NARUTO 六道へ繋がる物語   作:アリアンキング

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第十五話 暗雲が漂う第一試験

 ある教室の前でサチとカカシは、此処へ来るだろう三人を待っていた。カカシは壁に寄り掛かって、待つ中。サチは落ち着き無く、ソワソワと教室と廊下に何度も視線を送っている。珍しく緊張した様子の彼女に苦笑いを浮かべ、カカシが話しかけた。

 

 

「なぁ‥サチ。お前が緊張してどうするのよ。試験を受けるのはあの三人であって、お前じゃないんだぞ」

「う…それは分かってるけど、昨日のサクラを見る限り心配なのよ。何処か自信無さそうだったし…」

「気持ちは分かるが、じたばたしても始まらないだろ。少し落ち着きな」

「そうね。それに心配は杞憂だったようだし…」

 

 

 

 カカシに言われて、一呼吸して顔を上げると…見知った姿が三つ。こちらに歩いてくるのが見えた。昨日と変わらず、楽しそうな様子の二人だけでなく。その隣には自信を取り戻したのか、前を見据えるサクラの姿もある。

 

 

 

「よう。全員来たか、これで試験を受けさせる事が出来るな」

「受けさせる? 何か引っかかる言い方だな」

「ええ。此処に来たのが、二人だけだったらその時点で試験は終了よ。だけど、貴方達は三人で来た。中忍試験も任務と同じく、三人一組の班で行うのが決まりだからね」

「成程な。だが、その時は俺達がサクラを誘えば済む話だろう。大した問題では無いな」

 

 

 サチ達の話を聞いて、サスケがそう言葉を返すが…そんな彼に向かって、カカシが口を開く。

 

 

「いや、その場合は三人いても受けさせないよ」

「何でだってばよ。言ってる事がおかしいぞ」

「おかしくはない。昨日、サチも言っただろう。課題によって、大怪我や死に繋がるとな。もし‥サクラがお前らの誘いを受けて、試験に参加してみろ。迷いを抱えたまま戦闘になれば、最悪の事態だって起こりうる。二人はサクラがそうなってもいいのか?」

 

 

 カカシの言葉にサスケは勿論、ナルトも言い返せずに黙った。確かに戦闘となれば、迷いを抱える人は反応が遅れるだろう。それに参加する者達は、先のリーや我愛羅の様な猛者が揃っている。そんな彼らとぶつかれば、サクラは…。

 

 

 虚ろな目で倒れるサクラ。そんな想像をして、二人は揃って嫌な汗を掻く。下手をすれば、自分達がサクラを死なせる事になっていたかもしれない。少し考え足らずだったと、二人は反省していた。

 

 

「そう考えると怖いけど。でも、私は自分の意思で此処にいます。だから、油断もしないし…気も抜かない。サチ先生達が言うような事にはならないわ」

 

 

 当のサクラは、自信あり気にそう呟いた。その言葉には、二人を気遣う為もあるだろうが…何よりも己の決意をサチ達に伝える為でもあった。

 

 

 

「そっか。まあ、今のお前達なら安心して送り出せるよ。この戸の先が第一の試験会場だ。心してかかれよ」

「いってらっしゃい 三人の合格を祈ってる」

「おう」

「ああ」

「うん」

 

 

 二人の激励にナルト達は、力強く頷くと返事を返す。そして…三人は最初の試験へと挑むべく、戸を開けて中に入って行った。

 

 

 

 

 

 

教室に入ったナルト達は、中にいる受験者の多さに圧倒された。彼らは一斉に三人へ視線を向ける。醸し出す雰囲気や目つきからして、どう見ても好意的な感じでは無い。恐らく、最後にやってきたナルト達を試験官と思ったのだろう。しかし、予想が外れて肩透かしを食らった事が、気に入らないのか。その視線に僅かだが、殺気も混じっている。

 

 

 その視線から逃げる様に隅へ移動すると、三人に気付いた一人の少女が駆け寄って来て…いきなりサスケに抱き付いた。

 

 

「サースケ君。やーっと、来たんだぁ。久々に見たけど、やっぱりカッコいいわねぇ」

「あーー このいのぶた。サスケ君に何してんのよ!? 今すぐに離れなさい」

「誰かと思ったら、サクラじゃない。以前よりも、デコが広くなってなーい?」

「何ですってぇぇぇっ!!」

 

