NARUTO 六道へ繋がる物語   作:アリアンキング

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最新話、お待たせしました。


同人活動のポイント集め‥大変でした。


第二十二話 砂の狂気と影に潜む者

「…聞こえなかったのか? 出てこいと言っている。来ないなら、こちらから行ってもいいんだぞ」

「分かった。だが、俺達はあんたらと争うつもりは無いぜ。何せ、俺達も巻物を揃えているからな」

「お前達に無くとも、俺にはある。見ていたなら知ってるだろう? 目があった奴は皆殺しだと…」

 

 

 我愛羅の言葉は脅しではない。そう悟ったキバが彼らの前に踊り出た。今回の事態になったのは、リーダーである自分の責任。ならば、相対するのは己の役目であると自負していた。しかし、キバ自身も戦うつもりはない。相手は巻物を揃え、自分達も巻物を揃えている。それを武器に交渉を開始したが、我愛羅はそれを跳ね除けた。

 

 

 

 やはり交渉は無理だったかと、キバは唇を噛み締めて我愛羅を睨む。分かっていた事だが、微かな希望もあっさりと消えてしまった。此処にきて、彼は本気で死を覚悟する。だが、自分が死んだとしても後ろの二人は逃がして見せる。ヒナタ達をこの事態に巻き込んだ自分が、やらねば行けない事だ。

 

 

 

 そんなキバを後ろの二人は、不安そうに見つめており。対する我愛羅は冷ややかに、またテマリは馬鹿にした笑みを浮かべる。唯一、カンクロウだけが真剣な表情で見ていた。そして…思った事を彼は口にする。

 

 

「なあ、我愛羅。此処で戦うのはやめとくじゃん。俺達も巻物が揃ったし、相手もそうみたいだしよ」

「まあ、確かにそうだね。余計な事に時間をかける必要はないか」

「いや、まだ駄目だ。さっきの奴だけじゃ、物足りない」

「我愛羅…。頼むからさ。もう塔に行こう」

 

 

 先程の戦いが影響してるのか、我愛羅の殺気は弱くなるどころか。一層、強くなった。これは不味いと感じながらも、カンクロウが止めに入る。内心では、逃げたい所だが…彼の兄としての立場からそれは出来ない。

 

 

「黙れ…。怖いのなら、引っ込んでいろ。すぐ終わる」

「我愛羅!! お前は平気でも、こっちは平気じゃないんだよ。第一、俺達は試験を受けに来たわけで殺しを楽しむ為に来た訳じゃないだろ」

 

 

 穏やかに話していたカンクロウの方も、話を聞かない我愛羅に苛立ったのか。些か口調もきつくなっていく。

 

 

「…愚図が俺に指図するな」

「てめぇっ いい加減にしろよ!! 少しは兄である俺の言う事を聞いたらどうなんだよ」

「ほざくな。お前らを兄弟と思った事は無い。邪魔するならお前も殺すぞ」

「ま、待ちなよ。我愛羅…試験のルールを忘れたの? 仲間が消えたら、即失格だよ。それに自分の兄を殺すなんて言っちゃ駄目だよ。ね、お姉さんからもお願いするから」

 

 

 二人は睨み合い、この場に一触即発の空気が立ち込める。流石に見てられず、テマリも我愛羅の説得に回る事にした。彼女はなるべく、刺激しない様にやんわりと言葉をかけた。しかし、我愛羅は姉の必死な説得にも耳を貸さず、手を立ち尽くすキバへ向けた。それを見て、テマリが叫ぶ。

 

 

「我愛羅!!」

「…分かったよ。先に進めばいいんだろう」

 

 

 彼は手を下ろすと、塔の方へ歩いていく。その瞬間、キバはがくりと膝を付き、荒くなった呼吸を整える。二人も我愛羅が留まってくれた事にホッと胸を撫で下ろした。その後、未だ荒い呼吸を繰り返すキバを一瞥してから二人も我愛羅の元へ向かっていった。

