アルケミアストーリー~クロとエルの物語~ 作:cloverlight
のどかな村だった。
村の入口の高台から、村全体を見下ろす。
小川や畑、家畜小屋が見える。小さいながらも劇場もあるようだ。
なんてことない普通の村。ありふれた風景。
栄えているわけではないが、寂れているわけでもない。人々の暮らしが、日々繰り返され、それなりの幸せと温かさがある。
始めはそんな印象を持った村だった。
後ろを振り返り、今度は村の入口に建てられたアーチを見上げる。
【不老不死の村】
そう堂々と掲げられた看板。
そしてもう一度村を見下ろす。
村の広場に立てたられた、村の雰囲気とは不釣り合いな、大きな白いテント。
一気に怪しさが増す。
「どう思う?」
私の冒険のパートナー、エルサイスが、金髪のロングヘアをかきあげながら、そう尋ねてきた。
なんとも抽象的な質問だ。
「どう思うって言われてもねー。」
広場のテントを見下ろす。
結構な数の人が集まって 、熱を孕んだ異様な空気が漂っている。
「エルはどう思ってるの?」
「僕?うーん…まぁ怪しいよね。」
エルサイスはそういうと、困ったような苦笑いを浮かべた。
そうだ。怪しいのだ。
きな臭い、面倒くさい、やばそうな香り。
「クロはなんか嫌そうだね。」
特に何も口に出さなくても、こうして、私の心の内を見事に言い当ててくる彼に、居心地の悪さを覚える。
バツが悪い顔でそちらを見ると、エルサイスは嬉しそうに目を細めた。
私は大きなため息をつく。
言いたいことは色々あったが、すべてため息に溶かしてだした。
「とりあえず、村の人の話を聞いてみようか。」
私はそう気を取り直すと、村の広場へ向かって階段を降りていった。
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