日常と恋模様に祝福を   作:Syo5638

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こんにちは。こんばんはSyoです。

前回言ってた通り今回で登校初日の話に区切りを付けます。
この話だけで長くなってしまい申し訳ありません


では続きをどうぞ


第3話:まさかな出来事

side蒼真

 

 それから俺は教室に戻り午後の授業を受けた。そのあいだの休み時間なども女の子達が集まってきて、たくさんの質問を受けた。

 

 答えられる質問は答えるけど、中にはよく分からない事柄も混じっていた。…例えば「私と結婚して下さい!」とか「私を罵って! 」とか…俺はどう受け答えすればいいんだ…と思いながら愛想笑いするしかなかった。

 

リサ「蒼真、モテモテだね〜」

 

蒼真「そんな事はないやろ。まだ初日やし物珍しいんやろ」

 

リサ「まぁたしかにねぇ。今までこの学校に男の子が1人もいなかったからその反動だろね」

 

蒼真「そのうち収まってくれるといいんやけど…」

 

 

☆★☆★☆★☆★☆★☆★

 

 

 なんだかんだであっという間に1日の授業が終わり、放課後になった。

 

 さて、そろそろ帰ろうかなぁ。また散歩しながら帰りたいし。

 

リサ「蒼真~。一緒に帰らない?よかったら町の案内してあげる」

 

蒼真「…いいと?友希那と一緒に帰るんやないん?」

 

リサ「友希那にはもう言ってあるよ♪」

 

蒼真「…行動が早いなぁ…まぁなら、ご一緒させてもらおうかな」

 

リサ「はーい♪じゃあ行こっか」

 

蒼真「了解」

 

 気付けば俺は、リサ達と帰ることになった。

 

 教室を出た俺達は、友希那と合流して町の散策へと繰り出した。

 

 

☆★☆★☆★☆★☆★☆★

 

 

蒼真「それで、これから何処に行くと?」

 

リサ「そうだねぇ。時間も限られてるし、今日は商店街の方に行こうかなと思うんだけどどうかな?」

 

友希那「そうね。私はいいと思うけれど蒼真はどうかしら?」

 

蒼真「俺もそれでいいよ。ちょうど寄ってみたいとこもあったし」

 

リサ「そっか♪買い物とかしたりする?」

 

蒼真「うーん…まだ分からんけど買いたい物があったら買うかも」

 

リサ「りょーかい♪じゃあまずはカフェにでも行こっか。そこのカフェも紹介したいし」

 

蒼真「OK。よし、じゃあ行くか」

 

友希那「えぇ」

 

 商店街に着くまで俺達は他愛ない事を話しながら向かい、気付けば目的地まで着いていた。

 

リサ「ここだよ」

 

蒼真「あ、ここ朝気になっとった場所」

 

リサ「そうなんだ〜よかった♪連れてこれて」

 

 着いた場所は、朝も気になっていた羽沢珈琲店だった。

 

 

カランッ

?「いらっしゃいませ。あ、リサさんに友希那さん。こんにちは♪こちらにどうぞ」

 

リサ「やっほー、つぐみ」

 

友希那「こんにちは、羽沢さん」

 

つぐみ「そちらの方は…」

 

蒼真「あ、どうも初めまして。九重蒼真です」

 

つぐみ「初めまして羽沢つぐみです」

 

リサ「今日うちのクラスに転校してきたんだ~」

 

つぐみ「そうなんですね。確かに今日男の人が2年生に転校してきたって噂になってました」

 

蒼真「マジかぁ…そんなに噂になってるんだ…あ、てことは羽沢さんも羽丘?」

 

つぐみ「はい!羽丘の1年です。」

 

蒼真「そうなんだ。もし学校であったら宜しくね」

 

つぐみ「 よろしくお願いします!」

 

 そんな事を話しながら席に着き、メニューをとった。

 

リサ「今日は時間もあんまりないし飲み物だけにしよっか」

 

蒼真「そうやね。他にも見て回りたいし」

 

リサ「友希那もそれでいい?」

 

友希那「えぇ大丈夫よ」

 

 飲み物か。何にしよ…あ、これがいいかな。

 

つぐみ「お決まりですか?」

 

蒼真「俺は決まったけど2人は決まった?」

 

リサ「決まったよー」

 

友希那「私も決まったわ」

 

蒼真「ん。じゃあ俺はこのおすすめコーヒーを下さい」

 

