M A C 01 総合会議室・・・
「・・司令・・セカンド・サブ・スペース・フィールド・ディープ・ネットワークミーティングの準備は、間もなく整います・・あと3%で総てのセクションリーダーと繋がります・・・」 「・・分かった・・・」
この会議室はステーションの中でも広い方で、座席だけでも400以上はある・・・現在、M A C 01の中にいるセクションリーダーは、全員がここに集まることになる。
今、続々とメンバーが集まりつつあった・・皆思い思いに席に着く・・・。
このステーションに於ける後方支援本部長をも兼務している、藤堂 静女史に続いて会議室に入ってきた4人の顔を見て、やっぱりなと嘆息した。
「・・やっぱりお前たちが増援隊を指揮して来ていたのか・・・ステーションはどうしたんだ・・?・・」
「・・総ては順調で、予定通りですよ・・榎本司令・・」
そう応えて、M A C 03司令の西門 総二郎は軽く敬礼の真似をして席に着いた。
「・・ここを陥とされて、出鼻を挫かれる訳にはいかないからな・・・」
そう応えて、M A C 05司令の美作 あきらも隣の席に座り、脚を組んだ。
道明寺 司M A C 02司令は、何も言わずに席に着き脚を開いて腕を組んだ。
花沢 類M A C 04司令も席に着き、両肘を突き重ねた両手の甲に顎を乗せた。
「・・司令・・全セクション・リーダー、繋がりました・・始められます・・」
私は正面に向き直った。
「・・よし、始めよう・・オン・スクリーン・・・オール・オープン・・」
メイン・スクリーンが点灯し、画面は150に分割されたマルチモニターとなった。
「・・皆、忙しいところをすまないが、前哨戦ももうすぐ山場に入るので集まって貰った・・先ず、喫緊の予測事案から始めよう・・・東京、西新宿の再開発地区内で発見された凶皇仏だが・・日没後に同盟が連合で回収に動くだろう・・・こちらも戦力を集中してこれに対抗する・・・大鳥島のビッグ・ファルコンはボルテス・チームの・・・ターミナル2はザンボット・チームの発進準備に入ってくれ・・・同盟の回収部隊が現れたら、全機発進・・現在、裏高野にいる対抗部隊には、プラズマ・フェイズ・スティックを300セット転送して、日没30分前に全員を近くにまで転送する・・・ターミナル2からは増援として、仮面ライダーW・・獅子丸さん・・イチローさんとジローさん・・キャシャーン君とフレンダー・・島村ジョーさん・・ジェット・リンクさん・・アルベルト・ハインリッヒさんを時間を合わせて東京に転送する・・尚、今回は特別にギリシャの聖域から、黄金聖闘士(ゴールド・セイント)アクエリアスのカミュが参戦する・・この機会に同盟の戦力を可能な限り削減するが・・凶皇仏は同盟の手に渡すことを前提とする・・・」
「!!なんですと!?・・」 「!それは何故です!?」
思わず声を挙げたのは、慈空阿闍梨と日光だった。
「・・慈空阿闍梨様と、日光様のご懸念は充分に分かります・・・理由としては先ず、東京都内で凶皇仏を処理するには、火力が足りません・・・次に、凶皇仏をこちらで確保したとしても、保管するには危険過ぎます・・・敢えて一旦は敵に渡した方が、その後の凶皇仏の動向をコントロールできます・・・同盟が凶皇仏をパミール高原で、伏魔塔出現の為に使う事は確実ですので・・その場で凶皇仏は確実に始末します・・・作戦の詳細については、これから順次、ご説明します・・・それでも尚疑問があれば、質問して下さい・・・それでは、続けます・・次に、青ヶ島港での海江田艦長との会見ですが・・私は『アークエンジェル』で、実際に降下します・・当然、同盟が私を狙って、戦力を集中してくることが予測されます・・・ターミナル2は、ムーンライトY X 1・2・3・・・X Z 1・2・3・・・X X 1・2・3・・・Z Z 1・2・3の、計12隻の発進準備・・・私と海江田艦長との会見が始まる30分前までに、周辺のポイントに到着すること・・・現在、M