日本・衆議院・外交、外務、防衛拡大委員会・・・
日本社民党・高木 敬一郎議員・・・
「・・首相及び防衛大臣に対して、質問及び要求します・・政府・現政権は直ちに、シーバットプランに付いての総てを開示し、時系列に沿って、詳細を説明して下さい・・そして、それが何故、国民や国会から秘匿され、秘密裏に決定され推進されてきたのか、最初からの詳細を開示して下さい・・それが義務であり。責任です・・・責任と言えば、この責任は重大であります・・日本社民党は速やかなる解散総選挙を断固として要求します・・・また・・現在、シーバットは青ヶ島に接近中です・・・SSDOなる組織の代表者との会見の為だそうですが・・・政府・現政権はシーバットをどのように認識し・・どのように対処するのですか・・?・・その対応プランの詳細についてもお答え頂きたい・・・」
「・・内閣総理大臣、竹上 登志雄です・・これまでの10年間で、1年間での、ロシア軍所属航空機による日本領空への接近・侵犯の件数は、1.87倍・・・同国所属の艦船による日本領海への接近・侵犯・海峡通過・原潜による接近の件数は、1.89倍に昇ります・・・また、朝鮮半島より進発した軍属航空機による接近・侵犯の件数は1.88倍・・艦船による接近・侵犯の件数は1.87倍に昇ります・・・そして中国軍属航空機によるそれは、1.91倍・・・艦船によるそれは、1.89倍に昇っています・・・日本の領海・領空を防衛する必要性・必要度はますます上昇しております・・・日米協力共同での合同推進プロジェクトとして、防衛新戦力として検討されておりました幾つかの案件の中で、その中の一つに於いて共同での研究・開発・導入が行われておりました・・その対象とされておりましたのが、新型の攻撃型原子力潜水艦でありました・・・最初の発案はアメリカ側からでしたが、それがシーバットプランの発端でした・・・最新鋭の攻撃型原子力潜水艦の研究・開発・導入を日米共同で行い、その1番艦が完成してロールアウトするまでの間に・・海自の潜水艦クルーを選抜し・・分散させて米原潜に乗艦させ・・一定期間での操艦研修を受けさせる・・その後、完成した1番艦に乗艦させ・・一定期間での実地操艦研修の後に・・乗員は海自の自衛官ではありますが・・艦はあくまでも米海軍の所属として・・就航・就役の予定でした・・その後・・建造が続く予定ではありました、シーバットクラスの2番艦若しくは3番艦を日本政府がアメリカから購入し・・海自所属の攻撃型原子力潜水艦となったそのシーバットクラスの艦に・・シーバットクラスの1番艦から海自所属の乗員を移乗させる・・予定が描かれておりました・・が・・当該艦シーバットは、その実地操艦研修の2日目に反乱を起こして逃亡・・議員諸兄の皆さんも周知の経過を辿っております・・・そして現在シーバットは・・独立国やまとを僭称し・・SSDOなる団体組織の代表者との面会・会談のために・・青ヶ島に接近中であります・・日本政府は、この当該艦シーバットをあくまでも米海軍所属の戦闘艦艇であるとして・・対応します・・海自所属の機動艦艇を青ヶ島の領域に派遣し・・シーバットに接触して対話し・・説得して帰隊を促す方針であります・・具体的には海自の攻撃型ディーゼル潜水艦1隻を既に差し向けており・・後続の支援・援護・防衛を任務としまして・・第1護衛艦群と第2護衛艦群に出動を命じました・・青ヶ島の当該海域には・・既に米海軍の原潜群が到着していると観られ・・米海軍の洋上艦隊も・・三つの方位から接近中であります・・また・・未確認ではありますが、ロシアの原潜が潜航しているとの情報もあります・・そして、当日の会談予定時刻前には・・宇宙から宇宙艦艇が降下してくるとの予測もあります・・もしもそうなれば・・明白な日本領空に対する侵犯行為となりますので・・その認識の上で・・対応・対処する方針でもあります・・雑駁ではありますが、以上が基本的な対応方針となります・・・」
高木 敬一郎議員・・・
