日常と恋模様に祝福を   作:Syo5638

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第10話:弁当作りと晩ご飯

side友希那

 

 

 

 蒼真の家に入れてもらった私達は早速リビングに案内された。

 

リサ「おぉ!外見もそうだったけど中も凄く広いねぇ」

 

友希那「そうね。でもリサ、少しはしゃぎ過ぎよ」

 

蒼真「そんなにはしゃげる様なものはないと思うけどまぁ寛いどって」

 

燐子「は、はい…」

 

あこ「はーい!あこ皆で遊べるもの持ってきました!」

 

紗夜「宇田川さん。遊びに来た訳ではないですよ」

 

あこ「うぅ…ごめんなさい…」

 

蒼真「まぁまぁ。時間は取れるやろうけ後でやろうなあこちゃん」

 

あこ「あ、ありがとうございます!」

 

 そう言ってあこは蒼真に抱きついた。

 

蒼真「おっと」

 

 あこは本当に元気がいいわね。ああやって抱きつけるは少し羨ましいわ。

 

紗夜「ちょっと!宇田川さんなぜ蒼真さんに抱きつくんですか!」

 

リサ「紗夜~そんなに慌てなくてもいいじゃん。それとも何か慌てるような事でもあるの?」

 

紗夜「そ、そんな事はありません…」

 

リサ「それとあこ~テンション上がってはしゃいじゃうのは分かるけど、もうちょっと落ち着こうか~。じゃないと夜ご飯抜きにするよ~」

 

あこ「は、はいー!」

 

 あ…リサが偶に見せるどこでスイッチが入るか分らないお怒りモードだわ…笑顔で話してるから分かりずらいけれど、リサがご飯抜きと言う単語が出た時は少しだとしても怒っている証拠。私からするとあの笑顔は身震いするほど怖く感じる…リサの作ってくれるご飯は凄く美味しいからそれを抜かれるのは精神的には辛くなる…

 

リサ「それと蒼真~ちょっとあこに甘いんじゃないかな?」

 

蒼真「ん?そうやか?そんな事はないと思うけど」

 

リサ「まぁ…いいんだけど~… (アタシもあこみたいに)(甘えられたらなぁ)…」

 

蒼真「?まぁ気を付けるよ」

 

友希那「…ところでさっき夜ご飯がどうとか言っていたけれどどういうこと?」

 

蒼真「あぁ、それはな―――」

 

 蒼真から事の説明をされた。帰る途中に私達に夜ご飯を振る舞いたいとリサと話していたようだ。

 

友希那「そう。なら私も手伝うわ」

 

リサ「っえ!?」

 

蒼真「ど、どうしたん?リサ…」

 

リサ「あ、いや…まさか友希那からそんな言葉が出てくるなんて思わなくて」

 

友希那「し、失礼ね!私だって家事くらい偶にするわよ」

 

リサ「ホントに~?…まぁいいや。今は友希那がそう言ってくれたことが嬉しいからね♪」

 

蒼真「あ、てか勝手に決めてよかったやか?」

 

紗夜「大丈夫です。なんだかそんな気がしていたので連絡はしてあります」

 

燐子「わ、私もです」

 

あこ「あこも大丈夫です!」

 

友希那「私とリサは目の前が家だから気にする必要は無いわ」

 

 私も紗夜と同じでそんな気がしていたから先に連絡していた。リサも同じだと思う。

 

リサ「考えてる事は皆一緒だね♪」

 

蒼真「そっか。ならいいんやけど…皆手際がいいね」

 

紗夜「べ、別に今井さんと蒼真さんが作るご飯が楽しみだったとかそんなんじゃないですからね!」

 

蒼真「お、おう。そうか」

 

リサ「ホントに~?実は楽しみにしてたんじゃないの~♪」

 

 そう言うとリサは紗夜に抱きついた。

 

紗夜「ちょっと今井さん!抱きつかないでください!」

 

蒼真「ははっ。ホントに皆仲がいいな」

 

友希那「まぁ…色々あったからかしらね」

 

蒼真「そっか」

 

友希那「えぇ」

 

 まだそんなに時間は経ってないと思うけれど、蒼真が加入する前は本当に色んなことがあったと思う。

 

 

☆★☆★☆★

 

 

side蒼真

 

蒼真「じゃあそろそろ作業に取り掛かろうかね」

 

