日常と恋模様に祝福を   作:Syo5638

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こんにちは、こんばんは。syoです。

今回からやっと話が少しづつ進んでいくと思うのでよろしくお願いします。


では、どうぞ


第4話:Roseliaと初顔合わせ

side蒼真

 

 夢を見た…小さな時の記憶だ。

 

 …あれは確か小学2年生の時か…

 

 名前は覚えていないがおじさんと楽しく話していた記憶…

 

 おじさんが歌を歌っている…

 

 俺はその歌を教えてもらって一緒に歌っている…

 

 いつかまた一緒に歌おうと約束した…

 

 そんな小さな時の記憶だった。

 

 

☆★☆★☆★☆★☆★

 

 

蒼真「ん…んー…もう朝かぁ」

 

 時計を見ると5時45分を指していた。昨日より少し早い時間だ。

 

蒼真「それにしても懐かしい夢やったなぁ…なんでまたあの夢を見たんやろやろ」

 

 まぁ気にしてても仕方ないし学校に行く準備でもするかな。

 

蒼真「朝飯は昨日買ったパンでいいかなぁ」

 

 そう言って俺は昨日買ったパンの袋を出して飯の準備をする。

 

蒼真「パンとプラスで目玉焼きでも作るか」

 

 目玉焼きを綺麗に作るのはなかなかコツがいるが…お、今日は上手く出来た。

 

蒼真「それじゃいただきます」

 

うんなかなか美味い。パンも凄く美味い。

 

 そんな事を考えながら食べ終え今日も学校へ行く準備を済ませる。

 

蒼真「じゃ行くかな。行ってきます」

ガチャ…バタン

 

バタン

リサ「あれ?蒼真朝早いねーおはよー」

 

蒼真「おはよ。リサこそかなり早いな。今日も部活の朝練?」

 

リサ「今日は違うよー癖で早く出てきちゃった。で蒼真は?」

 

蒼真「俺もそんなとこかなぁ癖で早く出た感じ。後散歩しながら学校に行くのも癖かな」

 

リサ「そうなんだ。ホントに散歩してるんだね」

 

蒼真「まぁ趣味やけね」

 

リサ「まぁ立ち話もなんだから歩きながら話そっか」

 

蒼真「そうやな」

 

 俺達は歩き出し通学路でもある商店街を通った。

 

リサ「そういえば、今日のお昼はどうするの?」

 

蒼真「この町に慣れるまでは外で買って行こうと思っとったから今日は買って行くつもり」

 

リサ「そっかぁ。よかったら今度お弁当作ってこよっか?」

 

蒼真「いやいや、流石に悪いって」

 

リサ「えぇー全然気にしなくてもいいのに。昨日のお礼だと思ってさ」

 

蒼真「うーんでもなぁ…」

 

リサ「いいからいいから。アタシが好きでしたいんだからさ♪」

 

 そう言われると断わりずらいなぁ。…今回はリサの好意に甘えさせてもらおうかな。

 

蒼真「じゃあ…お願いしようかな」

 

リサ「うん♪任せて!」

 

 そんなことを話しているうちに学校に着いた。もちろんスーパーで弁当も買って行った。

 

 

☆★☆★☆★☆★☆★☆★

 

 時間が進みあっという間に放課後になった。

 

 今日はリサや友希那のバンド、Roseliaの練習を見学させてもらうことになっている。

 

友希那「それじゃ行きましょうか」

 

リサ「OK」

 

蒼真「了解」

 

 そんな訳で俺は2人が最近よく使っているcircleというスタジオに行くことになった。

 

友希那「ここよ」

 

蒼真「へぇ。こっち側はこんな建物があるんか」

 

リサ「こっち側には来たことなかった?」

 

蒼真「うん。まだ商店街方面しか行ってなかった」

 

 スタジオに入った俺達は指定された番号の部屋に入る。

 

ガチャ

 中に入ると機材などを設置している女の子達がいた。

 

リサ「みんな早いねぇ」

 

?「あ、リサ姉!こんにちはー」

 

リサ「こんにちはーあこ♪」

 

あこ「友希那さん!こんにちは」

 

