日常と恋模様に祝福を   作:Syo5638

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第9話:テーマパークにて①

 

 

 という訳で、皆とテーマパークへやってきた。

 

 テーマパークに行くのは何年かぶりだったから俺は密かに楽しみにしていた。

 

 それは皆も同じだったようだ。あこちゃんはもちろんのこと、意外にも紗夜さんも楽しみにしているようだ。あの紗夜さんが「早く行きますよ」なんて言うとは思っていなかった。

 

「それにしても、夏休みだから平日でも人は多いねぇ」

 

 話を切り出してきたのリサだった。いつも会話が途切れるとつなぎ止めてくれるからホントに助かる。

 

「まぁ夏も後半やけねぇ。あ、そういえば…燐子ちゃんは大丈夫?前に人混み苦手って言っとったけど」

 

「あ、はい。何とか…大丈夫です。今日は…皆がいてくれるので…」

 

「そっか。ならいいんやけど。無理はせんようにね」

 

「はい。ありがとうございます」

 

 燐子ちゃんも以前に比べたら少し人にも慣れてきたようだ。

 

 そういえば、このテーマパークは今期間限定で某宇宙をテーマにしていた遊園地をモチーフに様変わりしているようだ。

 

 何だか凄く懐かしく感じる。

 

「はぁ~すごいな……ここまで作り込まれとるんかぁ…」

 

「蒼真はここに来たことあるの?」

 

 不意にリサから質問を受けた。

 

「いや、ここには来たことないよ。ただ、ここに…というかコレをモチーフにしたであろう場所には行ったことがある」

 

「へぇ~!そうなんだねぇ。後でその話聞かせて」

 

「分かった。また後でな」

 

 そして俺達は園内に入っていった。

 

 中に入るとそこには懐かしい風景が見えた様な気がする。

 

「なるほど……ここまで作り込まれとるなら色々と案内も出来るかもな……」

 

「そんなに似てたの?」

 

「うん。物凄く似とる。ホントよくここまで作りこんだなと思うくらい」

 

「へぇーそうなんだねぇ!それは確かに凄いね」

 

 リサと話をしていると…

 

「ねぇねぇ!蒼真さん!早くアトラクションに乗ろ!」

 

 あこちゃんが凄くはしゃいだ様子で服を引っ張った。

 

「分かった分かった。どこから行きたい?」

 

「ん~と……」

 

 少し考え──

 

「あれに乗りたいです!」

 

 あこちゃんが指さしたのは何個かあるうちの1つのジェットコースターだった。

 

「ジェットコースターかぁ……うーん…流石にいきなりは後がきつくなるんじゃないかなぁ」

 

「そうですか?」

 

「まぁ苦手な人もおるやろうけ最初は緩いのから行かん?」

 

「分かりました!じゃあ……メリーゴーランドで!」

 

「ん。じゃあ行こうか」

 

「はーい!」

 

 そう言ってあこちゃんは燐子ちゃんの元に行き歩き出した。

 

「蒼真、何だかお兄ちゃんみたいだね」

 

「そうか?俺、兄弟とかおらんけ分からんけど」

 

「アタシも今まで兄妹とかいなかったから分からないけど、周りの姉妹や兄妹を見てたら何となくね」

 

「そうなんかなぁ」

 

「うん!頼り甲斐があってカッコよかったよ」

 

「そ、そっか…」

 

 そう言われると嬉しいけど、何だかこそばゆい。

 

「ん?と言うか、ちょっと含みのある言い方やったような気がするんやけど……兄妹いなかったって…?」

 

「あ、うん。改めて言おうと思ってたんだけど、今度家に新しい家族ができるの 」

 

「あ、マジか!それはめでたいね」

 

「うん!あ、でもこの話もおいおいね。アタシも昨日聞いたばかりでビックリしてるんだ。だからまだ色々と整理出来てないの」

 

「それはホントに驚きやな……うん。分かった。今度色々と聞かせてくれよな」

 

 凄くめでたい事を聞いたな。

 

「うん♪あ、皆先行っちゃう。早く行こ!」

 

「あ!ちょ!引っ張るなって!」

 

 リサに手を引かれ皆の元まで走った。

 

 ダメだ……最近リサの前だと平静を保てない時がある。何でだろう……

 

 そうこうしているうちにメリーゴーランドど前までやって来ていた。

 

 皆運良く乗れていたが……

 

「残り1枠は二人乗りとなってます!」

 

