ラブライブ! Flying High 〜女神に恋い焦がれる男の恋愛物語〜 作:ガンプラビルダー
作詞担当が決まった後、穂乃果達から練習の手伝いをしてほしいと頼まれた俺と春馬だったが、俺は足手まといになるのを恐れつい断ってしまった。そんな中、春馬はいい加減な態度を示した俺に我慢の限界が来て自分の気持ちを俺にぶつけ説得させる。
春馬の説得もあり 俺は練習の手伝いをすることを決めた。
翌朝、俺と春馬は穂乃果達が来るよりも早くから待ち合わせ場所の神田明神で自主練を行っていた。
高校に入ってから朝早くから神田明神で自主練を行なうことを日々の俺たちの日課としている。
こうした日々のトレーニングを一年ほど続けたお陰で俺たちは激しい練習にもついて来られるようになった。
「おーい!準備はできた?」
「おうよ!いつでもいけるぜ!!」
「じゃあ、行くよ。よーい、ドン!!」
春馬の掛け声で俺は険しい男坂を登り始める。
まず始めは、神田明神の男坂を10往復することがメニューとなる。
この男坂は割と急な坂道になっており普通に登るだけでも体力を消耗するため、スタミナをつける練習としてはうってつけの場所なのだ。
「はぁ…はぁ……春馬、タイムの方はどんな感じだ?」
「えっと……タイムは昨日より縮んだよ。」
「よっしゃ……ならよかった……はぁ…はぁ……それより今何時だ?」
「えっと……あと3分くらいで6時になるところだ。そろそろ穂乃果達が来る時間だが……
スマホで現在の時刻を確認していると、後ろからジャージ姿の海未と南さんがやってきた。
朝早く起きたからか、南さんの眼はいつも以上にトロンとして若干眠たそうな様子だった。それとは逆に、海未の眼はシャキッとしており、やる気満々な様子だ。
「おはようございます。修吾さん、春馬さん。今日はお互い頑張りましょう。」
「すごいね〜。二人とも、ことりより早く起きて練習してるんだね。」
「ま…まぁな…それより穂乃果はどうした?ここにはいないみたいだが?……」
「さぁ。穂乃果のことですから寝坊でもしてるのではないでしょうか?」
「まさかね〜…穂乃果ちゃんに限ってそれは〜……あるかも…」
「そうだよね。穂乃果に限ってそんなこと……あるね。」
「おいお前ら、いくらなんでも穂乃果のことを疑いすぎだろ。今まで穂乃果が寝坊して遅刻してきたことは………あったな。」
一呼吸置いて考えてみたが、みんな穂乃果が遅刻してくるかもしれないという答えになった。
実際、中学の修学旅行の時に穂乃果は寝坊して遅刻したことがあった。そのせいで穂乃果だけではなく俺たちまでも先生に叱られたのは嫌な思い出だ。
その時だった。
「おーーい!!みんなーーーー!!!」
穂乃果は手を振りながら走って俺たちの方へやってきた。集合時間から数分の遅刻だったが、なんとか来たみたいだな。穂乃果も南さんと同じように少し眠たそうだった。
「遅いですよ!もう集合時間は過ぎてるのですからね!!」
「いいじゃ〜んちょっとくらい。穂乃果、これでも早起きしたんだから〜。」
「そのちょっとがダメなのです!!いつもそうです。穂乃果は肝心な時に限って遅刻してきて……」
「まぁまぁ、穂乃果ちゃんも海未ちゃんも落ち着いて……それより、全員揃ったんだし早く練習始めよう。」
「………そうですね。ライブまであと二週間、スクールアイドルをやるからには本気でやらなければいけません。」
「二人とも、今日はよろしくお願いします!!」
「「よろしくお願いします!!」」
三人はそう言って俺たちに向けて頭を下げる。今の彼女達はどうやらかなり気合いが入っている様子だ。こりゃ、俺たちもこいつらのやる気に応えないといけないな。
「よし!じゃあ早速練習開始だ!って言いたいところだが、いきなり激しい運動をするのはナンセンスだ!」
「体を動かす前に準備体操とストレッチをすること。怪我したら元も子もないんだから。」
「二人とも説明が上手だね。なんだか体育の先生みたい。」
「鳥山くん、顔がニヤけてるよ。」
「……わりぃ…じゃあ、早速ストレッチから始めるぞ。」
やべぇ……顔に出たいのか…クソ恥ずかしい……
「「「はい!!!」」」
