森久保ドライブ 作:ブラチーノ
さぁクーフーリンの車はなんだぁ?
ガシャポン
"ランチアデルタS4"だ!さぁ乗り込んでレースが始まります。
3! 2! 1! GOOOOOOO!
次回 ランサー死す
ここは群馬の山奥、舗装もされていない砂利道に346プロの18歳以上のアイドル達が集まっていた。そして彼女らの前には一台の赤い車があった。ランサーエボリューションⅩ
三菱が世界に誇る傑作ランエボの最終形態である。しかしなぜアイドルに車なのか、
「というわけでオーディション始める。練習は5週まで、3回計って最速タイムで順位を出す。上から二人が合格だ。」
これはテレビ出演を賭けたオーディションである。
ラリー
運営に指定されたコース(主に公道)でタイムアタックをする、自動車競技の一種。
そのラリーの世界選手権が
三菱が再び来年からWRCに戻ってくる。その情報が世界中のラリー、三菱ファンを歓喜させた。そしてもう一つ日本からラリー参戦の声を上げたところがあった。
四条japanモーターズ(以後4JPM)。財閥四条グループの経営するモータースポーツ関連企業である。
すでに参戦しているトヨタ含めWRCに参戦する企業の半分が日本企業となるのに、日本ではラリーはそこまで有名ではない。そこでテレビ番組が組まれることとなった。これに名乗りを上げたのが765プロ そして346プロだった。
三菱や4JPMの協力の下、アイドル達が実際にラリーに参戦する事になった。4JPMのドライバーはすでに四条貴音、萩原雪歩ペアが決まっている。四条貴音は芸能界でも運転技術において1、2を争うほど上手い、私有地で幼い頃から車に触れていたおかげである。
しかし346ではまだだれが走るか決まっていなかった。だからオーディションを開いたのである。
原田美世は自分の運転技術に自信があった。アイドルの中で一番車に詳しいのは実際彼女である。今回のオーディションの話を聞いて、自分しかいない!と確信したほどである。
だが自分に追いつくタイムを出すアイドルは他にもいた。柊志乃、安部菜々、片桐早苗 この3人と原田は他のアイドルをぶっちぎって速かった。
柊と原田はグリップ重視で綺麗なラインを描いて走るのに対し安部と片桐は豪快なドリフトで駆け抜ける。
1位安部菜々
2位柊+0.5秒
3位片桐+0.8秒
4位原田+0.9秒
と接戦だ。原田は最後の週でどうにか一位にならねばと意気込んでいた。
「誰だ?今日は貸切のはずなんだが」
コースに入ってきた知らない車を見て今西部長がつぶやく。
赤いランエボ
弄ってあるのは原田から見て一目瞭然だ。だが中に乗っているのは意外な人だった。
「森久保P!なぜここに?」
「いやぁいつもここで走ってるんですよ。ここのオーナーと仲がよくて勝手にいつでも使ってくれていいって」
「そうだったのか。」
今西部長と森久保Pが会話しあっている。原田はTMEの助手席に何かがいるのが見えた。近づいてのぞき込んでみる。そこには必死に隠れようとしている森久保乃々がいた。
「森久保君が運転するのかい!?」
森久保Pが車好きでサーキットなどに走りに行くとき、森久保が付いてきたのが始まりだった。
森久保と一緒に走るようになり、森久保が走るようになり、森久保がサーキットにいるという噂は広がり、ファンがスポーツカーを買って集まるようになり、
「あっ森久保さん私ファンなんです。もしよかったらこの車乗ってみますか?」
とファンのいろいろな車を体験し、森久保はいつの間にかそのサーキットの最速ラップを刻むようになっていた。
今西部長はその話を聞いて何かティンときたようだ。
「実は今カクカクシカジカでカクカクシカジカ」
「成る程ぉカクカクシカジカなのですか」
森久保Pもティンと来ているようだ。
「おーい森久保。タイム計ってくれるから一周ガチで走ってみないか?」
「...ガチですか?」
「ガチです。」
「・・・ええぇ」
森久保は渋々とハンドルを握った。
車は他のアイドル達と同じランエボⅩ 森久保Pが助手席に乗り込む。
まだ15歳の女の子が臆することなくアクセルをふかす。雰囲気が変わる。これ絶対速い奴、という空気があたりに漂う。
「3,2,1,GO」ヴァァァンヴァアアアアンバババン
ランエボがカーブの向こうへと消えていった。
エンジン音が遠くで聞こえる、パンパンと破裂するような音も聞こえる、どんどん近づいてくる、速い、めちゃくちゃ速い。原田は自分の体内時計が狂っているのではないかと思った。最終カーブを内側ぎりぎりで抜けてくる、溝落としも普通に使っている、立ち上がりも上手い。今西部長も驚きを隠せていない。そのタイムは安部菜々のタイムを1分半も引き離す驚異の記録だった。
「まさかこれほど速いとは・・・決定だな。」
「では例の件は森久保が・・・」
今西部長と森久保Pがなにやら話をしている。森久保はいやな予感がしたので聞いてみた。
「・・・な、なにが決定したんですか?」
「森久保オーディション合格おめでとう。カクカクシカジカでWRC参戦決定だ」
「は?」ぐにゃあっ
カイジ状態になる森久保
「なんでなんでなんでなんでそそそそそんなせせかいぃぃぃい?」
森久保はめのまえがまっくらになった!
