暑さにダウンしながらも、やっとこさ投稿!
熱中症や熱射病に気を付けなければ……
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□コルデアUC 錬金科棟
大学内にある白い壁に黒の屋根が目立つ大きな建物がある。そこは錬金科が日頃から錬金術を行う実験棟――錬金科棟である。
「これでいいですかシューリング先輩?」
その錬金科棟の横で白い長髪にキャンディを模した髪飾りをつけている女性がライン引きで白線を作り、その様子に喋るクマさんことシューリングが右手の指で輪を作る。
「おっけーベア」
「しっかし、シューリング先輩の他に濃い個性の人なんているんですかね……想像できないんですけど」
「一目見れば、アイツらの事がよくわかるベア……百聞は一見にしかずと言うベアよ」
亜麻色の髪、赤紫色の瞳でたれ目の青年が目の前の人物より個性がある人物が来ると聞き、興味本意で手伝っていた。
「そろそろベアね……シュガー、悠磨、二人は白線から下がって離れるベア」
「ところで、これって何の準備ですか?」
「そうベアね……強いて言うなら――」
白い長髪にキャンディを模した髪飾りをつけている女性――シュガー・ホワイトと亜麻色の髪、赤紫色の瞳でたれ目の青年――
「――セーフラインベア」
「セーフライン?」
「それってどういうこ――」
その言葉に疑問を持った二人だったが、詳しく聞こうとした瞬間にシューリングが目の前からいなくなった。
「――と……で……え?」
突然の出来事に戸惑う砥波。まっすぐに焦げた車輪の跡と何かが引きずったような跡があることに遅れて気付いたシュガーは急いで引きずったような跡の方向を見る。
「……シューリング先輩!?」
そして、言葉を失う。そこには大きな馬車を大きく足を開いて馬の頭を掴んで踏ん張ったシューリングの姿があった。
……止めた!? 知覚できない高速の馬車を正面から!?
「すまないな。シューリング三年生……レースが思ったよりも激しくて熱狂してしまった」
「気にするなバルドガング……それよりもだいぶ速くなったベア」
目を点にするホワイトを他所にバルドガングはシューリングに礼を言うと、シューリングは笑いながら答えた。
「む、遅れてしまったようです」
「ラングルトも来たようベアね」
「着いたぞ、ロマン」
ラングルトとライエルスを運んだメデューサが到着し、ラングルトに言われてライエルスは自転車のかごから降り、地面に足をおろした。
「……」
入学初日から問題を起こした問題児で有名なライエルスを見た砥波とホワイト……だが、ライエルスは突然地面に四つん這いになって――
「……気持ち悪い……」
――顔を土気色に染めてダウンした。
例え目の前に女性がいてもお構いなしに吐いたライエルスに二人は思わずズッコケそうになった。
「そりゃ、そうなるわな」
「……二度と乗らねぇ……なんで平気なんだよ……」
「何回も乗ってたら耐性がついた」
どうやら、メデューサの荒い運転に酔ってしまったようだ。少なくとも悪い人間じゃない事に二人は苦笑した。
「お前達もどうだった!」
「楽しかったぜ! イェーイ!!」
「……なんでテメェは平気なんだよ」
「……地面が……地面がケンカ売ってる」
「…………」
「……気持ち悪い……」
マナナナ以外は全員グロッキーになっており、各々が顔色が悪くもゆっくりと戦車から降りていった。
「……誰か足りなくないですか?」
少しだけマシになったが、まだ顔色が悪い八霧がメンバーが少ない事に気付いた。周りを見渡すバルドガング……そして、気付いてしまった。
「…………エレン!!」
目の前の惨劇に顔色を悪くして駆け寄るバルドガング。その様子からいつもの彼女ではない事がわかる。
「……なんて事だ……」
急いでラングルトとシューリングも駆け寄るがその様子に顔色を変える。
「……私が、私がああ言ったばかりに……!!」
「バルドバングのせいじゃない……俺も自重すれば良かったんだ!!」
「二人とも! 嘆く暇があるなら直す事を考えるベア!」
いつもより真剣な表情と声色で話しかける三人。その様子からただ事じゃないように思える。
「直せるのか……シューリング」
「直せるのかではない、直すんだベア」
「……だが、流石にこれは……」
「諦めるな! 諦めたらそこで終わりベア!!」
微かな希望にすがり付くような表情のラングルト、諦めを見せるバルドガングを叱咤激励しながらシューリングは声を高々に言う。
「例え1%しかなくても、オレは――
――
「すいません。僕は無事なんですけど」
訂正。ただの悪ノリだったようだ。その様子に一部を除いて呆れた表情で見るライエルス達に三人はどこ吹く風でコントまがいの寸劇を続けた。
「耳をすませば……アルケミヤの声が聞こえる」