リサ「あ、アタシも!」

 

友希那「私も同じ物で」

 

つぐみ「はい!今日のおすすめコーヒーですね。少しお待ち下さい」

 

 そう言うと羽沢さんはいそいそと厨房に入っていった。

 

蒼真「なんだ、みんな同じの選んだんやね」

 

友希那「そうね。ここのおすすめコーヒーはいつも美味しいわ」

 

リサ「そうそう♪ここのコーヒーはつぐみのお父さんが作ってて色々な豆を組み合わせて作ったオリジナルコーヒーなんだって」

 

蒼真「へぇそうなんや。そいつは楽しみやな」

 

つぐみ「お待たせしました!本日のおすすめブレンドコーヒーです。友希那さんはいつもと同じで砂糖は多めに入れてます。足りなかったらここに置いておくので好きなだけ使ってください♪」

 

友希那「いつも悪いわね」

 

つぐみ「いえいえ♪リサさんはミルクと砂糖を少量入れてます。ミルクは多めでよかったですか?」

 

リサ「うん♪バッチリだよ。いつもありがと♪」

 

つぐみ「はい♪えっと…九重さんは初めて来られたので今回は何も入れてないです。お好みで砂糖とミルクを使われてください」

 

蒼真「ありがとう。とりあえずそのまま飲んでみるよ」

 

つぐみ「はい♪じゃあごゆっくりどうぞ」

 

そう言うとまた厨房に戻って行った。

 

蒼真「じゃ、いただきますかね」

 

友希那「そうね」

 

リサ「いただきまーす」

 

 俺はコーヒーなんてあまり飲まないけど、何故か頼んでいた。

 

 うーん…雰囲気に飲まれたかな?まぁいいか。オリジナルのコーヒーみたいだし飲んでみようかな。…ん?これは…

 

蒼真「このコーヒー凄く美味い。砂糖とか入れてないのに飲みやすい」

 

リサ「でしょ~♪連れてきた甲斐があったよ」

 

友希那「そうね。私も苦い物は苦手だけれどここのコーヒーはあまり砂糖を入れなくても美味しく頂けるわ」

 

蒼真「ホント言うと俺、コーヒーってそこまで好きではなかったんやけどここのコーヒーはマジでハマりそうやわ」

 

リサ「そっかそっか♪ホント連れてきてよかった♪」

 

 それから色々と雑談をし、音楽関連の話題が出た。

 

蒼真「そういえば、2人とも同じバンド組んで活動しとるっち言いよったけどバンドの名前は何っち言うと?」

 

友希那「私達のバンド名は…Roselia」

 

蒼真「ロゼリア…へぇカッコイイ名前やね」

 

友希那「そうかしら?ありがとう」

 

素直にそう思った。よくは分からないけどRoseliaと言う名前には色々なものが込められているようなそんな気がした。

 

蒼真「早く明日にならんかなぁ。友希那達の演奏がますます楽しみになってきた」

 

友希那「そう?嬉しい事を言ってくれるわね」

 

リサ「そうだね〜よーし明日はいつも以上に頑張ちっちゃうよ!」

 

蒼真「おう!でもあんまり無理しすぎんようにね。…ちょっと手洗い行ってくる」

 

リサ「りょーかい」

 

 そう言って俺はとりあえずレジの方へ向かった。

 

蒼真「羽沢さん。手洗い所ってある?」

 

つぐみ「あ、ここの奥にあるので使って下さい」

 

蒼真「ありがとう。後、会計もお願い」

 

つぐみ「え!?九重さん皆さん分も支払われるんですか?」

 

蒼真「しー!バレちゃうから!静かにお願い…!」

 

つぐみ「あ、ごめんなさい…」

 

蒼真「こっちこそごめんね驚かせて」

 

つぐみ「いえ…えっと、3人分で960円になります」

 

蒼真「じゃあ1000円で。あ、お釣りは大丈夫だから」

 

つぐみ「え!?いやでも…」

 

蒼真「いいからいいから取っといて。騒がせちゃったお詫びって事で」

 

つぐみ「…分かりました今回は受け取ります。だけど次回はちゃんとお釣り受け取って下さいね」

 

蒼真「うん。分かった」

 

つぐみ「九重さんって漢気があってカッコイイですね」

 

蒼真「そうか?そんなことはないと思うけど」

 

 男としては普通だと思うんだけど。

 

