艦隊これくしょん──The Last Ship── 作:アース@にわかミリオタ
「遅刻しちゃーう!」
アメリカ東海岸、バージニア州ノーフォーク海軍基地。世界最大の海軍基地の桟橋近くの道を上は青色の
「もー!みんなあれだけさわいで!たった4ヶ月話せないだけじゃん!」
そういう彼女が一番別れを哀しんでいたのだが、今彼女にそれを考える余裕はなかった。今するべきは全力で走って間に合うこと。彼女の集合時刻は08:00。現在時刻は7:59。桟橋の入り口に差し掛かったところだ。
「あと1分。ギリギリ間に合う!」
そういうと少女はラストスパートをかけ、桟橋を全力で走り出した。
「すみません!失礼します!」
「おぉい、危ないぞ!」
桟橋の上を行き来し作業を行う人々の合間を縫って、目的地まで走る。
勢い余った少女がブレーキをかけて止まった目の前には、大きな灰色の船が桟橋脇に浮かんでいた。
「チャンドラー艦長!」
チャンドラー艦長と呼ばれたサマー・ホワイトの軍服に身を包んだ男が、目にしていた積み込み品の目録から目を離して少女へと向ける。
少女は息を切らしながらも姿勢を整え、艦長に向けて敬礼を行った。
「本日、〇八〇〇をもって再び任務に従事します!」
「......自分の時計を確認するべきだぞ、ネイシー」
アーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦・DDG-151≪ネイサン・ジェームズ≫の艦長、トム・チャンドラー中佐はチラリと腕時計を見た後に、僅かに皮肉の混じった声で答えた。
ネイシーと呼ばれた少女が怪訝な顔をした次の瞬間、あっと驚いた表情に切り替わる。現在時刻は08:01、残念ながら1分間に合わなかったのである。
「し、失礼しました!本日、〇八〇一をもって再び任務に従事します!」
「了解した。どうやらパーティーは楽しかったみたいだな」
チャンドラーは副長のマイク・スラッタリー中佐へ目録を渡すと、少女へと向き直った。
「はい!ヘイワードちゃんが離れてくれなくて。泣き虫なんですよね、あの子。そしてフォードさんやモンテレーさんが飲み始めて、みんなでワイワイしていたら私も寝落ちしてしまいまして...」
元気そうに始まった声が後ろに行くほどにすぼまって行き、顔が赤く染まる。
恥ずかしさのあまりに顔を伏せた少女の肩へチャンドラーは手をポンと置いた。
「4ヶ月も無線封鎖で話せないのが悲しいのはわかる。乗員や俺も、航海前に家族と話してきたからな。ただし、遅刻には気をつけるように。わかったか?」
「はい!あ、わすれていました」
少女は再び姿勢を整えて敬礼を行い、真面目な口調で話し出した。
「
「ネイサン・ジェームズ、乗船を許可する」
少女の正体はアメリカ合衆国海軍、アーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦・DDG-151≪ネイサン・ジェームズ≫の艦娘なのであった。