 

 

 

「キバっ!! 怪我は無いか? 全く、お前はとんだ無茶をするものだ」

「そ、そうだよ。もし‥あの人が退かなかったら、殺されていたかもしれないのに」

「へっ、分かってるよ。だが、今回の事は俺の責任だからな。だから、俺が二人を守らねえと駄目だろ」

「…そうか。キバ、お前の覚悟は伝わった。しかし、今度は俺達も一緒だぞ。何故なら俺達は三人揃って、一つのチームだからだ」

「うん。私も同じだよ。泣いて震えてた自分が言っても、説得力が無いけど、次は逃げない様にするから」

「ヒナタ、シノ。ああ、そうだな。あいつらとは、別の形でぶつかるだろうし、その時は手を借りるぜ」

「ああ、そうしてくれ」

「私も頑張るよ」

 

 

 

 幸運な事にキバは、難を逃れる事が出来た。我愛羅達が去ったのを確認して、二人はキバの元へ駆け付ける。幸いにも怪我も無い事に、シノとヒナタは安堵の息を吐く。そしてシノは少しばかり、険しい表情でキバに苦言を洩らした。それにヒナタも同じなのか、彼女もシノの言葉に賛同する。二人の言いたい事は、キバも分かっていた。あの時、傍にいた二人の忍が止めなかったら、間違いなく自分も雨隠れの男達と同じ結末を迎えた事だろう。

 

 

 無論、死の恐怖もあったが、何よりも仲間を守るという決意が強かった。彼の想いは、二人も理解している。だからこそ、二人も在る決意を固めた。確かに今回は、キバの独断で巻き込まれた事だ。しかし、自分達は三人一組。キバだけに命を懸けさせる訳にいかない。次は一緒に立ち向かうと二人はキバに誓った。当然、二人の想いもキバに届いていた。その言葉に彼は、首を縦に振る。お互いの気持ちを言い合い、彼らの絆は強くなった。

 

 

 そうして、三人も終着点である塔に向かっていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 時間は戻って二日目の昼。

 サスケ達の襲撃に失敗したドス達は、傷付いた二人を抱えて森を移動していた。敵に遭遇しない様、警戒しながら進んでいたが、背後に迫る影に彼は気付かない。その者はドスに音もなく近づくと、彼に話しかけた。

 

 

「‥漸く見つけたよ。全く、手間を掛けさせてくれるね」

「な、貴方は…あの時の忍ですか。何の用です? 僕への仕返しですか?」

「そんな事をする程、僕も暇じゃないよ。君にはある事を知らせに来たのさ」

「ある事? 一体、それは何です?」

「その前に移動しよう。此処じゃ目立つからね」

「いいでしょう。ただし、変な真似をしたら…殺しますよ」

「そうかい。まあ、その時は好きにしたらいい」

 

 

 ドス達の前に現れた人物、薬師カブトである。ドスは試験前、彼にした事への仕返しで現れたと思っていた。本人はそれを否定し、ドスに用があるとだけ告げた。一体、何を企んでいるのか? ドスは警戒心を強くしてカブトを睨む。それに対してもカブトは余裕のある笑みを浮かべるだけだ。だが、ドスはこうも考えた。先程、自分は声を欠けられるまでカブトの存在に気付かなかった。もし…殺るつもりならいつでも出来た筈。

 

 

 

 考えた結果、ドスはカブトの案に乗る事にした。警戒していても、自分はこうして他者に見つかり、接近を許したのだ。これが敵であったら、確実に死んでいただろう。例え罠だとしても、その時は荷物となった二人を囮にして逃げればいい。それがドスの出した結論だった。

 

 

 

 カブトの案内で辿り着いたのは、木の窪みに出来た小さな洞穴。入り口は木の根っこで隠されており、外からでは気付き難くなっている。確かに此処ならば、落ち着いて話すに持ってこいの場所だ。