三人は俺の指示に従ってストレッチと準備体操を始めた。こんなことを言ったら殺されそうだが、ジャージ越しから映る彼女達の身体つきになんだか興奮した。……いかんいかん。落ち着け……そんなこと、悟られた時点でアウトだからな。
「さて、準備体操も終わったし早速始めよう。今日は体力をつけるため、この坂を5往復走る。」
「え〜?5往復もするの〜?それにいきなり走るなんて厳しすぎるよ〜。」
「もう!ワガママ言うんじゃありません。ライブを成功させたいのでしょう?」
「……はぁ〜い。」
穂乃果が文句を言う理由気持ちも分からなくはない。俺も最初は朝練するのきつかったし…けど、この練習をこなせるようになれば今後の練習も効率よくこなせるはずだ。
「春馬、その間コンビニで飲み物を買って来てくれ。まず俺が担当する。」
「うん。わかった。」
春馬は俺の指示通り、近くのコンビニへ向かい人数分のスポーツドリンクを買いに行った。
一方、俺たちも階段へ向かい走る準備をした。さっきまで眠たそうにしてた穂乃果と南さんもそんな様子はすでになかった。
「二人とも準備はいいですか?」
「いつでもオーケーだよ!」
「ことりも大丈夫だよ。」
「では行きます。位置について……ヨーイ…ドン!!」
スタートの合図と共に穂乃果と南さんは階段を駆け上がる。スタートダッシュに成功したのは穂乃果であり、南さんより前に立った。
「はぁ…はぁ…よし!このペースでもっと飛ばすぞーー!!」
今のスピードからさらに速度を上げる穂乃果だったが、彼女のペースは次第に落ちて行き南さんとの差はどんどん縮んでいった。
一方、南さんもペースダウンこそしてないものの、走るスピードは穂乃果よりも遅い。
一周目は順調に走っていた二人は四周目あたりになると、かなり息遣いが荒くなり完全にバテた様子だった。
「はぁ…はぁ……も…もうダメだ……」
「二人とも遅いですよ!もっと速く走ってください!!」
「そ…そんなこと……言われても〜……はぁ…はぁ……」
「はぁ…はぁ…こ…ことりも…足が言うこと聞かないんだよ〜…はぁ…はぁ……」
それもそのはず。二人はこの坂を走りきるほどの体力をまだ持っていないからだ。
俺たちのように運動部に所属している海未はともかく、運動慣れしていない二人にとってこの練習はキツイのかもしれないな。
「も……もうダメ……こ…これ以上走れない……」
すると、さっきまで必死に走っていた南さんはスタミナ切れになり膝をついて息を切らしていた。そんな様子を見ているとじっとしてられなかった俺は彼女のそばへ近づき自分の手を差し出した。
「大丈夫か?ほら立てる?」
「あ…ありがとうしゅうくん……で…でも……大丈夫……私…一人で走るから……大丈夫……」
南さんは微かな笑みを浮かべたものの、俺の手を受け取らなかった。そして、彼女は残りの力を振り絞りラストスパートをかけ、ゴールした。
俺に迷惑をかけたくない。自分の力で最後まで走って見たい。俺は彼女の笑顔からそのようなメッセージを受け取った。
「はぁ…はぁ……な…なんとか走り切った……」
走り終えた南さんは穂乃果と同じくクタクタになり腰を下ろした。彼女達の身体は熱く火照っており、汗をたくさんかいていた。
「ことり、大丈夫なのですか?大分無理をして走ってましたよね?」
「い…いいんだよ……私、元々運動とか苦手だから……少しでも努力して穂乃果ちゃんと海未ちゃんに追いつかなきゃ……」
南さんは今必死になっていた。汗をかきながらも体力がなくなって完全にバテながらも何かに必死になっていた。そんな南さんに対し俺は違う魅力に惹かれてしまった。
それと同時に、初めて見る南さんの美しさにどうすればいいのかわからない俺はものすごく困惑していた。
「さっきの走りを見る限り穂乃果は完全に力配分を間違えましたね。スタートダッシュを決めるのも大事なんだけど、途中で失速したら意味ないぞ。ことり、最後まで走り切ったのは褒めますが、やはりまだまだ体力が二人とも早く練習に慣れるように頑張りましょう。修吾から言いたいことはありますか?」
「えっ?…あ…ああ……こ…これからも練習頑張ろうな。お前たちならやれるはずだ。」
「「は…はい……」」
いかんいかん。せっかく穂乃果たちの頼みで手伝いに来てるのに教える側がシケタ面するわけにはいかない。今は練習の方に集中するんだ俺。
その時、さっきまでコンビニ寄っていた春馬が丁度戻ってきた。
