NARUTO 六道へ繋がる物語   作:アリアンキング

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最新話、お待たせしました。



最近はノルドの地を探索する事に夢中です


第二十三話 仮面の裏に隠された素顔

 森を移動する事、1時間。カブトの真意が分からない事に痺れを切らしたのか、サスケはカブトに問い掛ける。

 

 

「おい、さっきからずっと森を走ってばかりだが、本当に敵はいるのか?」

「ああ。いるよ。第一、この手の試験で他者が活発になるのは、試験終了が迫った頃さ」

「何故、そう思うんですか?」

「…考えてみなよ。僕達を含めて、試験に参加した者が目指すのは中央にある塔だ。居場所も分からず、元気がある敵を狙うよりも…時間ギリギリで焦った敵を塔付近で狙う方が容易い。今回、僕達はそいつらを逆にカモとするのさ」

 

 

 そう口にしたカブトに、今度はサクラが質問を繰り出した。その事にカブトは呆れたが、それを表情に出す事なく、サクラの質問に答えた。

 

 

「そっか。私達は天地の巻物を揃えて、塔を目指してるチームを狙うって事ね」

「…半分、正解かな。それもありだけど、一つの穴があるんだ。その場合、狙う敵の居場所を知っている必要がある。だけど、そんな都合の良い相手なんて早々、見つからないよ」

「じゃあ、結局の所。どうするんだ? 塔の付近で待ち伏せするとしても、都合よく会えると思えないが…」

「いや、見つかるよ。相手も同じ事をしてるからね。本来なら罠だと避ける所だけど、敢えて飛び込むんだ」

「おっしゃーー 燃えて来たぜ。誰が相手だって、負けねえってばよ。何が何でも巻物を手に入れて、俺達も第二試験突破してやるぜ」

「ねえ、カブトさん。さっきの話、やるべき事は分かったわ。でも、私達が欲しい巻物を持ってるチームに当たらないと意味が無いんじゃないの?」

 

 

 

 巻物を狙うにしても、相手が欲しい巻物を持っているとは限らない。それを考えればサクラの疑問は尤もであろう。こちらから仕掛けても、目的が達成出来なければ意味はない。また周りの敵に自分達の事を知られてしまう可能性もあるのだ。こちらの意図がばれてしまっては、相手も警戒して攻めようが無くなってしまう。

 

 

 

「心配ないよ。この手の試験には、必ずとコレクターと言われる者が出てくるからね」

「コレクター? それって、巻物を集める訳はそのままの意味じゃないわよね?」

「全くの別物だよ。例え、自分達に有利な状況であっても安心は出来ない。そんな環境から生まれたのが、コレクターと呼ばれる奴らだ。余分に巻物を所有する事で、三つの利点が出来る。一つ目は自分達が敵わない強敵が現れた場合、それを差し出して見逃して貰う為。二つ目は同じ里の仲間に譲る事で有力な情報を貰ったり、後の試験で自分達に便宜を図って貰う為。三つ目、第三の試験に進むと思われるチームを自分達の有利な状況下で、滅ぼす為。これらを目的とした奴らだよ。当然の事、これを仕掛ける奴は皆、一様に手練れが多い」

「そうか。だから、あんたは俺達の前に姿を見せたんだな。要はそいつらが怖いから」

「…。そうだよ。だけど、サスケ君。察しが良いのは素晴らしいが、もう少し言葉を選んでくれないか? そういう態度は無意味に敵を作るし、周りの人も離れる事になるよ」

「フン。余計なお世話だ」

 

 

 

 サクラの質問にカブトは、親切に説明を添えて答えてみせた。それを聞いて、サクラだけでなく他の二人も表情を引き締める。思えば、待ち伏せを仕掛ける奴らは己の実力に自信が無ければ、やる事はない。軽く考えていたが、下手をしたら返り討ちに遭うのは自分達なのだ。だが、不意にサスケはある事に気付く。カブトが自分達に接触してきた理由だ。彼が自分らと同行するのは、件の連中を恐れているからではないか?挑発する様に言うサスケに、カブトは素直に認めた。だが、思う所はあったのだろう。彼はやんわりとサスケに注意した。その言葉に本人も、耳が痛かったのか。一言だけ返すと口を閉じた。

 

 

 

 

 陽が沈み、辺りは暗闇に包まれた頃。四人は塔の傍に辿り着いた。その塔を見つめてカブトが呟く。

 

 