「・・米海軍はシーバットに対して無条件での即時降伏と武装解除を要求し、乗員共々連行する方針であると観られますが・・シーバットがそれに対して容易に応じて従うとは思われません・・米海軍とシーバットとの間で、戦端が開かれてしまう可能性が高いと観られますが・・それについてはどのように考え、どのように対処なさるのですか・・?・・更にシーバットには核弾頭を搭載できる機能があるとされていますが・・シーバットの現クルーが、核弾頭を搭載したか否かの確認は採れているのでしょうか・・?・・そして、シーバットが核弾頭の存在を脅しででも使った場合や・・実際に使用すると脅してきた場合や・・考えたくありませんが実際に使用してしまった場合には・・どのように対処なさるのですか・・?・・」
「・・竹上です・・米海軍の意図するところはそのようなものであろうと認識しております・・が・・我々としては、あくまでシーバットと対話し、説得して日本に連れ帰る事を目標として貫徹する方針であります・・シーバットと米海軍との間で戦端が開かれることは・・我が方の護衛艦群を、その間に割り込ませてでも阻止する決意であります・・我が方はあくまでも専守防衛が、その基本姿勢でありますので・・こちらが先に砲門を開くだなどと言う事はあり得ません・・・また、確かにシーバットには、核弾頭を搭載できる機能があります・・が・・現シーバットが実際に核を搭載しているのか否かについては・・残念ながら未確認であります・・が・・艦体の最終チェックを現クルーが行ったと言う事は、確認が取れております・・現シーバットの艦長は、前『やまなみ』の艦長でありました、海江田 四郎海将補であります・・彼の性格とこれまでの経歴・動向を精査し分析致しました・・・その結果、彼が核弾頭の発射を実際に命令する可能性は・・極めて低いであろうと言う結果が得られました・・ですが・・事態の推移の中では、どのような事が起こるのか、予測が立ちにくい事も事実であります・・ので・・こちらとしては、シーバットがそのような状況に陥る前に同艦と接触し、或いは拿捕し、対話し説得して日本に連れ帰る・・あくまでもこれを貫徹する姿勢が肝要であろうと考えます・・・」
高木 敬一郎議員・・・
「・・シーバットに接触しようとする海自艦艇に対して、米海軍が妨害しようとした場合・・実際に妨害した場合・・海自艦艇の外側からシーバットを攻撃しようとした場合・・実際に攻撃した場合・・また更に・・海自艦艇を敵視して攻撃しようとした場合・・実際に攻撃してきた場合には・・どのように対処するおつもりですか・・?・・」
「・・竹上です・・事態が現場でどのように推移するのか分かりませんが・・重ねて申し上げます・・・こちら側が、先に攻撃目標を敵性対象であると設定して・・銃撃する、砲撃を加える、或いはミサイルを発射する事はしない、と申し上げます・・相手からの体当たりを受け止めたり・・発射されたミサイルを着弾する前に迎撃して撃破する事は、あり得る場合があるかも知れません・・・」
高木 敬一郎議員・・・
「・・SSDOなる団体組織が宇宙空間から宇宙艦を大気圏内に降下させ・・青ヶ島の上空に接近してきた場合には、どのように対処するおつもりですか・・?・・」
「・・竹上です・・日本政府はSSDOをある種の団体組織であると認識しておりますが・・どのような団体組織であるのかと言うような認定には至っておりません・・これは、国家としても、現状では認識していないし、認識すべきなのか?などと言うような見解さえ、出し得ていない、と言う状態でもあります・・とは言え、ある種の外部勢力であるとの認識・認定はせざるを得ない情勢であろう、との考えは持っております・・その外部勢力が、保持し所有し、その勢力に所属している・・機動航行物が・・わが日本の領空に許可なく接近し・・許可なく侵入しようとするなら・・それは明白な侵犯行為であると、認識せざるを得ないでしょう・・よってその場合には、空自のスクランブル・チームを直ちに発進させ・・必要な対応措置を採るでありましょうと、この場に於きましては申し上げます・・」
高木 敬一郎議員・・・
