うちの母港は確率がおかしいと思うんだ   作:出口のない周回

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エンタープライズ曰く『編成がおかしい』

 固い硬い靴底が、地面を打つような音が鳴り響いていた。その音をたてている人物は、随分と気が立っているように思える。

 彼女とすれ違った駆逐艦、クレセントはそのただならぬ雰囲気に圧されて道を譲るように壁際へと駆け寄り、怯えた表情で彼女の事を見送った。

 

 

 その白い髪を靡かせて、長く静かな廊下を行くのはかの有名なグレイゴーストこと、ヨークタウン級航空母艦2番艦エンタープライズ。

 一枚の紙を片手にやや早歩きで先を急ぐ様子の彼女は目を吊り上げて、怒り心頭と言った表情であり。すれ違った者達の一部が、怯えて泣き出すほどの雰囲気を纏っている。

 そんな彼女が、自身の羽織る外套をゆらゆらと揺らしながら向かう先は指揮官が居るであろう執務室。

 彼女は指揮官に対して文句、もとい抗議の言葉を言ってやろうとその歩を進めているのである。

 

 原因となったのはエンタープライズが手に持つ紙。それに記されているのはとある編成についてである。

 見る者のほとんどは特に何も感じることのない、ただの伝達書。しかし、何かが彼女の機嫌を損ねる事となってしまったのだろう。

 

 やがて執務室の前へとたどり着いたエンタープライズは、ノックをすることもなく扉を開いた。

 壊れてしまうのではないか、と思われるような勢いで開かれた木製の扉の先、執務室。通常であればそこにあるはずの指揮官の姿は残念ながら見当たらなかった──。

 

 何故。

 

 指揮官の姿がない事に、一瞬思考を停止したエンタープライズ。

 しかし指揮官と共に姿の見えないある人物を思い浮かべ、忌々しそうに舌打ちをすると、執務室を後にした。依然、纏う雰囲気は変わらず。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ──怖い。

 

 ウォースパイトの私室にて、執務室に設置してあると言う防犯カメラの映像を見せてもらった私はそう思った。

 そもそも今初めて知ったカメラの存在自体もそうであるが、憤怒の様相で執務室に入ってきたエンタープライズ。彼女の姿は相当に強烈である。

 執務室の扉は先ほどの衝撃により、もはや扉としての機能は期待できないだろう。明石に修理の依頼をする必要がある。

 

 今現在、私は秘書艦であるウォースパイトと共に、彼女自身の部屋に居る。

 事の発端は午前の執務と言う名の書類との格闘を行っていた際、同じく作業をしていた秘書艦のウォースパイトが「危険が迫っている」と、ふいに立ち上がって私の手を引いたので移動してきたのだ。

 そしてそこから約十分後の今に至る。

 

 

 失敗した、のだろうか。

 

 彼女ら艦船達には嫌われないよう努めてきた。

 古参メンバーであり、それなりに付き合いも長いエンタープライズがあれほどの怒りを露にするなど、よほどの事だろう。

 特にこの身に覚えはない。が、現実と言うものは唐突に鋭い刃となり、目の前に突き付けられるものだ。

 

 

 エンタープライズが去った後の執務室の映像をぼんやりと眺めていると、私の耳に何かの物音が入ってきた。こんな時に何の音だろうか。

 耳を澄まして、音へと意識を傾ける。

 エンジンの駆動音のようなものと……、これはプロペラが回る音、か。

 

 やや殺風景な女の子らしくない部屋、もとい私が普段作業を行っている執務室にとてもよく似ている内装のウォースパイトの部屋にはそんな音が出るような代物は見当たらない。

 外からの音だろうか。

 

「指揮官、それはいけないわ」

 

 部屋に備え付けられた窓から外を見ようとしたが、ウォースパイトの手によってそれは阻止された。

 彼女がカーテンを閉めて少しして、その何かの音が接近する。そしてカーテンに影が落ち、何かの形がぼんやりとしたシルエットとして映し出されやがて消えた。

 先ほどまではとても近くにあった音が、遠退いた。気がする。

 

