異形系個性 真・ゴジラ   作:⌒*(∴)*⌒ <滅尽滅相なの!

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前話の神呉璽羅君の中学時代のエピソードを削除しました。
すみません。
理由は今話でわかります。


ゴジラはおもい

今日は雄英高校の入学初日。

春の日差しが気持ちいい朝だ。

シン・ゴジラこと僕、神呉璽羅はなんとか雄英に入学することができていた。

 

ビームを撃ってビル群を破壊した時に他の受験生がドン引きしてたからビーム一発で他に何もしなかったけど合格できたようだ。

ゴジラの放射熱線は最強なんだ(ドヤァ)。

とかやって落ちてたら洒落にならん。

両親に顔向けできん。

 

まぁそんなことはどうでもいい。

受かったなら問題nothingだ。

 

綺麗な廊下を眺めながら教室に向かう。

歩く度に窓ガラスが震えるけれど廊下が倒壊しないのはいいぞ‼

流石は雄英。

金がかかってるぅ。

小中と僕の体重を支えられる校舎がないとかで学校に通えなかった僕としては嬉しい限りだ。

通信学校では作れなかった友達を作るぞぉ!

大丈夫、大丈夫。

寝なくともよいゴジラの生態を生かして徹夜してまで自己紹介を考えたんだ。

この神君の爆笑鉄板ネタでクラスを沸かせてやるぜ。

 

 

 

 

 

そんな風に思ってた時期が僕にもありました。

目の前には金髪DQN。

 

「うっせぇぞ!この黒蜥蜴!!」

 

何かクラス前で緑髪の試験前に会った少年と金髪DQNがゴチャゴチャやってたので『のいて』と言っただけなのに絡んできたのだ。

 

「…………」

 

「あぁ‼無視してんじゃねぇぞ!」

 

えぇ~雄英ってDQNでも入れんのぉ~?

しかも君何で喧嘩売ってるの~?

 

シン・ゴジラだよ。

今の僕シン・ゴジラだよ。

顔とかヤベェよ?

グロいし、不気味だしで子供とか普通に泣くよ?

てか自分の二倍以上の身長の奴に喧嘩売るとかすげぇよ。

やっぱヒーロー育成学校。

頭が飛んでるぜ。

なーんて金髪少年の勇敢さに恐れ戦いていると――

 

「何をやってるんだ」

 

そう少年を諌めながら寝袋から出てくるボサボサの髪の毛の大人。

多分に胡散臭いが状況的に見て教師だろう。

呆れた顔でこちらを見てくるが僕は悪くないので首を振って否定しておく。

 

僕は一応喋れるが喉が痛くなるのであまり好きではないのだ。

その動作にわかってくれたのか先生はひとつ溜め息を吐くと言う。

 

「さっさと入れ。ホームルームを始めるぞ」

 

そう言うと流石に勇猛果敢なDQN君も緑髪の少年も席に着く。

僕もそれに続いてガッという音と共に止められる。

 

「何してるんだ?」

 

「センセェ、扉ガ小サクテ入レマセン」

 

 

 

 

 

「はい。皆さんが静かになるのに8秒もかかりました。時間は有限、君達は合理性に欠けるね」

 

先生が何か言っていたが僕はまだ廊下である。

だって身長は3.5メートル全長に至っては9.8メートルもあるのだ。

雄英の校舎が僕の体重を支えられるのに狂喜乱舞していたが入れない可能性は十分あった。

それでも悲しいなぁ。

 

「担任の相澤消太だ。よろしくね」

 

そんな状況にあって思うのはやっぱり自分の個性についてだ。

自分で言うのもなんだが僕の個性は相当特殊だ。

転生者の個性だからかシン・ゴジラだしね。

普通異形系個性と言ってもクラスにいる尾白君や蛙吹さんのように亜人系が殆どだ。

少なくとも人型ではないものは少ない。

だからかドアも大きめには作ってあっても僕のようなガチ巨大怪獣みたいな奴が入れるような大きさのものは少ない。

Mt.レディも個性を使わなければ巨大にはならないのだから羨ましい限りだ。

僕なんていつ100メートル超えてもおかしくないというのに。

 

「早速だがこれに着替えてグラウンドに出ろ」

 

――と思考に埋没していたら相澤先生が指示を出している。

億劫な尻尾を引き摺って外に出る。

何か俺の高校生活ヤバくね?