A C 03と04からソーラーシステム・ミラーが運搬され・・軌道空間のあるポイントで、コントロール艦『センテ・ナリオ』の指揮により・・ミラーの展開と配置作業が進行中です・・・青ヶ島港で私を狙って同盟の戦闘艦や戦闘機が現れたら・・アークエンジェルとムーンライトシリーズで撃退します・・・戦闘獣や戦闘ロボット・・無人機動兵器・・空間攻撃機・・各種怪人やサイボーグなどが現れた場合には・・ここと02が共同でそれらの総てにロックを掛け・・月面の集光焦点ポイントに転送し・・直後にソーラーシステムが太陽光を集約して・・それらを処理します・・・海江田艦長との会見の中で私は・・ネプチューンとポセイドンを世界にお披露目して・・海江田艦長が唱えている『沈黙の艦隊』構想に、両艦を組み入れる事を表明します・・・この、青ヶ島周辺海域に於ける作戦は・・パミール高原での作戦の前に、同盟が複数ヶ所に於いて仕掛けて来るであろう陽動作戦に対して、先手を打つ意味もあります・・が、それでも陽動作戦は複数ヶ所で仕掛けられるでしょうから・・全セクションはどのような事態の急変に対しても即応できるよう・・東京西新宿での攻防戦以降は・・第1級の警戒態勢に入るように・・・それでは、パミール高原での作戦についての、詳細に入ります・・・X タイム30分前までに、梁山泊の船団はX ポイントからの20キロ圏内までには到達するように・・・そのための援護として、グレートマジンガーとゲッターロボGを船団に派遣します・・・両機とも、西新宿での作戦終了後に直ちに発進・・船団に追随して急行し合流するように・・・ジャイアントロボは現在、修理と換装作業中ですが・・終了次第直ちに発進し、船団に合流するように・・・同じく30分前の配置についてですが・・・アルビオンとラー・カイム、ラー・エイム、ラー・ケイムの4艦は大気圏突入フェイズ3・・・ガランシェールはフェイズ2・・・ファントムペインはフェイズ1・・・ネエル・アーガマとキング・ビアルはX ポイントの直上、高度800キロの軌道空間にて、ミラージュコロイドで遮蔽しつつ展開・・・その周辺宙域にラー・カイラム、ラー・チャター、ラー・エルム、ラー・キエムの4艦が同じく遮蔽しながら展開し、両艦を護衛する・・・同じく30分前までに、ムーンライトF X 1・2・3・・・S X 1・2・3・・・W X 1・2・3・・・S S 1・2・3の12隻は、Xポイントを包囲する形で20キロ圏内にまで到達する事・・・以上が30分前の配置です・・・さて、X タイムに入れば恐らく、X ポイントそのものか、そこからごく近い場所で、六道衆闇曼荼羅八葉の陣が展開されると思われる・・・その陣の中心に凶皇仏がいるはずだ・・・そしてその陣は・・宇宙からでも確認できる・・・ネエル・アーガマとキング・ビアルと護衛しているロンド・ベル艦隊は・・Xタイム5分前までにハイパー・メガ粒子砲と、プラズマ・イオン砲と、ハイパー・スクラム・トランスフェイザー砲の発射準備を完了すること・・・Xポイントの近辺で八葉の陣を確認したら、全艦は砲撃照準を陣にロックし、ミラージュコロイドを解除し、同一タイミングで狙撃を集中する・・それが作戦開始の合図であり、凶皇仏を確実に消滅させて、八葉の老師にもダメージを与える・・・闇如来は無理でも・・闇菩薩の内の一体は始末したいところだ・・・」
私はそこで言葉を途切らせ、コーヒーカップに口を付けた。
