音に愛されし盲目者 作:豆狸
からの難産。大変お待たせして申し訳ないです。
そして最初に一つ…主の国語力はゴミ箱に捨てました。ので皆さんが期待しているような展開になるかは…ぶっちゃけわかりません。と言うか多分なりません。
がそれでもよろしければお願いします。
最後に誤字脱字はきっとある。
黒く綺麗な髪。とても綺麗な白い肌。透き通るようなソプラノ。この3つだけでも街を歩けば殆どの人が一度は振り返るだろう綺麗なな人。だからこそ、それにとても目が行く。
両目を覆うように付けられた白い包帯が彼の視界を奪っている。
「あの!…えっと…。」
代表してイヴが話を切り出そうとしたがなんと言えばいいのかわからずしどろもどろしている。
「んー?あぁ。これのことかなー?」
彼は白い包帯を軽く弄りながら真面目な声色で話しだす。
「目がね。見えないんだよ。もうほんの微かな光すら、もう僕の目には映らないんだよ。」
「……‼」
目が見えない。それは彼女たちにとって想像すらできないことだろう。目を閉じれば光が見える。でも彼はそれすら見ることがない。というのだ。
「…す、すみません…。」
「いやいや、謝らないで?最初は不便だったけど慣れたら見えなくてもできることだらけだからさ。」
そう言って彼は少し困ったように微笑んだ。
「まぁ、確かにお客さん達が来たのに直接顔を見ることなんてもうできないっていうのは寂しいことだけどね。」
「…葵…。」
彼のその言葉に、千聖はとても悲しそうな顔をする。一番共にいるはずの彼女の姿を、彼はもう二度と目にすることができないのだから。
そんなことを尻目に彼は先程までの真面目な雰囲気を消し飛ばし、ふにゃりと笑いながら話し出す。
「さてさて〜、そろそろ自己紹介しながら〜ここに来た目的を聞こーかな〜。」
その声は先程までよりもずっと楽しそうで、ずっとゆったりとしていた。
「僕の名前は桜木葵だよ〜。うちの千聖がお世話になってます〜。」
よろしくね〜。とのびのびと話しながら手を伸ばす。握手を求めてるんだと気づいた丸山彩は手を伸ばす。
「ま、丸山彩です…。」
その手に触れた直後、葵はその手を握り引き込む。当然力なんて入れていない彼女は彼にもたれかかってしまう。
「あ、彩さん!?」
「アヤさん!大丈夫ですか!?」
「えっえぇ!?」
周りの外野の言葉を無視し、彼はそのままジタバタともがく彼女を抱き寄せる。
それは彼にとって大事なことであり、どういう人なのか。どういう子なのかを知るのにピッタリだった。
「…うん。ありがと〜。」
そう言って彼は彼女を解放する。
何が起こったのかわからない丸山彩はまだ頭に少し疑問符を浮かべている。
「ただのスキンシップだよー。話すだけじゃなくてその人に直に触れたほうがわかることはたくさんあるからねー。驚かせてゴメンねー?」
そう言って彼はまたクスリと笑いながら宣言する。
「できれば残りの人もやっておきたいなー?目で見ることはできないから何事も直に感じるしかなくてねー。」
「葵、その辺にしなさい?」
「…うん、もう満足〜。」
全員と自己紹介と共に軽く触れ合った後、彼はそう言いだす。
「さてさて、遊ぶのはこの辺にしよっか〜。それで〜?きょーはどうしたのかな〜?」
「葵、貴方にお願いがあるの。」
「…へぇ〜?めずらしーねー?」
実際、千聖が葵に頼みをするのは両手で数えれる程度であり、更に彼女の親友以外の友人も連れてくるなんてことが今までになかったから驚きなのだ。
「彩ちゃんの歌を聞いてあげてほしいの。」
「……ほぇ?」
「え?」
「いや〜少し驚いちゃった〜。そんなのでいいのー?」
本当にどうしたのだろうかと葵は考える。目の前にいるであろう千聖は自分がより高みに歩む為に自分を利用する。その彼女が誰かの為に動いたのが驚きだった。ここで彼女を育てたらこの先いつか敵になった時、それは大きな壁になるかも知れないのに。
「えぇ。だめかしら?」
「…変わったね。千聖。」
「葵?何か言った?」
「いーやー?うん、そのくらいで良いなら全然引き受けるよー。」
「えぇ。ありがとう。今日は楽器とか持ってきてないから動画のやつでもいいかしら?今日の練習終わりに撮ったやつだけど。」
「全然いーよー。それじゃ聞かせてー?」
千聖は携帯の動画を見せながら葵はそれを楽しそうに聞いている。それを見ながら周りの彼女たちは神妙な顔付きで見つめていた。
「…うん。なるほどねー。えーっと丸山さん?」
「あ、彩でいいですよ!」
「そう?それじゃ彩〜。これを言うのは残酷かもしれないけど…。」
そう前置きをおいて彼は一言一句聞き逃すことがないようにゆっくりと話し出す。
「今の彩に、これからの彩のアイドル活動の、いや、このバンドの未来はない。」
「え…?」
「いや、言い方を変えよう。そのままだと君は、自分が、アイドルの丸山彩が嫌いになる。」
「な、なんで……。」
「理由?もう知ってるはずだよ?そのためにここに来たんだろうけど。それは私がどうこうする問題じゃない。彩は、自分を見失ってるだけだよ。」
そう言って感想を述べた後千聖に携帯を返し微笑んだ。
「別にすぐ手を打たないといけないわけじゃないからさ〜彩は自分を一度見直して見るといいよ〜。そしたらまたおいで〜?」
きょーはもーおそいから帰りなー。と彼は帰宅を進め彼女達は玄関へと歩いていく。
「千聖。」
「葵?」
「彼女を支えてあげて?これはきっと、千聖が一番知ってるから。」
「……?わかったわ。それじゃまた明日。」
「はーい。」
誰もいなくなった部屋で彼は小さくポツリと呟く。
「彩、君は一番大切なものを見失ってるんだよ。それなしで観客を楽しませることなんてできないんだよ。」
誰に向けたわけでもない言葉は虚空へと消えていった。
ふと気がついた。前より少ないですね。さぁプロローグは終わりだ。さぁ、後一つバンドをだそう。というか出さないとどうしても説明ができないんだ。
感想等ぜひともお待ちしております(^q^)
あ、次の展開予想とかも皆様お暇でしたら是非是非。葵が何を思ってそう言ったのか。とか考えて見るとわかるかもしれません。が、きっとそれを作中で出すのはきっと後。イベントを走らないとダメなんです(^q^)