 

「今のは彼女の艦載機よ、おそらくここの全域に点在している。……その意味はわかるかしら?」

 

 日の光が差さなくなり暗くなった部屋で、私は唾を飲んでゆっくりと彼女の言葉に頷いた。

 

 おそらく。いや、確実に。エンタープライズが私を探しているのだろう。

 あるいは。

 彼女の艦載機に見付かってしまえばそれが最後。こちらへと照準を向けられた機関銃が火を吹き、私は瞬きをする間もなく蜂の巣へと変えられてしまうのだろう。

 

 そんな少し先の、想像ではあるがそう間違ってもいないだろう未来(じぶん)の姿に身震いをし、目の前にいるウォースパイトを見つめるが彼女は何も答えない。

 

 沈黙が訪れる。

 

 

 

「指揮官はここに居て頂戴。多分、安全だと思うわ」

 

 沈黙を破ったのは、ウォースパイトの放ったそんな言葉だった。

 果たして、この場所で危機が去るまでやり過ごす事は正しいのだろうか。ここは指揮官として、事態の収拾に努めるべきではないか。

 

 いや、そんなことよりも彼女の口ぶりはまるで自身はこの場を離れるとでも言うかのようである。

 何と言うべきか、それは非常にマズい。

 エンタープライズと対談を行うにしても、私一人では最悪の場合言葉を交わすこともできないかもしれない。

 そのような事にならない為にも、是非ウォースパイトには付き添ってもらいたい。

 

「私は……ええ。少しアレと話す必要がありそうね」

 

 ──しかし、現実は非情である。

 

 私が呼び止める間もなく、彼女はそんな言葉を置いて部屋を出てしまった。

 

 さて、どうしたものか。

 明石に助けを求める……。としても、今の所使える連絡手段がない。

 レナウン……。は、現在委託任務に出ている。帰ってくるのはまだまだ先だろう。

 

 などと、あまり有効な手を思い付かずに思考を重ねていると、なにやら窓の外から声が聞こえてきた。

 

「いい加減にしないかエンタープライズ! 駆逐艦の妹達がひどく怯えている! 悪ふざけは止せ!」

 

 声の主はアークロイヤルだ。

 随分と声を張り上げているようだが、もしかしてそこにエンタープライズも居るのだろうか。

 

 私が部屋の窓を開いたのと爆発音が響いたのは同時だった。

 すぐさま窓から身を乗り出して下へ目をやると、まず目に入ったのは地面を覆うような砂煙。

 少ししてそれが晴れると、そこには広範囲に抉れたコンクリートとその中心に倒れ伏すアークロイヤルの姿が。

 そして少し離れた所に、幾つかの艦載機を近くに滞空させたエンタープライズ。

 状況から察するに、おそらくはそういう事だろう。

 

「……っく、わ、私は……。駆逐、艦……の。妹……達の、為。倒れる……、わけに、は……」

 

 ──アークロイヤル、貴女の勇姿は立派な物だった。

 

 立ち上がろうとするも、力尽き倒れてしまったアークロイヤルの姿に私は思わずその名を叫びそうになったが、すんでの所で堪えて窓際から離れた。

 

 アークロイヤル、彼女は戦ったのだ。駆逐艦達を守るために。

 ならば私も指揮官として戦わなければならないだろう。今立ち上がらずして、いつ立ち上がると言うのか。

 

 覚悟を決めた私はウォースパイトの部屋を後に、執務室へと向かった。

 決着をつけるために。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『エンタープライズへ告げる。至急、執務室まで出頭せよ』

 

 母港全域へと放送を流した以上、数分と経たない内にエンタープライズはその姿を現すだろう。

 果たしてその砲口が私へ向けられるか否か。あるいは私の思い過ごしか。もう、すぐに結果は出る。

 

