日常と恋模様に祝福を   作:Syo5638

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こんにちはこんばんは。syoです。

自分が思っていたよりも早く更新が出来ていることに驚いている今日このごろです。

不定期な更新ではあると思いますが、どうぞよろしくお願いします。


第2話:コミュ力オバケ

 

side蒼真

 

 

っザワザワ…

 

 教室の娘達がいっせいにザワつき始めた。

 

?「ど、どうしたの?リサちーそんな大きな声出して」

 

リサ「日菜!さっき言ってた人!」

 

日菜「嘘!?ホント!?なんかルルンっ♪って感じだー♪」

 

先生「ハイハイみんな静かにー。九重くん、今井さんと知り合い?」

 

蒼真「あ、いやそういう訳じゃないですけど学校に来る途中で出会ったと言いますか…」

 

 ぶつかって出会ったとか流石に言えない。

 

先生「そうなんだぁ。凄い偶然ね!じゃあその偶然ついでに今井さんの隣が今まで空席だったからそこに座って♪」

 

蒼真「あ…はい分かりました」

 

 本当に凄い偶然だ…朝ぶつかった娘がまさか同じクラスだったとは…世間って狭いものなんだなと思った瞬間だった。

 

蒼真「えっと、よろしくね。今井さん?でいいのかな」

 

リサ「あ、うん。よろしく♪今井リサです」

 

蒼真「改めて、九重蒼真です。いやぁでもビックリだね。まさか一緒のクラスになるなんて」

 

リサ「そうだねぇ。こんな偶然ってあるんだね」

 

蒼真「制服は見たことがあったからいつかは会うかもしれないなぁとは思ってたけど、まさか出会って数十分で再会するとはホントに思わなかった」

 

リサ「あ!そっか。アタシもその制服どっかで見たことあると思ってたけど、うちの学校の制服だったのかぁ納得。アタシもこんなに早く再会するなんて思わなかったよぉ」

 

 今井さんも似たような事を思っていた様だった。

 

蒼真「そういえばさっき大分急いでたけど大丈夫だった?」

 

リサ「あ、うん大丈夫だったよ♪気遣ってくれてありがとう♪あと、ぶつかっちゃってホントごめんね」

 

蒼真「全然気にしてないから大丈夫だよ。それにほら俺もよそ見しちゃってたからさ、お互い様って事でこの話は終わりにしよ。授業も始まるし」

 

リサ「OK~。じゃあまた後で話しよ」

 

蒼真「了解」

 

 とは言ったものの…休み時間になる度にクラスの娘達から質問攻めにあっていた。

 

 

☆★☆★☆★☆★☆★☆★

 

 

 あっという間に昼休みになっていた。

 

蒼真「あ、ヤベ…飯買ってくるの忘れた…ハァ何で商店街行った時に気づかんかったんやかぁ…」

 

 仕方ない。購買所に行って何か買ってくるかぁ

 

リサ「うちの購買所ものすごく人気だからこの時間だともう売り切れてると思うよ」

 

蒼真「うぉ!?ビックリしたぁ…マジかぁ…どうしよ」

 

リサ「あはは♪そんなビックリしなくてもいいじゃん。あ!そうだ。じゃあ一緒にお昼食べない?」

 

蒼真「一緒に?いや俺、飯ないんやけど…」

 

リサ「お母さんがご飯作りすぎちゃったみたいで、アタシ1人じゃ食べ切れそうにないから一緒に食べないかなぁと思って」

 

蒼真「友達とかに分けたりしないの?」

 

リサ「いつもだったらしてるけど、目の前に困っている人がいたら放っておけないから」

 

 不覚にも俺は、今井さんの何気ない優しさと仕草に一瞬ときめいてしまった。

 

蒼真「そ、そっか。じゃあお言葉に甘えさせてもらおうかな」

 

リサ「うん♪そう来なくちゃね!蒼真♪」

 

蒼真「…っえ!?いきなり名前?しかも呼び捨て!?」

 

 今日は本当にビックリさせられることばかりだ。

 

リサ「九重くんってなんか言いにくいし、呼び捨ての方が気楽に話せてイイじゃん?」

 

蒼真「イイじゃんって…まぁ今井さんがいいなら「リサ」…え?」

 

リサ「アタシのことはリサって呼んでね♪」

 

 えぇ…まじか。俺、女の子を名前で呼んだこととかないんだけど…

 