「・・こちらからその航行物に対して・・接触して警告を与える、と言う事が行われる、と言う事で宜しいのでしょうか・・?・・また、その警告に対して返答があった場合・・更なる対話が行われる・・と言う事もある・・と言う事でも宜しいのでしょうか・・?・・」
「・・竹上です・・現場での事態の推移によっては・・状況としてそのような事態の流れにも成り得るかも知れない・・とは、申し上げます・・・」
高木 敬一郎議員・・・
「・・原潜、シーバットは現在・・『独立戦闘国家・やまと』を僭称し・・SSDOなる団体組織との間で・・既に同盟的な契約を締結していると・・双方ともに認証・認定していると観られます・・・私もあのオープンチャンネルの中での会話は聴いておりましたが・・シーバットが攻撃されようとした場合・・SSDOがそれに対して対抗的な行動を採る可能性は高いと観られるでしょう・・・その場合、こちらとしてはどのような対処しますか・・?・・」
「・・竹上です・・そのような場合に於きましても・・同様の答弁になるかとも思いますが・・そのような状況になる前に・・こちらが先にシーバットに接触し・・囲い込んで拿捕する形で同艦と対話し・・説得して守りつつ・・日本に連れ帰る事を第一義に於いて行動し・・貫徹する決意であります・・・」
『オーブ』・本島ヤラファス島・首都オロファト・枢密院(5大首長会議)・・・
通称で5大首長会議とも言われるオーブの枢密院だが、現在の構成メンバーは6名である。
アスハ家より、オーブ代表首長、ウズミ・ナラ・アスハ。
サハク家より、首長、コトー・サハク。
セイラン家より、首長、ミナト・ユマ・セイラン。
ヤシマ家より、首長、アマト・スサ・ヤシマ。
サハル家より、首長、ウズマ・ヤサ・サハル。
ナハト家より、首長、サナク・マノ・ナハト。
「・・では、始めよう・・先ず、火山活動に変化は・・?・・」
枢密院議長でもある代表首長、ウズミ・ナラ・アスハが口火を切った。
「・・ハウメアは、微動で0.7ポイントプラス・・体圧で0.4ポイントプラス・・噴気で0.8ポイントプラス・・警戒レベルは3で変わりません・・・ラーフは、微動で0.8・・体圧で0.85・・噴気で1.0・・それぞれプラスです・・警戒レベルは一つ上がって3です・・・クラストは、微動0.7・・体圧0.75・・噴気0.7・・それぞれ上がってレベルは4で変わりません・・・ミルスラは、微動0.9・・体圧0.85・・噴気0.8・・これもそれぞれ上がってレベルは4.5です・・・この2年・・なだらかですが、活動レベルは上がっています・・が、早期に対策が必要と言う程の事でもない・・との報告です・・また、8ヶ月前にハウメアの北北東85キロの海底で起こった地震と・・4ヶ月前にラーフの南東95キロの海底で起こった地震は・・人工のものである可能性が高いと言う報告も来ています・・・」
ウズマ・ヤサ・サハルがPADを見ながら報告した。
「・・その二つの深度と震度は・・?・・」
「・・深度は共に250キロの近辺で発生しました・・・震度は震央でほぼ5でした・・・」
「・・周辺の環境に変化は・・?・・」
「・・ミルスラから東南の海底で、新しい噴気点が二つ・・・ハウメアの北東の海底で二つ・・・ラーフ南方の海底で二つ見つかりました・・まだ噴火ではないそうですが・・その影響で噴気点周辺の海流に少し変化があります・・・」
「・・漁場への影響は・・?・・」 「・・まだ顕著にはありません・・・」
「・・一先ずは、良いだろう・・他に国内での問題や案件で、ここで討議すべきものはあるのか・・?・・」
ウズミ・ナラ・アスハが問い掛けたが、誰も発言しなかった。
「・・よろしい・・では、海外や国際関係での問題や案件に移ろう・・・早速だが、我が国の国連駐在大使を筆頭に・・アメリカ・ロシア・イギリス・フランス・ドイツ・イタリアに駐在する我が国の大使が・・非公式ながら質問を受けている・・(シーバットをどう考えているのか?)・・と、言うようなものだ・・・」