 私は手に持った紙、もとい遺書を机の引き出しへと入れた。これは念のためにと、先ほど書き上げたものである。

 内容は主に私の死因は事故死として大本営へ通達するようにと、まあその程度だ。他には取り立てて書き記すような事柄もない。

 もちろんこのような志半ばで死にたいわけでない。しかし、もし私が死んでしまったとしてもここの艦船達は幸いにも皆優秀であるので、私があれこれ書き残さずとも上手くやっていけるだろう。安心して逝くことができる。

 いや、そもそも死んでしまうかもしれないこの状況自体、何一つ安心できるものではないが。

 

 などと考えている内に、決着の時は訪れたようだ。

 

 入り口の脇に立て掛けられている既に扉としての機能を失った木板を尻目に、その向こうへと意識を傾けた。

 こつこつと、靴底が廊下の床を打つ音が静かに響いている。

 徐々に、扉があった位置の空間が歪んでいくように見えるが、これは私の心理的な恐怖の表れだろうか。それとも彼女の放つプレッシャーによるものだろうか。

 

 私はそんな考えを吹き飛ばすように軽く頭を振り、重く体にのしかかるような重圧と共に姿を現した彼女、エンタープライズと向かい合った。

 高熱を秘め静かに燃える炎のような青い瞳がこちらを見据えている。

 

 ──よし。

 

 そもそも彼女と対話を出来なければ意味がないこの状況で、顔を合わせたその瞬間にジ・エンドというような結末を迎えなかったことに、私は内心ホッとした。

 

「さて、エンタープライズ。話を────」

 

 つかつかと歩みよってきたエンタープライズは、私の言葉を遮るように目の前の執務机へ手を叩きつけた。

 なるほど。つまらない話に付き合うつもりはない、か。

 

 よく見れば何かの紙を叩きつけたらしく、彼女の手と机との間にややシワの入った紙があった。

 当然ではあるが、彼女の手が覆い隠すような形になっているため、そこに書かれた文字等は見えない。

 

「指揮官! これはどういうことだ!」

 

 彼女の指す『これ』と言うのは、ほぼ確実にこの紙の事だろう。

 そう理解していようが、そもそも紙の内容を読み取れなければ何も分かっていないのと同義である。

 つまり、だ。

 

 ──手を退けてくれ、エンタープライズ。

 

 しかし、どんな言葉がトリガーとしてこの体に風穴を開けられるかわからないような状況下で、そう言葉に出して言うわけにもいかないだろう。

 察してもらえる事を願いながら、彼女の目を見つめる。

 

「……! そんな手には乗らないぞ。早くこれについての説明を願おうか!」

 

 特に何かをした覚えはないのでエンタープライズの言うそんな手が何なのかはわからないが、幸いにも彼女は紙を私の目の前へ突き付けるように手を突き出してきた。

 

 鼻先に触れそうなほどに近付けられたその紙へと焦点を合わせ、文字を読み込んでいけばその内容と彼女の怒りの原因がわかるはず。

 しかし、いま目の前にあるこれは私が今朝方に発行した演習においての防御艦隊の編成に関しての通達書だ。書き損じがあるだとか、そんなことはない。

 どこに問題があるのかさっぱりわからない。

 

「指揮官、黙っていないで答えてくれ! これはどういうことだ!」

 

 エンタープライズが間違えて別のものを私に見せている可能性も少なからず考えた。しかし今しがた彼女はその紙を自身の目で確かめ、怒りによるものか手をわなわなと震わせると改めて私へと突き付けてきたのでおそらく間違えてはいないのだろう。

 

 そうなると、エンタープライズが何に対して腹を立てているのかがますますわからなくなってきた。

 普段は冷静に物事を考えて行動に移すことの出来る彼女が、これほどの怒りを露にするのならばそれ相応の原因があるはずだ。

 私はそう考え、何度となく紙を読み返す。が、やはり何も目につくようなものは見当たらない。

 

 ふと、視線を外すとエンタープライズの艦載機が私を囲むように空中で佇んでいた。

 その姿を確認したことで、やっとそのエンジン音が私の耳へと入ってくる。

 背筋を、ひんやりとした汗が通った。まるで刃物でゆっくりと撫でられたような冷たさを感じた。

 

 

 落ち着け。

 よく考えろ。ここは分岐点だ。

 おそらく、ここで間違えれば私は死ぬ。

 慎重に。確実に。早急に。

 答えを探さなければ。

 

 私の書いた文字に問題がある?