 とスタッフの人が声を掛けてきた。

 

「マジか……」

 

 流石に2人で乗るのはリサも気が引けるよな…

 

 と、そう思っていると…

 

「……ちょっと恥ずかしいけど、せっかくだし一緒に乗ろ?」

 

「いいと…?俺とで嫌じゃない?」

 

「……嫌…じゃないよ。……蒼真となんだから嫌なわけないじゃん」

 

 そう言われると断れる訳がない。

 

 そして、少し照れくさそうに話すリサは何だかいつもと違ってしおらしく印象的だ。

 

「…そっか。じゃあ乗るか」

 

 そう言って俺達は最後の1頭に乗った。俺は前に股がる形で、リサは後ろに横向きで座る形で乗った。

 

「ふふっ。何だか王子様とお姫様みたいだね」 

 

「……どうやろうな……」

 

 照れくさくてあまり言葉が出てこない。

 

 そしてメリーゴーランドは回り始めた。

 

「いやぁ凄く久しぶりに乗るから楽しね~」

 

「そりゃよかった」

 

「蒼真は楽しくない?」

 

「そんな事ないよ。ただ…」

 

「ただ?」

 

「小さい時以来やし、今乗るとなると気恥ずかしくてな」

 

 それに、後ろにはリサも居るし。

 

「あはは~♪確かに男の人ってあまり乗ってないイメージあるね」

 

「今も数人しか乗ってないしな」

 

「他の人達はカップルで乗ってるみたいだねぇ」

 

「みたいやなぁ。……うーん…他の人から見ると、俺らもカップルに見えるんかなぁ…?」

 

 何気なく言った一言だったが、すぐに地雷を踏んでしまったと思った。

 

「うぇ!?そ、そうかな?ど、どうだろー……」

 

 そして少しの間沈黙が続いた。

 

「…何かごめん。変な事聞いて」

 

「いやいや、そんな事ないよ?ちょっとビックリしただけ」

 

「そうか?ならいいんやけど」

 

「うん♪」

 

 それからしばらくの間リサは凄く上機嫌だった。何でだろう……?

 

 メリーゴーランドが終わり、次のアトラクションはどこに行くか皆で話し合っていた。

 

「うーん…次はどこに行こっかなぁ?」

 

 あこちゃんはどこに行きたいか迷っている。

 

「友希那と紗夜さんはどっか行きたい場所とかある?」

 

 2人にも行きたいところがないか聞いてみたが…

 

「私は特にないわ」

 

「私も今回色々と忙しくて調べる暇がなかったので、皆さんにおまかせします」

 

「そっか。了解」

 

 そうだよなぁ。事前に調べてないと中々決まらないよなぁ。

 

「とりあえず、空いてるところから行こうか」

 

「はーい!」

 

 あこちゃんが元気よく返事をし、また歩き出した。

 

 歩きながら辺りを見渡していると目に止まったのは……

 

「室内ジェットコースターか……ふむ…」

 

「へぇー室内でもジェットコースターってあるんだねぇ」

 

「そうやな。これは何となく想像出来るけど楽しいと思うよ」

 

「そっかぁ♪人も少なそうだしここにしよっか」

 

「俺はいいけど、皆はどうやか?」

 

「あこも賛成です!」

 

「私も…人が少ないなら…いいと思います」

 

「そうですね。人が少ない方が皆で乗れるので良いと思いますよ」

 

「私はどちらでも構わないわ」

 

「じゃあここにするか」

 

「OK~♪皆行こっか」

 

 次に行く場所が決まった。

 

 この室内ジェットコースターもあの場所に似せているならかなり迫力があって楽しめると思う。

 

 中に入ると意外と人がいてしばらく順番待ちをした。

 

 待っている間は飽きることなく皆色んな話をしていた。

 

 やっぱり女の子は話が尽きないな。いや、ホントに凄いと思う。俺は話すのは好きな方だが何分口下手で話を続けられない。だからリサが合いの手を入れてくれるのは本当に助かっている。

 

 とまぁそんな事はいいとして、皆と話している内に順番になった。

 

 




読了ありがとうございます。

いつも投稿が遅くてすみません。

まだ納得出来るものにはなっていないですけど、まずは上げていかないとと思い今回少ないですが投稿した次第です。

中々悩むシーンが多くまだ時間はかかると思いますが、しっかり書き上げていきたいと思いますので何卒よろしくお願いします。

ではまた次回

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