「・・エシュロン・ネットワークに参加している国々だな・・」と、コトー・サハク。
「・・シーバットは既にSSDOと契約を締結している・・単独で考えて良いものではない・・」
と、アマト・スサ・ヤシマ。
「・・海江田艦長は、何故オーブの名を出したのだ・・?・・」と、ミナト・ユマ・セイラン。
「・・我が国と日本との・・裏面での関係や・・双方が秘匿している戦力についても知っているのだろう・・彼の父親は、日本会議のメンバーであったし・・このオーブに武官として駐在していた事もあったからな・・・」と、コトー・サハク。
「・・彼の言う『沈黙の艦隊』構想に・・我が国の秘匿戦力を、当てにしているのでしょうか・・?・・」と、サナク・マノ・ナハト。
「・・フン・・例えそうであるにしても・・現時点で、我らが一顧だにする必要はない・・・海江田四郎艦長がその口で再び我が国について言及し・・オーブと指名して呼び掛けるならば・・こちらがそれに応えて口を開く事があるかも知れないし・・シーバットが我が国の近海に接近するようなら・・我らが物理的な行動に移る可能性も高まるだろう・・そうならない限り・・こちらが先に反応する必要はない・・・」
と、ウズミ・ナラ・アスハが、やや憮然として言う。
「・・日本に駐在する我が国の駐在大使に対して・・日本側から何らかの接触はあったのか・・?・・」と、ミナト・ユマ・セイランが訊く。
「・・いや・・日本に駐在する大使からは・・そのような報告は挙がっていない・・・」
「・・日本会議からこちらに呼び掛けは無いな・・?・・」
「・・無いですね・・日本会議との間での・・年に一度の定期交信に、異常はありません・・」
「・・日本がシーバットを、アメリカの眼を欺き・・その手もすり抜けて・・囲い込めると思うか・・?・・」
「・・かなりに奇抜なトリックを使ってこないと・・厳しいと思いますね・・あとはSSDOがどのように絡んでくるかで・・結果は違ってくるでしょう・・・」
「・・観るべき点があるとすれば、会談を成功させるために、SSDOが展開させると思われる、防衛力の内容ですね・・・」
「・・日本はシーバットを守る為に、秘匿戦力まで出すとは思えないな・・・」
「・・それは無いでしょう・・・直接的に日本が危ないわけではないですから・・・」
「・・ミナト殿・・防衛省を通じてオーブ海軍に、一個艦隊を青ヶ島方面に向けての我が国領海内に展開するようにと・・・潜水艦部隊も、相当数を出来るだけ広範囲の海底に展開するようにと、指示を出してください・・・」
「・・分かりました・・そのように指示を出します・・」
「・・ウズマ殿・・国務省・・中央情報局・・宇宙開発局などを通じて、何機かの対地観測衛星の軌道を少し変えて・・青ヶ島を複数の方位から、集中して観測できるように指示して下さい・・・」
「・・了解しました・・そのように指示します・・・」
アメリカ・ニューヨーク・FBI対テロ特殊捜査拠点・通称『郵便局』・・・
エリザベス・キーンとサマル・ナヴァービとミーラ・マリクが疲れた顔で帰って来た。額に汗を光らせて、肩で息を吐きながら、片手でコートを掴んでいた。
「・・お帰り・・ご苦労・・お疲れさん・・暫くだが休んでくれ・・大変だったな・・・」
副部長のハロルド・クーパーが声を掛けて労う。ドナルド・レスラーがエリザベス・キーンとミーラ・マリクに・・アラム・モジタヴァイがサマル・ナヴァービに飲み物のカップを手渡す・・三人とも受け取って椅子に座った・・・。
「・・皆ご苦労だった・・休みながらで良いから聴いてくれ・・今朝早くにあったとされる銃撃戦についての捜査は・・引き続きニューヨーク市警と合同で続行する・・確かに手掛かりは極度に少ないようだが・・全く無いと言う訳ではないからな・・・先にエリザベスから報告があったが・・レディントンからエリザベスに次のターゲットについての提示があったそうだ・・私から話そうか・・?・・」 「・・いえ、私から・・」
「・・じゃあ頼む・・」 エリザベス・キーンは立ち上がると、紙ナプキンで口を拭い、ブラウスの裾を引っ張った。