あれから少し時間が経っていたから作業に取り掛かろうと思う。

 

リサ「りょうかーい」

 

蒼真「俺とリサがまず弁当の具を作っていくけ皆はその盛り付けをお願い。友希那は後でまた手伝ってもらうけその時お願いね」

 

友希那「分かったわ」

 

あこ「はーい!」

 

紗夜「分かりました」

 

蒼真「燐子ちゃんは盛り付けとか上手そうやけそっちを中心で」

 

燐子「わ…分かりました!…が、頑張ります」

 

 ということで弁当作りが始まった。

 

リサ「うーん…なにから作ろっか」

 

蒼真「そうやなぁとりあえず揚げ物を作る準備をしよるけリサは野菜類を切り分けていってもらっていいやか」

 

リサ「OK~」

 

蒼真「切り終わったら卵焼きを作ってもらっていいやか?もう準備はしてあるけ」

 

リサ「おぉ~手際がいいねぇ。…あれ?卵が入ってる器が何種類かあるけど」

 

蒼真「あぁそれね。皆好みがあるだろうから、砂糖入り…何もなし…塩入り…後ネギ入りとかを準備してみた」

 

リサ「なるほどねぇ。了解!」

 

 そうこうしているうちに揚げ物を揚げる準備もできた。

 

蒼真「よし、まずは…定番の唐揚から」

 

 唐揚げも何種類か味の違うものを準備してみた。いつ準備したんだと言われるだろうか。今日の朝のうちにあらかた準備はしていた。

 だから今日は晩御飯用の材料と弁当用の調味料などを買い足した。

 

蒼真「…こんなもんかな」

 

リサ「こっちも卵焼き出来たよ~」

 

蒼真「お、やっぱり手馴れてるねぇ」

 

リサ「そんな事言ったら蒼真だってかなり手慣れててびっくりしたよ~」

 

蒼真「まぁ小さい時からよく作っとったけね」

 

リサ「そうなんだねぇ」

 

 そんな事を言いつつどんどん料理を作っていった。

 

 ……今更だけど…

 

蒼真「そういえば、エプロン持ってきとったんやね」

 

リサ「ん~…そうだねぇ一緒に作るんだから用意しとかないとなぁと思ってね」

 

 慣れた手つきで作業をしながら答えてくれた。

 

 ホントに料理慣れしてるなぁ…

 

リサ「どうしたの?急にそんな事聞いてきて」

 

蒼真「ん?…いや、ふと気になってね。それと凄く似合ってて可愛いなと思ってね」

 

 最近よく思う。俺はあまり語彙力が無くて上手く褒めたり表現出来てないなと。

 

リサ「…///もう…いっつもそんなこと言ってアタシをからかって…」

 

蒼真「別にからかってないぞ。思った事を言っただけやけん」

 

リサ「…///そっか。ありがと♪」

 

蒼真「お、おう」

 

 リサのその笑顔はいつもたじろいでしまう。何でだろう…

 

友希那「二人共凄いわね。話しながら次々料理を作っていくなんて」

 

蒼真「うわちょ!…びっくりしたぁ…」

 

 気づけば後ろのカウンターから友希那が顔を覗かせていた。

 

リサ「あははっ!蒼真すっごい面白い顔になってたよ」

 

蒼真「いやだってめっちゃ焦ってたけんさ…それで友希那。どうしたん?」

 

友希那「いえ。別にどうしたという訳ではないけれど、2人の楽しそうな声が聞こえたから見に来たの」

 

リサ「へ~そうなんだぁ」

 

友希那「…なによ」

 

リサ「ん~ん~何でもなーい。ふふっ」

 

 そんな事を言いながらリサは作業を止めずに料理を作っていた。

 

蒼真「あ、友希那。この作ったやつをそっちのテーブルに持って行って皆で重箱に詰めていって。まとめて持っていかんでいいけさ」

 

友希那「分かったわ」

 

 それから俺もまた作業に戻った。

 

 

☆★☆★☆★☆★☆★

 

 

sideリサ

 

 

 そんなこんなしているうちにどんどん料理が出来上がっていった。

 

蒼真「よしとりあえずこんなもんかな」

 

リサ「いっぱい作ったねぇ」

 

蒼真「そうやねぇ。でも2人で作ったし皆にも手伝ってもらったからだいぶ早くできたと思う。皆ありがとね」

 