「おーい!スポーツドリンクを買って来たよー。疲れてるようだし休憩にしよう。」
春馬は疲れてる二人にスポーツドリンクを渡す。熱く火照った身体にキンキンに冷えた飲み物を飲むと最高にうまいぞ。
「はぁ…はぁ……ありがとうはるくん。穂乃果ちょうど喉乾いてたんだよ。」
人間の身体の約6割は水分。激しく身体を動かすと、汗などを経由して体内から大量に水分が放出する。
なので、必ずって言っていいほど水分補給が必要になるぞ。
「さて、これを飲み終えたらもう一回走りますよ。」
「うん!」
「君たち、頑張っとるな〜。」
後ろを振り向くと、そこには巫女姿の女性がいた。
「おはようございます!東條さん!!」
彼女の名前は東條 希 (とうじょう のぞみ)さん。この人は、神田明神の巫女としてバイトしており、俺や春馬の一個上の先輩だ。なにより南さん以上にでかい胸を持ちとても刺激的だ。
「副会長さん。」
えっ?東條さん副会長やってたのか。ていうか東條さんって音ノ木坂学院だったんだな。
「どうしてあなたがここにいるのですか?それにその格好は一体?」
「うちはここでお手伝いをしてるんよ。神社にはいろんな気が集まるスピリチュアルな場所だからね。だから階段使わせてもらっとるやからお参りくらいしてき。」
「「「はーーい。」」」
俺たちは東條さんの言う通り境内へと足を運び、お賽銭を入れ手を何度か叩いてお参りした。
「「「初ライブがうまく行きますように!!!」」」
穂乃果達がライブの成功を祈った中、俺は違うことを祈った。
南さん、いやあいつらに俺の想いが届きますように。
……と。
「あの三人本気みたいやね。」
東條さんはそんな様子を見て微笑ましい笑顔を見せた。彼女達はもしかしたら音ノ木坂を救ってくれるかもしれない。そんな様子だった。
「よぉーし!!もう一回頑張るぞ~!!」
穂乃果はすっかり疲れが取れ完全に元気になったようだ。
そして、再び階段に戻ろうとした途端、東條さんは俺の背中をたたいてこう言った。
「なぁ鳥山くん、今日はやけに張り切ってるなぁ。もしかしてあの子達の中に好きな人でもいるん?」
「えっ!?いいい………いやぁ〜…それは…まぁ、あいつらとは中学からの付き合いで……べ…別にすす……好きなんて……」
図星を突かれ動揺しながらも必死で否定する俺だったが、時すでに遅く彼女にはバレてしまった。
「ふふ……どうやら図星みたいやね。鳥山くんの顔を見てたらそんな感じがしてな〜。」
……俺ってそんなにわかりやすいのか?……まいったな……
「なぁ鳥山くん、もし好きな人がいるのなら思い切って告白してみるのもアリだと思うんよ。」
「えっ?えぇ!?そそ…そんな……ここ……告白だなんて………」
あまりに突然の言葉に俺はもう一度激しく動揺した。この人は一体どれだけでかい爆弾を投下する気なんだ……
「ふふ…また面白い反応してくれた……けどそれを決めるのは鳥山くん自身や。しっかり考えて告白してみ。」
………告白か……あの時、卒業式のときに南さんに振られて以来もう一度リベンジしようとしてるが
「おーーい!しゅうくーーん!!こっち来てーーー!!練習始めよーーーう!!」
「今行くぞーーー!!」
その後、春馬と海未が階段を5セットほど走った後、学校があるため今日の練習はこれで終わることにした。
学校に向かう途中、俺は春馬にさっきの話をすることにした。一人で考えても仕方がない、何も変わらなくても楽にはなるそう思った。
「……なぁ春馬、もし、俺がもう一度南さんに告白するって言ったらどう思う?」
「えっ?いきなりどうしたの?」
「さっき東條さんに言われたんだ。好きな人がいるのなら思い切って告白すればって……どうすればいいかわかるか?」
「……僕にはわからない。でも、やってみる価値はあるんじゃない?それで君が後悔しないのなら僕も応援する。それに、何も考えず前だけ突っ走るのが君じゃないか。」
「おいおい、それって褒めてるのか?……けど、お前の言う通りやってみる価値はありそうだな。」
……けど、どうする?練習の途中にいきなり告白したって上手くいくはずがない。それにそんなことすれば向こうだって動揺するに違いない。何かいい方法はないか……
……そうだ。あそこだ。もう一回告白するのならあそこしかない!
