やっと書きたかった話を書けました……こなモチベーションを維持するように気を付けないと……
今回から応募してくださったキャラは出てきますが、名前は出てきません……紹介するタイミングを逃しちまったんだ……次回に判明します。
一応注意ですが、長いです。下手すれば自分が書いてきた中でも長いです。
そして変態が出ます。やったね!(白目)
□□□
□コルデアUC 重要召喚室
番号を呼ばれ、召喚室から離れた所にある普段使われない儀礼用の召喚室に向かう。ドアをノックし、入室を促されて扉に手をかけた。
「失礼しまーす」
「君で最後だね。待ってたよ」
「えっと、あなたは……?」
黒髪に細身の男性が現れ、ライエルスは首をかしげながら尋ねた。
「ギウス・アクトーバー。よろしく頼むよ、新入生」
黒髪に細身の男性――ギウス・アクトーバーが笑顔で手を差し出すとライエルスは一度御辞儀してから、その手に応じてを握手する。
「魔力を散布するから、少し待っててくれたまえ」
そう言ってアクトーバーは置いてある魔力タンクを側にある装置にはめ込み、バルグを緩めるとタンク内に貯蔵されていた魔力が空気中に散布される。
これは召喚しやすい状況を作り、例え上位の召喚物を召喚してもすぐに回復できるようにしている。
「気になったんですが……魔力って濃すぎるとヤバくなかったですか?」
「それには少し間違いがあってね……ヤバいのは自然に発生している魔力だよ」
ライエルスの疑問をアクトーバーがわかりやすく説明し始める。
「そもそも違いがあって……あらゆる物質が生まれた時に持つ魔力を『魔力(マギ)』と呼び、自然に発生した天然の魔力を『魔素(マナ)』と呼ぶんだ」
「……それって石とか川に含まれるのも
「……実を言うと……その境界線は難しいんだ。今の所は物を介して生まれた魔力が
「わかりました」
説明してる間に空気中に魔力が充分に散布されたことを確認したアクトーバーがライエルスに召喚を促す。
……さてと、一番マシなアレを呼ぶか……
初日で初対面の人がいることを配慮し、ライエルスはアラビア風のランプの形をした銃型の召喚銃を取り出し、構える。ランプの底に刻まれた召喚陣に魔力が注ぎ込まれて空色に薄く発光する。
「コールディア……フロー!!」
呼び声と同時に引き金を引き、射出と同時に召喚物が召喚される。空色の光に包まれた物体が形となり、光が弾けると同時に現れたのは――
「ゲコ」
――カエルだった。大きさは通常よりも遥かに大きいが、日本にいるとされるカエルの一種である“アマガエル”と同じ姿のカエルが現れた。
「カエル……? ……能力持ちか?」
「はい、オレの中でも扱いやすいヤツで能力は体の大きさを自由に変えられま、ちょ、おま、顔を舐めるのやめろ!」
疑問に思うアクトーバーに説明するライエルスだが自身の身長と同じ大きさになったカエル――フローが近付いてライエルスに頭を擦り付けたり、顔を舐めたりし始め、ライエルスは注意する。
「本来の君の召喚術が見れなかったが、召喚物と仲が良いことがよくわかった……登録もしといたから確認してくれ」
「はい、ありがとうございます」
どこか残念そうに見えたアクトーバーに返事をするライエルス。するお、顔を舐めてたフローの動きが止まり、扉を……正確にはその向こうを見る。
「……どうした?」
「ゲコ!」
「あ、おい!! すいませんちょっと見てきますね。五分経っても帰ってこなかったら何かあったと思ってください」
勝手に動き出したフローを追う為にライエルスはもしもの出来事の為に対処を言ってから、重要召喚室を後にした。
□□□
□コルデアUC 召喚室
「もう一度言ってみろ!!」
ライエルスはフローを追い、召喚室の前で止まった事を確認すると念の為に帰還させた瞬間に、怒りが込められた大声が響いた。
視線を向けると先程会ったレオを抱き締めたカシオペヤとその前に守るように立つアトラスハイズ、三人のクラスメイトが鋭い目付きで四人の男達を睨み付けていた。
ライエルスのに気付いたアトラスハイズにライエルスは視線で会話する。問題ばかり起こして悪友と言われるぐらいの仲になった二人だからこそ出来る芸当である。
……何があったんだジン。
……他クラスのヤツがこっちのクラスメイトの一人をバカにして、張り詰めてた空気が一気に切れて今に至る。
