲名式1

 14歳のある日。俺は養父――当主様から突然そのことを告げられた。

 

「明日、更識本家で刀奈お嬢様が17代目楯無を襲名することになった。俺とお前は行くからそのつもりでいろよ」

「はい」

「………」

 

 当主様はゴミを見るような眼で俺を見た後、どこかへ行った。

 

 しかし明日か……いきなりだな。刀奈お嬢様は俺と同い年の14歳。中学3年になったばかりだってのにもう当主か。凄いなぁ。

 

 今の時期にやるのは多分ISが関わってるんだろうな。本家に男子は産まれなかったから危ぶまれてたけど、女性にしか扱えないISが男女の立場を変えた今、女性じゃなければダメみたいな感じになってる。

 

 加えて刀奈お嬢様の才能。まさに天才なお嬢様なら子供の今でも、大人以上に立派に当主をやり遂げるだろう。

 

「俺には関係ない」

 

 森宮に来たばかりの頃、歳が近いからという理由で夏休みの間、お嬢様方の執事まがいの事を任されたことがあるが、結果はやはりダメダメ。目も当てられないほどだった。一夏の苦い経験だ。多分お嬢様方も俺の事を覚えてないだろう。怒られてばっかりだったし。

 

 何もせずに当主様の後について行って、適当に挨拶して速攻帰ってくればいい。宿題に任務にとやる事は山のようにあるんだから。森宮に来る依頼の半分をこなすのはさすがにキツイ。

 

 えーっと、ここの問題は……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 翌日、更識本家。

 

 朝から本家には大勢の人間が押し寄せていた。でありながらまだまだ広さに余裕を感じる。どれだけでかいんだよ。

 

 当主様と受付を済ませ、中に入る。そして突きささる視線視線視線。森宮一夏だから、というのもあるが、今日はそれだけじゃない。

 前が見えるのかってくらい長い白い髪に赤と緑のオッドアイ。いつもならフード付きのパーカーを着て、目が黒く見えるように細工された伊達メガネを付けているんだが、今日は無い。

 ただでさえ浮いてるってのにスーツを着ているのが拍車をかけてる。男性は紋付袴、女性は振袖、和服オンリーのなかで俺だけ洋服。仕方ないじゃん、持ってないし。

 レンタルという手もあったけど、無駄な金だし、何より動きづらい。護衛と暗殺が仕事の森宮が「動きづらい服を着てたので守れませんでした」なんて間抜けな言い訳はしたくない、といって当主様を納得させた。

 

 場所は式が執り行われる大広間……ではなく、立派な庭園。

 本来なら各家の当主とその付き添いまでが参列するのだが、俺は辞退した。場違い感が半端じゃないし、お嬢様の折角の晴れ舞台を汚してしまう。

 

 いつも思ってしまう。どうして自分を蔑む連中を命がけで守らなければならないのか、と。そうしなければここには居られないから嫌々ながらするし、刷り込まれてしまっているので、嫌でも身体が更識にとって最善の行動を取ってしまう。

俺個人はやる気があんまりない。養ってくれるのはありがたいと思っているから、その分の仕事は絶対にするし文句も言わない。だが、森宮はどうだ? 更識は? 他の家は? 学校が終われば飯も食わずに直ぐに任務。夜遅くに帰ってきても誰もねぎらってはくれず、用意されているのは冷めている適当に作った簡素な食事。他人の万倍以上の時間をかけなければ平均の成績すら出せない俺が、勉強時間もプライベートな時間も潰しているのに、まるで家畜のような扱いを受け、仲間に命を狙われることすらある。利害関係が一致しない。“=”じゃなくて完全な“>”だ。

 

 ここも施設とたいして変わらない。義務を強要して、俺を良いように利用する。面倒な任務だったり、ストレスのはけ口にされたり。更識の為に、という言葉で俺を操り、縛る。

 

 ここ最近ようやく気付いた。自由になんかなっていないって事に。施設に居た頃よりも束縛されて、利用されている事に。

 俺の努力次第で少しは変わっていたかもしれない。が、俺は努力したところで全く意味が無い。どれだけ繰り返しても同じ結果になるのだから。

 

 ぼーっとしながらブラブラと時間をつぶす。池にかかった石橋に、優雅に泳ぐ鯉、カコンと音を立てるししおどし。本で読むような日本庭園を歩く。正直ここまでして庭を手入れしていることに関心する、もっと有意義なお金の使い道があるだろうに……維持費だってバカにならないはず。偉い人の考えはよく分からない。

 

 もう帰ろうか。俺が居たって意味は無いし、集まった奴も俺を見て良い気はしないだろうしな。

 

 その辺の塀を飛び越えようと思い、近いところを探していると声をかけられた。いや、呼ばれた。

 