翌朝、穂乃果と南さんは昨日と同じく男坂で体力付けを行なっている。相変わらず二人はヘトヘトになっているものの、俺が言ったアドバイスを意識しているのか二人とも昨日より走りに余裕があるように感じた。
はぁっ、はぁっ……!もうダメ!…キツイよぉ!……」
「もう足が動かないっ!……」
「ほら、もう少しだぞ。頑張れ!」
俺の言葉に合わせ二人はペースを上げゴールへとたどり着いた。
「お疲れさん。二人とも昨日よりタイムが良くなったな。」
「ほ…ホント!?やったー!」
「南さんも今日はノンストップで走りきれたな。
「あ……ありがとう……しゅうくん。」
息を荒らしながら必死に喜ぶ穂乃果。ちょっとしたことでこう表情が変わるのが面白いが、こうして何かしらの達成感があると嬉しいんだよな。けど、南さんの反応は穂乃果とは逆であまり嬉しそうには見えなかった。
まさか、昨日俺がやったことをまだ気にしているのか?……
「さて、今日の練習メニューは全部終わったし、帰ろっか。」
「そうだね。今日は土曜日だからいつもより多く練習したもんね。」
穂乃果たちが帰ろうとした時を見計らい、俺は一か八かある決断をした。
「なぁお前ら、これから時間あるか?」
「えっ?どうしたのいきなり?」
「ちょっとな。みんなで行きたい場所ができたんだ。」
俺は4人を連れある場所へ連れていった。行きたい場所、そこは俺だけではなくここにいる全員が知っている場所だ。
「さぁ、着いたぞ。ここが俺が行きたかった場所だ。」
「うわぁ〜!!ここ穂乃果達が通ってた学校だ〜!!」
「懐かしいですね。私も高校に入ってからは初めて訪れました。」
そう。俺が行きたかった場所、それは以前俺や春馬、そして穂乃果達が通っていた音ノ木坂中学校だ。
経年変化による薄く汚れた校舎、若干狭いグラウンド、そして校門の前に立つ大きな木、それらは全て変わらぬ姿であった。
「校門の前のでかい木は、多くの生徒が自分の思いを伝えるために告白したんだとよ。…。なんだかいかにも青春してますってな感じだよな。」
「へぇーそうなんだ。なんかそういうの聞くとすごくロマンチックに感じるよ〜。ね、ことりちゃん。」
「う…うん……そうだね……」
「…?ことり、どうしたのですか?何やら浮かない顔をしてますが?」
浮かない様子を見せた南さんは細々とした声でこう言った。
「……ねぇ、この木って卒業式のときにしゅうくんが告白した場所だったよね?……
「ええ〜!?しゅうくん、ことりちゃんに告白したの〜!?」
卒業式の出来事を知って驚く穂乃果に対し俺はしばらくの間何も喋らずただ黙っていた。
「……やっぱり覚えていたんだ。卒業式の時、俺は南さんをここに呼び出したんだよな。」
「俺は今日、もう一度あなたに想いを伝えにきた。だから、聞いてほしい!!」
卒業式の時と同じく校門前の大きな木の下、俺は再び南さんに思いを伝える。
「南さん、好きです!中学一年の時からあなた笑顔が好きでした!!その想いはずっと変わりませんでした!ですが、今日までの姿を見てあなたの努力する様子に惚れました!どうか…どうか……これからもあなた達のお手伝いを俺たちにさせてください!!!!」
迷いを捨て、恥を捨て、勇気を振り絞り俺は自分の思いを正直に嘘偽り無く伝えた。
あの時とは違って春馬や穂乃果や海未もこの場所にいるため卒業式の時よりも心拍数がやばい。
すると、南さんは口を開け返事を返す。
「……ごめんなさい……ことり、やっぱりしゅうくんと付き合うのはできないよ……」
……やっぱり駄目か……
「……でもことり、しゅうくんのおせっかいなところ好きだよ。あなたはいつも困った時はいつも助けてくれる。あの時ことりに手を差し出した時、本当は嬉しかった。運動が苦手な私にも手を差し出してくれたことがとても嬉しかったの。だから……だから……これからも私達をそばで支えてください!お願いします!!!」
頭を下げお願いしてきた南さん。けれど、俺の答えはすでに決まっていた。
「当たり前だろ?俺も南さんの力になってやる!これからよろしくな。」
「うん。こちらこそよろしくね。」
俺と南さんは満遍の笑みを見せながらお互いの手を握った。彼女の手は柔らかくて感触もよくそして暖かかった。
「ねぇねぇ、穂乃果からもお願い。これからも私達のそばにいてちょうだい。」
「わ…私からもお願いします。」
南さんに続き、穂乃果と海未も頭を下げて俺たちに頼んだ。
「鳥山くん?どうする?」
「決まってんだろ?そんなの『はい』以外の選択肢があるわけねぇだろ!これからも俺と春馬はずっとお前達のそばで手伝ってやるからな!!」
本来の趣旨とは異なった告白になっちまったものの、あの時とは違い、彼女の返事に俺は十分満足した。
大きな木の下で再び伝えた告白は俺たちにとって記憶に残るものとなった。
すみません。風邪ひいて投稿が遅れました。健康な体を作るために努力していきますので何卒よろしくお願いします。
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次回も叶え俺たちの夢!!