「・・・ともかく・・この砲撃を合図として、ポイント包囲部隊は突入を開始し、大気圏突入部隊は降下部隊・チームの発進を開始する・・ネエル・アーガマとキング・ビアルはミラージュコロイドを再展開して離脱コースに入り、両艦を護衛していたロンド・ベル艦隊は、大気圏突入フェイズ1に入る・・・また、今まで総てのセクションリーダーに対して報告はしていなかったが・・我々の中の専門チームは今から2年前に、『阿修羅』を発見し、保護して教育と訓練をある場所で施してきていた・・・現在彼女はこちらの要請に応えて、六道衆の中に潜入し、光と闇の力を併せて強く行使できる者の発見と、彼らに接触して関係を構築し、保護するための任務に従事して貰っている・・・彼女からの報告によれば、現在六道衆が用意している能力者は先ず、『天宇受売命』(アメノウズメ)と、同盟が世界中から能力の素養を持つ人間を拉致して集め、彼らの遺伝情報を掛け合わせ、合成して生み出した人工の能力者・・『オカン』と『オルガ』の姉弟がいるとの事で・・関係を構築している途中であるとの事だ・・・六道衆がこの能力者の彼らを、地上に出現した伏魔塔に施されている前アテナの封印の除去に用いようとするのは確実だろう・・・我々はこれを阻止し、彼らを保護して脱出させ、回収する事を本作戦の目的とする・・・我々の部隊が突入を開始したら、阿修羅は彼らを誘導し、六道衆の本隊から距離を取らせる・・・そこで我々の部隊が六道衆の本隊を攻撃し、同時に阿修羅は彼らを誘導して離脱させる・・・その後、我々の降下チームが彼らを保護し、こちらの艦隊に収容して脱出する・・・これが本作戦の概要である・・・尚、これを成功させるための陽動として、前アテナの封印は、こちらの手で除去する・・それで離脱・脱出のための時間が稼げるだろう・・それでも追撃されるようなら、後から降下したロンド・ベル艦隊が敵の追撃部隊に攻撃を加えてこれを排除し、子供達を回収した部隊の脱出を援護する・・言うまでもなく本作戦に於いても、同盟の部隊は可能な限り削減させる・・・作戦についての概要は以上です・・具体的で詳細な編成については省きましたが・・質問はありますか・・?・・」
「・・八葉の陣を撃って凶皇仏を始末し、八葉の老師にもダメージを負わせるなら、伏魔塔の出現は阻止できるのではないのかね・・?・・」慈空阿闍梨殿だ。
「・・いや、同盟は可能な限りの戦力と能力を結集して塔を引っ張り出すでしょう・・・何故なら、このXタイムの時機を逸すれば、まだ前アテナの封印の効力が残っているので、塔を地上に出現させられる可能性は、またかなり低下してしまいます・・また相当な年数を待たなければならなくなるでしょう・・過剰とも思えるほどの力と数を用意する筈です・・」
「・・では何故そのアテナの封印を、こちらの手で除くのです・・?・・」日光殿だ。
「・・一つには先程も言いましたが、陽動の為です・・向うはまさかこちらが封印を剥がすとは思っていないでしょうから・・驚いている間だけ時間を稼げます・・・もう一つには、効力が残っているとは言っても、いずれそれは尽きます・・・尽きれば自然にも封印は剥がれ飛び、108の魔星は復活して飛び出し、世界中に飛び散るでしょう・・・言うなれば、塔の出現は阻止できないし・・魔星の復活は避けられない・・・ならば、それらをこちらに有用にコントロールする事です・・・」
「・・具体的には、どうしようと言う事なのですか・?・」グレタ・ガルボの黄先生だ。
「・・予めステーション01から05までのセンサーシステムを割り振って準備し、108の魔星が飛び出したらその総ての航跡をインターセプト・トレースして、どこの誰に取り付いたかまで追跡します・・・お分かり頂けるとは思いますが、力はただ力です・・・魔星に取り付かれたとしても、その人間が100%ダークサイドに堕ちるとは限りません・・力はただ力ですからね・・・根気の要る事で、様々に難しい側面も多々あるとは思いますが・・魔星に取り付かれた人々のその後の動向・動静をトレースし・・接触して関係を構築し・・様々に影響を与えて可能な限り、こちらの側に組織します・・・長くなれば数十年は掛かるようなプロジェクトになるだろうとは思いますが・・こちらもそれなりの体制を構築して・・諦めずに注力し続けます・・」