「一夏?」

「ッ! ……何故ここにおられるのですか? 簪様」

 

 声の主は意外や意外の人物、式に参列しているはずの簪お嬢様だった。

 

「私の出番……終わったから、散歩。一夏は?」

「……辞退しました。私が参列してしまえば、刀奈お嬢様の輝かしい日に泥を塗ってしまいますので。というより、よく私の事を覚えておられましたね。1ヶ月お仕えしただけだというのに」

「そんなこと…ないよ…」

 

 気の弱いところは変わってないみたいだ。小動物みたいな可愛さに磨きがかかっている。

 

「ひさしぶりだね…会いに来ればよかったのに…」

「私がどう思われているかは、簪お嬢様もご存じでしょう? それに、森宮への依頼もありましたので」

「ぁぅ……ごめん……」

「あ、い、いえ、責めているわけではございません。ただ、行こうにも行けなかったと言いますか……」

「そ、そう? よかった……」

 

 ふぅ…と息をつかれる。その様子は本当にそう思っているようで、演技には見えない。まさかとは思うが、俺を気遣ってくださっているのか? ないな。ありえない。

 

「そ、そうだ! もうすぐ式も終わるから、お姉ちゃん呼んで来るね!」

「え、ちょ、お嬢様!」

「ちゃんとここに居てね~」

 

 それは俺が式を辞退した意味をなくす行為だってことに気がついてますか~?

 

 心の訴えも空しく、簪様は小走りで大広間へと去って行った。

 ……居るように言われた以上動けない。腹決めて、刀奈――楯無お嬢様と会うしかないか……。

 

 その時、俺の警戒範囲に誰かが入って来た。それはいつもの事なのだが、今回は違う。隠し切れていない敵意と殺気(・・・・・)を感じた。位置からして裏門のあたり。気付かれないように、平常を装いながら向かう。待つようにという命令だったが、ここは安全を最優先する。現場の判断というやつだ。

 

 近づくにつれてなんとなく分かってくる。数は……2。最少人数で来ているみたいだな。式で浮ついているとはいえここは更識本家、その度胸は評価するべきか、はたまたただの阿呆か。何にせよ、見逃すわけにはいかない。

 

 更に近づく。風に乗ってかすかに話し声が聞えてくるほどの距離だが、まだ気が付いていないらしい。出て行きたくなるのをこらえて、耳を傾ける。情報は時に銃弾よりも脅威になる。

 

 声の高さからして、女のようだ。

 

「……本当に2人でやるのか? せめてあと3人は居た方が……」

「仕方ねぇだろ。人は居ても、ここに入りこめる奴なんてそうそう居ねえんだ。俺からすれば、テメェが居るだけでもかなり助かってるんだぜ? これでもな。なんだ、ビビってんのか?」

「し、仕方ないだろう。実動部隊に配属されて初の任務があの更識本家への潜入、当主の暗殺など……」

 

 ……なるほどな。まあこんな時に攻めてくるんだから目的は一つしかないよな。これでこいつらを泳がせておくことは出来なくなった。今すぐ“殺せ”と、使命を刷り込まれた頭が身体を動かそうとするのを必死に抑えて、聞きに徹する。せめて、こいつらがどこから送られて来たのかを聞かなければ……。

 

《ザザザ……》

 

「こんな時に聞くのも何だがよ、なんでお前ウチの部隊に志願したんだよ。あのまま逃げてりゃ良かったのにさ」

「兄さんを探す為だ。ここに居れば様々な情報が手に入る。私はともかく、兄さんはすでにまっとうな暮らしは出来ないからな、必ず裏の世界で生き延びているはずだ。同じ世界に生きていれば兄さんの情報が手に入ると踏んだ。あの時遺体が無かったんだから、兄さんは絶対に生きてる。今度こそ一緒に居るために……」

「ブラコンだなァ。俺には家族が居ねぇから、お前の気持ちは分からねえな。んで、見つけた後はどうすんだ?」

「誰にも邪魔されない静かな場所で暮らす。2人でずっと。1年ぐらいしたら子作りに励んで子供たちと幸せに過ごすんだ……ふふふふふふ」

「……コエェな」

 

 《ザザザザザザザ………》

 

 こんな時に雑談とはな……。警戒も緩いし、素人なのか?