蒼真「呼び捨て?」

 

リサ「うん♪」

 

 しかも呼び捨て…

 

蒼真「…拒否権は?」

 

リサ「ないです」

 

 やっぱり…とおもわず小さく呟いた。まぁでも今井さんには色々感謝しないといけないこともあるし、そのくらいならいいかなと思った。

 

蒼真「…分かった。リサ…これでいいか?」

 

リサ「うん♪それでいいよぉ。じゃ屋上に行こっか」

 

蒼真「屋上?」

 

リサ「っそ。幼馴染の子といつも屋上で食べてるからねぇ」

 

蒼真「そっか。でもいいと?2人の邪魔しちゃって」

 

リサ「邪魔なんかじゃないよぉ。アタシの方から誘ったんだからさ」

 

蒼真「…ならいいんやけど」

 

リサ「さっきから思ってたけど、蒼真ってたまに訛ってたりするね」

 

蒼真「あ…しまった…」

 

 1人の時以外は常に標準語を意識はしてたんだけどなぁ…

 

リサ「でもいいんじゃない?そんなに隠さなくても。そっちの方が蒼真らしくていいと思うよ」

 

蒼真「…リサには敵わんなぁ。リサはコミュ力が高いみたいやけん前から慣れ親しんだ感覚やったから思わず素が出とったみたい」

 

リサ「うんうん♪そっちの方が蒼真らしさがあっていいと思う♪」

 

 リサは凄いなぁ。いきなり転校してきた俺にこんなにも気さくに話しかけて来てくれて。正直、元女子高ってこともあって色々不安で、ハブられたりするんじゃないかとか勝手に思ってたけど…リサが居てくれてホント良かったと思う。

 

蒼真 「…なんか…ありがとな。色々気ぃ使ってくれて」

 

リサ「どうしたの?いきなり。気なんて使ってないよ。ただアタシがお節介なだけだから」

 

蒼真「いや、それでも。ありがとう」

 

 気付いたら俺は笑顔でお礼を言っていた。…いきなり笑顔でお礼とか気持ち悪くなかったかな…気づいたらそうなっていたのだから仕方がない。

 

リサ「ッ…さ!そろそろ行こっか。時間ももったいないし」

 

蒼真「そうやね。行こうか」

 

 

 

☆★☆★☆★☆★☆★☆★

 

 

sideリサ

 

 アタシ達は急いで屋上へ向かっていた。

 

 …さっきのはずるいよぉ…ただでさえ今日は色々あって意識しちゃってるのに…

 

 どうしちゃったのかなアタシ…いや、漫画や小説の読みすぎだよねきっと。

 

 今日あった出来事は恋愛漫画や小説に出てくる様なことばっかりだったからかそのせいだよね?と思い気を取り直した。

 

リサ「この上の階が屋上だよー」

 

蒼真「なるほどここが屋上か。大体道順は覚えた」

 

リサ「お?覚えるの早いね」

 

蒼真「まぁね。散歩が趣味やけねぇ」

 

リサ「あはは♪何それ。おじいちゃんっぽいよ」

 

蒼真「っはは。よく言われとった」

 

 そんなことを話しながらアタシは幼馴染が待つ屋上の扉を開けた。

 

ガチャ

リサ「ごめーん友希那!待った?」

 

友希那「いいえ。私も今さっき来たばかりよ」

 

リサ「そっかぁ。よかった♪」

 

友希那「…で、そちらの方は?」

 

リサ「あ、ごめん!連絡するの忘れてた!」

 

蒼真「まぁ、色々とバタバタしてたからね」

 

リサ「友希那。この人が今日転校してきた九重蒼真くん」

 

蒼真「九重です。よろしくです」

 

リサ「で、こっちが幼なじみで親友の湊友希那」

 

友希那「湊です。よろしく」

 

蒼真「…」

 

リサ「さて、自己紹介も終わったことだしお昼にしよっか。はいこれ、蒼真の分」

 

蒼真「…あ、あぁ。ありがとう」

 

「「「いただきます」」」

 

友希那「でも…リサがいきなり男の子を連れてくるなんてビックリしたわ」

 

リサ「あはは…実はね――」

 

 今日あった出来事をアタシは、お昼ご飯を食べながら大まかに友希那に伝えた。

 

リサ「――って事があって、ここに連れてきたの…って蒼真。大丈夫?さっきからぼーっとしてるけど」

 