 いや、そんなことはないはずだ。もしそうならもっと前に私は死んでいる。

 

 内容。もとい、編成に問題がある?

 おそらく、彼女の気に障る可能性があるとすればこの部分以外はないだろう。

 しかし、私の目には特に何の問題もないようにしか映らない。

 

「……エンタープライズ。それは、編成について、と言うことだろうか」

 

 そう、一言一言を確かめるようにゆっくりと絞り出す。

 声を震わせることのないよう。冷静に、確実に。

 おそらく、彼女に不自然に思われても即DEADだ。

 

「────ああ。その編成は間違っている。そうだろう? 指揮官、すぐに訂正してほしい」

 

 

 

 第一関門突破。

 が、しかし。次が最大の難所であり、ほとんど最終関門と言っても差し支えない箇所だ。

 

 私は今一度、編成を見返す。いや、一度と言わず何度となく。

 もしも私に、念力のような力が備わっていれば紙は穴が開くを通り越して紙くずの山となり、原型が残っていないだろうと思えるほどに見返した。

 けれども、私が自身の手で生み出しそして今自らの首を絞める原因となっている目の前の紙は何一つ答えやしない。

 

 ギリッ、と。エンタープライズが奥歯を噛みしめたような音が聞こえた。

 タイムリミットが迫っている。

 

 額を嫌な汗が伝った。

 

 

 

「……指揮官」

 

 エンタープライズが口を開いた。

 

 まずい。

 その先を言わせてしまえば終わりだ。間違いない。

 どうする。

 誰か、教えてくれないか。

 私は、どうすれば良い。

 

 私の目の前に突き付けられていた紙が、ひらひらと宙を舞い、やがて机の上へと落ちた。

 

 もはやこれまで、か。

 

 ウォースパイト、明石。後は頼んだ──。

 

 

「……指揮官、私は」

 

 

 衝撃に備えて目を閉ざし、終わりの時を待つが一向にその時は訪れない。いや、あるいは既にここは死後の世界か。

 ゆっくりと目を開くと、視界に入ったのは静かに涙を流すエンタープライズの姿。

 一体何が起こったと言うのだろうか。

 

「……私は、自身がここで一番の戦力だと自負している。そして、指揮官にもそう思ってもらえているはずだ」

 

 エンタープライズが視線をやや上に向けて、静かに語り始める。

 

 状況がいまいち理解できない。が、即座に思考を切り替えて話の続きを促す。

 

「……その証拠として、指揮官は一番良い装備を私に使用させ、新海域攻略においては必ず私を出撃させていたはずだ」

 

 私はその言葉に肯定するように頷いて見せた。

 

 エンタープライズの言う通り、私は彼女をこの母港においての最大戦力として信頼している。

 だが、それが今日の件についてどう関係するのだろうか。

 

 私はもう一度、防御艦隊の編成について思い返す。

 前衛に駆逐艦クレセント、不知火、カッシン。

 後衛は軽空母レンジャー、ハーミーズ、ボーグ。

 当然、練度は全員百。

 

 やはり、問題のある箇所は無い。

 問題は無い、のだが。もしや彼女は……。

 

「……指揮官、何故だ。それでも、私では頼りないか? 答えてくれ、指揮官!」

 

 そう言い、私を真っ直ぐに見つめるエンタープライズ。

 普段ならば毅然とした態度を崩さない彼女だが、微かに瞳が揺れている。気がする。

 

 間違いない。彼女は──。

 

「……エンタープライズ。私は貴官が自身でもそう感じている通り、貴官をこの母港においての最大戦力として考えている」

 

「指揮官……! そうだとすれば何故!」

 

「──この編成には意味がある」

 

 ──エンタープライズは、勘違いしている。

 