 しかし、その兄さんとやらは苦労しそうだな。少女には悪いが見つからない事を祈ろう。俺も“姉”に狙われている身だから分かる。きついんだよ、色々と。

 

 《ザザザザザザザザザザザザザザザザザ………》

 

「で、なんでいきなりこんな話を?」

「俺らは何時死ぬか分からないだろ? 思い立ったが吉日、その時にやりたいことやっとくんだよ。悔いが残らないようにな。ついでに生き残った仲間の思い出になって生き続ける。だから、こうやって自分の夢とか願いとかを仲間に話すのはウチじゃ珍しい話じゃないぜ。俺も先人達からそうやって色んな事を学んでいったんだ」

「……そうか、私も倣うとしよう。だが、兄さんは渡さないぞ」

「誰もそんな話はしてねえよ」

 

 《ザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザ……》

 

 仲間……ね。話に聞く限りじゃアンタらがうらやましいね。背中を狙われる恐怖が無いんだからどれだけ気が楽だろうか。

 くそ、さっきからノイズと頭痛が……。

 頭が……割れそうだ……!

 

 《ザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザ》

 

「そろそろ時間だな、行くぞ」

 

 《ザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザ》

 

 その言葉を聞いた途端、俺は意識を失った。

 

 

 

 

 

 

「そろそろ時間だな、行くぞエム」

「わかった」

 

 まぎれる為に着た振袖を気遣いながら潜んでいたが、オータムの合図に合わせて立ち上がり、庭を進む。

 

「!?」

 

 殺気を感じたので真後ろに飛び退く。完全に本能に任せた行動で、全く気が付かなかった。私がいた空間をナイフが飛んでいき、桜の木に刃の根元まで突き刺さった。掠っただけでも肉を持っていかれそうだ。投擲であそこまでの破壊力を出すなんて化け物だ。

 飛んできた方向を見る。そこに居たのは……

 

「兄さん?」

 

 前が見えるのかと言いたくなるほど長い白い髪に、髪の隙間から覗く紅と緑のオッドアイ。

 話に出たばかりの家族だった。

 

「兄さん!」

「アホかお前は! 奴の眼を見ろ!」

 

 ナイフを投げられたことも忘れて駆け寄ろうとしたところをオータムに止められた。

 言われるがままに兄さんの眼を見る。ハイライトを失い、施設に居た頃よりも虚ろになった瞳が私達を見ていた。いや、見ているのか? 焦点が合っているのかすら疑わしい。

 

「に、兄さん……なんで、そんな……」

「随分前から気付かれてたみたいだな。にしても正気じゃあないぜ、お前の兄貴。いつもあんななのか?」

「そんなわけない! きっと、何かされたんだ……更識の奴ら、絶対に許さない……!」

「何にせよ、俺らはお前の兄貴を突破しないといけないわけだ。成功すれば任務達成ついでに兄貴も帰ってくる。良いことづくめだ。行くぜ、エム!」

「ま、待てオータム!」

 

 今度は私がオータムを止める。

 

「んだよ」

「兄さんは私の数倍強い。さっきはギリギリで避けられたが……次は無い。確実に殺されてしまう……」

「諦めろってか? お前の兄貴は目の前に居る、任務だってまだ果たしていないのにか!」

「仕方ないだろう! 無駄死にするよりマシだ!」

 

 これは兄さんを危険にさらす事を意味する。

 私もオータムも、部隊の中ではかなりの実力を持っている方だ。だが、それでも兄さんには届かない。私は昔よりも強くなったはずだが、兄さんは明らかに私の上を行っている。近づけば死んだことにも気付かずに殺されるだろう。

 

「幸い、近づかなければ攻撃してこない。このまま回れ右で戻るべきだ。追って来ないとは限らないが、前に進めば確実に犬死にする」

「ここまで来たってのに……クソッ! 退くぞ!」

 

 最愛の人を置いて去らなければならない事が悔しくてたまらない。思わず握った拳から血が出るほどに。

 最愛の人が更に傷ついていく事実に悲しくて涙が止まらない。視界がにじんで、思わずしゃがみこんで泣き叫びたくなるほどに。

 

「待ってて兄さん。今度は私が兄さんを救うから、そしたら……」

 

 ずっと一緒にいよう。

 

 力のない自分に、これから先をいう資格は無いと思い、言葉を飲み込む。後ろ髪をひかれる思いで、更識本家を後にした。

 

 

 

 

 

 

「…………はっ!」

 

 ブラックアウトしたと思ったら直ぐに意識が戻った。いつの間にか自分は茂みから動いており、裏門と本家の中間の庭に突っ立っていた。

 遠くの木にナイフが刺さっているのが見える。

 どうやら勝手に身体が動いて、侵入者を追い返したようだ。周りに争った形跡は無く、血も空薬莢も見当たらない。何もせずに帰ったのか……。

 

「刷り込み……か……」

 

 身体が勝手に動いたのは“本家に侵入者が入って来た”ことが原因だろう。インストールされた情報同様……いや、無理矢理身体を乗っ取る辺り、インストールよりも質が悪い。もはや刷り込みじゃなくて“呪い”と呼ぶ方がふさわしい。

 

 施設が可愛く思えてくる。それほど、俺は身体を奪う“呪い”が恐ろしかった。

 

