アルケミアストーリー~クロとエルの物語~   作:cloverlight

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第1話 怪しい村

のどかな村だった。

村の入口の高台から、村全体を見下ろす。

小川や畑、家畜小屋が見える。小さいながらも劇場もあるようだ。

なんてことない普通の村。ありふれた風景。

栄えているわけではないが、寂れているわけでもない。人々の暮らしが、日々繰り返され、それなりの幸せと温かさがある。

始めはそんな印象を持った村だった。

後ろを振り返り、今度は村の入口に建てられたアーチを見上げる。

【不老不死の村】

そう堂々と掲げられた看板。

そしてもう一度村を見下ろす。

村の広場に立てたられた、村の雰囲気とは不釣り合いな、大きな白いテント。

一気に怪しさが増す。

「どう思う?」

私の冒険のパートナー、エルサイスが、金髪のロングヘアをかきあげながら、そう尋ねてきた。

なんとも抽象的な質問だ。

「どう思うって言われてもねー。」

広場のテントを見下ろす。

結構な数の人が集まって 、熱を孕んだ異様な空気が漂っている。

「エルはどう思ってるの?」

「僕?うーん…まぁ怪しいよね。」

エルサイスはそういうと、困ったような苦笑いを浮かべた。

そうだ。怪しいのだ。

きな臭い、面倒くさい、やばそうな香り。

「クロはなんか嫌そうだね。」

特に何も口に出さなくても、こうして、私の心の内を見事に言い当ててくる彼に、居心地の悪さを覚える。

バツが悪い顔でそちらを見ると、エルサイスは嬉しそうに目を細めた。

私は大きなため息をつく。

言いたいことは色々あったが、すべてため息に溶かしてだした。

「とりあえず、村の人の話を聞いてみようか。」

私はそう気を取り直すと、村の広場へ向かって階段を降りていった。

 

 

 

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