 

 

「さて、改めて紹介させてもらうよ。僕は薬師カブト。ああ、君達の紹介はいらないよ。それは大蛇丸様から聞いているからね」

「…これは驚きましたね。まさか、貴方があのお方と繋がっているとは…もしや最初から知っていたのですか?」

「正直な話。実は知っていたよ。まあ、それはいいだろう。大事な事は今後の君達がやるべき事についてだ。まずはこれを渡しておこう」

 

 

 詮索しようとするドスの言葉を遮る様に、カブトは懐からある物を取り出してドスに渡す。

 

 

「これは天地の巻物? どうして僕達に?」

「どうしても無いよ。君達にやってもらう事は、第二試験を突破してもらわないと無理だからね。これを持って今すぐに塔へ向かうんだ。追加の指示は追って知らせるから、それまで大人しく待機していてくれ」

「話は分かりました。だが、まだ聞きたい事がある。何故、大蛇丸様は呪印の事を我らに隠していたのか? それを貴方はご存じなのでは?」

「…生憎だが、それは僕も知らないな。あの人は気まぐれで動くからね。僕も振り回される事があるよ」

「本当に…知らないんですね? 内心では、僕達は捨て駒にされたと感じている」

「成程ね。だけど、大蛇丸様は君達に再びチャンスを与えた。失敗した者に厳しいあの方がだよ。それだけ、君達を信頼しているって事さ」

「そうですか。あの方は…まだ自分達の事を」

「ああ。大事に思っている。しかし、次に失敗した時は…分かっているね?」

「ええ。命は無い。そう言いたいのでしょう? 肝に銘じておきますよ」

「それなら結構。じゃあ、僕はもう行くよ。この奥に治療道具を置いてあるから、使うといい。二人が目を覚ましたら、僕が言った事を伝えるのも忘れずにね」

「…分かりました」

 

 

 ドスの返事にカブトは、満足そうに頷くと去って行く。残されたドスは、自分達が追い詰められていると感じていた。恐らく、本当は失敗した自分らを始末する為に来たのだろう。だが、敢えて生かしておいたのはまだ利用価値が自分達にあるからだ。しかし、カブトの言う通りならば…次は絶対に失敗出来ない。そうなれば、自分達は…。

 

 

 

 脳裏に浮かんだ想像を振り払い、ドスは二人の手当てを始めた。与えられた任務を遂行すれば、大蛇丸と会う機会もあるだろう。自分が抱いた疑念は、その時に晴らせばいい。今は耐え忍ぶ時。そう己に言い聞かせていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ドスに任務を告げた後、カブトは次の目的に備えて行動を起こしていた。それはナルト達との接触だ。しかし、今の彼らに接触するにはまだ早い。考えた末、カブトは三人の周りにいる敵を狩る事にした。それによって、彼らの手に巻物が渡らない様に仕向け、自身の取り入る隙を作る事を思い付いた。無論、自分の作戦が万事、上手く行くとは思っていない。だが、その時は別の作戦を遂行すればいい。とりあえずは行動あるのみだ。カブトは目的の為に狩りを開始する。

 

 

 

 

 

 試験開始から4日目の昼。

 三人は川辺の傍に陣取り、根城としていた。辺り一面が開けた場所である為、敵の襲撃にも気付きやすい。また食料の確保にも適した場所であった。そんな川岸では、ナルトとサスケが魚取りに勤しんでいた。

 

 

「今だ。飛び込め!!」

「おう。行くぞぉぉぉぉ!!」

 

 

 水中を泳ぐ魚を追い立て、岩場の上に待機していたナルトにサスケは指示を出す。それを聞いてナルトは、川に飛び込んだ後、彼は三尾の魚を捕まえる事に成功した。

 

 

 

