森久保ドライブ   作:ブラチーノ

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実は前の話の一週間後にはできあがっていたのですが、見切り発車のせいで今後のお話考えてなかったりバンドリ始めたりで車自体から遠ざかっていました。




DAY1

 「無理…むりぃ…」

モナコのカジノ前の広場にはトヨタ、ヒュンダイ、シトロエン、フォードのそれぞれのラリーカーがずらっと並び、多数のカメラがドライバー達を映している。

ラリーカーやドライバー達を見ようと広場は観客でいっぱいである。

ドライバー達はテレビの取材を受けたり、ファンサービスをしたり、コーヒーを飲んでくつろいだりと様々。

森久保達もここで日本のテレビの取材を受ける。

 

 

…ドレスを着て。

 

「なんでそんな目立つ格好!…森に帰りますおさらばです。」

「ちょっと待った森久保。どうせテレビ出るんだから目立つことに変わりはないし、セレブの町でパーティーなんだからドレス以外あり得ないと思ったんだよ。」

「で、でも森久保にドレスなんて似合わない…」

「何言ってんだよいつも着てるじゃないか。しかも今日のはいつもみたいな派手なやつじゃないから大丈夫だって、ほら」

「こんな社交用のドレスを着るのは久しぶりだな。」

池袋晶葉がピンク色のドレスを着て出てきた。いつもの白衣姿とは違って、いかにもお嬢様という風格がある。

「森久保もさぁ着替えて。」

渋々着替えに行く森久保。モナコまで来てはもう逃げる場所などないのである。

 

「うう…こ、このドレスは果たして私に似合ってないですよね知ってます。アルデンヌの森に帰らせて頂きます。」

「いやいやいやOK!OK!バッチグー!パーフェクトだ、森久保。」

緑色のドレスが似合っていてまるでカンヌ映画祭の女優のようだ。

「ほ、本当ですかぁ・・・?」

「ええ、すごく似合ってますわよ。」

「・・・四条さん、萩原さん、あ、あのよろしくお願いします。」

「こちらこそ、よ、よろしくお願いします。」

もちろん四条らもドレス姿である。四条貴音は白の、萩原雪歩は水色のドレスを着ている。当たり前だがすごく似合う。

「取材の時間だから移動するぞ。」

 

 

「はいではカメラ回しまーす。3,2,1」

「はい皆さんこんにちは。今、わたくし川西はモンテカルロラリーの出発セレモニーに来ています。このように多数の人で場は賑わっています。

さぁ、今回ラリーに出場するアイドルの4人に初日の意気込みを聞いていきましょう。」

「え、えーと、事故なく完走できればいいかなぁと思います・・・」

「わたくしも森久保さんと同じですわ。初日のSSはナイトステージで路面も雪の御陰でシャーベット状、おそらくスリップが多発するでしょう。焦らず慎重に走りきることを考えながら行こうと思います。」

「よ、読み間違えないように頑張ります!」

「私は車の調子を見て、不測の事態に備えるだけだ。」

「みなさんありがとうございます。では次にトヨタのドライバー達の話を聞いてみましょう。」

 

 

 

「はぁ・・・緊張した・・・。」

撮影が終わった。四条がうまく森久保をフォローしてくれてありがたかった。

「お疲れ森久保。と言いたいところだが君と話したい奴らは他にもたくさんいるからそっちにもいくぞ」

「ええぇぇ・・・むぅりぃ~。」

このあと森久保は海外メディアの取材を受けたり、ここまで駆けつけた森久保ファンに挨拶したり、他ドライバーと話し合ったりと大忙しであった。

「プリンセスモリクボってみんなほめてくれてよかったじゃないか。」

「もりくぼにとっては地獄だったんですけど・・・そろそろ出発ですから着替えてきていいですか?」

「だめです。そのまま車に乗ってゴーだ。観客に笑顔で手を振るんだぞ。」

「・・・そんな人前に出るなんて・・・むぅりぃーむぅりぃー絶対むぅりぃー」

森久保Pが運転席、森久保を助手席に押し込み、車を台の上へ動かす。このゲートの付いた台のことをポディウムという。

お偉いさんの旗の合図で出発、最初のSSポイントへ向かう。

\頑張れー森久保ォ!/ \俺たちはいつも味方だぞ森久保ォ!/ \ファイト森久保ォ!/

たくさんの声援に励まされ、たくさんの視線から逃げたいのにノロノロと走るPをイジメかと恨みながら一路フランスの山奥へと向かった。

 

 