「無理無理無理無理無理無理久保ぉぉぉおお!」
圧倒的無理無理ラッシュをPに叩き込む無理久保
「えーと、も、森久保は免許もってないからせっかくでありがたいけど無理久保かなぁって・・・」
「エリゾン区間は俺が運転しよう、SS区間は森久保が握ればいい。それでいいですよね今西部長。」
「ああ今
「あの、ほ、ほら森久保運転上手くないし事故起こしたらみんなに迷惑からやめた方がいいかも・・・」
「チームとしては来年に向けての練習だから派手にぶっ壊してくれた方がいい経験になるって。」
Pも部長も携帯片手に様々な所に連絡している。もう森久保が参戦するのは決定事項らしい。
「さぁ忙しくなるぞぉ。まずラリーチームのみんなに挨拶しにいかないとな!」
「 」
森久保はランエボTMEにかつぎ込まれチームのガレージに連行されていった。
他アイドル達も森久保の勝ちを認めて解散となった。
三菱ラリーチーム「ラリーアート」のガレージに森久保とPは来ていた。森久保はランエボTMEが出てこようとせずヤドカリと化していた。
「出てきてくれよぉ森久保ォ」
「無理久保」
「ええぇ」
無理矢理引っ張り出そうかとも考えたが、森久保はいつぞやのおどおど狩人の時の猟銃で武装しており、近づいてくるならその面ぶっ飛ばしてやる、と明確な殺意を放っていた。
さて如何しようかと考えていた時。
「よく来てくれた助手君」ドドン
そこには池袋晶葉が立っていた。彼女は346プロが世界に誇る技術者である。その知識をラリーカーに活かそうとPが召集し、そして現在三菱のチームと一緒に開発に尽力している。
「どうだ?うまくいってるか?」
「もう完成してもうあとはセッティングするだけだ。」
「早いな。見せてもらってもいいか?」
「もちろんだ。」
池袋はそういうとガレージの奥へと入っていった。そして奥から車が姿を現す。
ランサーエボリューションⅩ ≪346エディション≫
森久保の為の車である。森久保に、シートやその他もろもろのサイズを合わせてある。
緑と白でカラーリングされた目に優しい車、様々なスポンサーのデカールが張り付けられている。側面には一際大きく「346」とそのロゴマークが描かれていた
「おお・・・」
森久保が346エボを見ている。
「乗ってくれ森久保君、君の車だ。」
さっきまで乗ってたランエボTMEは森久保Pの所有物である。
「すごい・・・」
ヤドカリ久保引っ越し完了、
「どうぞ回してみてください。……いい音でしょう? 余裕の音だ、馬力が違いますよ」
「一番気に入ってるのは……」
「何です?」
「……カラーリングだ」
「わーっ、何を! わぁ、待って! ここで動かしちゃ駄目ですよ、待って! 止まれ! うわーっ!!」
森久保と車はコースへと飛び出していった。
4JPM 四条765チームのガレージ
「準備は万端ですわね。」
「き、緊張してきた・・・」
四条と萩原の前には鮮やかな青と765のゴロ、そして大きく黄色で「555」が描かれていた
いよいよ始まるラリー 初戦はモンテカルロ!
立ちはだかるは四条765チーム!
駆けつける森久保ファン!
雪に閉ざされたコースが夜の闇をわずかに照らす!
次回「走るアイドル モリクボ」