紗夜「いえ。私達はあまり何もしてないと思いますが」

 

蒼真「そんな事はないよ。弁当に詰めてくれるだけでも凄く助かる」

 

あこ「皆とこういう事が出来てすっごく楽しいです!」

 

燐子「私も…楽しいです」

 

友希那「そうね。今まで皆でこういう事をするなんて考えたこともなかったわ」

 

リサ「そうだねぇ。友希那や紗夜は音楽一筋だったからねぇ」

 

蒼真「そうなんやね。まぁ確かに2人ともそんな感じはしたなぁ」

 

友希那「そうね。今でもそうだけれど、私達は音楽の頂点を目指しているから」

 

蒼真「…頂点…か」

 

友希那「えぇ」

 

 …蒼真…どうしたんだろう…何か言いたそうだけど…

 

リサ「どうしたの?蒼真」

 

蒼真「ん?いや…音楽の頂点ってなんやろうなぁって思ってな。…一概に何が頂点なのかって人によって違うと思うんよね。…やけ友希那の言う今の頂点って何なのかなと思って」

 

リサ「今の?」

 

蒼真「うん。話を聞いたり見てきた限り、Roseliaは技術力で頂点を目指そうとしとるんやないんかな」

 

友希那「えぇ。そうね」

 

蒼真「確かに今のまま成長して行けば技術は物凄く高いレベルになると思う。技術だけは…」

 

友希那「…」

 

蒼真「でも技術だけじゃ限界がある。最近少しだけでもそう考え始めたんやないかな?」

 

友希那「っ!」

 

蒼真「やけ俺をサポートに誘ったんやないかなと思った」

 

友希那「…凄いわね。何でもお見通しなのかと思うくらい」

 

蒼真「そんな事はないよ。俺も分からん事だらけよ…やけさ、俺もRoseliaとって何がいいのか考えるけ友希那も一緒に頑張ろ。立ち止まってしまった時は俺が支えちゃるけさ」

 

 …なんだかすっごくクサイセリフだけど…そう言う蒼真の表情は真剣でカッコよかった。

 

友希那「…///えぇ。その時はよろしく頼むわ」

 

蒼真「おう!まかせろ」

 

友希那「ありがとう…///」

 

リサ「(友希那いいなぁ)

 

 思わずそんな事を口にしていた。…誰にも聞かれてないよね…

 

蒼真「友希那だけじゃなく皆も頼ってね。出来ることは限られとるかもやけど」

 

紗夜「分かりました。何かある時は頼らせてもらいます」

 

燐子「わ…私も…多分相談に乗ってもらったりすると思います」

 

あこ「あこも蒼真さんの事すっごく頼りにしてます!」

 

蒼真「そっか。皆ありがと。あ、それとリサ! 」

 

リサ「っへ!?な、何?」

 

 いきなり大きな声を出すからビックリしちゃった…なんだろう…

 

蒼真「リサは特に俺や皆を頼れよ。なんだかかんだいってリサは頼られすぎてたまに無理しとるんやないかと思うけさ…キツイ時は皆を頼れよな」

 

 …ホントによく見てるなぁ蒼真は。

 

リサ「…うん分かった。ありがと」

 

 好きで色々お節介かけてるから無理をしてる訳じゃないと思うけど…確かにたまにキツイなぁと思う事はある。口にはしないけど…

 よく蒼真はそういう所に気付くなぁ。蒼真に気遣ってもらうのは凄く嬉しいし、そういう所…凄くカッコイイと思う。

 

 

☆★☆★☆★☆★☆★

 

 

side蒼真

 

 

 さてと…洗い物も済んだしそろそろ晩飯を作り始めないとな。

 

蒼真「リサ」

 

リサ「なーに?蒼真」

 

蒼真「そろそろ夜飯の準備をするけ手伝ってもらっていいやか」

 

リサ「OK~」

 

蒼真「友希那も今度は手伝ってもらうけお願いね」

 

友希那「分かったわ」

 

蒼真「他の皆はリビングの方で寛いでて」

 

あこ「はーい!」

 

燐子「分かりました」

 

紗夜「分かりました。では宇田川さん。少しだけ遊びましょうか」

 

あこ「ホントですか!やったー!」

 

燐子「よかったねあこちゃん」

 

あこ「うん!」

 

紗夜「トランプくらいなら私でも出来ますのでそれでいいですか?」

 