 彼女自身が明言していない以上ほとんど私の推測ではあるが、彼女は戦力外として自分が編成から外されたのだと勘違いしたのだろう。

 それは自身をここの最大戦力として自負している彼女のプライドを傷付けたはずだ。

 だからこそ、こうして私へ対しての直談判を行うまでに至った。と、そう言う事だろう。

 

 だが。

 例えそうだとしても、私にも譲れないものはある。

 

「貴官に話す事は出来ないが、とても大切な意味がある。どうか分かって欲しい」

 

 そう。これは私がかつて新人指揮官だった頃に世話になった、先人達へ表す敬意だ。

 様々な報酬と交換可能な演習ポイントを貯める上で、かつての私のような新人の為に防御艦隊をNだけで組んでくれていた先人達は本当にありがたい存在だった。

 おそらくエンタープライズを含め、他の艦船達に話しても理解してはもらえないだろうが、これだけは絶対に譲れない。

 

「……指揮官。その編成を組む事に意味があるからであり、私では頼りないから外したわけではないんだな?」

 

「ああ。誓って私はそのように思った事はない。貴官の事は信頼している」

 

 エンタープライズを頼りないと言ってしまえば、一体誰であれば充足していると言えるだろうか。

 と、そんな程度には彼女の事を信頼している。それは事実だ。

 

 さて、この返答がどう転ぶのか。

 もう既に命の危機からは脱したはずである為、安全は確保されている。と思いたい。

 

「……そうか。それを聞いて安心した」

 

 気が抜けたのか、エンタープライズへと向けていた視線をほんの一時外した瞬間に偶然か、狙ってなのか彼女は私の背後へと回ったようだ。

 耳元で声がすると同時に首元へ腕が回された。

 一瞬、冷や汗を感じたが、このまま首が絞められるような事はないはず。

 しかしそうなると、彼女のこの行動の意図がわからない。

 

「指揮官。少し、このままでも良いだろうか」

 

 やがてエンタープライズは、背後からもたれ掛かるように体重をこちらに預けて私の肩へと顎を乗せそう囁いた。

 問題が解決した以上、特に拒否する理由もないのでそのままにさせておくがやはり意図はわからない。

 

 よく考えればこうして彼女達へ対する信頼を口にしたことはほとんどなかったかもしれない。

 それが、今日の事件に繋がったのだとするならば、少し改善を考える必要があるようだ。

 

「──指揮官! アレを呼び出すなんて無茶を……!」

 

 私を呼び、疾風の如く執務室へと飛び込んできたのはウォースパイト。

 私とエンタープライズの姿を見た彼女は、ほんのコンマ一秒すらも遅れることなく大砲をこちらへ向けて構える。

 

 何故それをこちらへ向けるのか。

 

 いや、ウォースパイトからすれば、エンタープライズが私の首に腕を回しているこの状況。先ほどまでの経緯を考えるに私が首を絞められる寸前にしか見えないわけだ。

 

「エンタープライズ! 指揮官から離れなさい!」

 

「待ってくれないか、ウォースパイト。もう既にエンタープライズと話し合い、問題は解決した」

 

 とりあえずそれを下げて欲しい。

 それが放たれてしまうと間違いなく私が死ぬ。

 

「ええ、指揮官。それは見れば分かるわ。だけどこれは譲れない!」

 

「……ふっ。ウォースパイト、年長者の嫉妬は見苦しいぞ?」

 

 

 どうやら、私の死は避けられない事項だったようだ。

 

 ────明石、後は頼んだ。




 最近はさ、わりと減ったような気がするけれども。
 昔はそれなりに居た演習防御艦隊全Nの人達。初心者の頃はもうさ、神様にしか見えなかったんだ。うん。
 だって、ガチ艦隊組んでる人相手とか勝てなかったもん。

 最近はなんかガチ艦隊の人増えたような気がするけどさ。
 それでも初心者だった頃を忘れずにN艦隊を組む人は居ると思うんだ。いや、思いたい。

 いや、居てくれ(切実

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