「おーし。これだけ獲れりゃあ十分だろ」

「いや、まだ足りない。先の事も考えるなら、あと三尾獲るぞ。それに段々と勢いが弱くなってる。もっと暴れろ」

「何ぃ!? これってば、スッゲーきついんだぞ。そこまで言うなら、次はお前がやれよ」

「フン 変わってやってもいいが、お前に魚の動きが読めるのか? こっちの方こそ、大変なんだぜ」

「サスケくーん たき火の用意が出来たわよ。豪火球で火を付けてちょうだい」

「まあいいか。魚獲りは一旦終わりだ。さっさと上がって来い」

「くっ… 何だってばよ。調子のいい奴め」

 

 

 

 十分獲れたと満足するナルトに、サスケはまだ足りないと言い放った。当然、それにナルトは反発する。それもそうであろう。何せ、魚を獲る為に飛び込むのはナルトである。それだけでなく、魚を確実に獲るべく三人に分身をしての事だ。体力とチャクラを消耗する彼は溜まったものではない。しかし、サスケに冷静な言葉を返されて黙った。確かにきついものの、自分がやってる事は一番簡単な仕事だ。何とか言い返そうとナルトが頭を捻っていると、たき火の仕度を終えたサクラがやってきた。すろと彼は一転して、魚獲りをやめると言い出す。その変わり身の早さに納得がいかないナルトだったが、キツイ仕事から解放される為、グッと堪えて川から上がった。

 

 

 

「試験開始から四日か…。確か、試験が始まったのは四日前の14時30分だったな。残る時間はあと僅かしかない」

「うん。そろそろ行動を起こさないと、私達の突破は難しくなる一方よ」

「まぁ、何とかなるってばよ。とりあえず、今は飯を食おうぜ。腹が減っては何とやらって、言うだろ?」

「全く…あんたはいつも呑気よね」

「同感だ。だが、こいつの言う事も一理ある」

「サスケくんまで…。でも、確かにお腹空いたままじゃ、力は出ないもんね」

 

 

 

 真剣な話をしていた二人だが、ナルトの一言でその空気は変えられてしまった。しかし、彼の言う事も尤もである。実際に空腹を感じていた事もあり、話し合いを中断をして昼食を摂る事にした。

 

 

 

 

 

「ねえ、思ったんだけど…もしかして天の巻物は無いんじゃないのかな?」

「どういう事だ? 何故、そう思う?」

 

 

 食事を終えた後、何かを考えていたサクラがぽつりと呟いた。それに反応したサスケが、サクラに問い掛けた。彼もまた嫌な予感を感じているのか、表情は固い。

 

 

「だって、この試験。期限の五日の内、既に四日が経っているのよ。そして参加した人数は78人からなる26チーム。その中で突破出来るのは、巻物と同じ13チームよ。あと二人も覚えてるわよね? あの大蛇丸が私達の巻物を燃やしたの。この時点で合格チームは一つ減った事になるわ。それに他の巻物だって無事だとは、限らない。例え、他のチームから巻物を奪ったとしても、持っている巻物と被る可能性が高いという訳よ」

「成程。確かにその可能性が高いだろうな。いずれにしても、次の敵が最後のチャンスだろう。全員、心してかかるぞ」

「おう」

「うん」

「決まりだな。俺は飲み水を確保してくる。二人はその間に準備を済ませておけ」

 

 

 

 今後の方針も決まった所でサスケは、竹筒を持って川原へ向かって行った。そんな三人を陰からカブトが覗き見ていた。また彼の背後には、第二試験初日に戦った雨忍の姿もあった。

 

 

「ラッキー!! あんたの言ってた獲物があいつらだったとはね。手を組んで正解だったぜ」

「それは何よりだ。まあ、彼らと戦うのはいいが…手筈を忘れてないよね?」

「ああ。痛め付けても殺すなだったよな? ちゃんと覚えてるよ。ただ、二度と忍が出来ない様にしてやるけどさ」

「フフ、ルーキー相手に随分と大人気ないね。余程、負けたのが悔しかったのかい?」

「ちっ、それを言うんじゃねえよ。あん時はアンラッキーだっただけだ」

 

