結構難産
気をつけろ、そこから先は地獄だぞ(震え声)
今回聞いていたのはデデドン!(絶望)シリーズデデドン!(最終鬼畜)とか
職場に到着して数分後、朝礼が始まる。遅刻ギリギリだったのだが、遅刻していないのでよしとしたい。
今日はいつも通りの職務(少量)に加え、少し特殊な予定がある。それは美城グループの別会社へと1日の間出張に行くのだ。
7年間この会社に勤めていたということもあり、ある程度は立ち回れるようにはなっているが、年齢で言えば25。つまりはまだまだ成長すると部長が申してきたのだ。
個人的にはかなり嬉しい。私自身の力を私自身が分かっていない手前、第三者から見る私の評価は気にしている。
陰口とかは一切無視するがな!単純に私怨だけでの内容は聞いていて気分が悪くなる。主な理由としては、それを聞き、どこを直せばいいか分からないというのが多いためだ。
私怨が多少混じっていたとしても、貶すようなニュアンスがない愚痴は積極的に聞こうとしている。
何せ、美城プロダクションに来たときはロクに就活もせず右も左もわからず、先輩方に迷惑をかけてきてしまった。その時にたまたま聞こえた「先輩に頼れ」という言葉。
それだけで何が悪いのか、何を直せばいいのかが分かった。何もかも自己完結型にしたがる私の悪い癖だった。
これを機に積極的に先輩方にモノを訪ね、時には、先輩方から見た私の悪い癖を指摘してもっらたりと、今の私は外の私の評価には敏感になった。
別に会社ではぶられる、ボッチになるということが苦手でというわけではない。私自身を完璧までとはいかず、それなりに何でもできる万能型へと自らを昇華させたかった。
ただそれだけに尽きる。
閑話休題
何はともあれ、今日はちょっとの資料の整理と午前中からあるグループ会社への出張がある。
もちろんその出張も定時に終わる予定なので高垣さんとの約束もに果たせるであろう。これもすべて仕事終わりの至高の一杯の為。
おじさん頑張っちゃうぞ~!(恒例行事)
無事に書類仕事を片づけた後、時計をちらり。10時06分、あと1時間54分あるとはいえ早めに行くことは間違いではない。早すぎると逆に迷惑をかける時もあるが、
美城プロダクションとグループ会社、Caot社は幾分距離がある。到着するまでに1時間半は掛かるとみていい。故に今この時に会社を出ることにする。
早すぎたとしても近くにあるであろうカフェでゆっくりできる。隙なし、三段活用、デッドスペース。活かしてなんぼである。
電車に揺られ気分は桃太郎である。特に退治しに行く存在もいなければ、犬や猿、雉と無駄に陸陸空と海が抜けた軍もいない。あるのはわが手に眠る秘蔵の書。
そう、TETYOUである。手帳ではないTETYOUだ。この現物は世界に二つとなく、持つ力は過去現在未来の予定を決めることができるのだ。
これをTETYOUといわずしてなんというか。慢心せずしてなのが王か。ぐらいに意味のない問いかけなのだ。
察してくれ
なぜ電車でこんなに阿保みたいなことを考えているのかと聞かれたら、間違いなく答えるだろう。
”人がいないから”
である。珍しく、午前中の電車が空っぽの様子だったのだ。厨二の権化とまで言われた男がこの少しの非日常さでテンションが上がるのはもはやお察しであろう。
こうして世にも奇妙な電車物語を展開していると目的の駅、下北沢駅に着き、テンションをお仕事(おじさん頑張っちゃうぞ~)モードへと切り替える。
外と中は全く別の存在であったと偉い人は言っていた気がするが、今なら私にもはっきりとわかる。誰がこんな情緒不安定な精神を持った野郎が仕事ができるものか。
これなら愚痴もはさみたくなること間違いなしじゃないか…
また自己完結を展開させ、周りに落ち込ムードを急激に叩き込む彼。
落ち込ムードって必殺技にありそうだな。今度0080戦争ガン〇ム(要するに携帯獣)の種族ドラゴンの名前に採用しようと思案する。
行け!落ち込ムード!からにこもる!