「さて、漸く塔が見えたね。此処からは歩いて移動しよう。君達も周りに注意を払う様に…!?」

「そこだぁ!!」

 

 

 敵の膝元に進む際、目立つ行動を控える様にカブトが言おうとした時。不意に気配を感じて驚きの表情を浮かべた。それに素早く反応したのはナルトだ。彼はクナイを背後の木に目掛けて投げ付ける。そしてクナイは相手を仕留めていた。全員が振り変えるといたのは、大木と同じ大きさの百足だった。死に掛けてビクビクと痙攣する姿に、サクラは顔を歪める。それはナルトも同じで、彼は思わぬ敵の姿に言葉を失くしていた。そんな彼にカブトが近寄り、声をかけた。

 

 

「…ナルト君。一つ忠告しておくよ。これから今みたいな行動は控えるんだ。先程の様に音を出す行為は、敵に自分達の存在を知らせる様なものだ。そうすれば、確実に相手に先手を取られる。さっきも言ったけど、歩いていくよ。ゆっくりと隠れながらね」

 

 

 カブトの言葉に三人は頷いた。そして四人は音を立てずに森を歩き出す。

 

 

 

 

 

 

 

 森を進む一行。だが、歩いても塔に辿り着けないでいた。いつ襲われるかもしれない恐怖と緊張から四人の体力と精神を容赦なく、削り取っていく。やがて限界を迎えたのか、サクラが膝をついてしまった。それを見て、ナルトが駆け寄って心配して声をかける。

 

 

「サクラちゃん。大丈夫だってばよ? なあ、少し休んで行った方がいいんじゃないのか?」

「だ、大丈夫よ。それに敵がいる場所で休んでいられないでしょ」

「…だが、妙だな。塔が見えるってのに、一向に着かないのはおかしい」

「どうやら、僕達は既に敵の術中に嵌まったらしいね。あれを見てみな」

「俺達は敵の幻術に掛かってた訳か。

 

 

 

 カブトが指差す方向。そこにはナルトが仕留めた百足の死骸があった。これが敵の仕業だと、カブトは言った。恐らく、自分達を延々と歩かせて体力を消耗した所を狙うのが相手の策だった。その証拠に周りの木には、大勢の忍達がナルト達を見下ろしていた。先程の無限ループも彼らの仕掛けなのだろう。

 

 

 

 

「相当な数だな。分身体とはいえ、これは厄介だ」

「くくく ならばどうする? 降参するかぁ。まあ、見逃すつもりは亡いがな」

「こんの野郎ぉぉぉっっ!! 誰がお前の思い通りにさせるかってんだ」

 

 

 

 

 ナルト達の周りにいる分身体、軽く数えても40は超えていた。消耗している上に相手の居場所も分からない事に彼らは焦りを見せる。そんな四人を嘲る様に分身体が吐き捨てる。相手の挑発に乗ったナルトが殴りかかった。だが、相手は分身体である以上、ダメージはない。しかし、一体は仕留めた。そう思った瞬間。攻撃した分身から更なる分身体が這いずり出る。その分身体はクナイを構えて、ナルトを狙う。

 

 

 

「ナルトっ!!」

 

 

 

 間一髪、サスケの援護で事無きを得たが、事態は悪化する一方であった。ナルトの攻撃だけでなく、忍具による攻撃でも分身体が分裂するのを見て、四人は顔を顰める。通常の攻撃以前に牽制すら不可能では、なす術が無い。その時、新たな分身体の攻撃がサスケに迫る。咄嗟に写輪眼を使い、躱そうとしたサスケだが…突然体に走った激痛で動きを止めてしまう。棒立ちの彼を救ったのは、傍にいたカブトであった。

 

 

 

「いつつ。危なかったね。何で避けなかったんだい?」

「分からない。突然、体に痛みが走って動けなくなったんだ」

「そうか。しかし、怪我が無くて何よりだよ」

「でも、カブトさん。肩が…」

「ああ。さっき掠めたようだね。だけど、大した事はないよ。幸い、毒も塗られてなかった」

「どういう事だってばよ。あいつらってば、分身体なんだろ? まさか、全員が本物だってのかよ!!」

「いや、このクナイは本物だ。恐らく、分身体が投げてると見せかけて、隠れてる本体が投げたんだろう。この手の奴らは近接戦闘が苦手としてる。だからこそ、僕達が指一つ動けなくなるまで、出てくる事はない」

 

 

 