 

 サスケに抱き付いた少女 山中いの。彼女はこれでもかと思う程、体を密着させる。背中越しに感じる胸の感触に、流石のサスケも照れた様子で黙っている。そんな姿をいのは、楽しそうに見つめていた。実の所、彼女も恥ずかしいと思っていたが…それには理由がある。

 

 

 それは同期であり、親友でもあるサクラを焚き付ける為だ。案の定、サクラは自分の挑発に乗って来た。久しぶりに会う彼女は、卒業前と変わらない。だが、この試験に参加しているという事は、それなりの力を付けて来たのだろう。アカデミー時代では、切磋琢磨していたサクラと戦える事を、何よりも楽しみにしていた。

 

 

 いのがサクラを揶揄っていると、三人の傍に二人の少年が寄って来た。彼らは奈良シカマルに秋道チョウジ。いのと同じく同期である二人にナルトが話しかける。いのがいるのだから、二人がいるのは当然だ。

 

 

 

「おい こんな所で何やってんだよ。ったく、面倒くせぇ」

「まぁまぁ、シカマル。久しぶりに会うんだから、今はそれを言うのやめなよ」

「シカマルにチョウジじゃんか。お前らも中忍試験に参加してたんだな」

「ああ。俺としては、遠慮したかったんだけどよ。アスマの奴が、どうしてもやれって言うからな」

「うん。僕も似たような理由だよ」

「へー そうなのか。そんじゃ、お前らと戦う事もあるかもな。そん時は手加減しねえぞ」

「けっ、いくら俺でもお前には、負けねえよ」

「僕もだよ。まあ、なるべくなら戦いたくは無いけどね」

 

 

 久しぶりに会ったシカマルとチョウジ。ナルトはこの二人にも宣戦布告をすると、二人も負けじと言葉を返してくる。普段、やる気が無いシカマルや争いを好まないチョウジだが…彼らもまた成長した自分を試す機会を待っていた。ましてや、その相手となるナルトから言われたのでは、引く事など微塵も考える訳が無い。

 

 

 

「ひゃっほうっ!! 皆さん、お揃いの様だなぁ」

「こ、こんにちは」

「…久しぶりだな。此処で会えるとは‥驚いている」

「相変わらず、うるさい奴だな。しかし、卒業した同期が全員揃うとは…何とも不思議な事もあるもんだ」

 

 

 

 同期の六人が揃っている場所へ、高い声で話しかけて来る者がいた。その者はパーカーを着て、頭に犬を乗せた少年 犬塚キバである。彼の後ろには、同じ班の二人もいる。一人はショートヘアの気が弱そうな少女 日向ヒナタ。もう一人はサングラスをかけた無表情の少年 油女シノである。

 

 

 この三人もまたナルト達の同期で、サスケが言う様に全員が揃った事になる。思わぬ遭遇に周りを気にせず、騒ぐ彼らの元に眼鏡をかけた青年が歩み寄ってきた。

 

 

 

「おい 君達…。少しは静かにしないか。此処は子供の遊び場では無いんだよ」

「はぁ!? あんた誰よ? いきなり、人を子供扱いってかなり失礼じゃないの?」

「同感だな。見た所、先輩の様だが…名乗りもしない奴にどうこう言われる筋合いはねえよ」

「やれやれ。僕は君達を助けたというのに…随分と酷い事を言うんだなぁ」

「助けただと? 一体、何を言っている?」

「気付かないかい? なら、自分達の周りを見てみなよ。そうすれば、分かるさ」

 

 

 突然、声をかけて来た青年に、シカマルといのが反発する様に言葉を返す。どうやら、二人は上から目線で言われたと感じたのか。目上である彼に容赦なく噛み付いた。だが、青年はそれを受け流し、自分がナルト達を助けたと口にする。その言葉に反応して、今度はサスケが尋ねると青年は、教室の一角を指をさし‥そちらを見る様に言った。

 

 

