兄妹「ハアアアァァァァッ!!!」
直線距離を驚異の脚力で踏み切り、最速で迫る
エタルガーは大きく腕を広げて真正面から迎え撃つ気満々だ。その行為はありとあらゆる戦士を倒してきた自信の裏付けといえる
エタルガー(ウルトラマンといえど所詮は若造…今まで封印してきた戦士に勝るか試してやろう)
そう思いながら真っ向から力比べをする為に相手の腕と握りあった……瞬間
――ガシィッ!!!
エタルガー「っ!?このパワーは!!」
力比べを開始して早々に仮面の奥の素顔から余裕の笑みは消えた
エタルガー(一瞬触れただけで感じ取れたパワー……油断していた)
不十分な心構えでどうにか出来るレベルではない……下手をすれば押し負ける
クライン「セエエェェェェヤッ!!!」
エタルガー「グッ…!?ヌアァァァァッ!!?」
ブォンッ!と音を立てエタルガーは投げ出され、地に叩き伏せられたがなんとか受け身を取り、ダメージを軽減。即座に立ち上がるが既にグラビティが追撃体勢を取っていた
エタルガーはグラビティが突撃してくるのを背後からのプレッシャーで感じ取りカウンターの裏拳を繰り出す
しかしグラビティの反応は早く、屈んで避けると同時に相手の軸足を蹴り、体勢を崩した。前のめりに倒れゆく体…視界の中では既に炎を纏った拳が振り切られる
兄妹「ヴォルカニックナックル!!!」
―ズズウウゥゥゥゥンッ!!!
エタルガー「ムッ……ムウウゥゥゥッ!!」
エタルガーの体は兄妹の必殺拳一撃を受けて地面を滑るように後退した
だが倒れていなかった!寸前で腕を上げてガードしたようだ
それでもヴォルカニックナックルをくらえば並の敵なら骨が折れる。しかし堪え忍んだという事は奴の肉体の強さを象徴している
エタルガーもまた、今の攻防と痺れている両腕を見て認識を改めた
3人(こいつは…強い…!)
奇しくも3人は同じ結論を出しつつ睨み合いを続けていた
エタルガー「なるほど、これは正直舐めていた。予想を何段も超える力だ」
グラビティ「こっちもだ。ただのザコだと思ったがな」
クライン「さすが何人ものウルトラマンを相手にしただけの事はあるわね」
エタルガー「フフッ…この力…ティガのパワータイプ、ダイナのストロング…いや、もっとか?」
いまだに痺れる両腕に残る感覚…見た目から感じられぬ超絶なパワーだ
エタルガー「いいだろう!ならばこちらも本腰を入れて相手をするのが筋というもの」
ニヤァ~と笑いながらエタルガーは身に纏っていた紅い羽衣に手をかける
様子を見ていた兄妹は手を鳴らしつつ呼吸を整える
クライン「やっと本気になったの?」
グラビティ「ならかかってきな」
エタルガー「フフッ。さぁ、第2ラウンドだ…ハアアァァッ!!」
兄妹「オオォォォォォッ!!」
―ドドオオオォォォンッ!!!
今度はエタルガー自らが仕掛け、兄妹が迎撃。ぶつかり合った瞬間に轟音と衝撃が走り、大地を激震させる
兄妹「ハッ!セエエェェェェヤッ!!!」
エタルガー「ヌンッ!!ハアアアァァァッ!!!」
超時空魔神は手にした羽衣すら武器として活用し翻弄しつつ攻撃する。その為、兄妹は間合いを空けずに懐に潜り込んで防御と的確なカウンターに徹する
グラビティ(羽衣さえ攻撃手段か)
クライン(なら、リーチ差を埋めて接近戦に持ち込めば利がある!)
相手の拳を、蹴りを、休む事なく捌き、逆に自分の拳や蹴りを繰り出す
エタルガー「良い判断だ!だが…ハアァァァッ!!」
―ブンッ!!