……サンキュウ……プランBでやるぞ。
……しくじるなよ。
アトラスハイズとの会話を終えたライエルスは気付かれないようにこっそりと移動し、四人の男性と三人のクラスメイトの間に割り込んだ。
「待った待った! 何があったんだよ!」
あえて事情を知らない様子を演じながら割り込むも、黒の短髪と赤いツリ目の小柄な少年が怒気を膨らませる。
「どけ変態。ぶった斬るぞ」
「だから落ち着けって! 人間は言葉を交わして和平できる生き物なんだ……殺る気なんて出してたら争いしか生まないだろ」
「講堂でのお前の姿を思い出せ、騒動を撒き散らす化身になってんだろうが」
「とりあえず、説明してくれ……状況が把握できないんだ」
怒りを受けながらも落ち着かせようとするライエルスに銀髪セミロングの両目隠れ、頬に"機"の一文字が彫られたタトゥーがある少女が四人の男達の中でもタキシードに近い服装を着たキザッぽい男に指を指した。
「その男がこっちのクラスメイトをバカにしたんだ」
「だってそうだろう? 強力でもない召喚物を従う程度なら、目指さなくていいだろ」
「てめぇ……!!」
キザッぽい男の発言にタトゥーがある少女がさらに怒気を膨らませ、伝染するかのように後ろにいた二人も怒気を膨らませる。
「おっと動くなよ……僕が何者か知っているだろう? 名門デトノコの家系の三男……ポッザ・デトノコだという事をね」
「で? そのボッチ・ナンダヨは何が言いたいんだよ」
「ポッザ・デトノコだ! なに、簡単さ……僕の誇りを汚したんだ……」
頭に疑問符を浮かべたライエルスがキザッぽい男――ポッザ・デトノコに何を要求するのか聞くと、本人は地面に指を指しながら言った。
「土下座しろ。最大級の謝罪をしながらな」
「……ッ!!」
その発言に我慢の限界が来たのか殴りかかろうとするがライエルスに待ったをかけられ、動きが止まる。
「っ!?」
「……おまえ……」
その時に一瞬だけ見えたライエルスの表情に青いメッシュの入った黒髪を持つ美青年と赤いツリ目の小柄な少年は察した。
「頭を下げれば、いいんだな?」
「おい!!」
ライエルスの言葉にタトゥーがある少女はライエルスに噛みつくもこちらを見ようとしない。
「話のわかるヤツがいるみたいだな」
「お前、あんなヤツにバカにされていいのかよ!!」
「聞いてんのか! このへんた――」
そう言って無理矢理こっちに顔を動かし、ライエルスの表情にやっと気付いた。
「……最後に聞く……頭を下げれば、いいんだな?」
「しつこいなぁ……さっさとやりたまえ。これだから物覚えの悪い野蛮人は……」
「……そうか……」
苛立ちを隠さないデトノコに笑みを浮かべ、近付くライエルス……そう、三人が見た表情は喜びや悲しみではない……それは――
「ありがとな、格下」
「……へ?」
――マグマのように煮えたぎる怒りだった。
「
「グガッ!?」
瞬間的に加速し、上体をそらしながら助走の勢いをつけたヘッドバットがデトノコの頭に叩き込まれた。
「き、貴様、なにやって!?」
「何って、頭を下げただけだろ?」
「思いっきり頭突きだろ!? それに土下座って言ったぞ!」
「知らねぇなぁ……オレは確認の為に何度も確認したぜ……『頭を下げれば良いのか』って……要所を言わなかったそっちの落ち度だろ」
予想外の行動に戸惑い、頭を押さえながら言うデトノコをライエルスは悪どい笑みを浮かべながら答えた。
「そ、そんなの屁理屈だ!」
「屁理屈も理屈の一つだ……それに誤解してるみたいだから言っておいてやるよ」
指摘するデトノコをかわすライエルスの表情が一変、三人が見た怒りの表情を見せる。
「オレは仲間の為に下げる頭はいくらでもあるが……格下に下げる頭は持ち合わせていねぇ」
そう、デトノコは彼の、ライエルスの逆鱗に触れてしまったのだ。ただの喧嘩ならライエルスは全員を適当に言いくるめて終わろうとしていた……本来のプランBはそうだった。しかし、カシオペヤは召喚士を目指していた事を知っていたライエルスにデトノコは彼女に『向いてない』と言ってしまった。自身の前で【好きなもの】を語った彼女にだ。
彼自身が怒る理由は、それだけで充分だった。
「言っておくが、社会的に殺すのは無理だからな……オレはすでに周りから変態呼ばわりされてるから痛くも痒くもねぇ……それでもいいなら、存分にこの石頭をお前の頭を狙って下げてやるよ」