蒼真「…ん?あ!ごめん。ちょっと考え事してた」

 

友希那「そう…それにしても2人共随分仲がいいようね。いきなりリサが彼を連れてきたから恋人が出来たのかと思ってしまったわ」

 

リサ「っえ!?ッ…そ、そんな訳ないじゃん!?今日出会ったばっかりなのに!」

 

蒼真「そうだな。こんな可愛くて気もきいて優しい娘、俺には勿体ないよ」

 

リサ「///…も、もういいじゃん…!この話は終わりにしよ!」

 

友希那「ふふっ。そうね。リサの恥ずかしがってる顔も見れたし、よしとするわ」

 

リサ「またアタシ友希那弄られたの!?うぅ…最近友希那が怖いよぉ…」

 

 って言うか蒼真も何であんな事サラッと言えるの!?すっごく恥ずかしいんだけど…

 

蒼真「てか、今更だけど2人共俺に対して認識が甘すぎないか?彼氏とかに怒られたりとかしないか?」

 

リサ「…アタシ、彼氏いた事ないよ?」

 

友希那「私も、音楽にしか興味が無かったらかいないわね」

 

蒼真「そ、そうか…なんかすまん。てっきり居るもんだと思ってた。2人共美人だからさ」

 

「「……っ」」

 

リサ「蒼真…何でそういう事サラッと言っちゃうの?」

 

蒼真「そういうこと?」

 

リサ「あ、無意識で言ってるんだ…」

 

蒼真「?…あ、そういえば湊さん。何か音楽やってるの?さっきそんなこと言ってたから」

 

友希那「友希那でいいわよ」

 

蒼真「え?いやで「リサは呼び捨て出来て私には出来ないの?」…いえ、そんなことは…ないです」

 

友希那「なら、呼び捨てにしなさい。私も蒼真と呼ぶから」

 

蒼真「…分かった。友希那。これでいいか?」

 

友希那「えぇ。いいわよ」

 

リサ「あれぇ…友希那ってそんなに積極的だったっけ?」

 

友希那「…それで、何の話だったかしら?」

 

リサ「…今、話逸らさなかった?」

 

蒼真「いや、やから何か音楽をやっとったと?って話」

 

友希那「そうだったわね。というか素が出てるわよ」

 

蒼真「え?あ…またやってしまった」

 

友希那「素の方がいいと思うわ」

 

蒼真「…それ、リサにも言われた」

 

友希那「…そう」

 

リサ「…てかまた話が脱線してるよー」

 

友希那「そうね。…私達はバンドを組んで音楽活動をしているわ」

 

蒼真「そうなんか…ん?私達?」

 

リサ「あれ?言ってなかったっけ?アタシも友希那と一緒にバンド組んでるんだよ♪ちなみにアタシはベースで、友希那はボーカル」

 

蒼真「へぇ。そうやったんか」

 

友希那「よかったら今度練習見に来る?」

 

蒼真「え?いいん?」

 

リサ「友希那がいいって言ってるんだからいいに決まってるじゃん♪」

 

蒼真「なら是非行かせてもらおうかな。俺も音楽好きやけね」

 

友希那「そう。なら私からメンバーに伝えておくわ。今日は練習はお休みだから、明日でもいいかしら」

 

蒼真「俺は全然構わんよ。まだ予定とか特にないし」

 

友希那「なら明日の放課後ということで」

 

リサ「じゃあ色々予定も決まったし、早く食べてしまって教室に戻ろっか。そろそろ予鈴もなりそうだし」

 

蒼真「そうやな。じゃあ友希那。また」

 

リサ「友希那。また後でね♪」

 

友希那「えぇ」

 

 先に友希那は教室へ戻って行った。

 

蒼真「あそうだ。リサ、弁当ありがとな。このタッパ洗って返すけ」

 

リサ「いいよーそんなそこまでしなくても」

 

蒼真「いいや洗って返す。やないと俺の気がすまん」

 

リサ「そう?ならお願いしとこうかな」

 

蒼真「おう!任せとけ。キッチリピカピカにしとくけ」

 

リサ「あはは♪楽しみにしてる」

 

 そんな他愛ない事を話しながらアタシ達は教室へ戻った…戻ると今度はアタシまで質問攻めにあってしまった…

 

 




すみません。
今回だけでは初日のお話を書き切れませんてました。

次回で初日のお話に切りを付けたいと思いますのでよろしくお願いします。

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