異形系個性 真・ゴジラ 作:⌒*(∴)*⌒ <滅尽滅相なの!
多分油断していたのだろう。
驕っていたし慢心していた。
自分ならできると。
「「「わぁああぁあ」」」
という歓声が生徒間で巻き起こる。
ここはウソの災害と事故ルーム縮めてUSJ。
朝のHRで語られた人命救助訓練をするためにバスで移動したのだという。
俺?俺は徒歩だ!!
何しろゴジラ!
体力だったら十分あるのさ!!
そして只今合流したところ、宇宙服を着込んだ先生を紹介される。
彼(宇宙服を着込んでいるので正確にはわからないけれど多分男だと思う)は十三号という名前のヒーローなのだという。
スペースヒーローの名前で災害救助を中心に活動しているらしい。
そんな高校生らしく騒ぐ彼等が少し眩しいぜ。
俺は前世もあって高校生らしくはしゃげる気がしないし。
何よりゴジラだし。
さぁ授業を始めようと相澤先生が彼等を注意しようとしたその時、ゴジラレーダーが異常を読み取る。
前方二十メートルくらいのところに何かがある。
黒い靄のようなものとそこに繋がるどこか。
それが空間の歪み、ワープゲートだと思い至った時にはそこから一人の男が出てきてからだった。
不健康そうな顔に枯れ木のような腕を持つ不気味な男。
しかしそんなものが目に入らない程異常なファッションをしている。
身体中に何個も手を付けているのだ。
手首だけ切り取られたような複数の手を身に着けている。
お前はどこの爆弾魔だとツッコみたくなるイカれたファッションである。
そしてそれに続くように現れる複数の人間。
チンピラみてぇな服装をして、大手を振って反社会的ですよと喧伝しているかのような奴らだ。
それがざっと四、五十人。
ゴジラレーダで調べたところUSJ中にいるみたいだった。
「何だアリャ?また入試ん時みたいなもう始まってんぞパターン?」
硬化するという個性を持つ切島君の言葉になるほどと納得しているとそれをぶち壊すように相澤先生が一喝する。
「あれは
なんてこったい!!
なるほどなんて言ってた自分が馬鹿みたいだぜ!
このゴジラくんアイをもってしても見抜けぬとは!!
シンのゴジラ、一生の不覚!!
――と自分の脳カラ具合に戦慄しているとワープゲートの個性らしき男(?)が喋りだす。
「13号に、イレイザーヘッドですか………先日頂いた教師側のカリキュラムでは、オールマイトがここにいるはずなのですが…………」
何かカリキュラムとか知ってるキメェ。
「どこだよ………せっかくこんなに大衆引き連れてきたのにさ……オールマイト…平和の象徴がいないなんて…子供を殺せば来るのかな?」
手が付いたヴィランが何かサイコなこと言ってるキメェ。
「13号生徒を!!早く!」
ゴーグルを装着し、戦闘準備を整えた相澤先生がチンピラの列に飛び込んでいく。
ばったばったとまるで無双ゲーのように敵を倒す相澤先生はプロヒーローの面目躍如と言ったところだろうか。
「皆さん、逃げますよ!」
十三号先生が僕らを急かすのでまぁとりあえず従って避難する。
戦って負けることはありえないけど先生の言葉には従うべきだろうしね。
てかあのペースで無双してる相澤先生を見てると案外あっさり勝ってしまうかもしれない。
そんなこんなで殿を務めつつ避難!
全速前進DA!と進んでいると前方に歪みを発見!
あのワープゲートヴィランが回り込んできたみたいだ。
とりあえず熱線ブッパしようかと背鰭を光らせておくと出てきたヴィランに即突っ込んでいく生徒がいた。
金髪DQNこと爆豪くんと硬化する個性持ちの切島くんだ!!
ゲートを視認すると同時に突っ込んでいくその反応速度と勇気には◎をあげたいが熱線を撃つには邪魔すぎる。
この現代社会、『一発だけなら誤射だよね』が通用しない可能性は大なのでそこは自重。
――と発射を躊躇ったその隙に黒いワープする霧がこちらに殺到してた。
黒い霧に包まれたと思ったら空に投げ出された。
一瞬の浮遊感と着水する独特の感覚。
幸いカエルという自分の個性からか水は得意だ。
皆を助けなきゃと、周囲を確認しようとして――
皆は物理を知っているかな?
ゴジラくんからの問題だぜ。
なに、難しい話じゃないさ。
数学を捨てたバリバリの文系でも、思春期真っ只中の中学生でもわかる話さ。
小難しい計算もNewton の法則も重力加速度もなーんにも考慮しないものとしよう。
ただフィーリングで答えて欲しい。
約一メートルくらい上空から着水した2713tの僕。
質量×高さ=位置エネルギーなんて中学生で習うよね?
はい、計算しなくともヤバさはわかるよね?
――轟音と衝撃が耳朶を打つ。
カエルという個性上水中での行動は得意だったが、そんなものを考慮する余地のないくらいの激流が私達を襲う。
何が起こったかなんて確認できる筈がない。
ぐるぐると私の身体を彼方へと押し流す大波。
私は抵抗もできずに意識を手放した。
僕が水の中に落とされ鏡のように凪いでいた水面が濁流となって暴れ回った後。
水面から顔を出すとぷかぷかと水面に浮かぶ生徒とヴィラン。
仲良く気絶している。
あっ、僕ナニカやっちゃいました!?