 サスケを庇ったカブトだが、相手のクナイによって彼は傷付いてしまう。幸い、深手を負う事は避けたものの、流れ出る血は痛々しい。敵自体は分身だが、攻撃は本物。これで敵の戦闘タイプが把握出来たが、分かったとしても対抗手段は浮かばない。分身体を攻撃すれば、敵が増えてしまい。また逃げてばかりでは、こちらの体力が削られるだけである。

 

 

 

「だったら、増える前に全員ぶっ飛ばしてやるってばよ」

「待て、ナルト。こいつらに攻撃しても無駄だ。写輪眼で見て分かったが、これは分身じゃなくて幻影だ。下手に仕掛ければ、陰に潜む本体の攻撃を受ける事になる」

「じゃあ、どうするんだよ。このまま、あいつらにやられるのを待つってのか?」

 

 

 やぶれかぶれで敵に向かって行くナルトをサスケは制止する。相手の正体が分かっても、打つ手が無い事に苛立ちを覚えたのか。ナルトはサスケに食ってかかった。その行動にサスケもカチンと来て、言い返そうとしたが…カブトが仲裁に入って止めた。

 

 

「止めないか、二人共。今は喧嘩なんてしてる場合では無いだろう」

「悪りぃ。カブトの兄ちゃん」

「ああ。そうだな。せめてこっちも隠れる事が出来れば…」

「…隠れる。そうだ!! 皆、一つ案がある」

「案? 何か思い付いたのかい?」

「おう。まずはあそこの位置まで移動しよう」

「あそこ…。そうか。分かった。ナルト君、君の案に乗ろう」

 

 

 

 ナルトの言う場所に視線をやったカブトは、ナルトの意図に気付いた。他の二人もそれが分かり、頷いて了承の意思を見せる。

 

 

 

「おーし。そんじゃ、いくってばよーー」

「くくく あいつら、やけになったみたいだな。夜は長いし、とことん甚振ってやろう。どこまで持つかなぁ」

 

 

 相手にこちらの作戦がばれない様、ナルトは大声で戦線布告した。覗いていた雨忍達は、分身達を操って四人を追いつめていく。それによって、徐々に弱っていくナルト達。だが、四人の目的はこの時点で達成していた。背後に草むらがある事を確認してから、ナルトは一歩前に出て、印を構える。

 

 

「キリがねえ。こうなったら、対抗して俺も影分身を出してやるってばよ」

「よせ!! 此処でチャクラを使うのは自殺行為だ」

「だけどよ。そうも言ってられねえだろ。下手に攻撃すれば、敵は増えるしクナイも飛んでくる。でも、俺の影分身でいっぺんに倒す事が出来れば、相手も攻撃は出来ねえ筈だ。何せ、自分達の隠れてる場所がばれちまうからな」

 

 

 

 ナルトの言葉に言い返せず、カブトは黙って引き下がった。その際、ナルトは三人の目配せをする。それに三人も頷いたのを見て、ナルトは影分身の術を発動させる。

 

 

 

 

 渾身のチャクラを籠めて、生み出した影分身は相手の分身体よりも多い。見渡す限り、森はナルトの姿で埋め尽くされていた。そして…分身は一斉に敵に向かって行く。その勢いは凄まじく、ナルトの分身達は次々と敵を屠っていくが、敵も更なる分身を増やして対抗してきた。

 

 

 

 最初こそナルトが押していたが、次第に追いつめられて、ナルトの分身体は全て消えてしまった。無茶をした事もあって、ナルトは起き上がる気力も体力も失っていた。

 

 

 

 

「ちっくしょうぉぉぉ!! 駄目だ。もう分身を作るチャクラがねえ…」

「そろそろ狩るには良い頃合いだ。夢火、もう術は解いてもいいぜ」

「そうか。じゃあ、行くとしよう」

 

 

 地面にへたり込んだ四人は、全員疲れ果てていた。自分達の術と戦法に最早、抗う事はない。そう確信して、リーダーと思われる男が術を使っている仲間に指示を出した。その男は指示通りに術を解き、三人はナルト達の前に姿を現わした。

 

 

「ラッキー。此処でお前に会えるとはな。左腕の借り、きっちり返してやるよ」

 

 

 三人の内、一人が前に出るとクナイを構えてサスケを睨みつけた。男は第二試験の初日でサスケが打ち負かした忍だった。あの日以来、サスケに復讐する機会を待っていた。男はそう言いながらニヤリと笑った。

 

 

 