 その方に何があるのか?と気になった全員が視線をやると…そこには、まるで親の仇であるかの様に睨みつける集団がいた。考えてみれば、此処は試験の会場だ。来たる課題に向けて、集中をしたい連中が騒いでる自分達に苛立ちを覚えるのは仕方ない事だろう。

 

 

 青年のおかげで自分達の置かれた状況を理解して、彼らは漸く静かになった。そして、噛み付いたシカマルといのは申し訳なさそうな顔で、青年に謝った。

 

 

 

「分かっただろ。あのままだったら、今頃はあいつらにやられてたよ。何せ、雨隠れの忍は気が短いからね」

「ふーん。所で兄ちゃんってば、誰なんだ?」

「ああ。僕は薬師カブト。それにしても…君達を見ると、昔の自分を思い出すよ。初めての頃は、全く同じ感じだったからね」

「それじゃあ、カブトさんは…試験を受けるの二回目なんですか?」

「いや、所がどっこい。今回で七回目だよ」

「フン。偉そうに人へ忠告する割には、大した事は無いんだな」

 

 カブトはナルト達に自己紹介した後、彼らを見てそう言った。それに続いて試験は二度目か?と質問するサクラに対し、カブトは試験を受けるのは七度目だと告げる。彼の言葉を聞くや、サスケが挑発する。

 

 

「…それだけこの中忍試験は、難関と言う事だよ。第一、君もそれは理解してる筈だろ。あれだけ…無様に負けたのだから」

「ッ…。お前…」

 

 

 カブトの言葉に、サスケは悔しそうに唇を噛む。あの事を知っている口ぶりに…彼はそれ以上、何も言えなかった。だが、此処で違和感に気付く。この男…妙に詳しい情報を持っている。思えば、先程も自分達を睨んでいた奴らの所属、それを言い当てた時。彼はそちらを見てはいなかった。元々、知っていたのかもしれないが…どうにも違和感が拭えない。

 

 

 悩むだけ無駄だ。此処はいっそ、聞くのがてっとり早いと思ったサスケは、カブトに尋ねた。

 

 

「一つ聞きたい。あんた、もしかして他の奴らの情報も持っているのか?」

「うん やっぱり、気付いたか。勿論、あるよ。誰か気になる奴がいるのかい?」

「ああ。木ノ葉のロック・リー、それと砂漠の我愛羅。この二人だ」

「いいよ。教えてあげよう。名前も知っているなら、早いからね」

 

 

 

 サスケの頼みを快く引き受けたカブトは、懐から忍と書かれた札を取り出した。一連の流れを黙って見ていた他の者達も、興味を抱いて近くに寄ってくる。何やら面白そうな事が起きそうだと、ナルトがカブトに話しかける。

 

 

「これって、何だってばよ。見ると真っ白だけど?」

「これは忍識札と言ってね。自分が調べた忍達の情報が、記録されている。自里は勿論、他里の忍までね」

「へえ。それって、私達の事やカカシ先生達の事も記録してるの?」

「そうだよ。中忍試験で一番必要で役に立つのが、情報だ。相手の力量が分かれば、戦いに生かす事も出来るからね」

 

 

 

 カブトの説明に一同は、感心した様に耳を傾ける。確かに知ってると知らないでは、大きく違うのは明白だ。

 

 

「おっと、見つかったよ。まずは…木ノ葉のロック・りー。彼はマイト・ガイ率いる班の忍だ。連れは日向ネジとテンテンという名の忍がいる。彼は忍術の才は無いが、それに変わって体術の才がある。まあ、蒼き猛獣と言われるマイト・ガイが師に持つ彼は強いと断言しよう。そして、次の砂漠の我愛羅。彼は他里の忍だから、思ったより情報が少ない。だが、知った情報は驚く事ばかりだ。何せ、下忍でありながら彼が挑んだ初任務はBランク。それ以外は主にCランクの任務だよ。どっちにしても、只者じゃない」

 

 

 カブトから持たされた情報に、一同は無言になる。Bランクの任務は本来、下忍が受けるものではない。それだけでも驚く内容だ。しかも初の任務がBランクという事実に、彼らは尚の事…驚いていた。

 

 

 そんな中、サスケは拳を固く握りしめて、体を震わせる。それは別に恐怖からではない。寧ろ、喜びから来る感情からだ。やはり、あいつは只者じゃ無かった。何が何でも奴と戦い、そして絶対勝ってやる。心の底でその決意を固めた。