結果オーライでいいよね(震え声)?
ごめん。マジでごめん。
水面に浮かぶクラスメイトを陸に上げ、起床を待つこと十数分。
十数分の内に襲いかかってきたヴィランもいたけど尻尾で薙ぎ払い、ホームラン☆
水の中に叩き込んでやりましたとも!
そんなボール投げをしていると、カエルっぽい女の子である蛙吹梅雨さんが目を覚ます。
「ケロぉ!!?」
おぅ↓そんなにビビるなよ。
確かにシンゴジヘッドが覗き込んでたら目覚めも悪いけどさぁ。
「落チ着イテ。ヴィランハ倒シタカラ」
「えっ、えぇ……えと、神ちゃん、で良いかしら?」
「イイヨ」
「皆は――
――無事」
尻尾で緑谷くんを指す。
「水面に浮かんでるヴィランは――
――倒シタ」
胸を反らしてドヤ顔。
「あの濁流は――
――ゴメンネ」
尻尾を地面に、頭を下げる。
「……………と、とりあえず移動しましょうか」
「了解」
途中、起きた峰田くんと緑谷くんをパーティーに加え、ヒーローの卵御一行様として出口を目指す。
急いで、されど見つからないように出口を目指す。
ここはヒーロー育成学校。
沢山のプロヒーローが常在しているのだから助けを呼べれば勝ち確だぜ☆
なーんて甘い考えだってことはすぐにわかった。
僕ことゴジラ君の体重は2000tを超え、身長だって3メートル超え。
見つかっちったぜ☆
まぁヴィラン如きにゴジラが負けるわけないので音を頼りに寄ってきた馬鹿を尻尾で薙ぎ払うだけなんだけどね☆
ゴジラは最強なんだぜぇ〜
お前ら如きが敵う相手じゃね〜ンだぜ〜
強靭!!無敵!!最強!!
不死身!不老不死!核パワー!
そうやって脱出改め正面突破で出口を目指していたからだろうか。
相澤先生を押さえつける脳丸出しのキモい奴。
精神的安定を欠き黒霧とか言うヴィランを詰る手を沢山付けたキモい奴。
それと相対してしまった。
「やれ、脳無」
――という簡潔な命令に脳丸出しの黒マッチョが緑谷くんに襲いかかる。
速いが、ゴジラボディは巨大なのだから身体をずらしてボディで受けることくらいはできた。
脳無と呼ばれたヴィランの拳が俺を叩く。
痛くない。
二発目はおおきく振りかぶっての一撃。
小揺るぎもしない。
三発目、四発目、五発目とラッシュが始まる。
腹を。胸を。腕を。顎を。
何度も何度も殴られる。
ノーダメージ。
「は???」
呆けた声の主は誰だろうか。
神呉璽羅の規格外さを知らないヴィラン達だろうか。
散々苦しめられた相澤先生だろうか。
平然と庇われたクラスメイトだろうか。
しかしこんなものは神呉璽羅にとっては当然だった。
『してしまった』なんて表現を使ってはみたが、俺はゴジラである。
負ける筈がない。
慢心?
人が小石を恐れるのは、精神疾患と呼ぶのだよ。
思考している間もボディを叩く黒マッチョ。
いい加減うっとおしいので尻尾で殴打を決めると、脳無の巨体は地面に沈む。
「「は?」」
さぁ次だと踏み出そうとする足を掴む脳無。
タフだぜと思いながらもその体に片足を載せる。
2713tの重量で脳無の身体を押しつぶすが、バタバタと藻掻くだけで全く堪えた様子がない。
物理無効ですか?と流石に俺も驚く。
なので着火。
背鰭を光らしエネルギーを放射。
熱核エネルギーを使った放射能火炎流は、脳無の手足を焼き焦がす。
動き、悶え、暴れる気もなくなるくらいまで悉く焼き尽くす。
楽勝だった。
戦闘どころか駆除とも呼べる程に一方的な暴力。
絶対的上下関係。
圧倒的な力の隔絶がそこにはあった。
だから正直油断していた。
考えなしだった。
そう。
端的に言って愚かだった。
どうせ射線には味方がいないし熱線放射ぁ!!!と撃ったのは愚行としか言いようがなかった。
ゴジラの皮膚を貫ける攻撃は極僅かだ。
だが存在する。
ゴジラを傷つけ殺せる力は存在するのだ。
脳無というヴィラン連合の切り札をいとも容易く屠ったゴジラは考えなしに放射熱線を放った。
シン・ゴジラの切り札。
正に神の怒りとも呼べる一撃はヴィランに当たることはなかった。
黒霧のワープゲート。
空間を歪めあらゆる攻撃を反射する個性は、熱線を跳ね返し神をも殺す。
軽率な行動の報いを我が身で受けることとなった神呉璽羅は頭部を喪失し、生命活動を停止していた。
・神呉璽羅
馬鹿やって死んだ馬鹿
・脳無
噛ませ犬にされた。衝撃吸収のせいで燃やされた。キャンプファイヤーになっちゃった。死んではないよ☆
・カエル少女
初めて溺れたいい子。
・緑谷くん
神くんは色々と凄いよ。イロイロと。
・峰田少年
神はヤバい奴
・死柄木
あれが生徒……????
・黒霧
MVP