友希那「こんにちは」

 

?「友希那さん、今井さん…こんにちは」

 

友希那「燐子。こんにちは 」

 

リサ「こんにちはー。お、もう準備出来てるんだねぇありがとう♪」

 

燐子「い、いえ…早く着いたので…」

 

友希那「…紗夜はどうしたの?」

 

燐子「あ、氷川さんは今日風紀委員のお仕事があるみたいたいで、少し遅れるそうです」

 

 そんな事を言っていると―――

 

ガチャ

紗夜「すみません遅れました」

 

友希那「大丈夫よ紗夜。私達も、今来た所だから」

 

紗夜「そうですか。あら?湊さん。そちらの方は…」

 

友希那「あ、まだ紹介してなかったわね」

 

 メンバー全員が集まったみたいだだから軽く自己紹介をした。

 

蒼真「初めまして九重蒼真です。成り行きで皆さんの練習を見学させてもらうこと事になりました。短い時間ですけどよろしくお願いします」

 

3人「「「よろしくお願いします」」」

 

 左から宇田川あこさん。白金燐子さん。氷川紗夜さん。

と順番に挨拶された。

 

友希那「じゃあ時間も限られているし早速始めましょうか」

 

 友希那の掛け声とともに楽器を持ち演奏する準備をした。

 

友希那「蒼真はその辺りで座って私達の演奏を聴いててちょうだい。後で意見を聞きたいから」

 

蒼真「え?その話今初めて聞いたんやけど!」

 

友希那「今初めて言ったもの。一般的な意見も欲しかったから」

 

紗夜「…そうですね。一般的な意見を取り入れるのは良い事だと思います。ですから私も賛成です」

 

リサ「そうだねぇ。ただ聴くだけだと暇になっちゃうだろうから丁度いいと思うよ♪」

 

あこ「あこも賛成です!」

 

燐子「私も…いいと思います」

 

蒼真「分かった分かった。意見を言うくらい大丈夫だから…ただあんまり期待せんでよ。ちゃんとした意見とか上手いこととか言えんと思うけ」

 

友希那「大丈夫よ。蒼真の思った事をそのまま言ってくれればいいから」

 

蒼真「了解」

 

友希那「じゃあ始めりわよ。まずはこの曲から」

 

 そう言うと、宇田川さんがスティックを鳴らし演奏が始まった。

 

 俺もしっかり聴く為に耳を澄ました。

 

.•*¨*•.¸¸♬

 

 最初の曲はBLACK SHOUT、続けてONENESSという二曲を演奏してくれた。どちらもレベルが高く体が熱くなって来るのが分かった。まだ荒削りの部分もあるがそれでもあまりある技術に正直驚いていた。

 

 しかもこの二曲はオリジナルらしい…どれだけ努力をすればここまでたどり着けるんだ…

 

 そう思わずにはいられないほど彼女達の演奏は凄まじかった。

 

 ここまで俺は声も出ず。息を呑んで彼女達の演奏を聴いていた。

 

 友希那達は水分補給をし、次の曲に移った。

 

 次の曲はLOUDER……ラウダー…どこかで聞いたような…

 

 そして曲が始まった。

 

.•*¨*•.¸¸♬

 

 あ…この曲…あの時の…

 

 この曲は昔俺がある人から教えてもらった曲に凄く似ている。

 

 こんな所でまた聴く事が出来るなんて…

 

 歌詞は若干アレンジされていたが、あの時の曲で間違いないと俺は確信した。

 

 そして俺は―――

 

.•*¨*•.¸¸♬

 

 

友希那「ふぅ…どうだったかし…ら…え?」

 

 俺は気付けば涙を流していた。

 

リサ「ど、どうしたの!?大丈夫!?」

 

 リサが慌てて駆け寄ってきた。

 

蒼真「ん?…あれ?何で泣いてんだ俺…」

 

 周りを見渡すとみんなあたふたしていた。

 

蒼真「ごめん。大丈夫やから…感極まって涙が出てしまったみたいや」

 

リサ「そう?ならいいんだけど…」

 

蒼真「リサもごめんな。心配させてしまったね」

 