振るわれた羽衣が兄妹の眼をわずかにかすめて隙が生じた。刹那、エタルガー渾身の前蹴りがグラビティの腹部を容赦なく蹴り飛ばした
グラビティ「ガッ!?グッ…ウアッ!!?」
クライン「兄さん!?」
―ズガッ!!
クライン「ウグッ!?ウッ…アアッ!!?」
立て続けに奴の拳がクラインの頬を打ち砕き、蹴り飛ばす。倒れゆく相手にエタルガーはご満悦で笑っていた…だが次の兄妹の行動で奴の笑いは消えた
両腕の筋力をフルに使い、ロケットのように吹っ飛びエタルガー目掛けてドロップキックを炸裂させた!!
兄妹「シエエェェェェアッ!!!」
――ドガッ!!!
エタルガー「グハアッ!?ヌグッ…こ、小癪なぁ……ムゥン!!!」
ダメージによる怒りが奴の口調を荒げ、眼光が鋭く光ったと思ったら、腕を振るって纏っていた羽衣を生き物のように動かす
キック直後の回避不能の体勢にいるグラビティの左腕とクラインの右腕にグルグルと羽衣が巻きつき…
エタルガー「ヌウゥゥゥンッ!!!」
グラビティ「オワッ!?」
クライン「ワワッ!?」
―ズウゥゥゥゥンッ!!!
力任せに引っ張られて兄妹の体は地に伏せられる。だが怒りに駆られた魔神の攻撃は休まる事を知らない
羽衣を己の体の一部のように操り、兄妹を無理やり引き起こして再び
エタルガー「ハアアァァァァッ!!!」
―ズシャァァァッ!!!
グラビティ「ガハッ!!」
クライン「グウッ!!」
叩きつけては起こし、また引き倒して地面を引きずり回す
エタルガー「ハッハッハァッ!!!そら、もう一度だぁ!!!」
渾身の力で引っ張られて兄妹の体は宙を舞う。かなりの高さから叩きつける腹らしく、邪悪な笑みが浮かぶ
だが空中に投げ出された兄妹はキッとエタルガーを睨む
兄妹「フウゥゥゥゥッ……アァァァァッ!!!」
エタルガー「なっ!?なにぃぃっ!?」
――グンッ!!!
グラビティが空いている右腕で、クラインは空いている左腕で羽衣を捕らえ、力を込めて逆に引っ張る
まさかの反撃に体を持っていかれ、思わず羽衣を握る腕の力も弱まる。拘束が弱まり、完全に体勢を整えた2人は華麗に着地し…
兄妹「お返しだ!セエエェェェェヤッ!!!」
エタルガー「ウッ…ウオォォォォッ!!?」
――ドゴオオォォォンッ!!!
盛大に羽衣を引っ張り、背負い投げでエタルガーの体を大地に埋めた
兄妹「フウゥゥゥゥ…」
エタルガー「グッ……まさかあの体勢から反撃とは…」
深呼吸して相手を見るとエタルガーは普通に起き上がった
グラビティ(ダメージはあるが、思ったより効果がなかったか)
エタルガー「いいぞウルトラマングラビティ、ウルトラウーマンクライン……こんなに楽しめるとは思っていなかった!」
クライン「まだそんな口を叩く余裕があるんだ」
エタルガー「フッハッハッ!だが楽しい遊びも終わりだ!これで最後だぁ!!」
高笑いと共にエタルガーは全身を弾丸に変えて突撃!危険を察知した兄妹は両腕にエネルギーを瞬間的にチャージすると、L字に組んで最大出力の必殺技を発射する!
エタルガー「ハアアアァァァァッ!!!」
グラビティ「グラビティショットォォォォッ!!!」
クライン「クラインショットォォォォッ!!!」
兄妹の光線が眼前を覆い尽くし敵を飲み込もうとしている……だがエタルガーはまるで動じず速力も緩めずに突撃した
エタルガー「無駄だぁ!!ヌウゥゥゥアァァァッ!!!」
―バシュウウゥゥゥッ!!!