ヒキニートまっしぐらである。
おい、全然お仕事モードに切り替わっていねぇじゃねぇか。仕切り直しだ仕切り直し
閑話休題(とにかく進め)
Caot社に着いた私は受付カウンターにて入社許可証をもらいそのまま歩を進める。出張いう名の新人育成会(私は新人である。名前はまだない)に参加する為、手帳に目を通す。
手帳に書かれているところは4階会議室。そこに12時に集合、30分ほど説明を受けた後、親睦を深めるということで今日お世話になる部門の皆さんと食べることに。
弁当不要はこのためかと納得する。社員食堂で一緒に食べようぜってことだろう。
一日だけとはいえ、ギクシャクした関係で仕事をすることは、罪悪感が出ていることもある。NOといえない日本人の人気遣いあふれた微笑ましい理由である。
話を聴いてみるとなかなかに面白いことが分かった。なんとこの部門には”3時のおやつ”なる独特なルールが存在するらしい。
3時のおやつに甘いものを食べて頭への栄養補給をすることは理にかなっている。経済部門とは違うこの博進部門もなかなかに頭を使う。
それがたとえルーティーンだとしても栄養の消費はかなりあったりする。
証拠に、このルール適用前には残業率ぶっちぎりの1位だったこの部門だが、今や残業率3位まで落としているらしい。
何とも微妙だが、とりあえず効果があることが分かった。美城プロダクションでも一度提案してみようかとメモへペンを走らせる。
ところでだが、この博進部門、何をするのかといえば”新しいことに挑戦!する前に博進部門”と謳われているように、仮想的な予算のやりくりについてだとか。
新しいプロジェクトを立ち上げる前にこのプロジェクトに掛かるだろう費用、費用を回収できる利益をあげられるのかどうかを疑似的に計算し判断するらしい。
なにこの画期的システム。すごい。なかなかに面白いシステムで、今のところ博進部門からGOサインがでた企画は大成功8割、成功2割といったところ。
素晴らしいことこの上ない。代わりに部長以外倒れている姿が容易に想像できてしまった。死屍累々といったところ。
部門立ち上げは現社長の豪さんだそうだ。なるほど、かなりのカリスマと経営術を擁していると見える。
この博進部門にもなぜか豪社長の写真が祀られている模様。なかなかにイケメンである。
ちなみにだが、ここ博進部門の部長さんもかなり祀られているようである。秋吉部長というのだが、豪社長が「全能神」と二つを持ち、秋吉部長が「戦神」だそうだ。
美城プロダクションもかなり変わっている会社だと思っていたが、一般常識内にとどまっていることを理解した。
あ、さっき食事した博進部門のみなさん、三浦さん、木村さん、田所さんはとてもいい人たちであった。
三浦さんは相槌している姿しか見てなかったが、秋吉部長に「あいつは二つ名で『三浦閣下』ともいわれているぞ」と言われたときは衝撃を受けた。
どこからどうみても閣下という雰囲気はない。ただの便乗おじさんである。
次は木村さん、どこか弱弱しい面が見えているが、博進部門では一番熱心で努力家であると聞いた。仕事にやりがいがあるかと聞いたら、大きく頷いた。
目の中に炎が轟轟と唸っているように見えるほど。流石は期待の新人エースだなと肌をもって感じた。
最後に田所さん、部長を除く博進部門の中核的存在らしい。リーダーらしい佇まいはともかく体が無駄にガッシリしている為、妙な圧迫感がある。
性格はかなり気さくで一番接しやすかったりする。彼も仕事に関しては一流らしく、その眼光にて企画の良し悪しを判断してきたと聞く。
その獲物を狙うような目を仕事中一回見たのだが、思わず飲み込まれそうになったほど。彼は千里眼持ちなのかもしれない。
ちなみに彼氏持ちだと聞いた。…彼女の間違いだと思い、一息ついた。間違いなのだ。 まちがいでしょ?