「・・それで・・・榎本さん・・・貴方はガランシェールに乗るのですか・・?・・あまりにも急な話で、貴方が青ヶ島に降りる事についても・・我らは意見を言えませんでしたが・・・その件についても、我らは大いに懸念しております・・・まだ前哨戦の山場にもならない内に・・貴方の姿を人目に晒すのもマズいのに、況してや戦闘になる可能性の高い場所に自ら降りるなど・・何故なのです・・?・・貴方の能力も、力も、技も、技術も、速さも、まだ奴らに知られる訳にはいきません・・・私は乗りますよ・・アークエンジェルにも、ガランシェールにも・・・他の九大天王のメンバーもね・・・梁山泊の師範も全員呼び寄せます・・・」静かなる中条が、珍しく言葉を紡いだ。
「・・中条長官・・・私が青ヶ島に降りるのは、会見の為です・・・戦うためではありません・・・戦うつもりもありません・・・パミールに降りるのは、子供達を保護して連れ出すためです・・・戦うためではありません・・・」
「・・いや、貴方は自分の手でアテナの封印を剥がすつもりじゃろ?・・・アテナの封印を剥がした者には、地獄の業火が襲うと言う・・・そんなことはさせられんね・・・青ヶ島に降りるのは、百歩を譲って止むを得ないにしても・・・貴方がパミールに降りるのは認めんよ・・00№サイボーグは全員、アークエンジェルにもガランシェールにも乗るよ・・」断固とした口調で、ギルモア博士が言った。
「・・我々としても、認める訳には参りませんな・・・聖闘士の数が揃っておりませんので・・これまで参戦への辞退に対して、ご容赦を頂いておりましたが・・・貴方を戦場に降ろすくらいなら、我々も乗りますよ・・・この聖域を空にしてでもね・・・」
聖域の教皇も、仮面を着けたままだったが静かに言い切った。
「・・皆、考える事は同じだな・・って事で、俺と海東は勿論なんだが・・他のライダー達も全員・・両方の艦に乗るぜ・・・青ヶ島では、あんたの近くに敵は近付けさせないし・・あんたがガランシェールに乗る必要はない・・・」
ターミナル2の中央指令室で、腕組みをして立っている海東 大樹の前で、カメラに向かって両手を広く突いて上半身を乗り出して見せたまま、門矢 士が言った。
「・・しかし、アテナの封印を剥がす役目を・・
「・・その役目は世界の破壊者であるこの俺にこそ相応しいと思ってたんだが・・是非自分にやらせて欲しいとの申し出があってね・・・今回は譲ったよ・・・」
と、私の言葉を途中で遮って士君が言った。
「・・誰かね?・・それは?・・」
「・・ミスター・アダム・・ついでにドクター・ヘンリー・モーガン先生に彼から伝言だ・・『・・心配はいらない・・シャングリラの海辺で待っていて欲しい・・』・・とね・・」
私は一つ息を吐くと、両手を軽く拡げて挙げ、負けを認めた。
「・・分かりました・・・子供達の保護と回収・・そして脱出については、皆さんにお任せしますので、出来る限り乗って下さい・・お願いします・・他にはありますか・・?・・」
「・・シーバットは今後、どう扱うんだ!・・」
道明寺 司が、姿勢を全く変えずに大声で言った。
「・・シーバットとの間での契約履行に関しては・・『ヤマト計画』に修整を加えます・・」
「・・まさかシーバットとヤマトをワンセットにするんじゃ・・?・・」
ターミナル2でアルベルト・ハインリッヒが鋭く反応した。
「・・さすがですね・・状況の推移によっては、大気圏内でのヤマトの運用を海江田艦長に一任する事になるかも知れません・・・」
「・・海江田艦長と言う人は、そこまで信頼に足り得る人物なのですか・・?・・」
「・・信頼は充分にできる人物だと思いますよ、フィンチさん・・まあヤマトの運用に関しては、あくまで状況の推移とその様相次第ですがね・・・」
「・・ヤマトはもう完成してるのか・・?・・」西門 総二郎だ。
「・・完成はしている・・・最終の調整にもう暫く掛かるだけだ・・・」
「・・ところで、マクロスの改修の方はどうなっているのかね・・?・・」
と、ビッグファルコンの中央指令室から浜口博士が問い掛けた。
「・・あれは何しろ巨大なものですので、完成までにはまだまだ掛かりますね・・」