今回から主人公ががっつり登場してくるのでどうぞよろしくお願いします。
第1話:これから始まる物語
っピピピ!っピピピ!っピピピ!カチャ…
?「ふぁ~…よく寝た」
朝6時。気持ちのいい日差しと共に鳴る目覚ましを消し起き上がる俺――
蒼真「さて、朝飯を作りますかね。親父は…あぁもう仕事に出とるんかぁ」
そう言って俺は朝食を作り始めた。
蒼真「今日は何を作ろうかなぁ。親父もまた出張で一時おらんから朝は簡単なもんでいいかなぁ」
父は引っ越してきた来たばかりにも関わらず即出張に出てしまっている。ホントいつも父の仕事は大変だなぁと思いつつ、こうやって生活出来るのも父のお陰だと思い感謝しながら生活していた。
蒼真「今日は納豆と味噌汁、後目玉焼き…と完成。ご飯はオカズ…なんてな」
どこかで聞いたことのあるようなフレーズだけど、そんなことは気にせず急いで朝食を済ませた。
蒼真「よし。今日は転校初日。遅刻するのもアレやから早めに出ますかねぇ」
こっちに越してきてまだ日が浅いから散歩がてら早めに出ることにした。・・・日が浅いと言ってもすでにこっちに来て1ヵ月は経っていた。諸々の事情や手続きに時間がかかってしまい今に至るのだ。
蒼真「いってきまーす」
素早く行く準備を済ませた俺は家の鍵を掛け少し早足で学校に向かった。なぜ早足かと言うと、さっきも言ったがまだ町に慣れてないから。学校に行くついでに町や商店街などを散策して回るためだ。
☆★☆★☆★☆★☆★
蒼真「お、あそこはパン屋かな?美味そうな匂いやなぁ。名前は…やまぶきベーカリーか…帰りに寄れたら寄ってみようかな」
商店街の入口付近で最初に目が止まったのは山伏ベーカリーというパン屋だった。他にも北沢精肉店や羽沢珈琲店など気になる店が多々あった。
蒼真「へぇーこの商店街は色々良さげな店が沢山あるなぁなかなか賑わってそうやし」
ここまで朝から活気のある商店街俺は見たことがなかった。前の地元の商店街はシャッターが降りてるところばっかりだったからなぁ。
蒼真「おっと、そろそろいい時間やし今度こそ学校に向かいますか…」
そうして俺は商店街を抜けて学校方面の住宅街へと足を運んだ。
☆★☆★☆★☆★☆★
蒼真「でもアレやなぁ住宅街はどこもあまり変わり映えはしないもんやなぁ…」
とつぶやきながら歩いていると、細道の角で俺は思いがけない出来事に遭遇した。
タッタッタッ
?「うゎ~!部活の朝練遅刻しちゃう~!っキャ!?」
ドン!
蒼真「うお!?」
?「いったたぁ…」
勢いよく走って来た女の娘とぶつかってしまった。
蒼真「だ、大丈夫ですか?」
?「…へ!?あ!ご、ごめんなさい!ぶつかっちゃって」
蒼真「自分は大丈夫ですよ。それよりこっちの方こそすみません。よそ見してて走ってくるの気づきませんでした。怪我とかは無かったですか?」
?「あ、ハイ!大丈夫です。お気遣いありがとうございます♪」
蒼真「いえいえ自分は何もしてないですよ。それより大丈夫ですか?時間とか。急いでたみたいですけど」
?「っあ!そうだった!それじゃあ失礼しますね~!」
蒼真「はい。道端には気をつけて下さいね~!」
タッタッタッ
?「は〜い!ありがとうございま~す!」
タッタッタッ…
蒼真「お、足速いなぁ運動部か何かやっとるんやか?ってそろそろ俺も時間ヤバイな…俺も走るか」
そして俺は彼女とは別の方向から学校へ走って向かった。
ギャルっぽい娘やったけど、見た目と違って礼儀正しくていい娘そうだったなぁ。
蒼真「あれ?そういえばさっきの娘の制服、羽丘の制服じゃなかったやか?…ま、考えても仕方ない。急ご」
☆★☆★☆★☆★☆★☆★
sideリサ
キーンコーンカーンコーン
ガラガラっ
席についたアタシは部活の朝練の後もあって暑かったから下敷きで顔を扇いでいた。
リサ「いや~部活にも間に合ってよかったぁ」
朝だけでかなり疲れちゃったよぉ。あ…さっきの人…大丈夫だったかな?見た感じ彼も学生ぽかったけど…
リサ「あれ?あの制服どっかで見たことあったような…」
?「リサちー何ブツブツ言ってるの?」
リサ「あ、日菜。おはよー」
考え事をしていると、日菜に声を掛けられた。
日菜「おはよー♪で神妙な顔してどうしたの?」
リサ「そんな顔してたかなぁ…」
日菜「してたよー」
リサ「まぁいいや…さっきね――」
寝坊して急いでいたこと。途中で男の人とぶつかっちゃったこと。その人の制服がどこかで見たことがあるような気がしたこと。この時間までにあった出来事を日菜に伝えた。