このように超人が集まったような部門で私の研修は終わった。博進部門のみんなも終わったらしく、田所さんがみんなを飯に誘っている。
私のとこにもお誘いが来たのだが、今日は断っておいた。正直一日目からこういう行動をとると気まずいのだが、田所さんはそれが薄々分かっていたらしく、純粋無垢な笑顔で
仕方がないと言ってくれた。なぜ分かっていたのかと聞くと、定時になる20分前からそわそわしている感情が見えたといっていた。
…よく分からないが、流石超人が集まる部門だなと納得してした。納得させた。
こうしてCaot社をまっすぐ出て、電車に乗り込む。帰宅ラッシュということもあり、朝に感じた非日常感はなくいつも通りの電車だと逆に安心した。
さて、次は高垣さんとの宅飲みである。約束だし、なにより私自身がワクワクしているので浮足立っている。
周りから何やってんだあのおっさんと怪訝に思われそうだが、別にどうだっていい。
ちなみに、高垣さんには夜定時で上りはするが、出張先から帰ってくるため1時間半は掛かるとお昼ご飯中に連絡を入れていた。
よって6時半、高垣さんには7時に美城プロダクションに集合としておいた。
二人でいると危険なので(週刊金曜日的に)高垣さんは変装し、帰宅した後、私が10分後に高垣さん自宅のアパートにて合流することにした。
高垣さんと飲むのは初めだ。何気に接点がなかったものだから飲んだことは一度もない。
だが、彼女の噂話にはお酒に関わるものが多々ある。
曰く、一升瓶3本が一晩のうちに消えた。
曰く、アメリカのビール飲み大会に5人の大男を相手に大立ち回りで勝利をもぎ取った。
曰く、酒のこととなると三日三晩語れるほどのお酒好き。
曰く、2分寝れば元通り
などなど。お酒好きは伊達ではないと言ったところか。生憎私自身そこまでアルコールは強くないので軽く飲みあうことしかしないが、お酒というのは少し飲むだけで、
気軽に言いたいことが言えたりといい意味でも悪い意味でもコミュニケーションの一つの形態だと私は思っている。
というわけで高垣さんの美城プロダクションについて、経営に不満はないか、アイドルについてどう思っているが、すべて打ち明けてももらうぜ!
覚悟しろよ高垣さん!貴方から聞いた情報をもとに会社をより良いものへと進化させていくぞ!
そうして彼は高垣さんの自宅アパートに着いたのであった。(逃げられぬ業)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
準備は万端。まず家にあげるときには普通に。いつも通りに。
私たちが小学生で早めにやっていた簡易アルコール耐性検査にて彼がアルコールに関して弱いことは把握済み。
彼はちびちび飲むだろう。なら、こちらが彼のペースを上げればいい。
お酒に睡眠剤を入れることも考えたが、お酒にそんなことはしたくない。寝たままはとにかく嫌だった。
彼と顔を合わせて、確かめって、至りたかった。伊達に何年と彼のことも想っていたわけではない。
時には見知らぬ男性から誘いを受け、
或いは、二人だけの飲み会に誘われ
また或いは、一日だけでも相手をしてくれと強引にお願いされたり。
すべて、すべて回避してきたのだ。そしてやっと来た今日この時。彼女は我慢の限界だった。午前中の撮影時、撮影者にバレぬよう必死に緩みそうになる頬を引き締めた。
それでも撮影者は疑問に思っていたようだったけれど。なんども「体調が悪いのですか?」と訊ねるほどだ。今日の高垣楓はそういう風に映ったのだろう。
何度も大丈夫と伝え、午前中の撮影は無事終了。午後はボイストレーニング、ダンスレッスンなど、アイドルの基本をとにかく練習していくのだが、
やはりマストレさんには疑問を持たれ、今日は休みを与えられた。空いた時間にエステに向かい、体の管理。
やはりというか濡れていた。しかしそれすら楽しみに岩盤の暑さを感じた。
6時半、彼女は美城プロダクションから退社する。今日の様子を見ていた片桐さんや川島さんは心配していたが、本当に何も心配いらない。
ただ、今までの私が終わって、新しい私が生まれるだけのことだから。
お願い、死なないでオリ主!あんたが今ここで倒れたら、武内Pやシンデレラガールズとの約束はどうなっちゃうの? 時間はまだ残ってる。ここを耐えれば、楓さんに勝てるんだから!
次回、「オリ主(いろんな意味で)死す」。デュエル()スタンバイ!
もはやこれクロスオーバーじゃ…
次でラストの予定