それに自己紹介ぃ。

 

 

 

 

 

「個性把握テストをやるぞ」

 

グラウンドに出たクラスメイトに衝撃がはしる。

まぁ僕は高校生活の不安でそれどころではなかったが。

 

「入学式は!?ガイダンスは!?」

 

「ヒーローになるならそんな悠長な行事に出る時間はないよ。雄英は『自由』な校風が売り文句。そしてそれは先生側もまた然り」

 

なんという暴論!さすがだぜ雄英高校!僕たちにできない事を平然とやってのけるッ!そこにしびれる!憧れるゥ!

 

――という冗談は抜きにして、まぁテストがあるらしい。

そうして相澤先生は実演を交えながらテストの説明を始める。

簡単に纏めると個性を使って体力測定をするようだ。

 

「先ずは己の最大限を知る。それがヒーローの素地を作る合理的手段だ」

 

個性使用の体力測定。

それに触発されたのか誰かが興奮混じりに呟く。

 

「なんだこれ、すげぇ面白そう!!」 

 

「個性思いっきり使えるんだ!流石はヒーロー科!」

 

「面白そう………か。ヒーローになる三年間。そんな腹積もりで過ごす気でいるのか?」

 

ポツリと呟くように洩らした言葉に皆が一瞬で静かになる。

何?何?なんか空気が重いんだけど。

 

「よし。トータル成績最下位の者は見込みなしと判断し除籍処分とするとしよう」

 

は?

何言ってんのこいつ?

 

「これが雄英高校ヒーロー科だ」

 

皆が皆その衝撃的な発言に固まる最中、相澤先生が言い放つ。

 

 

 

 

 

体力測定。

50メートル走、握力、反復横跳び、ソフトボール投げ、持久走 、20メートルシャトルラン 、上体起こし、長座体前屈、立ち幅跳びの九個の種目からなるテストだ。

 

まず50メートル走。

ビリ。

だってゴジラは重いし、俊敏性なんて皆無だから。

でも思いっきり走ると地面が揺れて、他の生徒が転んだり、踏ん張ったりと録に記録にならないのでひとりで走ることになった。

解せぬ。

 

握力。

飾りみたいに小さい手だけど流石はゴジラ。

全力で握ったところ測定器が弾けとんだ。

皆が驚愕と恐怖でドン引きしていたような気がしたがそんなことはなかったぜ。

1位だよ。

 

反復横跳び。

勿論ビリ。

説明不要。

横移動なんてゴジラには無理。

六回が限度です。

 

ソフトボール投げ。

ビリ。

まず直径2メートルの円がゴジラには狭すぎる。

そして手は投げることなんてできないので、必然的に尻尾を使う。

でもゴジラの尻尾で球体を投げるとか無理ゲー。

尻尾から滑り落ちて0.4メートル。

記録なし。

 

持久走。

それなり。

別に速くはないが体力には自信があります。

中には核融合炉があるからね。

 

20メートルシャトルラン。

ビリ。

俊敏性はありません。

 

上体起こし。

ビリ。

身体が重い。

八回。

 

長座体前屈。

無理。

手が台を押せない。

記録なし。

 

…………ヤバい。

多分トータル成績最下位の者って俺だわ。

入学初日に退学処分とか終わってるわ。

もうこうなったらマリアナ海溝とかに住もうかな。

それで太平洋、大西洋、インド洋とかを巡って生きよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

相澤消太は非常に悩んでいた。

それは入学試験で仮想敵ロボットをビームで一掃した生徒、神呉璽羅のことだ。

 