 

 三人の雨忍は残忍な笑みを浮かべて、血走った目でナルト達を睨みつけていた。その時、ナルト達のある行動に気付いたカブトは、焦りの表情を見せた。

 

 

「不味いな…。予定変更だ。君達は急遽、塔付近の森へ行ってくれ」

「あ? 何を言ってんだ? この場で急襲する話だっただろうが…」

「いいから言う事を聞いてくれないか? 君達に彼らの情報を提供したのは誰だった?」

「わ、分かったよ。森で待ち伏せしてればいいんだな?」

「そうだね。あの方向に向かってくれ。そこで作戦を開始しよう。僕が上手く三人を誘導するからさ。最後に言っとくけど、僕と君達が結託してた事は他言するなよ。その時は…君達を殺さないといけない。余り、手を汚したくはないから是非とも頼むよ」

「も、勿論だ。なぁ、二人共?」

「あ、ああ」

「絶対に言わないよ」

「話が早くて助かるよ。じゃあ、行動開始だ」

 

 

 そう言って、カブトは姿を消した。それに引き続き、雨忍らも森の中へ駆けて行く。

 

 

 

 

 

 一方、ナルトとサクラは自分達が所有する地の巻物を開こうしていた。何故、二人はこんな事をしようとしているのか? それはナルトの提案が切っ掛けである。今後の探索で対となる天の巻物が見つかる可能性が低いのは、ナルトも理解している。ならば、持っている巻物を工作して、天の巻物を作ろうと考えたのだ。

 

 

 しかし、これには一つの穴があるとサクラは待ったをかけた。そう、二人は天の巻物に書かれている内容を知らないという事。例え、見た目をそっくりにしたとしても、合否を判断する試験官に中を読まれてしまえば偽物だと発覚するのは避けられない。そうなれば、確実に失格となるだけでなく、大事な試験で詰まらない事をしたと自分達の担当上忍の名誉も傷を付けてしまう。

 

 

 

「だったらよ。この地の巻物を見てみようぜ。もしかしたら…天の巻物に書かれているヒントだって、あるかもしれだろ?」

「…あんた、正気なの? 試験中は絶対、開けるなって言われたのを忘れた訳じゃないわよね?」

「ああ。分かってるってばよ。でも、どの道あとが無いなら賭けてみるしかねえ」

 

 

 

 その言葉にサクラは黙った。まだ時間が残されているとはいえ、こうしてる間に試験の合格率は落ちていく。此処はナルトの言う通り、賭けに出た方がいいのかもしれない。最終的にサクラもナルトの提案に乗る事にした。

 

 

「そうね。分かった。私もあんたの意見に賛成するわ」

「よっし。そうこなくっちゃな。じゃあ…開けるってばよ」

 

 

 

 ゆっくりとナルトは巻物の封を解いていく。そして巻物を開こうとした時、その手が何者かに捕まれた。

 

 

「やめておいた方がいい。君達、失格になりたいのかい?」

「え? か、カブトの兄ちゃん…。何で此処に?」

 

 

 二人を止めたのは先程、陰から見ていたカブトであった。彼自身、ここで出張るつもりは無かったのだがナルト達の行動を見て、そうせざるを得なかった。今、ナルト達にリタイアされては全ての計画が狂ってしまう。それだけは避けねばならなかった。

 

 

「おい 一体、何をしてるんだ?」

「さ、サスケ君…」

「ああ、君も戻って来たのか。丁度いいタイミングだよ」

「…どういう事だ?」

「実は…」

 

 

 