あこ「大丈夫です!」

 

 そう言って皆リビングの方に向かっていった。

 

リサ「…友希那…ホントに大丈夫?」

 

友希那「大丈夫よ……多分…」

 

蒼真「友希那は料理作るのとか苦手やった?」

 

リサ「というより…アタシの記憶が正しければ友希那は料理を作った事が無かったと思うよ」

 

友希那「…」

 

蒼真「なるほどねぇ…じゃあ包丁とかは使った事がない感じか」

 

友希那「…そう…なるわね…」

 

蒼真「そっか。まぁ…なんくるないさー」

 

リサ「蒼真って沖縄の人にだっけ?」

 

蒼真「いや違うよ。ただこの言葉が好きやけたまに使いよるだけ」

 

リサ「そっかー」

 

 よし。じゃあ早速始めていくか。友希那はホントに料理が苦手みたいだからまずは実演して見せてそれからやってもらおうかな。

 

蒼真「じゃあリサ友希那は俺が見てるから先にリサの方のを作ってしまって」

 

リサ「OK~じゃあ終ったら交代するね」

 

蒼真「うんお願い」

 

友希那「よろしく」

 

蒼真「おう」

 

友希那「まずは何をすればいいかしら」

 

蒼真「んーとね。俺がやり方を見せるからそれに続いてやってみて」

 

友希那「分かったわ」

 

蒼真「まずはジャガイモの皮を剥いてもらうんだけど、このピーラーを使って皮を剥いてもらう」

 

友希那「ピーラー…」

 

蒼真「そう。ジャガイモの皮は大体2、3ミリの厚さかな?で全体の茶色い部分が無くなるまで剥く。肌色の部分が出てくるくらいでいいけね」

 

友希那「えぇ」

 

蒼真「こんな感じで剥いたらいいけ。あ、後この窪みのところはピーラーの横に付いてる輪っかみたいなのでくり抜かんといけんけ」

 

友希那「?何故?」

 

蒼真「この窪みは根っこが生えてくる部分でここには体に悪い毒素を含んどるんよ。やけちゃんとくり抜かないけんと」

 

友希那「そうなのね。初めて知ったわ」

 

蒼真「まぁ料理をしない人とかは知らない人も多いと思う。…よしとりあえずここまでの作業をやってみようか。横で俺も見ながらやりよくけ」

 

友希那「分かったわ」

 

 そう言って作業を始めた友希那は凄くぎこちなくジャガイモを剥いていた。それを横めに俺も作業を始めた。

 

 

友希那「これくらいでいいかしら?」

 

 それから少しして友希那が聞いてきた。

 

蒼真「お、最初にしては上手く出来とると思うよ」

 

友希那「そ、そうかしら?」

 

蒼真「うん。後はちょっとだけ残ってる皮を削って…あ、両端はまた後で説明するけそこは大丈夫」

 

友希那「分かったわ」

 

 このジャガイモで紗夜さんやあこちゃんが好きな物を作ろうかな。

 

友希那「出来たわ」

 

蒼真「OK。それでいいよ」

 

友希那「次はどうすればいいかしら」

 

蒼真「次は包丁を使ってもらうけちょっと見よって」

 

友希那「えぇ」

 

蒼真「まず、包丁の握り方やけど…まぁ基本どんな握り方でもいいけど俺はこんな感じで持っとる。柄の所を卵を軽く握るような感じで人差し指で包丁を抑えて残りの指で握る感じ…分かるやか?」

 

友希那「えぇ。何となく分かるわ。前にリサからテニスのラケットの持ち方を聞いたことがあるから」

 

蒼真「あ、そうなんやね。てかリサテニスもやりよったんやね」

 

リサ「うんダンス部とテニス部掛け持ちでやってるよ」

 

蒼真「マジか…それに加えてバンドもやっとるんか…ホントにあんま無理するなよ」

 

リサ「うん!大丈夫だよ。ありがと♪」

 

友希那「…それで次はどうすればいいの?」

 

蒼真「おっと、ごめんよ話が逸れたね。えっとね…持ち方を覚えたら今度は切り方ね。まずさっき残してたジャガイモの両端から切っていくけ。ジャガイモを左手で握るんやけど…友希那って右利き?」

 

友希那「えぇ。右利きよ」

 