午後5時にモナコを出発したドライバー達は午後9時にはフランス山中のトアールに到着した。ナイトステージのため車には追加のライトが付けられる。

初日は2本のSSを走る。

そしてこれらのSSは最初ながら最高の難易度を誇る。最初の1kmほどは乾いた舗装路、だがその後は雪道や凍った道が続く。さらに峠道で多数のヘアピンカーブも続く細い坂道。プロドライバーでさえ次々と事故する。

「べ、別に絶対勝たないといけないわけではないですし・・・」

「大丈夫だ。森久保にもオーダーがあるぞ。」

「え、何それ知らない・・・」

「"インプレッサに絶対負けるな"だ。」

「ひぃぃ、企業間戦争に巻き込まれますけど!巻き込まれくぼですけど!」

「さぁプレッシャーが掛かってきました。5秒前、3,2,1、GO!」

 

 

 

 

ナイトステージは、たとえ追加のライトがあっても前が全部見通せるわけではない。

すぐ前しか見えないので体感速度は普段より速くなるし、

暗闇の中から突然コーナーが現れるように感じる。

ドライバーはコドライバーの指示を信じてハンドルを切りアクセルを踏む。

「ひっ、ひぃぃぃすべるぅぅ」

乾いた道でも難しいのに、道に雪が積もる場所に突入するとさらに苦戦を強いられるようになる。

ブレーキを踏むとスリップしてしまい車が暴れる。サイドブレーキを引こうものなら即スピン。

峠道の下りなのでもちろん下り坂、道は凍っておりその先はヘアピンカーブ、曲がりきれないと崖下にサヨナラもしくは壁と熱いキスをして終了。

普通なら時速10kmも出したくないこの道で森久保含めた(キチガイ)ラリードライバーは平気でアクセルを踏む。

声は完全にアイススケート初心者のそれだが、きっちりタイヤのグリップを確かめながらコーナーを抜けていく。

「ヘアピンカーブ!イン引っ掛けろ!」

「んんっ!」ギュルギュルバンバン

滑る車を上手くコントロールしてカーブ内側の窪みにタイヤを引っかける。

レールの上を通るようにコーナーをするっと曲がってアクセル全開。

「左4、100m、右5から左2!」ブォンブォン

雪を大量に掘り起こしながら一気に加速そしてまたブレーキ。

観客の発炎筒で赤く染まった山に何十台という車のエンジン音が響きわたる。

SS1が終了し森久保は完走

タイムはss1が30分31秒3

ss2は雪が除かれ全体的に乾いた路面。

危なげなく完走しss2は18分30秒4

順位は70人中37位

エボXの性能を考えると驚異的な速さである

ラリーでは現在Bセグメントハッチバックが主流である。

日本車でいうとトヨタヴィッツ、ホンダフィット、日産マーチなどである。

それに対してエボXはCセグメントセダン。

小回りが重要なラリーでは大きいエボXは不利なのである。

 

 

 

 

 

一方四条の方はというと、

「左5、ヘアピン、右2あっ」

「あらららら」

車がスリップして180回ってしまう。

「大丈夫ですわ。すぐに戻しっ、ああっ!」ギュルギュルガコン

戻そうとしてさらにスリップしてしまい側溝にはまってしまう。

「お、落ち着いていこう!」

「ええ、ごめんなさい、焦ってましたわ。」

\大丈夫か?/ \よし、お前らそっち持て道に戻すぞ/ \オーエス オーエス/

すぐに観客が集まってきてあっという間に車は道に戻される。

「ありがとうございました。では急ぎますので。」ブォンブォンブォォォ

どこも故障が起きることはなかったが、4分ほどのタイムロスとなった。

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅ、お疲れ森久保。今日の予定はコレで終わりだ。」

「四条さんの、インプの順位は!?」

『まぁ落ち着け森久保君。四条さんはss1でクラッシュした。そのせいで順位は43番、君たちとの差は4分だ。』

無線で晶葉が情報を伝えてくれる。

「大丈夫だったんですか!?」

『ああ、問題ないよ。スリップして溝にはまっただけだ。』

「この調子でいけば四条のインプレッサには勝てるな。明日からはスピードよりミス無く行くようにな森久保。」

「もう疲れてヘトヘトですけど・・・むり~」

ホテルに着くと二人ともバタンキュー。明日のラリーに向けて疲れを癒すのだった。

 

 




森久保は四条に勝つ
だがそれは全ての始まりに過ぎなかった
インプから逃げるエボ
フランスの山々は、時速100kmで走るところじゃないんですけど・・・
次回、『DAY2』
この次も、サービス、サービスゥ!
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