「そうかよ。だが、それは遠慮しておくぜ」

「生憎だけど、君達はもう袋のネズミだよ」

「ええ。ナルト、あんたの作戦は見事だったわ」

「な、何!? 馬鹿な…一体、いつの間に!?」

「へ、そんなの初めからだってばよ。今までのは、お前らを誘き出す作戦だ」

 

 

 

 ナルトが考えた作戦、それは自分の影分身を使った様動だった。あの時、影分身が出ると同時に三人は背後の草むらに隠れた。その後、更に変化の術で三人の姿に化けた事で相手を欺いていたのだ。

 

 

 

 

「…さあ、こっから反撃だ。お前達、覚悟しろってばよ」

「ナルト、お前はチャクラの使い過ぎだ。こいつらは俺がやるから、お前は下がってろ」

 

 

 そう言って、ナルトが立ち上がろうとしたが、限界の近い体は言う事を聞かない。ガクリと膝を突いたナルトにサスケが無茶をするなと言葉をかけるが、本人はその言葉を無視して雨忍達に殴りかかった。

 

 

「何言ってんだ。いつもお前に良い所を持って行かせねえぞ」

「ぐぅ…。このガキ、影分身をあれだけ使って…まだ動けるのか」

 

 

 ナルトの行動に驚いたのは、雨忍だけでは無かった。誰が見ても、ナルトは限界を迎えていた。普通なら動く事など、出来はしない。だが、それでも動けたのはナルト自身のチャクラ量が並では無いからである。カブトはナルトの本質に脅威を抱き始めていた。もし‥彼がチャクラの使い方をマスターしたら、木ノ葉でも随一の忍に成長するだろう。今、此処で隙を見て潰そうかと、思ったが…そうすれば自分はサスケ達の信頼を失う事になる。サスケ自身、自分を疑ってはいる様だが未だ自分の正体には気付かれていない。ならば、手を出さずに傍観するのが得策だと、カブトはナルトを見逃す事にした。

 

 

 

 

「…少しはやるようだけど、俺達もまだ手はある。そう簡単にやられはしないよ」

 

 

 

 雨忍達は三人揃って、印を構えると再び分身を生み出した。何を仕掛けてくるのかと、身構えてた四人だったが、少しだけ拍子抜けした様子を見せる。しかし、彼らの事だ。只の分身とは思えない。先程の様に迂闊に攻めれば、痛い目に遭うだろう。形成はふとした事でひっくり返る。ここは慎重に攻めよう。それをカブトはナルトに伝えた。

 

 

「ナルト君。相手は只の分身でも、油断するな。何か仕掛けがある筈だ」

「分かってるよ。でも、只の分身なら本体は一人だ。いっそ、そいつにぶつかるまで片っ端から潰してやる」

「馬鹿か、そんな要領の悪い戦いをしてどうする。さっきも言ったが、お前は下がってろ。無理して倒れたら面倒な事になるんだからな」

「うるせぇ。お前が出しゃばんなって言ってるだろうがぁ」

 

 

 

 カブトの忠告で一旦落ち着いたナルトだったが、サスケの一言で再び興奮したナルトは、相手に向かっていった。一人、二人と攻撃を繰り出すが、どれも分身体で本体へは辿り着かない。そんな焦りから、ナルトの動きに隙が出来ていた。それを雨忍が見逃す筈もなく、死角からナルトにクナイを振ろ下ろしてきた。その攻撃が届く前にカブトがナルトを突き飛ばしたが、雨忍のクナイはカブトの肩を容赦なく抉った。

 

 

 

「ぐう…」

「カブトの兄ちゃん!! くっそ…こいつら、よくもやりやがったな」

「寄せ、ナルト。そいつらの中に本体はいない。奴らは全員、分身体だ」

「な、じゃあ…どうすればいいんだってばよ!? 一体、本体は何処にいるんだ?」

「それが分かれば、とっくに終わらせている。これが敵の策なのは、お前も知ってるだろ」

「くくく 仲間割れは良くないねぇ。しかし、此方もいい加減に終わらせるとするか」

 

 

 

 そう言うや否や、周りの分身体はクナイや千本を構えて四人を睨んだ。恐らく、次の瞬間も一斉に仕掛けてくるだろう。こんな所で終わって堪るか。サスケは写輪眼を発動させて、敵の術を見破ろうとした。写輪眼を発動した時、凄まじい激痛が体に走るが、彼は鋼の精神で堪えてみせた。此処でやられてたくないのもあるが、本当の気持ちではナルトに負けたくない。この気持ちの方が強かった。大蛇丸の時といい、今といい。確実に自分を追い付き、そして追い越そうとしてる彼にサスケは負けたくなかったのだ。それは自分がナルトをライバルとして、認めた瞬間でもある事に、この時は自覚していなかった。