蒼真「なら俺の教え方で大丈夫やな。じゃあね、ジャガイモを左手で握る時は指を猫手に…第一関節と第二関節の間を使ってまな板にジャガイモを置いて切って行く。切る時に曲げてないと指を切ったり怪我をするからこういう持ち方をするんよ。分かったやか?」

 

友希那「猫手…(にゃー)…//」

 

蒼真「そう猫手…って友希那大丈夫?顔赤いけど」

 

友希那「え、えぇ大丈夫よ」

 

蒼真「そうか?ならいいんやけど…とりあえずやって見せるけ次やってみて」

 

そう言ってジャガイモの両端を切り落とし、やり方を見せて一緒にやってもらった。

 

友希那「こ、こんな感じかしら…」

 

蒼真「うんうんそんな感じ。慣れるまで難しいやろうけど、少しづつ覚えていけばいいけね」

 

友希那「えぇ。…蒼真は教え方が上手いわね」

 

蒼真「いやいや、そんな事はないやろ。この位は誰でも教えられるって」

 

友希那「なら、蒼真だから上手く感じたのかもしれないわね」

 

蒼真「そ、そうか?そう言われるとなんか照れるな」

 

友希那「ふふっ」

 

蒼真「っ…」

 

 友希那のその少しだけ微笑んだ表情に思わずドキッとしてしまった。

 最近こういう事が多い気がする。何でだろうな…

 

 それから俺は友希那に他の物の切り方を教えて一通り作業を終えた。

 

蒼真「よし、こんなもんかな。手伝ってくれてありがとな友希那」

 

友希那「こちらこそありがとう。凄く勉強になったわ」

 

蒼真「そう?ならよかった」

 

リサ「蒼真ー。こっちも終わったよぉ」

 

蒼真「了解。じゃあリサは友希那と一緒に洗い物ものの方をお願い」

 

リサ「OK~」

 

友希那「分かったわ」

 

 それじゃあ俺も自分のメインを作ろうかね。今日は味濃いめの筑前煮を作る。九州の味を知ってもらいたいから。

 まぁ多分味の濃さが違うだけで作り方はいっしょのはずやけど。

 

 紗夜さんがニンジン苦手だったから少し少なめにしておこう。

 

 あ、作り方の違いといえば他の地方の煮物と違って九州のがめ煮は食材を炒めてから煮るのが主流だ。

 

リサ「へー。そっちでは炒めるんだね」

 

 作業工程を見ていたのかリサが声を掛けてきた。

 

蒼真「そうやね。このほうが味が染み込みやすくなっていいんよ」

 

リサ「なるほどねぇ。あ、やっぱりレンコンも入れるんだね」

 

蒼真「うん入れるよ。リサはレンコン嫌い?」

 

リサ「ん~ん好きだよ。ただうちでは入れてなかったから」

 

蒼真「そっかぁ。まぁそういう家庭もあるよ」

 

 そんな事を話しながら作業を続けそして――

 

蒼真「よーし!完成~」

 

リサ「お、待ってました」

 

蒼真「リサ、友希那。最後にテーブルに列べるのを手伝ってくれんやか」

 

リサ「うん!まかせて」

 

友希那「これを持って行けばいいのね。分かったわ」

 

 テーブルではあこちゃん達が盛大にトランプ大会を開いていた。

 

あこ「紗夜さんトランプ強すぎです~」

 

燐子「確かに…どのゲームでもほとんど勝ってましたね」

 

紗夜「昔からよく日菜に付き合わされていたから出来るようになっただけです」

 

蒼真「皆お待たせ~料理出来たよ」

 

 初めに反応したのはやっぱりあこちゃんだった。

 

あこ「うわ~美味しそ~」

 

燐子「ホントだね。凄く…美味しそう」

 

紗夜「に…ニンジン…」

 

蒼真「ごめんな紗夜さん。やっぱりこの筑前煮にはニンジンは欠かせんけ入れさせてもらった。そのかわりと言っちゃなんやけど、紗夜さんの好きなフライポテトも作ったけさ」

 

紗夜「え!?家で作れるものなんですか?」

 

 やっぱりポテトの話には凄く食いついてくるなぁ。

 

蒼真「まぁ簡単な作り方やけねこのくらいやったら作れるよ」

 

紗夜「それでも凄いです」

 

蒼真「そう?まぁよかったら食べて」

 

紗夜「はい。ありがとうございます」

 

リサ「はい皆これがアタシと蒼真がそれぞれ作った筑前煮だよ」

 