彼は余りにもアンバランス過ぎる個性を有していた。

大き過ぎる身体に比較して小さ過ぎる腕。

ビル群を一瞬で融解させるまでの火力を有しながらもボールすら投げられない。

彼の口は物を食べられるような造形ではないし、彼の両親に確認したところ食事は必要としないし、味覚も存在しないらしい。

個性としては勿論、生物としても余りにも歪過ぎる。

相澤が知る中でもあそこまで異常過ぎる個性を持つ者は見たことがない。

まるで兵器だ。

固く、食事を必要とせず、桁外れの火力を有する。

自走砲のようだ。

パラメーターが防御と火力に振り切れている。

 

彼が立ち幅跳びの用意をしているのを見ながら考える。

彼は本当にヒーローになれるのか。

そもそもヒーローになりたいのか。

何故ヒーローになりたいのだろうか。

そんなことをとりとめもなく考える。

 

「じゃあ次は神さん。いいよ」

 

「アリガト」

 

神が勢いをつけて跳ぶ。

胃が揺さぶられるような震動の後に一瞬の静寂、その後に爆音と共に地面が爆ぜる。

緩衝用の砂が散弾のように周囲にばら蒔かれ吹っ飛ぶ。

思考が真っ白になるが、すぐに頬を叩く砂粒がそこから引き戻す。

 

「……な、なんて…威力………」

 

八百万が掠れたような声を溢す。

 

「神、今のはお前の個性か?」

 

「イエ、タダノ体重デス。ゴ迷惑オカケシマシタ」

 

そう淡々と言葉を紡ぐ。

一切感情の感じられない謝罪だ。

 

訳がわからない。

只の体重?

今の爆発が?

 

「どういうことだ?」

 

「アッ、俺ハ体重2713tモアルンデス」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

僕が自分の体重を喋ると皆が一歩引く。

や、やめろ、その技は俺に効く。

静まり返る皆の視線が痛い。

 

しょうがないじゃん!!

シン・ゴジラなんだから!

2700tって体重がそんなに珍しいのかよぉ!?

まぁ珍しいっていうかあり得ないんだけど。

2700tって潜水艦とか運輸フェリーの重さだからね。

因みに最近事務所を立ち上げた巨大化ヒーローMtレディの巨大化後の体重を平均体重より計算したが、それでも僕よりも軽い。

多分1tもいかない。

そんな僕の体重が両足の裏という狭い面積に集まったが故の爆発なのだ。

 

死・に・た・い。

ゴジラ細胞が重いのが悪い!!

こんなの友達作れる筈ねぇじゃねーか。

 

 

 

 

 

「トータルは単純に各合計種目の評点を合計した数だ。口頭で説明するのは無駄だから一括開示する」

 

その後粛々と残りのメンバーの立ち幅跳びが終わり、体力測定が完了する。

 

トータル成績最下位の者は完全に俺だ。

握力こそ1位をとれたが持久走と立ち幅跳びがそこそこで他の六個の種目がビリ。

うん。

確実に俺だわ。

 

母さん、父さん。

親不孝な僕をお許しください。

僕は退学後は海で暮らすつもりなので探さないでください。

たまには美味しい海の幸を送るので末永くお幸せにお過ごしください。

 

「因みに除籍は嘘な。君らの実力を最大限に引き出す為の合理的虚偽」

 

「エッ」

 

そう言いながら発表する相澤先生は妙に疲れていたように見えた。




・神呉璽羅

転生後の悩みはスマホを自分で弄れないこと。
変なところでポジティブ。
ゴジラの強さを盲目的に信仰している。
なりなくはなかったが。

・緑の髪の少年

実は呉璽羅君に言うことがあったけどタイミングを逃した。

・金髪DQN

何で倍率がおかしい公立の雄英にあの素行で入れたのか謎な人。
忘れがちだけど入学試験はNo.2

・相澤センセェ

胃が痛い。
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