 意識を切り替えよう。

 

 侵入者は去った。ならばここに居る必要はない。簪様が楯無様を連れてこられる前に戻らなければ。

 

 気付かれずに移動できる最高速度で駆ける。砂を巻き上げず、葉を散らさずに音も無くスルスルと動く。そして、ノッてきたところで角を曲がる前に急ブレーキ。向こう側から人の話し声が聞こえたのだ。

 

「やっぱり、帰っちゃったんだ……」

「そんなことないよ…きっと、ウロウロしてるだけだよ…。ほら、本家に来たのは数年ぶりだし……だからあきらめちゃダメ。ね、お姉ちゃん」

「……そうね。もう少しだけ、探してみよっか」

「うん!」

 

 簪様の声だ。お姉ちゃん、と呼ぶという事はもう1人は楯無様か。

 隠れ続けるわけにもいかないので、角から出る。

 

「あ、一夏…探したよ? 帰ったかと思ってた」

「申し訳ありません。あまりこういった物を見る機会がございませんので見ておりました。無意識に歩き回っていたようで……」

 

 本当に帰ろうかなーとか思ってましたスイマセン。

 さっきと殆ど同じ理由だ。芸が無いと自分でも思う。ここに他の誰かが居たら間違いなく俺はフルボッコにされている。

 

「……刀奈お嬢様、楯無襲名、おめでとうございます。聞けば史上最年少だとか。森宮の末端の私にも、耳にはさむほどの快挙ですね」

「ええ、ありがとう。久しぶりね、一夏。いつ以来かしら?」

「覚えておりません」

「そう……」

 

 正直に言うと小学生の頃という事しか覚えていない。何年生の夏だったか忘れた。まあ何をしたのかすら覚えていないし、小言ばかりの日々で嫌な思い出しかないし、早々に忘れることにした。

 

「お嬢様も私の事を覚えておられるのですね」

「当たり前じゃない! 一夏の事を忘れるわけないでしょ!」

 

 力の入った反撃にたじろいでしまった。

 

「は、はぁ……」

「あ、こ、これは……そのぉ……」

 

 今度は顔を真っ赤にして俯いてしまった。

 

 前に思ったことがあるようだが、感情豊かな人だ。つかみどころがない。

 

「ああああああのね、一夏! こ、これどう? 似合ってる?」

「あ、ずるいお姉ちゃん! ねえ、私は?」

「え、ええ。お2人とも良く似合っておられますよ。可愛らしいですね」

「「ホ、ホントに?」」

「ホ、ホントです」

「「やった!!」」

 

 2人とも同じように顔を赤くしたり、喜んだりとせわしない。簪様はもっと大人しい方だと思っていたが……。

 

「楯無様ー!! どちらにおられますかー!」

 

 その時、俺から見て前、お嬢様方から見て後ろの方から声が聞こえた。恐らく、本家の人間だろう。

 見つかると面倒なことになるので、ここいらで退散することにする。

 

「お嬢様方、失礼いたします」

 

 そういって踵を返して裏門へ向かおうとした時、左からスーツの裾をつかまれ、右から腕を掴まれた。

 

「あ、あの……早々に立ち去らないと、後で私が大変なのですが……」

 

 森宮の使命とかその他諸々を取り除けば、自分第一なのが俺だ。損になること、嫌だと思う事はしたくない性格なので、こういう時は素直になってしまう。

 あ。と思った時はもう遅い、ぶん殴られても文句は言えない。俺達従者にとって、口答えをするという事はそれほどの事だ。

 

「大丈夫よ。私が良いって言ってるんだから。だから帰らないで」

「わ、私が居てはお嬢様方に迷惑が……」

「そんなこと……ないよ…」

「私もそう思うわ。簪ちゃんだってこう言ってるし、ね」

「他の方々がどう思うか……」

「私は一夏に居てほしい。ううん、一夏が居なくちゃダメなの。だから、お願い」

 

 なぜそこまで私にこだわるのですか?

 そう言いたいが、言ってはいけない気がする。それに言う前に、本家の人間が来てしまった。

 

「おお、楯無様こちらにおられましたか…………で、何故そちらの男とおられるのですか?」

「悪いかしら? 彼は私に尽くしてくれる従者よ。同年代だし、一緒にいても不思議じゃないでしょ?」

「宴にそ奴を連れ込むおつもりで?」

「いいじゃない。一夏は陣さんの息子だから本当は居なければいけないのよ。出席する義務があるわ。あなた達を気にして出席しない事の方がおかしいと思わない?」

「……………」

「さ、行きましょう」

「お姉ちゃんナイス」

「ふふん。任せなさいって」

 

 ………どうなってるんだ?

 

 




 “姉”がいるのですよ。もちろん千冬さんではありません。
 ヒントは“森宮”です。

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