蒼真「まぁありがとう」

 

 そうだ、トイレに行くんだった。早くしないとリサ達に怪しまれるな…急いで行ってこよ。

 

☆★☆★☆★☆★

 

 

sideリサ

 

リサ「それにしても友希那。昔に比べるとホントに丸くなったねぇ」

 

 蒼真がお手荒に言っている間アタシは友希那と他愛ない話をしていた。

 

友希那「そうかしら。自分じゃ分からないけれどリサがそう言うのならそうなのかもしれないわね」

 

リサ「変わったよ。前はこんな事に付き合っている暇はないって言ってると思うよ」

 

友希那「そういうリサも前に比べるも大分変わったと思うわ。…蒼真と出会ったから変わったのかしら?」

 

リサ「…へ!?な、なな、なに言ってるの友希那!」

 

 変な声出ちゃったじゃん…蒼真に聞かれたりしてないよね…

 

友希那「もしかして、一目惚れ?」

 

リサ「…ふぇ!?い、いやいや流石にそれはナイナイ!だって出会って一日目だよ!」

 

友希那「恋に日にちなんて関係ないってリサから借りた本に書いてあったわよ」

 

リサ「そ、それは本の中の話でしょ!これは現実だよ!」

 

友希那「…っふ…ふふっ…」

 

…あ…友希那がニヤけてる…まさか…

 

リサ「…もしかして…またアタシ、からかわれた?」

 

友希那「ごめんなさい。あまりにリサの反応が可愛かったからつい」

 

リサ「ついって…はぁ。本当に友希那変わったね…」

 

蒼真「何が変わったって?」

 

リサ「っひ!?」

ガタッ

 

蒼真「あ、おい!」

 

 …あれ?アタシ今どうなってるの?確か蒼真に声を掛けられてビックリして飛び跳ねて、コケそうになってそれで…え?

 

蒼真「大丈夫か!?」

 

 今、蒼真に抱き抱えられてる状態になっていた。

 

リサ「…ぇ…え?あ、うん」

 

蒼真「そっかぁよかった。怪我とかない?」

 

 だんだんアタシが置かれてる状態を理解してきた。

 

リサ「う、うん…あ、あり、がとう…///」

 

  は、恥ずかしいー!?今アタシ蒼真に抱き抱えられてるじゃん!?

 

リサ「も、もう大丈夫だから…//」

 

蒼真「お、おうそうか。気を付けりいね」

 

リサ「うん…」

 

友希那「そろそろいいかしら?」

 

リサ「へ?あ、ごめん友希那」

 

友希那「いえ。大丈夫よ」

 

蒼真「リサも大丈夫そうやしそろそろ出る?」

 

友希那「そうね」

 

リサ「じゃあお会計しないとね」

 

蒼真「あ、会計は今さっき済ませてきた」

 

リサ「え!いやいや悪いよ。自分達の分くらいだすよ」

 

友希那「そうね。お金を出せるなんて申し訳ないわ」

 

蒼真「いいからいいから。今日は2人には色々と世話になったしこのくらいさせてほしい」

 

リサ「いやでも…」

 

蒼真「こういう時は男が支払いとかするべきやと思うからさ。それに俺が好きでやってる事やからさ」

 

リサ「…( ずるいよぉ)…」

 

 せっかく振り払ってたのにまた意識しちゃうじゃん…

 

友希那「…そう。じゃあお言葉に甘えさせてもらうわ。だけど、今度はちゃんと支払いさせてちょうだい」

 

リサ「あ、ありがとう…」

 

蒼真「おう♪じゃあ出ますか」

 

友希那「えぇ」

 

蒼真「羽沢さんごちそうさま美味しかったよ。また来るね」

 

つぐみ「はい!是非また来てください!ありがとうございました」

 

リサ「またね♪つぐみ」

 

 つぐみには元気良く言ったけど内心色々と頭が追いつかなくなってきて、その後のことはあまり覚えてない…

 

☆★☆★☆★☆★☆★☆★

 

side蒼真

 

 それから俺達は山吹ベーカリーに寄ってパンを買った。どれも美味そうだったからまた来ようと思う。

 

 他にも北沢精肉店や近くのスーパーに寄って食材の買い出しなどをした。

 

 途中、リサが無言の状態が続いていたけど気づいたら元に戻っていた。

 

 そして帰り道…

 

蒼真「そういえば家はこの近くなん?俺もこの当たりなんやけど」

 

リサ「そうだねぇすぐ近くだよ」

 

友希那「そこを曲がって少し行った所よ。リサとは隣同士なの」

 

蒼真「そうなんやね。てか本当近いんやなぁ」

 

 そんな事を言っている家に着いた。…ん?何で2人とも立ち止まったんだ?