リサ「ううん大丈夫だよ」

 

蒼真「ありがと」ニコッ

 

リサ「ッ…///( だからその笑顔はズルイって)…」

 

蒼真「?」

 

あこ「でも、そんなに感動してくれるなんてあこ、すっごく嬉しいです!」

 

燐子「そうだね、あこちゃん」

 

紗夜「とりあえず事態も収束しましたし、早速感想を聞かせて頂きましょう」

 

リサ「そうだね。友希那もそれでいい?」

 

友希那「…」

 

リサ「友希那?」

 

友希那「…え、えぇ。それで大丈夫よ」

 

リサ「大丈夫?友希那… 」

 

友希那「大丈夫よ」

 

リサ「そう?ならいいけど」

 

蒼真「えっと…感想だったよな…そうやなぁ」

 

 そう言うと俺はそれぞれの感想を簡単に伝えた。

 

蒼真「Roseliaの演奏自体は物凄くレベルが高くて凄かったの一言に尽きるかな。で、個人に対しての感想なんだけど…まず宇田川さんから。」

 

 みんな集中して聞いていた。

 

蒼真「宇田川さんはその小さな体でパワフルにドラムを叩いている姿はカッコよかったです。ただ、アップテンポになる場所が走り気味だったのが少し気になったかな?でもまだ中学生でそれだけ叩けるんだからこれからのキミの成長が楽しみだな」

 

蒼真「次に白金さん。白金さんは凄く丁寧に正確にキーボードを引いて聴き取りやすかったです。だけど少し自信が無さそうに引いているのが引っかかったかな。それだけの技術があるんだからもっと自信を持って引くともっとキーボードが引き立つと思うよ」

 

蒼真「次に氷川さん。氷川さんはギターの技術力が物凄く高くて驚きました。ただ、自分の音っていうのかな?がまだ確立出来てないのかなっていうのが聴いてて感じたかな。でもその自分の音を探しているっていうのも同時に感じられたから。もう少し今までと違う事を取り入れて見るといいかも。自分の音、見つけられるといいね」

 

蒼真「次にリサね。リサは全体的に安定していて安心して聴けたかな。ただ、技術面に於いてはみんなより1歩劣る感じがしたかな。でもホントに少しだけ劣っているだけだからそんなに悲観することはないと思う。このまま行けばスグに追いつくと思うから頑張って」

 

蒼真「最後に友希那。友希那も氷川さんと同じで、物凄く高い技術を持っていると思う。そして、友希那の歌からは物凄い信念のようなものを感じたかな。あれだけ想いを乗せて歌えるのは本当に凄い事だと思う。ただ、歌の最後の方になるとビブラートとは違った震えとかすれた声になっていたから、そこを気をつけるといいかなと思う」

 

 

 スタジオ全体が静まり返る…

 

蒼真「…あ、あれ?俺変な事言っちゃったかな? 」

 

 最初に口を開いたのは氷川さんだった。

 

紗夜「い、いえ大丈夫です。そこまで1人1人意見を言って頂けるとは思わなかったので…」

 

友希那「そうね。何か音楽の経験があったの?」

 

蒼真「うーん…友希那達みたいにしっかりと演奏したりとかはしてないけど、独学で歌を歌ってたりはしたかな」

 

友希那「そう…」

 

リサ「いやーでもホント助かるね。そんなに色々言ってくれると」

 

あこ「うん♪あこもっともっと頑張ります!」

 

燐子「そうだね。私も…もっと自信を付けられるように頑張ります」

 

蒼真「そう言ってもらえると俺も頭をひねり出して言った甲斐があったよ」

 

リサ「あはは♪なにそれ~」

 

 そんな事を話して俺はある事を思い付いた。

 

蒼真「そうだ…友希那ちょっとお願いあるんだけど」

 

友希那「何かしら?」

 

 

 そして俺は言った―――

 

蒼真「最後に歌った曲。LOUDERって曲を俺に歌わせてくれないか?」

 




如何でしたでしょうか。

今回はここで区切らせていただきます。

づづきは出来るだけ早く投稿したいと思います。

それではまた次回

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