 サスケが二人の元に戻ると、見知らぬ者がいるのを見て慌てたが…よく見れば相手はカブトであると知ってホッとした。無論、警戒を解いてはいない。それはカブトも分かっているのだろう。彼はやんわりとした口調でサスケに言葉を返す。そしてカブトから事情を聞いたサスケは呆れた表情で二人を見た。

 

 

「全く、お前らと来たら‥救いがたいな」

「ごめんなさい」

「本当に危なかったよ。試験のルールは絶対だ。これを破る者は、否が応でも失格する運命にある。以前は巻物に深い眠りを誘う術が仕込まれていた。それを見た奴は、第二試験が終わるまで夢の中って訳さ」

「それはそうと…何故、あんたが此処にいるんだ? 偶然にしちゃ出来過ぎてる」

「…別に君達の巻物を狙ってはいないよ。この通り、既に僕は二つの巻物は揃ってるからね」

「そうか。なら丁度いい。今から俺と勝負しろ。勝ったら、その巻物を渡してもらうぜ」

 

 

 そう言って、カブトは天地の巻物を三人へ見せつけた。ナルトとサクラは驚いていたが、サスケだけは目をギラつかせて彼を見つめる。サスケは一歩踏み出して、勝負を持ちかけた。その事にまたもや、二人は驚く。

 

 

 只、カブトだけは平然とその言葉を受け止める。後が無い彼らにとって、自分が持つ天の巻物は何があっても手に入れたい筈だ。またカブトは、サスケの行動に内心では感心していた。三人の中で狡猾な一面を持つサスケなら、隙を見て奪い取ると思っていた。それなのに正面から勝負を仕掛けて来たのが意外だった。

 

 

「いきなり何言ってんだばよ。第一、カブトの兄ちゃんは同じ木ノ葉の忍じゃねえか」

「このウスラトンカチが、今は試験中だぞ。木ノ葉も音も関係あるか。それに時間が無いのは、お前だって知ってるだろ」

「勝負ねえ…。本気で言ってるのかい?」

「当然だ。俺達にはこの手しか残ってない。巻物を入手するチャンスだって、今を逃したらもう来ないだろうしな」

「…成程ね。だが、君は嘘を吐いてるね」

「何を言ってるんだ? 下手な言葉で誤魔化すつもりか?」

「そうじゃない。君が本気だったら、さっき僕が二人と話してる間に奪う事だって、出来ただろう? だが、君はそれをしなかった。サスケ君。君は思ったより、忍に徹していない様だね。力量や戦術も分からない相手に挑むのは命を縮めるよ」

 

 

 カブトの言葉にサスケは何も言い返せない。確かに切羽詰まった状況で失念していたが、自分がカブトに負ける事だってあるのだ。それに最初はカブトを敵と認識したものの、正体を知って気を抜いたのも事実であった。

 

 

「だけど、僕はそんな君が嫌いじゃないよ。小細工や騙し討ちする奴らが多い中、正面から堂々と来る奴は少ないからね。だから君達が進む手助けをしよう。ただ、話は移動しながらだ。生憎、君達が焼いていた魚の匂いが遠くまで届いていたからね。それを嗅ぎ付けて、敵が来るかもしれない」

 

 

 

 

 手助けする。その言葉にナルト達は疑いを覚えたが、敢えて誘いに乗る事にした。どの道、自分達に選択肢は無い。例え、罠だった場合。その時は三人で協力して倒せばいい。彼らは先行するカブトの後ろ姿を追って行った。

 

 

 自分に付いて来る足音にカブトは不敵な笑みを浮かべていた。ナルト達の周りでは、未だに不穏な空気が渦巻いている事に彼らはまだ気付いていない。

 




今回の話では、原作にない展開を入れて見ました。


キバが見せる男気は何気に格好いいですよね。
時代によっては、彼も火影になっていたかもしれない。そんな気がします。




それと宜しければ、感想を残してくれると活力になります。どうかお願いします。

最後に評価を入れて下さった。
葵ですさん goemon112さん

どうもありがとうございます!
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