 

 

 

 

「まあ、他には草隠れ、滝隠れ、雨隠れ、砂隠れの忍。あとは…最近出来た音隠れなんてのもあるよ」

「他国の忍も結構、来てるんだなぁ」

「そうよ。だから、あんたも余り目立つ事は…」

「おーい よく聞け、俺の名はうずまきナルトだぁ!! 俺はてめぇらにも負けねえぞ。俺と戦う時は覚悟しろってばよ」

 

 

 

 他国から大勢の忍が来てる事を知ったサクラは、ナルトが騒動を起こす前に釘を刺そうとするが…既に手遅れで彼は教室内にいる受験者達に、堂々と啖呵を切って見せた。そんなナルトを一部は面白そうに見つめる中、一部の者は険しい顔でナルトを見つめている。

 

 

 

 

「あのガキ、どうする?」

「そうだね。あの子供は、少し粋がってる様だし…教える必要がある様だ。音隠れの忍がどれ程、恐ろしいかをね」

 

 

 

 音隠れの三人組、その内の二人が行動を起こした。教室内にいる受験者の間をすり抜け、まずは一人の音忍が宙に飛ぶや、くないをナルト目掛けて投げ付ける。それに一早く気付いたカブトが、ナルトの腕を引いた事で当たらずに済み、事無きを得たと思った瞬間。もう一人の音忍がカブトの目前に、姿を現すと奇襲を仕掛けて来た。

 

 

「くっ…。いきなり攻撃するとは、物騒な連中だな」

 

 

 咄嗟に相手の奇襲を躱したと思った矢先、彼の眼鏡が突然、ひび割れた。その事にカブトもナルト達も目を見開いて驚いた。確かにカブトは、相手の攻撃を見切って避けた筈。恐らく、音忍の攻撃が僅かに掠めていたのだろう。一同がそう思った時だった。

 

 

「ぐっ!? う、うええっ!!」

「な、大丈夫かよ。カブトの兄ちゃん」

「一体、どうしたのよ?」

「ああ。大丈夫だよ」

「おやおや。七回も試験を受けてる癖に、この程度で終わりかい? 何ともあっけないものだね」

 

 いきなり苦しみ出したカブトは、蹲って嘔吐した。そんな彼にナルトとサクラが駆け寄り、心配して声をかけると本人は、顔を歪めながらも問題無いと返事を返した。一方、その張本人である音の忍二人は、カブトを見下した様に言葉を投げつける。

 

 

 

 自分が仕掛けた癖に、勝手な事を言う相手にナルトが言い返そうとした時。教室の中に大きな煙が巻き起こり、その中から大勢の試験官達が姿を現した

 

 

「…おい、静かにしやがれ!! それと音隠れと木ノ葉のてめえらもだ。試験前に好き勝手してんじゃねえぞ」

 

 

 突然の事に騒然とする受験者達に向かって、先頭の男が一喝して黙らせた後。今度は揉め事を起こしている者達にも、彼は怒声を浴びせた。その迫力に、ナルト達や音忍も息を飲んで黙り込む。唯一、一人だけが怖気づく事なく、その男に言葉をかける。

 

 

 

「いやぁ、すみませんね。僕達も…初めての試験だから、つい興奮しちゃったみたいです」

「フン、そうは見えねえがな。まあいい…俺は森乃イビキ。第一試験の試験官だ。この機会に言っておくが、試験とは別に私闘は禁止だ。勿論、課題においても同様だ。許可が下りたとしても、相手を死に至らしめる行為も禁止とする」

「へっ、随分と甘い事を言いやがる」

 

 

 飄々とした態度の音忍に、イビキは肩をすくめると気を取り直して、試験の決まりについて話を始めた。その内容を聞いた別の音忍が、馬鹿にした様に吐き捨てる。

 

 

「何だぁ‥? 試験のルールが気に入らねえなら、帰ってもいいんだぞ。他の奴もそうだ。今から行う、第一試験では俺がルールだ。逆らうってなら、容赦なく叩き出すから覚悟しておけ」

「けっ、偉そうにしやがって…」

 

 

 