「本人ここにいますからね。聞こえてますか?」
「クッ、パーツが足りん……おのれネジィッ!!」
「いや、仇敵に出会った感じで言われても……」
「全身全霊で直して見せる……シューリングの名にかけて!!」
「いい加減にしろォォォォォォォ! いつまでこの寸劇を続ける気だァァァァァァァァァァ!!」
錬金科棟の前でアルケミヤのツッコミが空に響いた。なお、壊れた眼鏡は錬金術で直しました。
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□錬金科棟 館内
「まったく、冗談が過ぎますよ」
あの後、眼鏡を直した三人にアルケミヤは少しだけ説教してシューリングによって錬金科棟の案内を行っていた。なお、説教を聞いていたのかいなかったかは一言だけ『馬の耳に念仏』と言っておこう。
「何か言う事はありますか?」
「「「悪ノリが予想以上に楽しすぎた。後悔も反省もない」」」
「少しぐらい謝れェェェェェェ!!」
悪びれる様子もなく自信満々に答える三人にアルケミヤが言うも聞いた様子はなかった。
「エレン、諦めた方がいいぞ。この人達は行き止まりの壁をぶち壊してまっすぐ進む問題児だ」
「あはは、否定しないけど少なくとも、君も
「おう、よろしくな」
一足早く理不尽っぷりを体験したライエルスが言うもホワイトが苦笑しながら自己紹介する。
「俺が
「ダンスもそうなんですけど、私は音楽が好きでよく聞いていたんですよ。でも本人に会えるなんて……あの楽器って自前なんですか?」
「あぁ、俺の錬金術は楽器だから作って組み合わせながら作曲してるんだ」
「今度、演奏してる所を覗いてもいいですか?」
「……俺もいいだろうか?」
「構わないよ」
砥波は芸名である間馬晴翔だと気付いたカシオペヤに音楽関係の話で花を咲かせ、端に聞いてたザブンブルグもどこか警戒するような様子で話しかけた。
宗形やアーヴェイン、マナナナは錬金術の様子を興味津々で覗いていた。
やがて、扉に『シューリング工房』と書かれた部屋の前に到着し、部屋の中に通される。
「オレの工房にようこそベア、そんじゃさっそく直すとする……渡してくれるベアか?」
ライエルスはシューリングに召喚銃を手渡し、受け取ったシューリングは自身の目の前に若葉色の魔法陣――しかし、魔導師よりどこか科学的な形――を展開した。
「アレはなんですか?」
「錬金術の基礎となる『理解』『分解』『再構築』の一つである『理解』だよ。ああやって物質の構造を把握するんだ」
カシオペヤの疑問に砥波が答える。見たこともない、初めて見る光景に一年勢は夢中になる。
「ふむ……所有者の魔力とメンタルが直結する仕組みか……中々におもしろい構造ベアね……」
「精神力と魔力は同じじゃないのか?」
シューリングの溢した言葉に今度はアーヴェインが質問し、ライエルスが答えた。
「別だ。気力や根性は精神力に分類されるが、魔力は独立した分類だ……例えるなら、RPGのゲームで呪文で消費するのが魔力、物理的な特技を使用する時に消費するのが精神力だ」
その説明に一部は納得するが、何名かは首をかしげてラングルトやバルドガングに詳しく説明してもらった。
「メリットやデメリットってあるのかー?」
「精神にダメージを受ければ表に出るほどわかりやすい……だからこそ、ピンチの時こそ気持ちで奮い立たせ、時として強力な力に化ける事ができるベア」
「じゃあ、なんで壊れたんですか?」
マナナナの質問にシューリングが展開してた『理解』を解除して答えるとアルケミヤが疑問を浮かべる。その言葉にシューリングはどこか間の悪そうな様子を見せた。
「これはあくまで予想ベアだが……元々弱くなってた強度に精神の状態が深く沈んでいた際に勢いよくテンションを上げてしまったのが原因ベアね」
「なんだそのバカみたいな原因」
予想よりもバカらしい解答に呆れる宗形と他のメンバー。
「…………」
「…………」
しかし、そんなバカらしい解答に心当たりがある二人は体から冷や汗を流していた。
……めっちゃ心当たりがある……
深夜のテンションに起こった出来事だからありえる事実に少なからず震える二人。するとグォォォ、という音が聞こえて身体が強張る。
「あははは、色々とあってお腹空いちゃった」
「まぁ、どちらにせよ。思ってたより材料が必要みたいベア……オズの研究所に頼んでおくベアか……」
音の発生源はマナナナの腹の音であり、シューリングを含む他のメンバーは呆れながらも微笑む。
「とりあえず、ご飯でも食べるベア……錬金科が誇る食堂に驚くベアよー」
オズの研究所に連絡をしてから、シューリングはライエルス達を率いて錬金科棟の食堂に案内した。
本当なら錬金科と錬金術の説明とかあったのにできなかった……次こそ……必ず……!!