 

 

 

 写輪眼の力で相手の術の絡繰りにサスケは気付いた。それは分身を出すと同時に、本体は土遁で地面に姿を隠して分身の行動と見せかけて、攻撃するのが彼らの策だった。その事を伝えようとした時、ナルトの喉元へクナイを突き立てようとした雨忍からカブトが再び身を挺して守った。敵のクナイによって、カブトの顔に一筋の切り傷が浮かび上がる。この時、雨忍達はある事を思い付いた。この男を此処で殺してしまおう。散々、自分達を脅して良い様に扱き使った恨みを彼らは忘れていなかった。

 

 

 だが、そんな考えは甘かったとすぐに思い知る事になる。倒れたカブトの目を見た雨忍は、恐怖で体が固まった。今まで味わった事のない殺気と感覚に呼吸さえ、まともに出来ないでいた。突然、動きを止めた雨忍達に不審感を抱いたサスケだが、ナルトはその隙を突いて三人に強力な蹴りをお見舞いする。棒立ちの中、まともに受けた事で三人はすっかり伸びていた。

 

 

 

「へっ、隙を作ったら、駄目だってばよ」

「フー 何とか勝てたね。最後の蹴り、あれは見事だったよ」

「さて、こいつらの巻物は…在ったぁ!! 運よく、天の巻物を持っていたぜ」

「良かった。これで君達も第二試験を突破が決まった訳だね」

「おう。ありがとうだってばよ。カブトの兄ちゃんのおかげだ」

 

 

 厳しい戦いが終わり、和やかに会話するナルト達だが、サスケはカブトに対する疑心が強くなっていた。その後、何事もなく四人は目的地である塔へ辿り着いた。その時、草むらから現れた影に身構えるナルト達だが、カブトが前に出て、それを制した。

 

 

「カブトか。漸く見つけたぞ。一体、何処で何をしていた?」

「ああ。君達か…実は少しゴタゴタがあってね。まあ、面倒をかけてすまない」

「おっ、そいつらがカブト兄ちゃんの仲間。無事に会えて良かったってばよ」

「ありがとう。君達がいなかったら、今頃はあの森でやられてたよ」

「へへ… いいってばよ」

「じゃあ、僕らはこの扉を行くよ。君達も早く扉を潜るといい。もう時間も迫ってるからね。次の試験もお互い、頑張ろう」

「おう。俺達も負けねえぞ」

 

 

 

 激励するカブトにナルトは、自分の気持ちを伝える。今回、協力して森を抜けたが次はライバルとして立ちはだかる相手達だ。彼自身、それを忘れてはいなかった。そんなナルトにカブトもこの時ばかりは、心からの笑みを浮かべていた。そして三人が扉の奥に消えた後、彼らも扉を潜った。

 

 

「随分と楽しそうに笑うのね。そんな貴方を見るのは、初めてよ」

「…そうですね。あの子は相当、面白いですよ」

「へえ…。それで収穫はどうなのかしら?」

「彼らの情報は全て此処に。目的の彼以外にも、あの子の情報も書き込んでおきました」

 

 

 カブト達を出迎えた者、それは大蛇丸であった。当の本人は親しげにカブトへ、話しかける。カブトも動じる事もなく、大蛇丸に返事を返した。

 

 

「…抜かりは無いって訳ね。だけど、カブト。私は貴方の意見を聞きたいのよ」

「それは必要ないでしょう。全てを決めるのは、大蛇丸様なのですから」

「フフフ。貴方の賢い所。私は好きよ。任務ご苦労だったわね」

 

 

 お互いの心理を探る様なやり取りの後、大蛇丸は労いの言葉を残してその場を去っていった。残った三人は、大蛇丸が居た場所をじっと見つめていた。そして木ノ葉を揺るがす大きい野望が今、動き始める。

 




今回、遂にナルト達は第二試験を突破しましたね。
優しい人間ほど、疑わしい。カブトさんが登場した時、最初から怪しいと正直思ってました。


次回は第三試験に繋がる予選試合に入ります。中忍試験編で一番の盛り上がる所だけに自分も書くのが楽しみです。



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