あこ「すごーい!どっちも美味しそう!」

 

燐子「そうだね。…同じ筑前煮ですけど個性が出ていますね」

 

友希那「そうね。リサの作る筑前煮はよく食べてたから美味しいのは知ってるから今回は蒼真の作った筑前煮が気になるわね」

 

リサ「そうだねぇ。楽しいだよ~蒼真の作った筑前煮 」

 

蒼真「口に合えばいいけど。じゃあ食べようかね」

 

リサ「うん♪じゃあいただきます」

 

「「「「「いただきます」」」」」

 

 早速リサの作った筑前煮を食べてみた。

 

蒼真「うん…凄く美味い。味付けも丁度いいね。流石リサやね」

 

リサ「そう?蒼真の筑前煮もすっごく美味しいよ!炒めるだけでもこんなに味が違うんだね」

 

友希那「よく分からないけれど凄く美味しいわ」

 

蒼真「そっか。よかった」

 

紗夜「フライポテトも塩加減が絶妙でとても美味しいですよ」

 

あこ「リサ姉も蒼真さんもお店で作っている物をみたいに美味しいです!」

 

燐子「筑前煮も…少し味が濃いですけど…食べやすくて美味しいです」

 

 皆美味しそうに食べてくれてよかった。

 

蒼真「こうやって皆で食事するのは凄く楽しいな」

 

リサ「そうだね~今度また開こうよ!」

 

紗夜「はい。是非また開きたいですね」

 

蒼真「お、珍しく紗夜さんも乗ってきたね。そんなに美味かった?」

 

紗夜「え、えぇ。2人の料理はとても美味しかったです」

 

 皆頷いていて同じ意見だったようだ。

 

蒼真「そっか。作った甲斐があったよ。またこうして集まろうか」

 

友希那「えぇ。そうね」

 

 

☆★☆★☆★☆★

 

 

sideリサ

 

 

 それからしばらくして片付けも終わり皆でトランプをしていた。

 

蒼真「よし、これで上がりだ」

 

リサ「うひぁ~蒼真強いねぇ」

 

蒼真「いやいや、皆も強いよ。俺もかなりのギリギリやったし」

 

燐子「氷川さんでも…少ししか勝てなかったから凄く…強いと思います」

 

紗夜「私は自分がそんなに強いとは思ってないですけど…でも悔しいですね。今度またしましょう」

 

 紗夜がギター以外で悔しそうにしてるの初めて見たかも。でもこっちの方が凄く可愛らしいと思うなぁ。

 

友希那「そろそろ時間も時間だしお暇しましょうか」

 

蒼真「あ…ホントやね。ちょっと熱中し過ぎたな」

 

ホントだあこ達も帰らせないといけないしいい時間かな。

 

蒼真「じゃあすぐ近くまで送るよ」

 

紗夜「いえ、それは悪いですよ」

 

蒼真「せっかく来てもらったんやけそのくらいはせんと。それに…ほら見て」

 

あこ「…スゥー…スゥー…」

 

燐子「あこちゃん…寝ちゃってますね。ふふっ可愛ぃ♪」

 

リサ「気持ちよく寝てるねぇ」

 

友希那「そうね。起こすのは少し可愛そうね」

 

蒼真「やけ、おぶって行こうと思う」

 

え!…と思ったけど、アタシ達じゃあおぶって行けない事に気づいたから何も言わなかった。…一瞬いいなぁと思ってしまった。

 

友希那「…そう…その方が良さそうね」

 

紗夜「…ではお願いしますね」

 

蒼真「了解。あこちゃん、帰るよ~」

 

あこ「…ん~…は~い…お兄ちゃん…」

 

リサ「お、お兄ちゃん!?」

 

蒼真「し~…静かにね」

 

リサ「あ…ごめん…」

 

 思わず声を上げてしまった…

 

蒼真「いやいいよ。あこちゃん寝ぼけとるみたいやね」

 

リサ「そうみたいだね」

 

蒼真「ヨイショっと」

 

 あこを背中に載せて玄関の方に向かった。

 

 蒼真ってホント頼りになるなぁ。

 

 

☆★☆★☆★☆★

 

 

蒼真「で、結局リサ達も付いてくるんやね」

 

リサ「うん!蒼真帰り道分からなくなりそうだからね」

 

蒼真「あ…確かにそうやん…」

 