 イビキの言葉が脅しで無い事に気付き、その音忍は小声で悪態をついて引き下がる。そして受験者達が席に着いたのを見て、イビキは第一試験の説明を始めた。

 

 

「全員、準備が出来た様だな。なら、只今より第一の試験を開始する。今回の課題は…筆記試験だ」

 

 

 

 イビキの言葉に受験者達の間にどよめきが起こる。難関の試験がどんなものか、身構えていた彼らは拍子抜けした様子であった。しかし、当然ながらこれが只の筆記ではない。

 

 

 

「筆記用紙は行き渡ったな? だが、まだ裏返しにしておけ。まずは…筆記についてだが、いくつかルールがある。一つ目、全員に与えられた点数は一人につき10点。つまり、チームで30点ずつある訳だ。減点は問題を間違える度、1点減る。単純な話、10回間違えたら終わりだ。二つ目、この筆記はチーム戦だ。これは最初の説明で察しは付いているだろう。三人の合計点が多いチームが残るという事。最後、三つ目は妙な行動。要はカンニングだが…これをした者は、2点の減点とする。無論、一人でも持ち点が無くなればチーム全員を失格だ。精々、無様な真似をして失格にならない事だな」

 

 

 イビキの話が進むにつれて、殆どの受験者は顔を強張らせる。先程、イビキが言った様に仲間がカンニングをして点を失えば、自分も失格となる。このルールによって、受験者達は仲間に対して不信感を抱いていた。

 

 

 あいつは大丈夫だろうか?教室内に漂う空気を感じて、イビキはニヤリとほくそ笑む。自分が仕掛けた罠で彼らは疑心暗鬼になっている。それに囚われず、冷静に対処する事が試験を突破する鍵である。この事実に一体、何人が気付くのか。彼は楽しそうに教室内を見渡していた。

 

 

 

 そんな中、ナルトは頭を抱えて項垂れていた。まさか、第一の試験が自分の苦手な筆記とは…予想もしていなかった。はっきり言って、彼はこの試験を突破する自信が無かった。元々、勉強をさぼっていた事もあって、忍に関する掟や心得等。ナルトは何一つ、覚えていない。

 

 

 そのナルトを偶然にも、隣になったヒナタが心配そうに見つめていた。普段と違って、全く余裕が感じられない彼の姿に、ヒナタは何も言えずにいる。すると、顔を上げた拍子に自分の存在に気付いたナルトが、声をかけて来た。

 

 

「ん?お前ってば、ヒナタじゃんか。何だ、俺と隣の席になったんだな」

「う、うん。凄い偶然だよね。ナルト君…その、さっきからソワソワしてるけど、もしかして自信無い‥とかかな?」

「ば、馬鹿言ってんじゃねえぞ。これは…そう、武者震いだってばよ。逆にお前はどうなんだってばよ?」

「そうなんだ。私は、もうドキドキして大変だよ。お互い、試験頑張ろうね。

 

 その言葉にナルトはドキリとして、跳ね上がる。余りにも確信を突いた一言に、彼は焦りを感じながらも言葉を返す。普通なら嘘だと分かる事だが、ナルトに対して密かに好意を寄せている彼女は、それに気付かず素直に信じた。そして激励の言葉をかけて、ヒナタは前を向いた。

 

 

「よし それでは試験開始だ。各自、心して掛かる様に」

 

 

 ナルトも釣られて前を向いた瞬間。教壇に立つイビキが試験開始の号令を出す。自分が覚悟を決める前に、始まってしまった試験にナルトは…机に突っ伏してしまう。その光景をサスケとサクラも見ており、二人もまた焦りの表情を浮かべていた。

 

 

 

 早くも暗雲が立ち込める中、第一の試験は始まった。

 




今回のお話、いかがだったでしょうか?


中忍となる最初の試験が、筆記だとは誰も想像しませんよね。
もっと実技的なものかとおもっている受験者にとっても、それは同じでしょう。

開始前に啖呵を切っておきながら、始まった途端に項垂れる。
ナルトが見せた、この落差がある仕草が結構好きです。

暑さが和らいだと思ったら、迫る台風。皆さんもお気を付けて下さい。


また一言でも良いので、感想の方もお待ちしています。

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