 

2人「「え?」」

 

蒼真「ん?」

 

リサ「ここアタシの家」

 

友希那「その隣が私の家」

 

蒼真「こっちは俺の家だ」

 

 

「「「え?」」」2人「「えぇーーー!?」」

 

 どうやら俺達の家は真向かいだったようだ。

 

蒼真「ま、マジか!?え?そんな事をありえる?」

 

リサ「あ、アタシ達もビックリだよ!?ねぇ友希那!」

 

友希那「そ、そうね。ビックリだわ…でも、確かに1ヵ月くらい前に引越しの車が来ていたわね」

 

リサ「…言われてみればそうだ。確かに来てた。何で今まで気づかなかったんだろ…」

 

蒼真「ホントにな…スゲー偶然が重なるなぁ」

 

友希那「ここまでくると…むしろ運命?…あ、いいフレーズが浮かんできたわ…私はここで。また明日」

 

リサ「え?!あ、ちょっ友希那!?」

 

蒼真「家に入っちまったな…」

 

リサ「あ、あはは…」

 

 少しの間沈黙が流れた…よ、よし話題を切り替えよう。

 

蒼真「リサ。今日はホントに色々ありがとな」

 

リサ「な、何?改まっちゃって」

 

蒼真「いや、リサがいなかったらこんなに今日1日楽しめなかったなぁと思ってさ」

 

リサ「い、いやいや。友希那もいたじゃん…」

 

蒼真「そうやけど、どれもリサがキッカケやったからさ…ありがとう」

 

リサ「…///…うん…」

 

蒼真「これからよろしくね」

 

リサ「…うん♪よろしく!」

 

蒼真「じゃあまた明日。おやすみ」

 

リサ「おやすみ~」

 

 

ガチャ…バタン

 

蒼真「ふぅ…なんか体が熱いなぁ風邪でも引いたやか…」

 

 それにしても今日1日で本当にいろんな事があったなぁ。

 

 今日はホントに楽しい1日だった。それもこれも全部リサのおかげかなと思いながら飯を作り、夕飯をすませ風呂に入り今日は早めに布団にもぐった。

 

蒼真「家に入る前のリサの笑顔、可愛くて綺麗やったなぁ」

 

 そんな事を言っているとまた顔が熱くなってきた。

 

蒼真「何やろ…ホントに風邪引いたやか?早めに寝るか…」

 

 そう言うと俺はスグに眠りに付いてしまった。

 

 

☆★☆★☆★☆★☆★☆★

 

sideリサ

 

リサ「ただいまー」

 

リサ母「おかえり、あら?顔赤いけどどうしたの?」

 

リサ「へ!?いや、何でもないよ!」

 

リサ母「あら?あらあらあら?もしかして、好きな人でも出来たの?」

 

リサ「い、いやいやそんな訳ないじゃん!」

 

 何でお母さんはそういうことにスグ食いついて来るんだろ…

 

リサ母「まぁいいわ。先にお風呂に入ってきなさい。夕飯作っておくから」

 

リサ「はーい」

 

 アタシは急いでお風呂に入って夕飯を食べた。

 

リサ「ごちそうさま。先部屋に戻るね」

 

リサ母「はーい。おやすみ~」

 

リサ「おやすみ~」

 

 部屋に戻り一息付いてベッドにダイブした。

 

リサ「今日はどうしちゃったんだろホント…」

 

 今もアタシは凄くドキドキしていた。

 

リサ「まさか家まで目の前だったなんて…」

 

友希那が言っていた、運命という言葉が頭からずっと離れなかった…

 

リサ「はぁ…恋愛小説の読み過ぎかなぁ」

 

 そう思わずにわいられないほど今日1日の出来事は物語に出てくるような事ばかりだった。

 

リサ「…もし…もし、蒼真の事を好きになるならもっと蒼真の事を知ってからかなぁ」

 

 そんな事を思いながらアタシは眠りについた…

 

 




読了ありがとうございます。

やっと主人公登校初日が終了しました。


次回からはもっとテンポアップしていけたらなぁと思います。

ではまた次回

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