「……おのれ……おのれぇ……!!」
騙された事に気付いたデトノコは怒りに身体を震わせ、残りの三人をライエルスに襲わせようと指示する。構えるライエルスだが、後ろから怒気を膨らませていたハズだが、いつの間にか落ち着いた様子の三人が現れた。
「ははは、最初は後ろから斬ってやろうと思ったが……存外に愉快な人物じゃねぇか」
「二割ぐらいだが、スッキリしたぜ」
「まぁ、これで水に流す気は更々ないけどな」
赤いツリ目の小柄な少年がライエルスが土下座したら本当に斬る旨を言い、タトゥーがある少女は腕を回しながら悪い笑みを見せ、青いメッシュの青年は軽く微笑むも警戒を怠らない。
「おいおい、いいのか? 変態に加担した愉快な仲間達の称号が貼り付けられるぜ?」
「勘違いすんな。俺達は目の前のザコと変態が争おうとしていた所を
「とにかくブッ飛ばす、どんなヤツでも叩き潰す!!」
「こちらも動ける理由が欲しくてうずうずしてたのさ、早い話、水を得た魚って奴かな?」
三人の言葉に呆けた表情を見せるライエルスだが、要するに合理的に動ける理由が欲しかった事を理解して口角を上げた。
「おいおい、性格に難ありが多いだろ。下手すればオレ以上なヤツらばかりじゃねぇか」
「「「それはない。お前が一番だ」」」
「ジン、ニャン公、カシオペヤを頼むぞ」
「……おう、わかった」
「ニャ!」
ライエルスの言葉を即座に否定する三人。ライエルスはアトラスハイズと彼女の召喚物であるレオに守るように伝えると前を向く。もし、鏡があるならば彼の顔は悪役のような邪悪な笑みになっているだろう。
「さぁ、お前の首をヨコセェェェ!!」
他人の為に怒っているとは思えない言葉と勢いにデトノコは体の底から震えが襲いかかってきた。
「お、お前達はアイツらを止めろ! 一掃する召喚物を呼び出す!」
三人に命令して自身は後方へと離れながら召還の準備をし始める。
「止めろ! ゴブリン!」
「来い! オーク!」
杖やマントの召喚陣から緑色の小鬼と大きな身体の豚の亜人が現れ、三人の道を塞ぐように立った。
「行くよレプンカムイ!」
「ヴァールでガンガンやってやるぜ!!」
青いメッシュの青年両刃剣で、地面に突き刺し、タトゥーの少女は魔方陣を書き込んだ鉄製のガントレットを両手を合わせて地面に手を叩きつけることで召喚する。
アイヌ民族の服装を着たシャチのような人物が現れてゴブリンを殴り、オークと同じぐらい大きな鋼鉄のロボットが相手のオークと取っ組みあい、その隙に赤いツリ目の少年とライエルスが通り抜ける。
「仕留めろオーガ!!」
「こいつは貰うぞ……鬼武者ァ!!」
赤い肌と白髪、筋肉質な身体と二本の角が特徴の亜人を召喚した事を確認した赤いツリ目の少年は自身の魔術用具である黒塗り鞘の脇差に手をかけ、大太刀を携えた赤紫色の半透明の鬼武者を自身の背後に出現させる。彼の手にはいつの間にか長大な野太刀が握られており、彼の動きに追従する様に動きながらオーガに斬りかかった。
「ちぃ、どいつもこいつも役に立たないなぁ……出ろトロール!!」
斬りあうオーガと荒武者の間を駆け抜けて接近するライエルスに悪態をつきながらデトノコはオークよりも大きな身体にトゲ付き棍棒を持った緑色の亜人を召喚した。
「こいつは中位にしてパワーは上位に劣らない召喚物だ! 捻り潰してやるよ!」
「そうか。だったらオレも召喚してやるよ」
自慢するかのように言うデトノコにライエルスは自身の召喚で使用する召喚銃を取り出し、魔力を循環させて召喚する。
「コールディア……マッチ売りの少女!」
声と共に引き金を引き、緋色の光と共に現れ、姿を見せた第一印象は『筋肉』だった。
2m近くの身長にボロ布のようなツギハギの服を着ているにも関わらずに鋼のような硬さを持つどこか美しさを覚えるバランスよく鍛えられたボディ、ピンク色の腰まである長い二本のおさげに濃い顔としなやかだが力強さを感じる
「なんだソイツはァァァ!? どこに少女の要素があんだよ!? むしろ世紀末要素が全開だろ!!」
「お前の目は節穴か……こいつの純粋無垢な瞳の輝きを見てもそう言うのか!!」
「どこがだ! 百歩譲っても獲物を狙う狩人か
デトノコの指摘にライエルスが反論する。デトノコがライエルスの反論を否定した瞬間、マッチ売りの少女が雄叫びをあげた。