兄妹「なっ!?」
全身が金色のオーラに包まれたエタルガーの特攻は兄妹の光線を受け流した。普段から冷静沈着でめったな事では動じない兄妹だったが……これは予想外にも程がある!
兄妹「クッ!!!」
エタルガー「どんな足掻きも無駄だ!!カアァァァァッ!!!」
―ズドオオォォォンッ!!!
エタルガーは兄妹に突撃し、2人の周囲を爆発が包み込んだ
エタルガー「予想外にしてやられた、だが俺に勝つ事は出来ぬ!」
大爆発を背に感じながらもご満悦で戦いで付いた埃を払う
エタルガー「だが、これがあのウルトラマンゼロと互角の実力者……やはり最後は奴が相応しい」
若き最強戦士・ウルトラマンゼロ
その名は外宇宙にまで轟く戦闘に秀でた戦士。ゼロとの戦いを楽しみとし最後まで残しておいたエタルガーが偶然耳にした存在。
彼の作り上げた宇宙警備隊『ウルティメイトフォースゼロ』の2大サブリーダーであり、『若き最強兄妹』の異名を持つ2人がいると…
その実力を見る事でゼロの戦闘力を確かめる算段。それに加えてグラビティとクラインを封印しゼロの怒りを買おうという魂胆
全ての目的を達し、上機嫌の魔神は撃破した戦士を封じるべく、掌にアレーナを転移させようとした……その時!
兄妹「ハアアアァァァァッ!!!」
エタルガー「なっ…まさか!?ウアアアアッ!!?」
爆発の中から雄々しく吼えた声に振り返った瞬間、白銀の刃が腹部を掠めた
すれ違い様に見えた姿、白銀の鎧を身に纏いし戦士・ウルティメイトグラビティとウルティメイトクライン全開だ!
グラビティ「お前の強さはよく分かった」
クライン「ここからは私達も本気よ」
兄妹「ハアアアァァッ!!」
エタルガー「今まで本気じゃなかっただと?ふざけるなぁっ!!カアァァァァッ!!!」
―ガギイィィィィンッ!!!
ウルティメイトソードが振るわれてエタルガーと激しく打ち合いを開始!!
怒りの叫びを上げてはいたが、ソードの脅威を肌で感じているのか回避に徹している
硬質な腕で刃の側面を打ち払い、ギリギリの所で軌道を逸らして反撃。しかし最強の攻撃力と防御力を兼ね備えた鎧に苦し紛れの反撃は効かない
兄妹「フウゥゥゥゥ!!ハアアァァッ!!!」
――ズズウゥゥゥンッ!!!
エタルガー「グカァアッ!!?ちいぃっ……貴様らぁ!!」
兄妹「ソード・レイ・ウルティメイトォォォォォッ!!!」
エタルガー「くっ…ヌウゥゥオオォォォォッ!!!」
兄妹がソードに光のエネルギーをため、振った刀身が魔神を貫こうと迫る。……がギリギリの所で奴の腕は刃を掴み全力でブレーキをかける
―ジュウゥゥゥッ!!
エタルガー「グムウゥゥゥッ!!!」
刃で掌はこすれ、傷をつけたが…ソードは奴の数m手前でギリギリ止まった
エタルガー「惜しかったな。だが…終わりだぁ!!」
エタルガーは全身を発光させて逆襲の光線を放とうとしている。ソードを握っている以上、目の前の兄妹はこれを避ける術はない
今度こそ完全に勝利を確信してトドメの攻撃を装填……だが聞こえた。兄妹の、最後まで冷静な声が!