 たまに蒼真はおっちょこちょいな所があるなぁ。ちょっと可愛い。

 

リサ「あはは♪蒼真たまに抜けてるね」

 

蒼真「…そんな事はないと思っとったんやけどなぁ…」

 

蒼真「あこはどうかなまだ寝てる?」

 

あこ「…スゥー…スゥー…」

 

友希那「よく寝ているわね」

 

 あこ寝てる姿可愛いなぁ。

 

 そんな事を話しているうちにあこの家に着いた。

 

燐子「ここがあこちゃんの家です」

 

リサ「巴にはもう連絡してあるからもう出てくるはずだよ」

 

蒼真「巴?」

 

リサ「あ、そっか蒼真はまだ知らないんだよね。巴はあこのお姉ちゃんでアタシ達と同じ学校だよ」

 

蒼真「そうなんや」

 

リサ「うん。で、アタシ達の1個下でAfterglowって言う幼馴染みで集まったバンドでドラムをやってるんだよ」

 

蒼真「おぉ!凄いねぇ。じゃああこもそのお姉さんに憧れてバンドを始めたのかな?」

 

リサ「うん。あこもそう言ってたよ」

 

 話しているうちに巴が出てきた。

 

巴「皆さんすみません。送ってもらっちゃって」

 

蒼真「いえ、大丈夫ですよ」

 

巴「あなたは…」

 

蒼真「あ、紹介がまだでしたね。俺は九重蒼真ですよろしくです」

 

巴「ああ!あことつぐみがよく話してた人かぁ。アタシは宇田川巴ですよろしくお願いします!」

 

蒼真「ん?つぐみちゃん?」

 

リサ「さっきも言った通りAfterglowは幼馴染みの集まりでつぐみもその1人なんだよ」

 

蒼真「あ、そうなんやね。世間って狭いねぇ」

 

巴「ですね。あ、今日はありがとうございました!ご馳走まで頂いたみたいで」

 

蒼真「いやいや、好きでやった事だから気にしなくていいよ」

 

巴「はい!…あこ!そろそろ家入るぞ」

 

あこ「…はーい。あ、皆さん今日はありがとうございました…おやすみなさい…ふぁ…」

 

巴「じゃあ失礼しますね。ホントにありがとうございます!また何かあったらよろしくお願いします!それじゃ」

 

蒼真「元気が良いなぁ。流石あこちゃんのお姉さんやね」

 

リサ「そうだねぇ。それじゃあアタシ達も帰ろうか」

 

燐子「はい。私は家がすぐ近くなのでここまでで大丈夫です」

 

紗夜「私もここで大丈夫です」

 

蒼真「そっか。じゃあまた明日ね」

 

紗夜「はい。明日は皆さん頑張って下さい」

 

リサ「うん!頑張るよ~」

 

友希那「ほどほどに頑張るわ」

 

リサ「友希那は相変わらずだねぇ」

 

 そう言いながら帰路に着いた。そして――

 

蒼真「じゃあまた明日な」

 

リサ「うんまた明日」

 

友希那「今日は誘ってくれてありがとう」

 

蒼真「気にせんでいいよ。じゃ」

 

リサ「はーい」

 

蒼真が扉を閉めるのを確認してアタシ達も家に入ろうとした。

 

 

 

友希那「ねぇ。リサ…」

 

リサ「ん?なーに友希那」

 

友希那「……いえ、やっぱり何でもないわ」

 

リサ「え~気になるじゃん」

 

友希那「そのうちまたちゃんと話すわ。それまで待って頂戴」

 

リサ「う、うん分かった」

 

 えらく友希那が真剣な表情だったから少したじろいでしまった。

 

友希那「それじゃあまた明日。おやすみなさい」

 

リサ「おやすみ~」

 

 うーん…何だったんだろう…気になるなぁ。まぁ今気にしてても仕方ないし明日の為にアタシも寝よっと。

 

 そうしてアタシも部屋に戻った。

 

 

 

 

 




読了ありがとうございます。

いつになったら定期的に書けるのでしょうか…
楽しみにして頂いて今皆様には大変お待たせしております。

今回はいつもの倍詰まってしまいました。分けても良かったのですが今回はこのような形にしました。


次回からは特に不定期になると思うのでいつも楽しみにして頂いたいている方々。また今しばらく気長にお待ちください。

それではまた次回
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