日菜「そうなんだー♪なんだかルン♪ってするね♪」
リサ「いつも思うけどそのルンって何?」
日菜「ルンはルン♪だよ」
リサ「…まぁいっか。いつもの事だし」
そんなこんな話しているうちに担任の先生が教室に入ってきた。
先生「みんな席に着いてー。今日はみんなに大事なお話があります」
大事な話?なんだろ…
先生「みんなも知っていると思うけど、今年からうちの学校は共学になりました。1年生にもチラホラ男子生徒がいると思います。しかーし!あなた達2,3年生には男子生徒が居ないという事実…あぁ…あなた達はなんて悲しい人生を歩んでいるのでしょうか」
先生どうしちゃったの?頭でも打ったのかな…
先生「だけど安心しなさいあなた達…そんな悲しい人生もここまでよ!転校生を紹介しましょう。入ってきなさい!」
…いや…この状況で転校生って…入って来にくいだろうなぁ…
ガラガラっ…
?「…先生…そんな煽り方しないで下さいよ。無茶苦茶ハードルが上がっちゃうじゃないですか」
先生「何を言うの。この方が盛り上がるでしょ♪」
?「…ハァ…まぁいいや。ご紹介に預かりました…ん?預かったのか?九重蒼真と言います。中途半端な時期の転入となりますがどうぞよろしくお願いします」
シーン鎮まり返った教室…みんなが一斉に叫ぼうとしていたけど、アタシは思わず席を立ち上がって先に叫んでしまった…
リサ「っあーー!!?さっきの人!?」
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
side蒼真
遡ること数十分前――
?「ごめんなさいね手続きが遅れちゃって」
蒼真「大丈夫ですよ理事長先生。お陰さまでこの辺りの地理には大分慣れてきましたし1ヶ月の間でしたけどアルバイトもできたので」
理事長「そう言ってもらえると助かるわ♪」
あれから俺は無事羽丘学園に着き今は理事長室でクラスなどの確認などをしていた。
理事長「じゃあ君は2年A組に転入してもらいます」
蒼真「分かりました」
コンコン
?「失礼します」
理事長「お、ちょうど良かった。蒼真くん彼女が君のクラスの担任だ。先生説明が終わったので早速クラスに案内してあげて下さい」
先生「分かりました。九重くん今日から私があなたの担任です。よろしくね♪」
蒼真「よろしくお願いします」
先生「じゃあ教室に行きましょうか」
蒼真「はい」
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
キーンコーンカーン
教室の前で止まり先生は俺に声を掛けてきた。
先生「じゃあちょっと待っててね。みんな発表してくるから。呼んだら入ってきてね」
蒼真「了解です 」
先生「場は暖めておくから♪」
蒼真「いや、そこまでしなくても大丈夫ですよ」
先生「いいからいいから♪」
…何だか嫌な予感がするな…
ガラガラっ
先生「みんな席に着いてー。今日はみんなに大事なお話があります」
先生「みんなも知っていると思うけど、今年からうちの学校は共学になりました。1年生にもチラホラ男子生徒がいると思います。しかーし!あなた達2,3年生には男子生徒が居ないという事実…あぁ…あなた達はなんて悲しい人生を歩んでいるのでしょうか」
先生「だけど安心しなさいあなた達…そんな悲しい人生もここまでよ!転校生を紹介しましょう。入ってきなさい!」
いや…逆に入りずらくなったし…場を暖めるって言ってたけど冷めちゃってるんじゃ…
ガラガラっ…
蒼真「…先生…そんな煽り方しないで下さいよ。無茶苦茶ハードルが上がっちゃうじゃないですか」
先生「何を言うの。この方が盛り上がるでしょ♪」
蒼真「…ハァ…まぁいいや。ご紹介に預かりました…ん?預かったのか?九重蒼真と言います。中途半端な時期の転入となりますがどうぞよろしくお願いします」
…ほら。場が暖まるどころか冷えきってるじゃん…
そんなことを思っていると突如大きな声が響き渡った。
リサ「っあーー!!?さっきの人!?」
蒼真「ん?…あ!君はさっきの!」
こうして俺と彼女はものすごく早い再会をした。
如何だったでしょうか。
主人公は素だと結構訛りや方言が入ったりしますがあまり気にしないで下さい。心理描写は標準語で語っている様な感じにして行こうと思います。
蒼真達はこれからどうなって行くんでしょうかね。
次回もまた見て頂ければ幸いです。
それまた