グラビティ「ああ、終わりだ」
クライン「私達の勝ちよ」
兄妹「ハアッ!!!」
力を込めてグラビティとクラインは左腕をを掲げると、光が膨れ上がり刀身が出現した
エタルガー「二刀流だと!?…グヌウゥゥッ!!!」
兄妹「ウルティメイト・ツインスラッシュ!!!」
―バキィィィィンッ!!!
振り抜いた刃が奴の顔面を直撃したのだが…
エタルガー「ハァッ…ハァッ…」
クライン「仕留め損なっちゃったか」
グラビティ「当たった瞬間に自ら後ろに飛んで衝撃を最小限にしたようだな」
さらにエタルガーはウルティメイトソードの攻撃を受け、吹き飛んだが、大地に叩きつけられる瞬間に受け身を取り着地していた
エタルガー「ハハハハハッ!!!素晴らしい…素晴らしいぞ!!!まさか、この私にここまでのダメージを与えるとはな!!!それでこそ、封印する価値があるというものだ」
そう言って凄まじい殺気を放ちながら間合いを計るエタルガー。そして兄妹もソードを構え、臨戦態勢に入った
3人の攻撃範囲が徐々に縮まっていき最後の攻防が…
「シェエエアアアッ!!!」
兄妹「っ!?」
エタルガー「ヌウゥッ!?」
―ズズウゥゥゥンッ!!!
3人の戦いは唐突な形で終わりを迎えた。兄妹と魔神の間にウルトラマンゼロが割って入り…降り立っていた
兄妹「ゼロ!」
ゼロ「見つけたぜ!テメェだな!!メビウスやマックスを襲った奴は!!」
キッと鋭い眼光を向けてゼロはエタルガーに向けて構えた。覇気を全身から出し、さらに言葉を並べ立てていく
ゼロ「相棒達の所に来るんじゃねぇかと思ってたが正解だったようだな」
エタルガー「ウルトラマンゼロか。ここにきてさらに勇者が到着とはな」
兄妹「フッ!」
ゼロの左右に並び、兄妹も戦闘態勢を取り直す。3人がかりを卑怯とは言うまい…奴は幻を作り出し街を襲ったのだから
ゼロ「俺と相棒達が揃ったんだ。観念しろ!」
エタルガー「確かに生ける伝説たる貴様ら3人を相手にするのは分が悪い……ハアッ!!」
ゼロ「てめっ、待てコラァッ!!」
あっさりエタルガーは退き、地を蹴って飛び上がると遥か宙へと舞い、そして着地する
グラビティ「城!?」
クライン「いつの間に…」
ゼロ「またあの城か!!別の宇宙へ逃げるつもりか腰抜け野郎!!」
エタルガー「フフ、貴様らとの戦いは別の機会だ。さらばだ!」
―ゴオオォォォッ!!!
3人の目の前で時空城は起動し、宙に穴を空けて別の宇宙への航路を作り出し、不敵に見下ろす超時空魔神を乗せて…城は消えた
ゼロ「また逃げられた!!」
グラビティ「お前がウルトラサインで警告していたのはあいつか」
ゼロ「ああ、メビウスとマックスが既にやられている」
クライン「なら勝って救い出さないとね」
ゼロ「手を貸してくれるか?」
兄妹「当然だ/当然よ」
時空城では
アレーナ「エタルガー、手傷を負ったのか?」
エタルガー「御心配には及びません。凶悪なウルトラ戦士がいましたので…奴らの強さを侮りました」
アレーナ「倒せるのか?」
エタルガー「次は…必ず…!さぁ行きましょう、遊星ジュランへ」
アレーナ「よし、邪悪なウルトラマンは…全て封印する!」
オリジナルストーリーとしてグラビティ&クラインVSエタルガーでした。ゼロと双璧を成す兄妹なのでエタルガー相手でも負けません。かといって完璧に圧倒してもダメなのでかなり苦労しました
しかし、5000文字を超えるとは…(汗)次は気を付けなければ……