「ブルゥァァァァアァァァァァ!!」
「ひ、ヒィ!? なんだよ!!」
「ほら見ろ! お前の心ない言葉に彼女が悲しんでるだろ!!」
「悲しんでるのか!? 己を鼓舞して襲いかかろうとする雄叫びにしか聞こえねぇけど!?」
マッチ売りの少女の雄叫びに相対してたトロールの顔色が悪くなっていた。目の前の少女(?)には、自身よりも格上の覇気が放たれているのだろう。
「こ、こんなの付き合ってられるか!!」
「あ、待て!!」
動かないトロールを見限り、逃げようとするデトノコ。これ以上逃げられたら追えない事を理解したライエルスの頭に一つの考えが思い浮かんだ……それは自身の尊厳がさらに下がる行動だった事を理解する……
「……使いたくなかったが……背に腹は変えられない。臆病者で逃げ腰のボッチ! ママのオッパイに甘えるぐらいならオレを見ろぉ!!」
「貴様! これ以上の罵倒は許さ――」
苦渋の決断で実行に移すライエルス。大声で罵倒すると顔を真っ赤に染めて怒号を上げようとするデトノコだが、振り向いたと同時にジャージの上下を早脱ぎしたライエルスの姿に顔色と言葉を失った。
それもそのハズ。ライエルスの姿はパンイチではなく……紺色のスク水姿だった。
“スク水”
スクール水着の略で小学校から高等学校の体育教育、またスイミングスクール等において、児童・生徒が着用する水泳着である。
教育現場で使用されるため、露出が少なく地味なデザインで耐久性を重視した仕立ての物が多いが、近年は装飾が施されたものも増えている。
それを着たライエルスが、仁王立ちしていた。
「――」
あまりにも予想外な姿と行動に思考停止するデトノコ。それはデトノコの周りにいた男達の召喚物を倒して加勢に行く三人も同様、その姿を目にして固まった。ジンはさりげなくカシオペヤの視界を遮って防いだが、彼女の召喚物であるレオは見てしまって吐き気に襲われていた。
誰も彼もが彼の姿を見て固まった……だが、この場にいるカシオペヤを除く一人はこの事態が起こる事を信じ、そして待ちわびたと言わんばかりに動いた。
「ブラァァァァァ!!」
「グォオオオオ!?」
ライエルスの召喚物であるマッチ売りの少女だ。彼女は無防備に固まっていたトロールに全身全霊の乱打を力の限りに叩き込む。
その拳はトロールの肉を激しさを増しながら襲い、赤い液体が付着しても止まらず、トロールは高速で放たれる重い攻撃に手も足も出せない。
「しゃあああああああああくぬぇつぅ……マッチ……フィンガアアアアアアアアアアアアアッ!!」
やがて、身体を深く沈めたマッチ売りの少女がトロールに渾身の一撃を振るった。音速を越え、熱を帯びて赤くなった拳がトロールの身体の中心を狙って衝撃が打ち込まれた。
「……え……あ……」
気付くも遅く、デトノコは勢いよく殴り飛ばされたトロールにぶつかって地面に倒れる。轟音の後に静かな静寂が生まれ、ライエルス達の目に映っているのは……身体の中心に拳の形をした火傷を負ったボロボロのトロールが気絶したデトノコの上にのしかかっていた光景だった。
「ブラァァァァァ!!」
「……ありがとなアカリ」
勝利した事を確認したライエルスはマッチ売りの少女――アカリを帰還させ、いまだに固まっている他のみんなにサムアップする。
「全員動かないでください警備の者です!」
瞬間、警備員が召喚室になだれ込むように入ってきた。
「先程、この大学に所属する講師から騒動があると通報を受けました。皆様はそこからう……ご……」
警備員の一人からアクトーバーに頼まれて来たんだなと察するライエルスだが、こちらを見て言葉を失う警備員に疑問符を浮かべた。
そして、自身がスク水姿という360度見ても変態の姿だった事を思い出して冷や汗を大量に流す。
この状況での適切かつ、誤解を招かない言葉を全力で探し始める。目の前の警備員はライエルスの行動を見逃さないように警戒している。
「……こ……」
しばらくして、適切な解答を見つけたライエルスが口を開いた。
「……コンニチハ、サンタクロースダヨ?」
「確保します!!」
「チクショウ! 誤魔化せなかったか!!」
裏声で足掻いたが無駄に終わり、大勢の警備員に拘束されてライエルスは進路指導室に連行された。
日本よ……これが、これこそが、変態だ!!